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1章
16話
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「起きて、起きて」
と誰かが僕の鼻を叩く。どうやら僕は監視してる間に寝てしまったようだ。
目を開けると目の前に人間の握り拳2つ分ほどの大きさの真っ白いねずみがいた。これが例の食糧庫を荒らすねずみか。先制を撃たれたが、敵意がないようでよかった。それにこのねずみはただのねずみではないようだ。
かすかながら魔石の波長を感じる。ねずみ型の魔物のようだ。そうなれば話は早い。
「どうしたんだい。それに君は何者だい?」
と訊ねてみる。
「寝てたから起こしてあげようと思って」
「なんで起きないといけないんだい」
「もうすぐ人間が起きちゃうから。お兄さんは知らないかもしれないけど、ここの人間は乱暴なんだ。ボクについてきて」
と僕を先導しようとする。これはいいかもしれない。ついていってこのねずみの仲間を説得してここから追い出してもよし、一網打尽にしてもよしと一石二鳥だ。
手間が省けるか、命を救うか。どのみち良いことには変わらない。
「わかったよ。ゆっくり頼むよ」
と言ってねずみのあとを追いかける。ねずみはどんどんと奥に進んでいき、あまり人の来ていなさそうな区画の奥まできた。一応僕もここを見ていたはずだがと周りを見回すが、やはり変なところはない。
「こっち。こっち」
手招きされるままについていくと大きめの木箱があった。ねずみはその木箱の蓋の隙間から中に入る。僕はそれに続いて、その蓋をそーっと押し開け中に入った。なるほど、箱の中で住んでいて気付かなかったのかと感心する。
中は、からで十分に僕が数匹寝たりできるほど広く、ねずみが運んできたであろう食材が入っていた。
「他の仲間はいないのかい?」
「いないよ。ボクひとりなんだ。でも仲間が見つかってよかったよ。これで2匹だね」
「仲間って僕のことかい?」
「そうだよ?だってボクたち同じ仲間でしょ?」
と変なことを言う。まあ魔物というくくりで見れば仲間だけど、それは動物だから仲間だと言ってるみたいなものだ。
「そうなのかな?」
「そうだよ!ボクと同じ色してるもん」
まあ確かに色は同じだが、それだけだ、サイズも顔つきも耳の形、尻尾の形も違う。
「ボクもいつかそんなに大きくなれるんだね!大きくなったらこんな場所からさっさと出て、ここをボクの縄張りにしようと思ってたけど、お兄さんがいるからボクは2番でいいよ!一緒に人間を追い出そう!」
と声を大きく叫ぶ。このねずみは生まれたばかりで、人間の強大さを知らないらしい。僕も小さい頃はいつか群れを大きくして山をいくつも縄張りにしてやるぞと意気込んでいたけど、人間と会って共に生活してわかった。僕たちのような小さい魔物は人間に会ったらお遊び目的に狩られるか、食べられるか、絨毯になるしかないのだ。僕はたまたま運が良かっただけ、他の魔物よりましだろう。なのでつい。
「それはやめておいたほうがいいよ」
と言ってしまった。
「なんで?お兄さんは人間が嫌いじゃないの?」
「どうだろうか」
僕は少し考えてみた。
と誰かが僕の鼻を叩く。どうやら僕は監視してる間に寝てしまったようだ。
目を開けると目の前に人間の握り拳2つ分ほどの大きさの真っ白いねずみがいた。これが例の食糧庫を荒らすねずみか。先制を撃たれたが、敵意がないようでよかった。それにこのねずみはただのねずみではないようだ。
かすかながら魔石の波長を感じる。ねずみ型の魔物のようだ。そうなれば話は早い。
「どうしたんだい。それに君は何者だい?」
と訊ねてみる。
「寝てたから起こしてあげようと思って」
「なんで起きないといけないんだい」
「もうすぐ人間が起きちゃうから。お兄さんは知らないかもしれないけど、ここの人間は乱暴なんだ。ボクについてきて」
と僕を先導しようとする。これはいいかもしれない。ついていってこのねずみの仲間を説得してここから追い出してもよし、一網打尽にしてもよしと一石二鳥だ。
手間が省けるか、命を救うか。どのみち良いことには変わらない。
「わかったよ。ゆっくり頼むよ」
と言ってねずみのあとを追いかける。ねずみはどんどんと奥に進んでいき、あまり人の来ていなさそうな区画の奥まできた。一応僕もここを見ていたはずだがと周りを見回すが、やはり変なところはない。
「こっち。こっち」
手招きされるままについていくと大きめの木箱があった。ねずみはその木箱の蓋の隙間から中に入る。僕はそれに続いて、その蓋をそーっと押し開け中に入った。なるほど、箱の中で住んでいて気付かなかったのかと感心する。
中は、からで十分に僕が数匹寝たりできるほど広く、ねずみが運んできたであろう食材が入っていた。
「他の仲間はいないのかい?」
「いないよ。ボクひとりなんだ。でも仲間が見つかってよかったよ。これで2匹だね」
「仲間って僕のことかい?」
「そうだよ?だってボクたち同じ仲間でしょ?」
と変なことを言う。まあ魔物というくくりで見れば仲間だけど、それは動物だから仲間だと言ってるみたいなものだ。
「そうなのかな?」
「そうだよ!ボクと同じ色してるもん」
まあ確かに色は同じだが、それだけだ、サイズも顔つきも耳の形、尻尾の形も違う。
「ボクもいつかそんなに大きくなれるんだね!大きくなったらこんな場所からさっさと出て、ここをボクの縄張りにしようと思ってたけど、お兄さんがいるからボクは2番でいいよ!一緒に人間を追い出そう!」
と声を大きく叫ぶ。このねずみは生まれたばかりで、人間の強大さを知らないらしい。僕も小さい頃はいつか群れを大きくして山をいくつも縄張りにしてやるぞと意気込んでいたけど、人間と会って共に生活してわかった。僕たちのような小さい魔物は人間に会ったらお遊び目的に狩られるか、食べられるか、絨毯になるしかないのだ。僕はたまたま運が良かっただけ、他の魔物よりましだろう。なのでつい。
「それはやめておいたほうがいいよ」
と言ってしまった。
「なんで?お兄さんは人間が嫌いじゃないの?」
「どうだろうか」
僕は少し考えてみた。
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