【完結】異世界に転生したら、元カレが敵みたいですが、溺愛騎士様がいるので大丈夫です。

おんぼろ屋敷

カインとラリーは屋敷にたどり着いた。そこは、昔廃屋だっただけに、

幽霊屋敷のように暗く、さびれていた。

カインは、チャイムを押した。すると、メイドが出てきて、

「ただいま、ご主人様はお仕事中でございます。後日改めて

来ていただけないでしょうか。」

こちらの名前も聞かずに、追い返そうするメイド。何かがおかしい。

そう思ったのは、ラリーも同じだったらしい。ラリーはメイドにごめんね

と言いながら、魔法をかけ眠らせてしまった。

カインは、屋敷に入り部屋中を調べる。入口から入ってすぐの部屋に入ると

女性たちが裸で寝かされていた。やはり、そういう目的で連れ去っていたのか。

カインは、部屋に置いてあった毛布をかけてその部屋を出た。

次に見つけた部屋は、何かお香のようなものがたかれていた。いい匂いだなと

嗅ごうとした瞬間、ラリーが叫ぶ。

「吸うな。」

ラリーは、風の魔法でお香を消し去った。カインはラリーに尋ねた。

「やばいお香なのか。」

「カイン、もしかして少し嗅いだか？記憶が消される呪いが入ったお香だ。」

俺は大丈夫だとラリーに話したが、念のためにどうなるか

ラリーは説明してくれた。

「記憶が消される呪いとは、まずは、自分の願望があふれ出す。そして、その願望が

叶わないという現実を理解し、自分は何のために生きているのかという精神状態に

陥る。そこで、精神崩壊し記憶が消されてしまうという構造になっている。」

カインは、ラリーに聞いた。

「なら、その願望を叶えることができたら記憶は消えないのか。」

「わからない。そもそも、このお香は部屋の中に閉じ込めている奴らに

使うようだからな。」

俺は、そうかと言いながら、２階に上っていった。２階から男のうめき声がする。

男が倒れているのかもしれない。カインは慌てて声のする部屋に入って行った。

その部屋では、男が女に自身のモノをしゃぶらせていた。女もとろけそうな顔で

がむしゃらにしゃぶり続けていた。そして、男は女の顔にかけた。

女は嬉しそうに顔についた液を手で舐めとっていた。

カインは、その光景を呆然と見ていた。

「お前、何ずっと見てんだよ。それに下半身見てみろ。

ズボンがはち切れんばかりになってるぞ。」

その男は、カインに言った。そして俺はその二人を見て驚く。二人とも黒髪である。

異世界人の証だ。女の方を見てみると、見たことがある顔だった。

アズサだと気づいた瞬間に、俺はその男を殴り飛ばしていた。