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「鬼崎さん、待って!」
聡介は部屋を出て行こうとする鬼崎の腰に抱き着いて引き留めた。
「置いて、いないで。ここに、いて」
初めての発情期に体の熱はどんどん上がっていくばかり。その上、こんな来た事もないところに一人残されるのは怖かった。そしてそれ以上に、体がこの目の前にいる男を欲している。
「鬼崎さんっ」
腰回りをぎゅっと抱き締めれば、鬼崎のいい匂いが聡介を誘惑する。
……ああ、やっぱりいい匂い。もっと嗅ぎたい。触れたい。
聡介は無意識に抱き着く鬼崎の腹に顔を押しつけ、薄いシャツの上から匂いを嗅いだ。すると不思議と後孔が濡れるのが分かる。でもそんな不快感もどうでもいい。
「……聡介君っ」
名前を呼ばれて見上げれば、色っぽい表情をした鬼崎がいて聡介は胸も腹の奥もますますきゅんっとする。
「鬼崎さん」
「聡介君……これ以上ここにいたら、俺は君に何をするかわからない。だから離してくれっ」
鬼崎は懇願するように言ったが、それは今の聡介にとって願ったり叶ったりだった。
「いい。俺……鬼崎さんになら、なに、されても」
ぽーっとしたまま聡介が心のまま告げると鬼崎はぐっと堪えるような顔をし、それから「はぁ」と大きく息を吐いて天を仰いだ。
「可愛さの暴力だな」
鬼崎は一人呟くように言った後、聡介に視線を戻して頭を優しく撫でた。
「聡介君。何されてもいいなんて簡単に言っちゃダメだよ。……でも、聡介君が落ち着くまで傍にいて、触れてもいい? 最後まではしないから」
欲しかった言葉を貰えて聡介は「ん」と答える。
「じゃあ……とりあえずそれをどうにかしようか」
鬼崎は聡介の股間を指差して言った。なので聡介は指の先を見る。そこは気が付かない内にズボンを突っぱねさせて、しっかりとテントを張っていた。
「あ!」
急に羞恥心が襲ってきて、聡介は慌てて鬼崎に抱き着いていた手を離してそこを隠す。けれどそんな聡介に優しく微笑む。
「恥ずかしがらなくてもいいよ。ヒートなんだから」
優しく言われて、聡介は恥ずかしい気持ちが少しだけ救われる。でも恥ずかしいのは変わらない。
「じゃあ、こうしようか」
鬼崎はそう言うとベッドに上がると足を広げて聡介に手を差し出した。
「こっちにおいで。俺にもたれかかるように背を向けて座って。こうすれば俺の顔は見えないから恥ずかしくないだろう?」
誘われ、聡介は言う通りに鬼崎の体にもたれかかるように背を向けて座る。するとしっかりとした胸板を背に感じ、鬼崎の、αの匂いがもっと濃くなる。
だから頭がくらくらしてくるのに、後ろからぎゅっと優しく抱き締められては体の熱がまたひとつ上がってしまう。けれどそれは鬼崎も同じなのか。
「聡介君の匂い……いい匂いだ」
すぅっと聡介の首筋を嗅いで、色っぽい声で囁いた。その言葉が嬉しくて、また後ろがじわっと濡れてしまう。
「……聡介君、マッサージを受けるつもりでゆっくりしていればいいからね。もし嫌になったらすぐに言うんだよ?」
鬼崎はそう言われて聡介は「はぃ」と答えた。
すると鬼崎は抱き締めていた手を緩めて、聡介のズボンのベルトを外して前を開ける。すると突っぱねていたそこが少し解放されて、聡介はほっと息を吐く。でも解放されたそこはボクサーパンツにしっかり染みを作り、主張していて恥ずかしい。
けれど、鬼崎はお構いなしに聡介のものを布越しに触れた。
「んっ、鬼崎、さんっ」
「大丈夫、俺に任せて。抜くだけだから」
甘い声で囁かれて聡介は体がぞくぞくするのに、その上好きな人に触られ、弄られたら鼓動は跳ね上がり、もう何も考えられなくなる。
……き、ざきさんが俺の、を。きもちぃい。
「んっ、はっ、んんっ」
漏れ出る声が自分のものじゃないよう。でも聡介は声を止める術を知らなかった。好きな人の手で触られて、擦られて、先端をぐりぐりと弄られては。
「あっ、んんっ!」
「聡介君、気持ちいい?」
吐息交じりに尋ねられて、聡介は熱に浮かされながら「ぅん」と正直に答えた。そしてパンツの染みもどんどん広がっていく。そんな聡介に鬼崎は呟く。
「はぁ……たまらないな」
……なに、が?
そう思うけれど聞く前に鬼崎の左手がシャツの下に潜り込み、腹部や胸をやわやわと触ってくる。そして指先が胸の尖りに触れた時、聡介はビクッと体を震わせた。
「んんっ、きざき、さんっ」
「ここ、触られるのは嫌?」
「ち、ちがっ、きもち、よくてっ」
「じゃあ、いいね?」
鬼崎はそう言うと、くにくにとさらに乳首を指先で弄ってくる。その刺激が気持ちよくて聡介は息を乱す。
「んっ、はっ、はぁっ!」
「もうイきそう? ……聡介君、イっていいよ」
耳元で囁かれ、胸の尖りを弄られ、自分のものを少し強く擦られたら聡介はあっと言う間に達してしまった。
「んんんーっ!」
びくびくっと腰を震わせて、びゅるるぅっと精液を吐き出す。おかげでパンツの中はぐっしょりと濡れ、居心地が悪い。でもそんな事、どうでもいいぐらいに聡介は気持ちよさに放心した。
「はっはぁ、はぁーっはぁーっ」
「聡介君、気持ちよかった? 少しは落ち着いた?」
聡介ははふはふと息をしながら「ぅん」と答える。でもその時、お尻に硬いモノがぐりっと当たる。
……きざきさん、も、勃ってる。
そう思えば、出してスッキリしたはずなのに今度はさっきよりも腹の奥が疼いてくる。お尻に当たっているものが体の中に欲しいと。
そして部屋に充満するαの匂いと触れられた気持ちよさで、聡介はすっかりヒートのスイッチが入ってしまった。
「もう大丈夫?」
心配そうに尋ねる鬼崎に、ヒートに入った聡介は恥ずかしげもなくその腕を掴むとお腹に当てて強請った。
「きざき、さん、まだ、してほしっ。お腹のおく、へん」
とろんっとした目の聡介が振り返って頼めば、鬼崎は天を仰いで「……はーっ」と大きく息を吐いた。
「きざき、さん?」
「全く、君って子は」
鬼崎は小さく呟くと聡介をベッドに寝転がせた。そしてその上に鬼崎は覆いかぶさる。
「聡介君、そんなこと言うともっと触るよ?」
男の顔でじっと見つめられ、聡介はその視線にドキッとする。けれど、それ以上に嬉しい。
「うん。もっと、ふれて」
聡介が答えると鬼崎はぐっと何かを堪える仕草をした後、かけていた黒縁眼鏡を外した。すると整った顔立ちが聡介の前に現れる。スッと通った鼻梁、薄い唇、切れ長の瞳。その目には欲情の熱が宿っていて色っぽい。
……きざき、さん、こんなに、かっこよかった?
聡介の目にはいつもより二倍増しに格好良く見える。だからか、なんだか格好いい鬼崎に見つめられて恥ずかしい。
「……めがね、はずすの?」
「邪魔だからね。聡介君をよく見る為には」
鬼崎は手を伸ばしてサイドテーブルに眼鏡を置くと、それからそっと聡介の服に手をかけた。
「服を脱がせるよ」
鬼崎は丁寧な手つきで聡介のシャツとズボンを下着ごと脱がせ、聡介は抵抗もせずされるがままだ。けれど下を脱がされる時、パンツには色んな液が糸を引くほど濡れていて、もうズボンも漏らしたみたいに染みていて使い物にならなさそうだった。だが、それを見た鬼崎は色気たっぷりに笑った。
「いっぱい濡れてるね」
改めて言葉にされると恥ずかしい。聡介は頬が熱くなるのを感じた。
けれど鬼崎は気にせずに聡介の服をベッドの下に落とすと、自らもチェリー柄のシャツを脱いだ。すると筋肉のついたしっかりした男の体が現れる。それだけでも胸がドキドキするのに鬼崎はズボンの前を開げ、ボクサーパンツを押し上げるソレが聡介の目に飛び込んでくる。
……きざきさんの、おおきい。
パンツ越しにくっきりと見える勃起したそれに聡介は体が自然と疼き、じゅんっと後ろが勝手にまた濡れたのがわかった。そして鬼崎のモノを挿れられた時の事を勝手に想像して、心拍数が跳ね上がる。それなのに鬼崎は優しく微笑むと、聡介の頬を撫でた。
「聡介君、可愛い」
甘く囁かれて聡介の胸はぎゅんぎゅんっと締め付けられる。でもそうしている内に鬼崎はチョーカーだけを身につけた聡介に体を寄せ、鎖骨に唇を落とした。柔らかい鬼崎の唇が触れて、聡介はぴくっと震える。
でも鬼崎は構わないで、聡介の体にちゅっちゅっと啄むようなキスを落としていく。そしてその唇は聡介の胸の尖りに辿り着いた。
ちゅっと口付けられた後、先端を生暖かくて湿った柔らかい舌に優しく舐められて聡介はぴくぴくっと体を揺らす。
「あっ、あ、きざき、さんっ」
「聡介君は乳首も可愛いね。それにすごくドキドキしてる」
鬼崎が舐めながら言うから聡介は恥ずかしさが募る。でも気持ちよさには抗えなくて、ぎゅっと両手でシーツを握って気持ちよさに堪えていると鬼崎の空いている手が反対の乳首を弄り出す。
「んんんんっ」
片方は舐められて、片方は指先で弄られてじんじんとして、腹の奥に熱が溜まる。そしてそれは顕著に聡介の体に現れた。
「また勃ってきたね」
鬼崎はそう言うと舐めるのを止めて、体を起こすと勃ち上がった聡介のペニスを直に触った。
「あんぅぅっ」
聡介は思わず声を上げた。布越しじゃない、鬼崎の手の感触が生々しく伝わってきて聡介は胸がはち切れそうになる。それなのに鬼崎は容赦なく、手を上下に動かしてぬちぬちと擦ってきた。聡介がさっき出した精液のせいで潤滑油要らずだ。
「あっ、あっ、き、ざき、さぁんっ!」
聡介はあんまりに気持ちよくって腰が震えてしまう。でもそんな聡介を鬼崎はじっと舐めるように見つめながら、手を動かし続ける。そして空いている片手は誰も触った事のない聡介の後孔をなぞった。
「ひゃっ」
……ゆ、ゆびっ!
思った時にはつぷっと中に指が入ってきた。でもすっかり濡れているそこは拒むことなく飲み込んでいき、鬼崎の指は中を探るように動く。そしてある場所を擦られた時、聡介の体に味わった事のない快感が走った。
「ああっ!?」
「ここか」
鬼崎は小さく呟くと、聡介のペニスを扱きながら中の部分を指先で擦ってくる。そのあまりに強い刺激に聡介は腰が少し浮き上がり、さっきよりもっと強い力でぎゅううっとシーツを握りしめた。
「あっ、あっ!!」
「聡介君、気持ちい?」
「んんんっ、やらぁ、それっ、きもちぃいっ!」
「気持ちいいなら、もっと触ってあげるね?」
「んあ、おれ、もぉっ!! ああああっ!」
ぐりっと中を押され、聡介は我慢できずに二回目の絶頂を迎えた。びくびくびくっと震えると同時にびゅるっと自分の腹の上に精液を出し、鬼崎の指を後孔できゅぅぅぅっと食い締める。
そして、精を吐き出した聡介は乱れた呼吸を整えるので精一杯で、ベッドに力なく横たわった。けれど息を整える聡介に鬼崎は謝った。
「はぁーっ、はーっはーっ」
「聡介君、ごめん。ちょっと太もも借りる」
「ぇ?」
言葉を理解する前に鬼崎は聡介の体をくるんっとうつ伏せにすると、その体に覆い被さり、ずりゅっと聡介の閉じられた股の間に何か熱く、猛った硬い棒が挟んだ。
……え……こ、これって。
そう思った時には聡介はお尻に鬼崎の腰を押しつけられていた。
「はっ、くっ」
色っぽい吐息が聞こえてきて聡介はドキドキしてしまう。そして頭の働かない聡介でもさすがに今の状況がわかる。
……きざきさん、すまた、してる?
「ん、そう、すけくんっ」
名前を呼ばれて、パンパンッと腰をお尻に打ち付けられてはまるで本当のセックスをしているみたいで、聡介は苦しい胸を抑えるように枕をぎゅっと握って、顔を押しつけた。
そして熱が冷めきっていない体は鬼崎の熱に浮かされてか、また上がってくる。
「はぁっ、はっ」
……きざきさん、おれで、興奮してくれてる。それに、きざきさんの、おれのにあたるっ。
ギッギッと揺れるベッドの中、鬼崎のペニスが陰嚢を押し潰すように当たって、その刺激に聡介は吐息を交じりに声を上げる。
「あっ、はぁ、きざき、さん」
名前を呼ぶと鬼崎はぎゅっと聡介を背後から抱き締め、お尻に強く腰を当てた。
「っ!」
股の間にびゅううっと何かがかかって、濡れた感触を聡介はぼんやりとした頭で感じた。
……きざきさんも。うれしい。きざきさん、すき。
その想いは漏れ出て聡介は口にしていた。
「きざきさん……すき」
でも小さく呟いた後、鬼崎の熱い体に触れて、初めてのヒートに疲れてしまった聡介はそのまま眠りについてしまった。
ただ眠りにつく前、聡介は鬼崎の声が聞こえた。
「聡介君? ……眠っちゃったか。無防備だな、αの前なのに。けど抑制剤を飲んでなかったら危なかった。……うなじを噛まなくて本当に良かった」
少し落ち着いた鬼崎の声を聞きながら、聡介は意識を途切れさせた――――。
聡介は部屋を出て行こうとする鬼崎の腰に抱き着いて引き留めた。
「置いて、いないで。ここに、いて」
初めての発情期に体の熱はどんどん上がっていくばかり。その上、こんな来た事もないところに一人残されるのは怖かった。そしてそれ以上に、体がこの目の前にいる男を欲している。
「鬼崎さんっ」
腰回りをぎゅっと抱き締めれば、鬼崎のいい匂いが聡介を誘惑する。
……ああ、やっぱりいい匂い。もっと嗅ぎたい。触れたい。
聡介は無意識に抱き着く鬼崎の腹に顔を押しつけ、薄いシャツの上から匂いを嗅いだ。すると不思議と後孔が濡れるのが分かる。でもそんな不快感もどうでもいい。
「……聡介君っ」
名前を呼ばれて見上げれば、色っぽい表情をした鬼崎がいて聡介は胸も腹の奥もますますきゅんっとする。
「鬼崎さん」
「聡介君……これ以上ここにいたら、俺は君に何をするかわからない。だから離してくれっ」
鬼崎は懇願するように言ったが、それは今の聡介にとって願ったり叶ったりだった。
「いい。俺……鬼崎さんになら、なに、されても」
ぽーっとしたまま聡介が心のまま告げると鬼崎はぐっと堪えるような顔をし、それから「はぁ」と大きく息を吐いて天を仰いだ。
「可愛さの暴力だな」
鬼崎は一人呟くように言った後、聡介に視線を戻して頭を優しく撫でた。
「聡介君。何されてもいいなんて簡単に言っちゃダメだよ。……でも、聡介君が落ち着くまで傍にいて、触れてもいい? 最後まではしないから」
欲しかった言葉を貰えて聡介は「ん」と答える。
「じゃあ……とりあえずそれをどうにかしようか」
鬼崎は聡介の股間を指差して言った。なので聡介は指の先を見る。そこは気が付かない内にズボンを突っぱねさせて、しっかりとテントを張っていた。
「あ!」
急に羞恥心が襲ってきて、聡介は慌てて鬼崎に抱き着いていた手を離してそこを隠す。けれどそんな聡介に優しく微笑む。
「恥ずかしがらなくてもいいよ。ヒートなんだから」
優しく言われて、聡介は恥ずかしい気持ちが少しだけ救われる。でも恥ずかしいのは変わらない。
「じゃあ、こうしようか」
鬼崎はそう言うとベッドに上がると足を広げて聡介に手を差し出した。
「こっちにおいで。俺にもたれかかるように背を向けて座って。こうすれば俺の顔は見えないから恥ずかしくないだろう?」
誘われ、聡介は言う通りに鬼崎の体にもたれかかるように背を向けて座る。するとしっかりとした胸板を背に感じ、鬼崎の、αの匂いがもっと濃くなる。
だから頭がくらくらしてくるのに、後ろからぎゅっと優しく抱き締められては体の熱がまたひとつ上がってしまう。けれどそれは鬼崎も同じなのか。
「聡介君の匂い……いい匂いだ」
すぅっと聡介の首筋を嗅いで、色っぽい声で囁いた。その言葉が嬉しくて、また後ろがじわっと濡れてしまう。
「……聡介君、マッサージを受けるつもりでゆっくりしていればいいからね。もし嫌になったらすぐに言うんだよ?」
鬼崎はそう言われて聡介は「はぃ」と答えた。
すると鬼崎は抱き締めていた手を緩めて、聡介のズボンのベルトを外して前を開ける。すると突っぱねていたそこが少し解放されて、聡介はほっと息を吐く。でも解放されたそこはボクサーパンツにしっかり染みを作り、主張していて恥ずかしい。
けれど、鬼崎はお構いなしに聡介のものを布越しに触れた。
「んっ、鬼崎、さんっ」
「大丈夫、俺に任せて。抜くだけだから」
甘い声で囁かれて聡介は体がぞくぞくするのに、その上好きな人に触られ、弄られたら鼓動は跳ね上がり、もう何も考えられなくなる。
……き、ざきさんが俺の、を。きもちぃい。
「んっ、はっ、んんっ」
漏れ出る声が自分のものじゃないよう。でも聡介は声を止める術を知らなかった。好きな人の手で触られて、擦られて、先端をぐりぐりと弄られては。
「あっ、んんっ!」
「聡介君、気持ちいい?」
吐息交じりに尋ねられて、聡介は熱に浮かされながら「ぅん」と正直に答えた。そしてパンツの染みもどんどん広がっていく。そんな聡介に鬼崎は呟く。
「はぁ……たまらないな」
……なに、が?
そう思うけれど聞く前に鬼崎の左手がシャツの下に潜り込み、腹部や胸をやわやわと触ってくる。そして指先が胸の尖りに触れた時、聡介はビクッと体を震わせた。
「んんっ、きざき、さんっ」
「ここ、触られるのは嫌?」
「ち、ちがっ、きもち、よくてっ」
「じゃあ、いいね?」
鬼崎はそう言うと、くにくにとさらに乳首を指先で弄ってくる。その刺激が気持ちよくて聡介は息を乱す。
「んっ、はっ、はぁっ!」
「もうイきそう? ……聡介君、イっていいよ」
耳元で囁かれ、胸の尖りを弄られ、自分のものを少し強く擦られたら聡介はあっと言う間に達してしまった。
「んんんーっ!」
びくびくっと腰を震わせて、びゅるるぅっと精液を吐き出す。おかげでパンツの中はぐっしょりと濡れ、居心地が悪い。でもそんな事、どうでもいいぐらいに聡介は気持ちよさに放心した。
「はっはぁ、はぁーっはぁーっ」
「聡介君、気持ちよかった? 少しは落ち着いた?」
聡介ははふはふと息をしながら「ぅん」と答える。でもその時、お尻に硬いモノがぐりっと当たる。
……きざきさん、も、勃ってる。
そう思えば、出してスッキリしたはずなのに今度はさっきよりも腹の奥が疼いてくる。お尻に当たっているものが体の中に欲しいと。
そして部屋に充満するαの匂いと触れられた気持ちよさで、聡介はすっかりヒートのスイッチが入ってしまった。
「もう大丈夫?」
心配そうに尋ねる鬼崎に、ヒートに入った聡介は恥ずかしげもなくその腕を掴むとお腹に当てて強請った。
「きざき、さん、まだ、してほしっ。お腹のおく、へん」
とろんっとした目の聡介が振り返って頼めば、鬼崎は天を仰いで「……はーっ」と大きく息を吐いた。
「きざき、さん?」
「全く、君って子は」
鬼崎は小さく呟くと聡介をベッドに寝転がせた。そしてその上に鬼崎は覆いかぶさる。
「聡介君、そんなこと言うともっと触るよ?」
男の顔でじっと見つめられ、聡介はその視線にドキッとする。けれど、それ以上に嬉しい。
「うん。もっと、ふれて」
聡介が答えると鬼崎はぐっと何かを堪える仕草をした後、かけていた黒縁眼鏡を外した。すると整った顔立ちが聡介の前に現れる。スッと通った鼻梁、薄い唇、切れ長の瞳。その目には欲情の熱が宿っていて色っぽい。
……きざき、さん、こんなに、かっこよかった?
聡介の目にはいつもより二倍増しに格好良く見える。だからか、なんだか格好いい鬼崎に見つめられて恥ずかしい。
「……めがね、はずすの?」
「邪魔だからね。聡介君をよく見る為には」
鬼崎は手を伸ばしてサイドテーブルに眼鏡を置くと、それからそっと聡介の服に手をかけた。
「服を脱がせるよ」
鬼崎は丁寧な手つきで聡介のシャツとズボンを下着ごと脱がせ、聡介は抵抗もせずされるがままだ。けれど下を脱がされる時、パンツには色んな液が糸を引くほど濡れていて、もうズボンも漏らしたみたいに染みていて使い物にならなさそうだった。だが、それを見た鬼崎は色気たっぷりに笑った。
「いっぱい濡れてるね」
改めて言葉にされると恥ずかしい。聡介は頬が熱くなるのを感じた。
けれど鬼崎は気にせずに聡介の服をベッドの下に落とすと、自らもチェリー柄のシャツを脱いだ。すると筋肉のついたしっかりした男の体が現れる。それだけでも胸がドキドキするのに鬼崎はズボンの前を開げ、ボクサーパンツを押し上げるソレが聡介の目に飛び込んでくる。
……きざきさんの、おおきい。
パンツ越しにくっきりと見える勃起したそれに聡介は体が自然と疼き、じゅんっと後ろが勝手にまた濡れたのがわかった。そして鬼崎のモノを挿れられた時の事を勝手に想像して、心拍数が跳ね上がる。それなのに鬼崎は優しく微笑むと、聡介の頬を撫でた。
「聡介君、可愛い」
甘く囁かれて聡介の胸はぎゅんぎゅんっと締め付けられる。でもそうしている内に鬼崎はチョーカーだけを身につけた聡介に体を寄せ、鎖骨に唇を落とした。柔らかい鬼崎の唇が触れて、聡介はぴくっと震える。
でも鬼崎は構わないで、聡介の体にちゅっちゅっと啄むようなキスを落としていく。そしてその唇は聡介の胸の尖りに辿り着いた。
ちゅっと口付けられた後、先端を生暖かくて湿った柔らかい舌に優しく舐められて聡介はぴくぴくっと体を揺らす。
「あっ、あ、きざき、さんっ」
「聡介君は乳首も可愛いね。それにすごくドキドキしてる」
鬼崎が舐めながら言うから聡介は恥ずかしさが募る。でも気持ちよさには抗えなくて、ぎゅっと両手でシーツを握って気持ちよさに堪えていると鬼崎の空いている手が反対の乳首を弄り出す。
「んんんんっ」
片方は舐められて、片方は指先で弄られてじんじんとして、腹の奥に熱が溜まる。そしてそれは顕著に聡介の体に現れた。
「また勃ってきたね」
鬼崎はそう言うと舐めるのを止めて、体を起こすと勃ち上がった聡介のペニスを直に触った。
「あんぅぅっ」
聡介は思わず声を上げた。布越しじゃない、鬼崎の手の感触が生々しく伝わってきて聡介は胸がはち切れそうになる。それなのに鬼崎は容赦なく、手を上下に動かしてぬちぬちと擦ってきた。聡介がさっき出した精液のせいで潤滑油要らずだ。
「あっ、あっ、き、ざき、さぁんっ!」
聡介はあんまりに気持ちよくって腰が震えてしまう。でもそんな聡介を鬼崎はじっと舐めるように見つめながら、手を動かし続ける。そして空いている片手は誰も触った事のない聡介の後孔をなぞった。
「ひゃっ」
……ゆ、ゆびっ!
思った時にはつぷっと中に指が入ってきた。でもすっかり濡れているそこは拒むことなく飲み込んでいき、鬼崎の指は中を探るように動く。そしてある場所を擦られた時、聡介の体に味わった事のない快感が走った。
「ああっ!?」
「ここか」
鬼崎は小さく呟くと、聡介のペニスを扱きながら中の部分を指先で擦ってくる。そのあまりに強い刺激に聡介は腰が少し浮き上がり、さっきよりもっと強い力でぎゅううっとシーツを握りしめた。
「あっ、あっ!!」
「聡介君、気持ちい?」
「んんんっ、やらぁ、それっ、きもちぃいっ!」
「気持ちいいなら、もっと触ってあげるね?」
「んあ、おれ、もぉっ!! ああああっ!」
ぐりっと中を押され、聡介は我慢できずに二回目の絶頂を迎えた。びくびくびくっと震えると同時にびゅるっと自分の腹の上に精液を出し、鬼崎の指を後孔できゅぅぅぅっと食い締める。
そして、精を吐き出した聡介は乱れた呼吸を整えるので精一杯で、ベッドに力なく横たわった。けれど息を整える聡介に鬼崎は謝った。
「はぁーっ、はーっはーっ」
「聡介君、ごめん。ちょっと太もも借りる」
「ぇ?」
言葉を理解する前に鬼崎は聡介の体をくるんっとうつ伏せにすると、その体に覆い被さり、ずりゅっと聡介の閉じられた股の間に何か熱く、猛った硬い棒が挟んだ。
……え……こ、これって。
そう思った時には聡介はお尻に鬼崎の腰を押しつけられていた。
「はっ、くっ」
色っぽい吐息が聞こえてきて聡介はドキドキしてしまう。そして頭の働かない聡介でもさすがに今の状況がわかる。
……きざきさん、すまた、してる?
「ん、そう、すけくんっ」
名前を呼ばれて、パンパンッと腰をお尻に打ち付けられてはまるで本当のセックスをしているみたいで、聡介は苦しい胸を抑えるように枕をぎゅっと握って、顔を押しつけた。
そして熱が冷めきっていない体は鬼崎の熱に浮かされてか、また上がってくる。
「はぁっ、はっ」
……きざきさん、おれで、興奮してくれてる。それに、きざきさんの、おれのにあたるっ。
ギッギッと揺れるベッドの中、鬼崎のペニスが陰嚢を押し潰すように当たって、その刺激に聡介は吐息を交じりに声を上げる。
「あっ、はぁ、きざき、さん」
名前を呼ぶと鬼崎はぎゅっと聡介を背後から抱き締め、お尻に強く腰を当てた。
「っ!」
股の間にびゅううっと何かがかかって、濡れた感触を聡介はぼんやりとした頭で感じた。
……きざきさんも。うれしい。きざきさん、すき。
その想いは漏れ出て聡介は口にしていた。
「きざきさん……すき」
でも小さく呟いた後、鬼崎の熱い体に触れて、初めてのヒートに疲れてしまった聡介はそのまま眠りについてしまった。
ただ眠りにつく前、聡介は鬼崎の声が聞こえた。
「聡介君? ……眠っちゃったか。無防備だな、αの前なのに。けど抑制剤を飲んでなかったら危なかった。……うなじを噛まなくて本当に良かった」
少し落ち着いた鬼崎の声を聞きながら、聡介は意識を途切れさせた――――。
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目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
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