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第五章「告白は二人っきりで!」
10 神聖国の服
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――翌日、目覚めた俺達は神官さん達が運んできてくれた朝食を部屋で取り、その後は顔を洗って神聖国の服に身を包んだ。
なにせ数着持ってきた服は着まわして汚れていたし、いつまでもバルト帝国の服を着ていたら目立つからな。
なので実は昨日の内にノアさんに神聖国の服を用意してくれるよう頼んでおいたのだ。そして俺とレノの服は現在洗濯中、帰るまでには戻ってくるだろう。
「しかし神聖国の服って初めて着るけど、なかなかいいなぁ~!」
俺は服を着て、鏡の前で呟く。バルト帝国の服とは違って、麻の生地をふんだんに使っていて薄くて涼しい。それに白を基調としたシンプルな作りだが、襟に刺繍がされててアジアンチックでおしゃれだ。
……やっぱ、その国の服が一番快適に過ごせるよな~。それになかなか、悪くないんでない?
俺は鏡を見つめて悦に浸るが、その鏡に着替え終わったレノが映る。俺と似ている服を着ているはずなのに、レノが着るとなーんかオサレ感が違う。ちょっとアラブの王族的な感じに見えてくる。
……あれか? やっぱり着ている人間の顔がいいと服も良く見えてくるってやつか? キィィッ!
「何か?」
レノは俺がじぃっと鏡越し見る視線に気がついたのか尋ねてきた。しかし俺はそっぽ向く。昨日、勝手にキッスした事、許してないんだからな!
「なんでもない」
俺は少々素っ気ない態度を取るが、レノはいつも通りの顔をして「そうですか」とだけ答えた。全然俺の怒りが響いてない。こいつぅーっ!
俺はムッとするが、そこへノック音が響く。なのでドア近くにいた俺が動いた。
「俺が出るよ」
レノが答える前に言い、俺はドアを開けた。すると元気よく声が響く。
「おはよう、キトリー!」
「あ、アシュカ!?」
「おはようございます、キトリー様」
「デンゼルさんも!」
俺はドアの前に立つアシュカとデンゼルさんに驚く。
「公務に行く前に会いに来たんだ~。それにしてもその服、良く似合ってるね」
アシュカは俺の姿を見て、褒めてくれた。まんざら悪い気はしない。むしろ嬉しい……ちょっと照れるけど。
「そ、そう?」
「うん、可愛いよ」
アシュカはニコッと笑って言った。しかし可愛いとは……?
……そこはカッコイイと言ってくれた方が嬉しいんだが。まあ、褒めてくれたんだから良しとしよう。しかし、さらりと褒めるとは。これができる男か。……メモしとこう。
「ありがと。それより、公務ってこれからどこかに行くのか?」
「うん。近くの孤児院や施設を周りにね。僕ってば一応聖人だから」
アシュカはあっけらかんとして言ったが、一応も何もアシュカは聖人様だ。孤児院には慰問に行くのだろう。
「遊び惚けていた分、しっかり働いていただかなければいけませんからね」
デンゼルさんは笑顔で言い、ちらっとアシュカを見た。その目は鋭い。
「わかってるよ。それにキトリーがここにいるんだから、僕がどこかに行くわけないでしょー?」
「どうだかわかりませんね」
デンゼルさんはアシュカを信じていないようだった。まあ、別邸に来るまでも相当サボっていたのだろう。アシュカはやる時はやる男なんだが。
「今日は真面目に働くよ。……ところでキトリー、今日はエンキ様に会うんだって?」
「ああ、その予定だけど。もう聞いてるなんて耳が早いな」
「昨日、ランネット様に会った時に小耳に挟んでね。エンキ様は優しくて気さくな方だから気を楽にして会うといいよ」
アシュカにアドバイスを貰い、俺はちょっと緊張が解れる。
「ありがとう、アシュカ。アドバイス、助かるよ」
「どういたしまして。時間ができたら、またお茶しよう」
アシュカはさらりと俺を誘う。だから俺はついつい『うん』と答えそうになったが、後ろからの圧に気がついて言葉が喉の奥に引っ込んだ。
「アシュカ様。残念ながら、そのような時間はございませんので」
「おや、レノ。君は誘ってないんだけど?」
レノとアシュカが争い始めた。こいつらが絡むと碌な事がないので、俺はすぐさま声を上げる。
「レノ、お茶ぐらいいだろ。それにアシュカ、そろそろ行かないといけないんじゃないか?」
俺が尋ねるとデンゼルさんが後方支援してくれた。
「アシュカ様、キトリー様の言う通りですよ。早く参りますよ」
「え~? もうちょっとキトリーと話したかったのに。まあ、いいさ。キトリー、また時間を見つけて会いに来るね?」
「もう来なくて、けっこ、ぅぷっ」
余計な事を言おうとするレノの口を塞いで俺はアシュカを見送る。
「ああ、またお茶の時にでも。気を付けていってらっしゃい」
「いってきます」
俺が送り出すと、アシュカはデンゼルさんと共に廊下を歩いて行った。それを見送り俺はレノをじろっと見る。
「お前なぁ! 朝からアシュカとバトルんじゃない」
俺はレノを叱るが、口を塞ぐ俺の手をレノはペロッと舐めた。ぬるっと生暖かい感触に俺は驚いてびょんっと飛び跳ねる。
「ひゃっ! なに舐めてんのッ!!」
「人の口を塞ぐからですよ」
レノは面白げに俺を見て言った。この野郎、俺をからかってるなぁーッ!?
「だからって舐めるんじゃアリマセン!」
俺はごしごしっと服の裾で手の平を拭く。しかし、レノはプンプンしている俺の背後に視線を向けて「あ」と呟き、すぐさま軽く頭を下げた。
だから、なんだ? と俺も後ろを振り向く。
そうすればそこには姉ちゃん、いやランネット様が妙に生温かい目を俺に向けていた。
……キャアァッ! 今の見られた!!
「おはようございます、キトリー様、レノさん。朝から仲良しさんですね」
姉ちゃんはにっこりと笑顔で言い、そして俺に視線を向ける。
『朝から見せつけてくれちゃうわねっ! しかもアシュカともただならぬ関係なの~?』
そうキラキラとした瞳が雄弁に語るので、俺は『チガイマス!』と目で主張し、挨拶を返した。
「おはようございます、ランネット様。こちらには何か御用で?」
「ええ、朝の挨拶とエンキ様と面会の事で。キトリー様、午後一時頃にはエンキ様と会えるそうです。その時間になりましたらノアを呼びに向かわせますね」
「そうですか、わざわざありがとうございます」
『言い終わったなら、さっさと行ってください。そして今のは見なかったことにしてください!』と俺は視線で伝える。そうすれば、姉ちゃんはくすっと笑いつつも俺の意図を汲んでくれた。
「ではお伝えしましたので、私は失礼しますね。午後までは図書室や庭園を散歩されるなり、ご自由になさってください」
姉ちゃんに言われて俺は「わかりました」とすぐに答える。そうすれば姉ちゃんは「では、また」と微笑みながら優雅に去って行った。しかし残された俺と言えば。
……くそーっ、変なところを見られるとは!
俺は姉ちゃんの後ろ姿を見送りながら、少し恥ずかしく思う。だが、そんな俺をレノが後ろから呼んだ。
「キトリー様」
「ん? なんだよ」
俺が振り返ればレノはじっと俺を見るばかりで何も言わない。急にどうしたんだ?
「レノ、なに?」
「いえ……なんでもありません」
俺が問いかければレノは何か言いたげにしつつ、何も言わなかった。
……なんなんだ? 何か、言いたげにしてたけど。
俺はレノの妙な態度に首を傾げるが、レノが「それより午前はどうされるおつもりですか?」と聞いてきたので、俺は聞き返さずに午前中の事に思考が移る。
「午前中か。そうだなー、自由にしていいって言ってたから庭園でも回ってみようかな。昨日は大神殿の中をちょこっと案内してもらったし」
……庭園ってすっごい広いらしいからなぁ。ここ最近運動不足だから、庭園を歩いて健康づくりでもしますかね。
俺は能天気にそんな事を思う。
レノが俺の顔をじっと見ながら、何か考えている事にも気がつかずに――。
なにせ数着持ってきた服は着まわして汚れていたし、いつまでもバルト帝国の服を着ていたら目立つからな。
なので実は昨日の内にノアさんに神聖国の服を用意してくれるよう頼んでおいたのだ。そして俺とレノの服は現在洗濯中、帰るまでには戻ってくるだろう。
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……あれか? やっぱり着ている人間の顔がいいと服も良く見えてくるってやつか? キィィッ!
「何か?」
レノは俺がじぃっと鏡越し見る視線に気がついたのか尋ねてきた。しかし俺はそっぽ向く。昨日、勝手にキッスした事、許してないんだからな!
「なんでもない」
俺は少々素っ気ない態度を取るが、レノはいつも通りの顔をして「そうですか」とだけ答えた。全然俺の怒りが響いてない。こいつぅーっ!
俺はムッとするが、そこへノック音が響く。なのでドア近くにいた俺が動いた。
「俺が出るよ」
レノが答える前に言い、俺はドアを開けた。すると元気よく声が響く。
「おはよう、キトリー!」
「あ、アシュカ!?」
「おはようございます、キトリー様」
「デンゼルさんも!」
俺はドアの前に立つアシュカとデンゼルさんに驚く。
「公務に行く前に会いに来たんだ~。それにしてもその服、良く似合ってるね」
アシュカは俺の姿を見て、褒めてくれた。まんざら悪い気はしない。むしろ嬉しい……ちょっと照れるけど。
「そ、そう?」
「うん、可愛いよ」
アシュカはニコッと笑って言った。しかし可愛いとは……?
……そこはカッコイイと言ってくれた方が嬉しいんだが。まあ、褒めてくれたんだから良しとしよう。しかし、さらりと褒めるとは。これができる男か。……メモしとこう。
「ありがと。それより、公務ってこれからどこかに行くのか?」
「うん。近くの孤児院や施設を周りにね。僕ってば一応聖人だから」
アシュカはあっけらかんとして言ったが、一応も何もアシュカは聖人様だ。孤児院には慰問に行くのだろう。
「遊び惚けていた分、しっかり働いていただかなければいけませんからね」
デンゼルさんは笑顔で言い、ちらっとアシュカを見た。その目は鋭い。
「わかってるよ。それにキトリーがここにいるんだから、僕がどこかに行くわけないでしょー?」
「どうだかわかりませんね」
デンゼルさんはアシュカを信じていないようだった。まあ、別邸に来るまでも相当サボっていたのだろう。アシュカはやる時はやる男なんだが。
「今日は真面目に働くよ。……ところでキトリー、今日はエンキ様に会うんだって?」
「ああ、その予定だけど。もう聞いてるなんて耳が早いな」
「昨日、ランネット様に会った時に小耳に挟んでね。エンキ様は優しくて気さくな方だから気を楽にして会うといいよ」
アシュカにアドバイスを貰い、俺はちょっと緊張が解れる。
「ありがとう、アシュカ。アドバイス、助かるよ」
「どういたしまして。時間ができたら、またお茶しよう」
アシュカはさらりと俺を誘う。だから俺はついつい『うん』と答えそうになったが、後ろからの圧に気がついて言葉が喉の奥に引っ込んだ。
「アシュカ様。残念ながら、そのような時間はございませんので」
「おや、レノ。君は誘ってないんだけど?」
レノとアシュカが争い始めた。こいつらが絡むと碌な事がないので、俺はすぐさま声を上げる。
「レノ、お茶ぐらいいだろ。それにアシュカ、そろそろ行かないといけないんじゃないか?」
俺が尋ねるとデンゼルさんが後方支援してくれた。
「アシュカ様、キトリー様の言う通りですよ。早く参りますよ」
「え~? もうちょっとキトリーと話したかったのに。まあ、いいさ。キトリー、また時間を見つけて会いに来るね?」
「もう来なくて、けっこ、ぅぷっ」
余計な事を言おうとするレノの口を塞いで俺はアシュカを見送る。
「ああ、またお茶の時にでも。気を付けていってらっしゃい」
「いってきます」
俺が送り出すと、アシュカはデンゼルさんと共に廊下を歩いて行った。それを見送り俺はレノをじろっと見る。
「お前なぁ! 朝からアシュカとバトルんじゃない」
俺はレノを叱るが、口を塞ぐ俺の手をレノはペロッと舐めた。ぬるっと生暖かい感触に俺は驚いてびょんっと飛び跳ねる。
「ひゃっ! なに舐めてんのッ!!」
「人の口を塞ぐからですよ」
レノは面白げに俺を見て言った。この野郎、俺をからかってるなぁーッ!?
「だからって舐めるんじゃアリマセン!」
俺はごしごしっと服の裾で手の平を拭く。しかし、レノはプンプンしている俺の背後に視線を向けて「あ」と呟き、すぐさま軽く頭を下げた。
だから、なんだ? と俺も後ろを振り向く。
そうすればそこには姉ちゃん、いやランネット様が妙に生温かい目を俺に向けていた。
……キャアァッ! 今の見られた!!
「おはようございます、キトリー様、レノさん。朝から仲良しさんですね」
姉ちゃんはにっこりと笑顔で言い、そして俺に視線を向ける。
『朝から見せつけてくれちゃうわねっ! しかもアシュカともただならぬ関係なの~?』
そうキラキラとした瞳が雄弁に語るので、俺は『チガイマス!』と目で主張し、挨拶を返した。
「おはようございます、ランネット様。こちらには何か御用で?」
「ええ、朝の挨拶とエンキ様と面会の事で。キトリー様、午後一時頃にはエンキ様と会えるそうです。その時間になりましたらノアを呼びに向かわせますね」
「そうですか、わざわざありがとうございます」
『言い終わったなら、さっさと行ってください。そして今のは見なかったことにしてください!』と俺は視線で伝える。そうすれば、姉ちゃんはくすっと笑いつつも俺の意図を汲んでくれた。
「ではお伝えしましたので、私は失礼しますね。午後までは図書室や庭園を散歩されるなり、ご自由になさってください」
姉ちゃんに言われて俺は「わかりました」とすぐに答える。そうすれば姉ちゃんは「では、また」と微笑みながら優雅に去って行った。しかし残された俺と言えば。
……くそーっ、変なところを見られるとは!
俺は姉ちゃんの後ろ姿を見送りながら、少し恥ずかしく思う。だが、そんな俺をレノが後ろから呼んだ。
「キトリー様」
「ん? なんだよ」
俺が振り返ればレノはじっと俺を見るばかりで何も言わない。急にどうしたんだ?
「レノ、なに?」
「いえ……なんでもありません」
俺が問いかければレノは何か言いたげにしつつ、何も言わなかった。
……なんなんだ? 何か、言いたげにしてたけど。
俺はレノの妙な態度に首を傾げるが、レノが「それより午前はどうされるおつもりですか?」と聞いてきたので、俺は聞き返さずに午前中の事に思考が移る。
「午前中か。そうだなー、自由にしていいって言ってたから庭園でも回ってみようかな。昨日は大神殿の中をちょこっと案内してもらったし」
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