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リオン・ブランカ

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 私が生を受けたのは、誰もいない暗い森の奥深くでのことだった。

 気がついたらそこにいた。

 自分の存在や、なぜここにいるかもわからないまま私は永い月日をそこで過ごしていた。

 そんなある日、光輝く美しいユニコーンが目の前に現れた。

「あなたは何者ですか?」

 私がそう尋ねると、そのユニコーンは私に憐憫の眼差しを向けて言った。

「なんだ、神の子の気配を感じてきてみれば運命も持たぬ未熟者がいるとは」

「運命? 神の子?」

「小僧良く聞け。私もお前も誇り高き神の眷属だ。必ずなにかしらの意味があって生まれる。そしてそれは名が決まったとき定められる」

「名前?」

「そうだ。それに神の子とは主から力をもらいその存在を認められた唯一の無二の存在のことだ。そんなことも知らず、長い間名も持たぬお前のような未熟者の存在が許されるとは。この神の眷属の面汚しめ」

「そんな、私は存在してはいけないと言うこと?」

「このままならそうだろう。主は寛大だからお前のような存在をお許しになっているのかもな」

 そのユニコーンはそう吐き捨てるようにそう言うと去っていった。

「面汚し……」

 私はそれからも孤独なまま、森の奥の暗闇で長い長い月日をすごした。そのあいだ、自分が存在する意味を考えた。

 だが、いくら考えても自分の存在する意味を知ることはできず、本当にこのまま朽ち果てて行くだけの存在なのではないかと考えるようになった。

 そんなある日、突然光輝く存在に気づいた。

 その娘は人間でありながら、主と同じ輝きを放っており、この娘こそユニコーンの言っていた神の子なのではないかと思った。

 この光を感じ取れたということは、きっとそこに私の運命があるに違いない。

 私は暗闇の中、まっすぐにその光へ向かって進みだした。この光がその答えなのだと信じて。
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