猫扱いされても生きていたい。

来佳

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1章

2話

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最低でも食事を別けてくれないかなと淡い期待を抱きつつ。そろそろと近づいていくと何人かは僕に気付いたようだ。僕はそれに気付いていないふりをしつつゆっくりと近づいていく。
ある程度近づくと本格的に何人かは立ち上がりこちらを警戒し始める。僕はここでにゃぁとないてみる。一人以外はいぶかしげにしながらも猫ならいいかといった様子だ。よーしこのままもっと距離を詰めてやるぞとまた進んでいく。

やっとのことで全体を見えるほどに近づいてこれた。人間はやはり7人で、武装した人間が4人、そうでない人間が3人いる。
人間の世界は僕達魔物の世界と違って武装がない方が偉いという謎の体制をしいているというのは、僕らの群れの中でも有名な話で、もし人間を襲うなら何も装備していない人間を狙えと言うほどである。
今の僕みたいに下手に出るときでも当然偉い人間に愛想を振りまいた方がいいので、僕はにゃぁとなきながら何も武装していない人間の方へと足を進めていった。

「うふふ。こっちに来ますわ」

と中央に座っている人間が言う。それに答えるように僕もにゃぁとなく。

「こっちにおいで」

とこれはさっき話した人間の左にいる人間だ。手には肉の切れ端のようなものを振って僕を誘惑する。
にゃぁと僕は再度なき、近づいていく。
だけど突然横にいた武装した人間が僕の行く手を阻んだ。

「危険かもしれないのでお下がりください」

「ただの猫よ?大丈夫だわ」

「いえ、これは猫ではありません。似ていはいますが魔力の反応があります」

となかなか目ざとい。僕を魔物だと看破したようだ。この人間やるなと少し感心する。とりあえず、このめんどくさそうな人間は警戒しないとなと、この護衛を警戒しつつ前に進む。
ここで逃げれば余計に怪しいし、折角ありつけそうな食事を逃すことにもなるからだ。
なにもわからない素振りをしてもっと近づくために進んでいく。
幸いこの護衛以外は猫と思っているようだから、時折にゃあも忘れずにいれる。

「やめて!」

ブンという音と共に声が上がる。どうやらこの護衛は僕に武器を振り下ろそうとしたみたいだ。それを僕を猫と勘違いしてる人間が止める。護衛はやはり真ん中の人間には頭が上がらないようで、僕の首のすんでのところで武器を止めたようだ。
にゃぁと勝ち誇ったなき声を上げつつまた進む。

「魔物だとしてもこんなにかわいいし、害意もないようですわ。それをそんな風にするなんて」

「ですが......」

とやっぱり頭が上がらないようだ。それにこの人間はすこぶる甘い。これはいいぞと歩幅を大きくしてかけていく。そしてぴょんと人間の膝の上へと飛んだ。

「うふふ。よしよし。ほらいい子じゃありませんか。ミーナすこしあげてあげて」

と肉をもった人間に言う。どうやらついに僕の目的が達成されるようだ。

「どうぞ」

僕の前に差し出された薄い肉を僕は吸い込むように食べる。咀嚼もほどほどにすぐに飲み込む。うまい。
にゃぁとねだる。そうするとまたくれる。
僕は腹が膨れるまでにゃぁとなき続けるのだった。
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