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アズサとお師匠様
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部屋に入るとお師匠様がアズサの手を握った。えっ?私はびっくりした。
お師匠様は手を離す。
「アズサっと言ったな。お主、異世界人か?」
「はい」
私は、何か問題があったのだろうかと不安になる。
すると、お師匠様はアズサへと頭を下げる。
「お主から癒やしの魔力を感じる。ラリーを看病してやってくれないか」
「私なんかに務まるでしょうか。それに、癒しの力があるなんて
自分では何も分かりませんが」
お師匠様は考え込んだ。そして、私に告げる。
「身の回りのことを手伝ってやり、寝る前には記憶が戻るように念じながら
手を握ってやれば、ラリーも記憶が戻るだろう。あくまで憶測ではあるが、
お主の手から魔力を感じるんのだから大丈夫じゃろ」
そうして、ラリーの看病をすることが決まった。決して嫌ではない。
ただ、男性と二人での生活に不安があるだけで。それに、カインも怒りそうだし。
でも、私のせいでラリー様が記憶喪失になったんだから、頑張ってみよう。
私はそう思い、部屋から出ると、ラリーが私の前にやって来た。
どうしたんだろうと不思議に思い、ラリーを見ていると、
プロポーズされた。私は頭が追い付かなかった。どういうこと。
そっか。ラリー様記憶がないから、私のこと覚えてないんだ。
プロポーズのことは今はおいといて、看護師としてラリー様のお世話をすれば、
何も問題ないんじゃないかと思い、ラリー様に伝えようとしたが、カイン様が、
俺の婚約者だと言ってくれた。私はその言葉がうれしくて、赤面しながら、にやにや
してしまっている。すると、今度はラリーに肩を抱かれていた。
もうどういう状況よ。頭がパニックになる。
とりあえず、私は宣言しよう。
「私は、ラリー様の記憶が戻るまで、ここで看病します」
「だめだ。許さない」
カインは怒っている。それもそうだろう。婚約者が別の男の家で暮らす。
耐えられるはずないだろう。でも、もし、本当に私に癒しの力があるのなら、
それがわたしの務めだと思う。ここに来て、初めて自分が役に立てそうだ。
私はもうやる気満々だった。
そんな様子にカインも根負けしてしまう。結局はアズサには甘いカイン。
けれど条件付きだという。
「俺も、この屋敷で寝泊まりする」
今まで黙って聞いていたラリーも
「それで、カインが納得するならいいよ、私に落ちない女性なんかいなかったし」
と言っている。私も負けずに主張する。
「落ちる、落ちないとかそういう問題じゃないです!記憶を戻すための
治療ですから。ねぇ、お師匠様」
「そうじゃな、とりあえずわしはもう限界じゃ。あとは頼んだ」
そう言って、お師匠様は消えてしまったのである。
お師匠様が帰ったあと、ラリーは少し疲れたから眠ると言った。
「早く記憶が戻りますように」
と願いながら、ラリー様の手を握った。
「よく眠れそうな気がするよ。ありがとう」
ラリー様は、すぐに寝息を立て始めた。
お師匠様は手を離す。
「アズサっと言ったな。お主、異世界人か?」
「はい」
私は、何か問題があったのだろうかと不安になる。
すると、お師匠様はアズサへと頭を下げる。
「お主から癒やしの魔力を感じる。ラリーを看病してやってくれないか」
「私なんかに務まるでしょうか。それに、癒しの力があるなんて
自分では何も分かりませんが」
お師匠様は考え込んだ。そして、私に告げる。
「身の回りのことを手伝ってやり、寝る前には記憶が戻るように念じながら
手を握ってやれば、ラリーも記憶が戻るだろう。あくまで憶測ではあるが、
お主の手から魔力を感じるんのだから大丈夫じゃろ」
そうして、ラリーの看病をすることが決まった。決して嫌ではない。
ただ、男性と二人での生活に不安があるだけで。それに、カインも怒りそうだし。
でも、私のせいでラリー様が記憶喪失になったんだから、頑張ってみよう。
私はそう思い、部屋から出ると、ラリーが私の前にやって来た。
どうしたんだろうと不思議に思い、ラリーを見ていると、
プロポーズされた。私は頭が追い付かなかった。どういうこと。
そっか。ラリー様記憶がないから、私のこと覚えてないんだ。
プロポーズのことは今はおいといて、看護師としてラリー様のお世話をすれば、
何も問題ないんじゃないかと思い、ラリー様に伝えようとしたが、カイン様が、
俺の婚約者だと言ってくれた。私はその言葉がうれしくて、赤面しながら、にやにや
してしまっている。すると、今度はラリーに肩を抱かれていた。
もうどういう状況よ。頭がパニックになる。
とりあえず、私は宣言しよう。
「私は、ラリー様の記憶が戻るまで、ここで看病します」
「だめだ。許さない」
カインは怒っている。それもそうだろう。婚約者が別の男の家で暮らす。
耐えられるはずないだろう。でも、もし、本当に私に癒しの力があるのなら、
それがわたしの務めだと思う。ここに来て、初めて自分が役に立てそうだ。
私はもうやる気満々だった。
そんな様子にカインも根負けしてしまう。結局はアズサには甘いカイン。
けれど条件付きだという。
「俺も、この屋敷で寝泊まりする」
今まで黙って聞いていたラリーも
「それで、カインが納得するならいいよ、私に落ちない女性なんかいなかったし」
と言っている。私も負けずに主張する。
「落ちる、落ちないとかそういう問題じゃないです!記憶を戻すための
治療ですから。ねぇ、お師匠様」
「そうじゃな、とりあえずわしはもう限界じゃ。あとは頼んだ」
そう言って、お師匠様は消えてしまったのである。
お師匠様が帰ったあと、ラリーは少し疲れたから眠ると言った。
「早く記憶が戻りますように」
と願いながら、ラリー様の手を握った。
「よく眠れそうな気がするよ。ありがとう」
ラリー様は、すぐに寝息を立て始めた。
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