【完結】異世界に転生したら、元カレが敵みたいですが、溺愛騎士様がいるので大丈夫です。

SORA

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ラリーと国王

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 ラリーは、ミシェルを国王様の前へ連れて行き、報告をした。

「彼女はプロポ国の密偵だそうです。カインを女仕掛けで落として、国を滅ぼそうとしていたようです」

「そうか」

国王様が、ミシェルを見た。そして、ラリーを見ながらなんやら含みのある笑みをしている。

「国王様、どうかしましたか」

「いや、お前好みの女だなと思ってだな」

「私はこんなチャラそうな男なんてお断りよ」

ペッとミシェルは唾を吐いた。ラリーはそれを注意するかと思いきや、

愛おしそうに彼女を眺めている。

「ラリーよ。この暴れ馬はどうするのだ」

「私が調教していいのでしたら、私に下さい」

ラリーはニタニタと薄気味悪い笑顔でミシェルを見た。

「気持ち悪いこと言わないで。私にはイリエ様がいるのよ」

「そのイリエ様にお前は売られたのだろうな」

「どういう意味ですか」

奥の部屋からイリエ様と綺麗な服を着た女性が現れた。

「あ~愛しのイリエ様、その横にいる女は誰ですか」

「無礼者よ、この女性は我が妃のヘリーだ」

「どういうことですか。この作戦が成功したら妻にして下さるって約束したじゃないですか」

「そんな約束した覚えはない」

イリエ様はヘリーを抱きしめた。ヘリーはミシェルに話す。

「イリエが30人ほど愛人を囲っているのなんか有名なはずなのに。あなた知らなかったの?バカな女ね」

イリエ様は素知らぬ同然な顔で今にも口笛を吹きだしそうだ。

国王様が、咳ばらいをしてその場を落ち着かせた。

「イリエよ、プロポ国は茶髪族を使い、我が国へと密偵を送り付けた。密偵は国同士で禁止している。ゆえに、今回の件、いかがする」

「彼女の独断で行ったことで、我が国であるプロポ国は関係ありません。茶髪族の生き残りは彼女一人で他はみんな金髪でありますので」

「なら、彼女の処遇はこちらに任せると」

「はい。お願いします。関係ないとはいえ、ディバユニ国へ迷惑をかけてしまったお詫びの印に、我が国プロポ国は今後ディバユニとは協力関係を築くことをお約束します」

「イリエ様、ひどい、私は遊びだったのね。私の胸であんなことやこんなことまでさせたくせに」

ミシェルは泣いています。ラリーはミシェルの横にいき、涙を舐めてあげる。

「女性の泣き顔は大好物なんだ」

ラリーの気持ち悪い発言に全員ドン引きしています。

そして、ディバユニとプロポ国は無事に契約を交わし、イリエ様たちは

プロポ国へと帰っていった。

国王様も、プロポ国と契約を交わせたのでご機嫌であった。

「ミシェルは、とりあえず監獄に入れておけ」

「仰せの通りに」

騎士たちが、ミシェルを連れて行った。ラリーは残念そうにしていた。
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