【完結】異世界に転生したら、元カレが敵みたいですが、溺愛騎士様がいるので大丈夫です。

SORA

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薬師のジョン

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女性たちを世話させるために、連れてきた黒髪の男が捕まった。

黒髪の男は、異世界人だと言っていた。ぼくの闇組織の情報だと

黒髪は神落としの子で、何かしら力を持ってこちらに転生しているらしい。

見たところ、魔力も何もないダサい男だとしか感じていなかった。

しかし、媚薬づくりに打ってつけだった。あいつと交わった女性は必ず

あいつを好きになる。媚薬には興奮状態にしかできないはずだ。

もしかすると、そういう魅惑の力でもそなわっているのだろうか。ぼくは

検証したくなった。

魅惑の力を持った奴に、魅惑の薬を使ったら、どうなるのか。さて、実験だ。

あいつは、牢獄の棟にいるはずだ。ぼくの伝書カラスに薬と手紙をくくりつける。

ぼくは、飛んでいくカラスを見ながら、笑っていた。

牢獄の棟に伝書カラスが到着した。ゆうは、格子窓のすきまから、からすの足に

ついた手紙と何かを外した。

ゆうは、その手紙を読んだ。

(お前は、好きな女性がいると言っていたな。これは魅惑の薬と

力を増強させる薬だ。飲めば、そこから出られ、その女性に会いに行けるであろう。

僕のことは喋るなよ。さようなら)

ゆうは、梓に会いたいという思いから、その薬を飲んだ。錠剤になって

いたので、自分の唾液でゴクンと飲み込んだ。少しすると、体が燃えるように

熱くなっていた。筋肉が血走っているように感じたが、実際には手足が獣の

ような毛が生え、10メートルほどの身長になり、ゲームで出てくるラスボス

みたいなモンスターとなっていた。

「ウォー。」

叫び声とともに、牢獄は崩壊してしまい、ゆうは脱獄に成功したのであった。

カラスは、その一部始終を目に焼き付け、ジョンのもとに戻っていった。

ジョンは伝書ガラスが撮影してきた目からの映像を見ながら、大爆笑している。

どんな化学反応が起きたら、あんな風になるんだ。異世界人はおもしろい。

これ以上この世界にいるのは、まずい。違う国でまた活躍することにするかと

ジョンは旅立っていった。
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