異世界転移した結果、最弱から最強になった上にハーレム尽くしになった件について。

香取鞠里

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1.目が覚めたら異世界でした

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 気づいた時には遅かった。

 この日は朝から降り続く雨で視界が悪く、さらには冬至が近いことから夕方五時とはいえ、すっかり辺りは暗くなっていた。

 すっかり見通しの悪くなった道路を横切ろうとしたとき、目が眩みそうになるほどのライトが俺の視界を包み込む。

「────うわっ」

 気づいた時には、俺──藤堂とうどう たくまは、鈍い衝撃音とともに未だかつて感じたことのない痛みに襲われた。
 
 事故に遭ったんだ。
 
 ぼんやりと横断歩道を渡っていた俺は、対向車線から車が来ていることに気づかなかったんだ。
 
 こうなってから後悔したって遅い。
 
 遠退く意識に抗えないまま、俺は静かに目を閉じた。
 
 
 *
 
 
 目が覚めると、俺はベッドの上に寝ていた。
 
 ここは、どこだ……?
 
 キョロキョロ見回すと、見慣れない大きいベッド。
 
 ベッドの周りにあるカーテンの向こう側ち見える壁側には鎧とかが置いてあって、まるでお城の中の世界のようだった。
 
 
 ってか、何で俺、無傷なんだ……?
 
 確かに俺は事故に遭ったはずだというのに、どこにもケガらしきものもなければ、どこも痛くもない。
 
 不思議に思いながらぼんやりとしていると、

「目が覚めたのですね」
 
 どこからともなく、甲高い声が響いた。
 
 誰だ?
 
 怠い体を起こして顔を上げると、腰まであるウェーブの金髪の女の人。
 
 めちゃめちゃ美人だ。
 
 青色の大きな瞳を囲うまつげは長く、鼻は小さく、ぽってりとした唇は可愛らしい。
 
 細身の体とは対照的にふくよかな胸元に思わず視線を奪われそうになる。
 
 歳は俺と同じ、二十五といったところだろうか。
 
 
「あなた、気を失っていたのですよ」

「……え? ああ、俺、事故に遭ってそれで……」
 
 この人が、助けてくれたのか?
 
「助けてくれて、ありがとうございます」
 
「いえ。見ない格好ですが、どこのお国の方ですか?」
 
 言われて見ると、目の前の女性は水色の丈の長いドレスのようなものを身にまとっている。
 
 一方で俺は、制服の学ランだ。
 
 もしかして彼女は、見た目からも外国の人なのかもしれない。
 
 とはいえ、日本旅行に来たにしては変な質問だなぁと思うけど。
 
「俺は日本人です」
 
「ニホン……? それはどこのお国でしょうか?」
 
 どういうわけか言葉は通じているのに、話は通じない。
 
 俺も目の前の女性も首をかしげるばかりだ。
 
 っていうか、俺、事故ったからって国外追放されてしまったのか?
 
「……すみません、ここはどこか教えてください」
 
「ここは、アルタイル王国です」
 

 ──は? そんなの、聞いたことがない。
 
 どうやら俺は、事故に遭った衝撃で本当にどこかわからない土地へ転移してしまったようだ。
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