特典付きの錬金術師は異世界で無双したい。

TEFt

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魔法都市国家

ディオンの気持ち

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 「まぁ、こういうことなんだ。僕はあの神が憎い。僕からすべてを奪った、あの神が。」

 なんか、とんでもないことを聴いてしまった。この世界の神が、自分の退屈をしのぐために世界を狂わせているのか?

 すすり泣くような声が聞こえた。辺りは静かでとても暗い。そのお陰かカイトの顔はよく見えない。だが、わかる。こいつは俺が体験したことのない程の絶望を味わったんだろう。今はそっとしておこう。

 「グスッ、…ディオン君、だから君にはこの神をぶち殺してほしい。」

 悔しさを押し殺したような声でカイトが俺に語りかける。神を殺す。この俺が、確かにカイトの言った通りならこの世界の神は間違っている。だけど、俺にやれるのか?わからない。今は、頭の片隅にでも置いておこう。

 「僕は、君ならやってくれると信じているから。ありがとう、それじゃおやすみ。僕はもう少しここで黄昏ることにするよ。」
 「あ、ああ。おやすみ。」

 そして、俺はさっさと眠ることにした。



 新しい朝が来た。生憎気分は優れない。

 「おう、坊主。顔色悪ぃぞ。」
 「ちょっとね。」
 「そうか、朝飯ならパパッと作っといたぞ。しっかり食っとけ!」
 「ありがとう。」

 質素な朝飯だったが今の気分にはちょうど良かった。食欲がなかったからな。その後は、いつも通りマッスルさんと稽古をし、昼飯を作り、魔法の練習をしたりもした。基本的に魔法に関してはハイルにお任せしている。文句は言うけど、ちゃんとこなしてくれる。

 カイトは、まぁ、いつも通りだよ?最近は禁断症状が現れはじめて、エア幼女を愛で始めた。こいつはもう、ダメだ。既に狂ってやがる。本当に不定の狂気にでもなってるんじゃないだろうか。それとも、演技か?

 そんなことをしながら、数日間だけだが旅をした。そして、ついにやって来た。魔法都市国家エーヴィディン。外から見ても分かる程の大きな飛行船らしきものがあったり。いろいろ浮いてたりする。入国するためにしばらくの間列にならんでいたが、ちょうどいい暇潰しになった。税を払って内部に入れば、これまたファンタジー。
 
 「よし、俺は馬車をちょいと返してくるんでな。ちなみに魔法学院は正面に見えるでけぇ建物だ。そんじゃな。」

 そう言ってマッスルさんはどこかへ行ってしまった。よし、こうなったら。レッツ観光だ!

 流石は魔法都市国家と言っておこう。見たことのない研究器具や、触媒、材料。そして、ここの人間は基本的に魔力が高い。さらに、魔術師が多い。

 「ディオン君、僕はまた、旅に出るよ。また会えるといいね。」

 カイトの奴は途中でそう言い残して去っていった。あいつのことだ、今頃どうせ衛兵にでも追いかけられてることだろう。朝のうちに着いたので、今は昼頃だ。そろそろ学院のほうへ行こう。とても、大きい建物なので迷う心配はない。

 やはり、ちょうど入学シーズンのせいでやたらと人が多い。これ、今日中に終わるんだろうか。まぁ、仕形がないので列に並ぶんだが。
 ぱっと見て分かるのは、大人が多い。ちらほらご老人が混ざってたりするけど、年齢層は25~30くらいが多い気がする。そんな中に子供が一人。見られる。めっちゃ見られとる 。

 そして、なぜか警備員さんに捕まりました。

 「おい、ガキ。ここは魔法学院だ。学校じゃねぇ。時々いるんだよな調子にのったガキが列にならんでよ。魔術師ギルドの証もねぇのによ。」
 
 この人は、目が節穴なのだろうか。ちゃんと左胸につけているのに。それとも、子どもには 権利がないとでも言うのか?

 「いや、あの、僕ちゃんと『一級魔術師』のバッジ付けてるんですけど?」
 「おめぇみたいなガキが一級?は、馬鹿らしい。おおかた、盗んだんだろう?今すぐそれを置いて帰るんなら豚箱は勘弁してやる。」

 ほぉ、カッチーン。頭きちゃったよ。俺、ちょっと、イラついちゃったなー。なんだか、ファイヤーボール打ちたい気分ダワー。思いっ切り魔力を圧縮したものをブチ込んでやろう。

 「ちょっと通してくれ、おいっ、坊主馬鹿なことするんじゃねぇ!」
 「ん?マッスルさん?」
 「危なかった。、お前はこの国を半壊させる気か!」
 「いやいや、ちょっと頭にきたんでそこの奴に遠慮なくぶつけようと思っただけですって。」
 「あ、あのー、どうして、リハインド様がここに?」

 ん?こいつ、態度が一気に変わったぞ。そして、リハインド様だと?

 「坊主が魔法学院にそろそろ来る頃だろうと思って迎えに来たら、急にとんでもない魔力を感じたんでな。」
 「マッスルさん、リハインド様ってなんですか?」
 「あ?そりゃ、俺がこの魔法学院の教師の一人であり、それなりに上の方の地位だからだ。」

 なるほど、なるほど理解したわー。って、

 「おっさん冒険者じゃなかったのか!」
 「ああ、たまに依頼を受けて討伐に赴く程度だな。」
 「マッスルなのに!?筋肉なのに!?」
 「おい、そりゃどういうこった、ぁあ?」
 「リハインド様のお知り合いの方だったのですか!し、しかも、その年で一級!」
 「ああ、こいつはバケモンみてぇなもんだ。さっさと案内してやれ。あと、坊主。覚えとけよ。」

 マッスルさんが取り合ってくれたおかげですぐに入学ができました。入学式は一週間後らしい。そして、マッスルさんに呼ばれて、ずっと模擬戦をやらされたよ。しかも、俺、素手なのに、相手、大剣振り舞わしてくんだぜ。うん、地獄を見たさ。まさか、体力が半分切るなんて思いもしなかった。
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