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俺――御神巧、17歳。 帝理高校に通う、ごく普通の高校二年生。 家は貧乏。 放課後は喫茶店でバイト。 趣味はアイドルの推し活。 クラスでは陰キャオタク扱い。 そんな俺の日常が、二年生になった春から急におかしくなった。 人気アイドル女子高生の水原真希。 学校一の金持ち大和撫子、黒峰麗華。 喫茶店の看板娘でモテギャルの黄瀬エミリ。 昨日まで俺のことなんて眼中になかったはずの三人が、なぜか俺に異常なほど構ってくる。 クラスメートたちも妙だ。 昨日まで犬猿の仲だった奴らが、まるで昔からの親友のように笑い合っている。 俺だけが知らない、何かがある。 そして俺は、まだ知らない。 ――クラスメート全員が、十年前に一度「異世界転移」していたことを。 魔王と戦い、仲間を失い、世界を救った十年間。 その中心にいたのは、俺――御神巧だった。 異世界で「深皇」と呼ばれ、三人の美女とエンゲージを結び、仲間たちを導き、皆を助ける為、愛する三人の妻を守る為、命を散らした英雄。 しかし、女神が彼らの願いを叶えたことで、全員は異世界へ召喚される直前の時間へ戻された。 既に異世界で死んでいた一人を除いて。 その一人である俺だけは――十年間の記憶を持たない。 つまり今の俺にとって、彼らはただのクラスメート。 そして彼らにとって俺は――命を懸けて守り、愛した「親友」であり「英雄」。 記憶を失った俺と、俺を知り尽くしているクラスメートたち。 これは、 「俺だけが何も知らない」 そんな状態から始まる、二度目の異世界と青春の物語。
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