【完結】異世界に転生したら、元カレが敵みたいですが、溺愛騎士様がいるので大丈夫です。

SORA

文字の大きさ
75 / 75

最終回

しおりを挟む
 国王様は、呆れかえる。ラリーよりハッチのカンニングの件も聞いていたし、

問題児なのもわかっていたが、貴族の反感を買うわけにはいかなかった。

なので、セラムからの情報はちょうどハッチを落とせる原因に

なる。急遽、お城内に連絡が入り、国王様より召集がかかった。

客間には、カイン、セラム、ハッチ、アズサ、マゼランがいた。

「みなに、大事な報告がある」

「え?なんでしょうか」

カインが、国王様に尋ねた。

「ハッチがマゼランと密告しているという情報が入った」

ハッチは、顔を真っ赤にしている。マゼランもなぜか居心地が悪そうだ。

よくハッチを見てみると、首のあたりにはあざができている?

ってもしかして、キスマーク?え?あの二人ってそういう仲だったの?

アズサは驚いた。

「密告ではありません、子作りです!」

と自信満々に答えるマゼラン。

「申し訳ありません。国王様、彼は私の婚約者だった人なのです。お許しを」

と許しを請いだすハッチ。

「まぁいい。ちゃんと父に報告できるな?お前の不手際で下ろされたのだと」

「はい。わかっております」

「なら、もうこの話は終わりじゃ。今からハッチとマゼランは出ていけ」

「はい」

二人は、仲良く部屋から出ていき、荷造りを始めたのだった。

残された、セラム、カイン、アズサはなぜ残されているのかわからなかった。

「アズサよ、お前は妊娠しているというのはまことなのか?」

「え?はい」

「カイン、お前の子で間違いないのか?」

「はい」

「セラムよ、お前はトムが本気で好きなのか?」

「え?おじい様なぜそれを。大好きです。結婚したいと思っております」

「そうか」

国王様は、考え込みながら言った。

「あーこんなめんどくさいこともう終わりにしよう!アズサとカインは結婚!」

「え?いいんですか?」

「もういいんじゃよ!所詮は、ハッチの親たち貴族の反感を買うのを避けただけのパフォーマンスだったしな」

「おじい様、なら、なぜ私は選ばれたのです?」

「それは、あれじゃよ。どこぞの騎士より、騎士団長の方が幸せになると思ったからじゃよ。でも毎日送り続けられてくるあの長い長いポエムの手紙にいい加減わしも疲れてきての。トムのセラムへの愛がいかに深いかがわかったしの」

「え?いいですの?ありがとう。おじい様」

セラムは、国王様に抱き着いた。そして、国王様はおじいちゃんの顔に

なりながら、セラムの頭をポンポン撫でた。

私たち二人も抱きしめ合いながら喜んだ。


 後日、セラムとトムの婚約が決まったと手紙が来た。

そして、今日はカインとアズサの結婚式である。まだお腹が

大きくなる前にドレスが着られてよかったと思うアズサ。

そして、結婚式の最中に面白い光景を見つけた。

それは、モモとベンの二人だ。とても仲よさそうに

食事を楽しんでいる。もしかして、ベンの好きな子ってモモだったのかしら。

そういえば、モモも婚約者を紹介されたとか言ってたもんね。

ベンは暴発癖治ったらしいけど、ずっと手をズボンに入れてるのも

どうかと思うけど、モモならそんな彼でも受け入れてくれそうね。

そして、手錠で手をつないでいる怪しい2人は、ラリーとミシェルだった。

ミシェルがカインの方を向くだけで、お尻を叩いている。

「あんっ」

ミシェルは妖艶な声を出した。ちょっと、ラリー何やってんの。

ここ式場なんだから、小さい子供とかも出席しているんだからやめてほしい。

カインはもう鼻の下を伸びて、かっこいい顔が台無しである。

「カイン、顔だらしないよ」

「もういいんだよ。俺は幸せすぎてこのまま死んでもいい」

「え?本当にいいの?子供見られないよ?」

「いや!それはだめだ。アズサ愛している。これからもよろしく」

「カイン、愛している。よろしくね」

こうして、二人はいつまでも仲良く暮らしていくのでした。


~長編という長丁場にお付き合いいただきありがとうございました~
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

【完結】タジタジ騎士公爵様は妖精を溺愛する

雨香
恋愛
【完結済】美醜の感覚のズレた異世界に落ちたリリがスパダリイケメン達に溺愛されていく。 ヒーロー大好きな主人公と、どう受け止めていいかわからないヒーローのもだもだ話です。  「シェイド様、大好き!!」 「〜〜〜〜っっっ!!???」 逆ハーレム風の過保護な溺愛を楽しんで頂ければ。

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

無慈悲な悪魔の騎士団長に迫られて困ってます!〜下っ端騎士団員(男爵令嬢)クビの危機!〜

楠ノ木雫
恋愛
 朝目が覚めたら、自分の隣に知らない男が寝ていた。  テレシアは、男爵令嬢でありつつも騎士団員の道を選び日々精進していた。ある日王城で開かれたガーデンパーティーの警備中に婚約者と鉢合わせし、一方的に婚約破棄を出されてしまった。テレシアは別に何とも思っていなくあっさりと成立させてしまったが、それを目撃していた先輩方が見かねて城下町に連れていきお酒を奢ったが、そのせいでテレシアはべろんべろんに。そして次の日、ベッドに一糸まとわぬ姿の自分と知らない男性が横たわっていた。朝の鍛錬の時間が迫っていたため眠っていた男性を放置して鍛錬場に向かったのだが、ちらりと見えた男性の服の一枚。それ、もしかして超エリート騎士団である近衛騎士団の制服……!? ※他の投稿サイトにも掲載しています。 ※改稿しました。

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

処理中です...