【完結】異世界に転生したら、元カレが敵みたいですが、溺愛騎士様がいるので大丈夫です。

SORA

文字の大きさ
54 / 75

プロポーズ②

しおりを挟む
 俺は考えた。この甘い雰囲気のまま1回やりたいところではあるけど、

悩んでしまう俺。アズサは続きを待っているのか、物欲しそうな顔で

見てくる。我慢できなかったのか俺の口の中に舌を入れて、かき混ぜてきた。

「ん~ちょっと待ってくれ。アズサ」

「カインだめぇ。もうスイッチ入っちゃたもん。責任取ってくれるよね」

あーもうこのかわいい小悪魔ちゃんめ。あとでお仕置き決定だな。

そして、俺は緩んでいた顔から再び真顔へと戻した。アズサは驚いたように

俺を見て、何やら恥ずかしそうにしている。

「カイン……ごめん。なんか私もエロかったよね。もしかして
嫌いになっちゃった?」

不安げな顔で、アズサは俺を見ている。ごめん。アズサにそんな顔させて。

指輪もプロポーズの時にちゃんと渡していれば、今頃俺たちは、快感の

世界を楽しんでいたに違いないのに。不甲斐ない俺を許してくれ。

「アズサ、もう一度言う。俺と結婚してくれ」

「え?はい」

アズサは意味が分からいようで戸惑っている。戸惑うアズサは魅惑的にかわいい。

俺は、ポケットから包みを出し、アズサの手を握り、跪いた。

「俺はアズサを愛している。俺の気持ちを受け取ってくれ」

「カイン、ありがとう~」

アズサは、俺に抱き着いた。あーもうさっきの名残もあるから

今すぐアズサを抱きたい。

俺の性欲はこの包みを外す時間すら我慢できないんだろうか。

そして、アズサは俺から離れ、もう喜びがあふれんばかりの

笑顔を振りまきながら、ラッピングをほどいている。

俺は離れてくれたことで、落ち着きを取り戻すことができた。

アズサはパカッと蓋を開けて、叫んだ。

「なんで、ダイヤが3カラットってどこの王族よ。普通0.4とか1カラットまでが普通の平均じゃないの。こんな高級な指輪いただけません」

予想外の答えが返ってきた。カラットが大きすぎると不満を

言っているのだろうか。普通女性というものは大きいダイヤの方が

喜ぶものではなかろうか。

「アズサ、悪かった。気に入らなかったのか」

「いや、違うの。カイン。すごくうれしいんだよ。大きなダイヤだし、指輪の形もきれいだし、すごく気に入ってるの。でも、私のいた国ではこんな大きなダイヤなんか用意するのも難しいくらい高級だからびっくりしただけなの。ごめんね。本当に嬉しいんだよ。本当にこんな高い指輪もらってもいいの?」

さずがは、アズサだ。けなげで控えめな性格も出会ったままである。

「大丈夫だ。騎士団長として結構お給金ももらっていたし、ラリーみたいに遊んでもいなかったから貯まっているからお金の心配はしなくていい」

「わかった。なら遠慮なくいただくね。こんな素敵な指輪ありがとう」

「いや、気に入ってくれてホッとしたよ」

「え?待って?裏に何か刻印が彫ってあるんだけど」

そう言って、指輪の刻印を一生懸命探している。

すると、アズサは思い切り泣き出してしまった。どうしたのだろう。

刻印のメッセージがまずかったんだろうか。俺はアズサを抱きしめる。

小声で、アズサが俺に言う。

「こんなプロポーズの言葉聞いたことないよ。ありがとう」

刻印にはこうメッセージを入れた。

【死ぬまで一緒にいよう。世界で一番誰よりも愛している】

アズサは鼻をすすりながら言う。

「死ぬまで一緒にいようって、私が先に死んだらどうするつもり?」

「俺も死ぬ」

「絶対それはダメだよ。自分の命を粗末にしちゃダメ。2人ともおじいちゃんとおばあちゃんになるまで生きて、仲良く暮らしていこうね」

「はい、ありがとう」

俺は、いつもアズサに負けているのではないだろうか。この言葉の方が

よっぽどプロポーズらしいじゃないか。

やはり、俺はアズサには勝てない。いや、勝たなくていい。アズサが大好きだから。

俺たちは、抱き合いながら先ほどは中途半端になってしまって、熱くなった気持ちを

ぶつけ合うため、部屋へと戻っていった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」

透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。 そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。 最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。 仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕! ---

【完結】タジタジ騎士公爵様は妖精を溺愛する

雨香
恋愛
【完結済】美醜の感覚のズレた異世界に落ちたリリがスパダリイケメン達に溺愛されていく。 ヒーロー大好きな主人公と、どう受け止めていいかわからないヒーローのもだもだ話です。  「シェイド様、大好き!!」 「〜〜〜〜っっっ!!???」 逆ハーレム風の過保護な溺愛を楽しんで頂ければ。

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました

Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。 そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。 お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。 挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに… 意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。 よろしくお願いしますm(__)m

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

処理中です...