特典付きの錬金術師は異世界で無双したい。

TEFt

文字の大きさ
27 / 72
少年期

少年期第13話

しおりを挟む
 いやー豊作、豊作。まさか『リバーシ』があんなに高くつくとは思わなかったよ。この前の父上ときたら目を血走らせて『またっ、なにか思いついたらすぐ言えっ!』て大変なことになってたからな。これ以上、情報を与えると興奮し過ぎて死ぬんじゃないか?まぁ好きなことで死ぬなら本望かもな。

 いつものようにアリスと戯れながら考え事をしていると。

 「ディオン。ちょっといいかしら?」
 「はい、何でしょう?母上。」
 「実はお茶の時間のお菓子を作る材料がきれちゃってね。町まで行って買ってきてくれる?飛行魔法あるでしょ?」
 「良いですよ。小麦粉ですか、卵?砂糖は高いですよね。」
 「小麦粉よ。前にシアンが撒き散らしちゃったから。ついでにお茶の葉もお願いできるかしら。」
 「はい、行ってきます。」

 母上から銀貨3枚を貰い、いざ町へ。そういえば町の名前ってなんだろう。聞いたことなかったな。後で確かめてこようっと。

 町までは歩いて1時間程だが、飛行魔法なら5分あれば余裕で着ける。普通の自動車よりも速いかもしれない。町に着いて看板のような物を見ると『オルドゥの町』と書かれていた。さて、町の名前も分かったし早速買い物に行くか。町の中はそこそこ人で賑わっている。とりあえず雑貨屋に寄っていく。雑貨屋は大抵のものならここで買える。小麦粉とお茶っ葉を買って通りに出る。通りに出ると何やら騒がしい人だかりができている。喧嘩のような声まで聞こえる。

 「おい、筋肉ダルマその商品は俺が買おうと思ってたんだよ。さっさと渡せっ!」
 「いや、俺だってこれは必要なものだし。それにもう買ってしまったから仕方ないだろう。」
 「俺はてめぇみてぇな丸腰の冒険者じゃねぇんだよ。魔術師!敵うわけねぇだろ。さっさとよこせや!」

 どうやら一つの物をめぐっての争いのようだ。しかし魔術師ってそんなに偉いのかねぇ。すごい威張っているけども。

 「別に貴様と争おうとはおもってねぇよ、でもなよこせってのは少し気に食わんな。」
 「やろうってのか、やってやんよ上等だゴラァ。『我が前の敵を炎滅せよファイヤーバースト』」

 いや人前で中級炎魔術使うなよっ!周りの人たちが危ない。とっさに水魔術を使おうとおもったら炎が消えた。目の前のマッチョマンに当たったように見えた。

 「この程度で魔術師か。雑魚だな。」
 「てめぇ、何をした。素手で何ができる!?」
 「おいおい、素手でも魔法は使えるんだぜ。てめぇみたぃに杖がないと中級魔術が使えないオコチャマとは違うのさ。」

 いや絶対あたったと思ったぞ。魔法を使ってるって言ったがかき消す魔法なんて見たことねぇ。どうなってんだ。俺はとてもドキドキしていた。こっちに火炎弾が飛んできているとも分からずに。

 「おいっ、ガキ。危ねぇぞ!」
 「へっ?うわぁ。」

 目の前まで火炎弾が迫ってきていた。さっきのはぐれたやつか?瞬間的に身体強化魔法を使い硬化を発動。当たりはしたが火傷にもならなかった。ちょっとホワァって暖かくなったくらいだった。

 魔術師の男はすでに逃走していた。今度あったら死なない程度に殴ろう。

 「おいっ大丈夫か!?」
 「別に何ともないよ。身体強化魔法使ったから。」
 「ハ?お前どう見たって4歳程度のガキだろ。なんで魔法が使えるんだ?」

 やべっ、つい言っちまった。常識じゃ7歳が普通。どうしよう。嘘ついてもどうしようもないしな。

 「僕、普通じゃないので。」
 「そうか。またどっかであった時はよろしくな。俺はマッスル=リハインド。」
 「それでは。」

 買い物頼まれてたの忘れてた。とっさに小麦粉等が入った袋を持つと町の外まで全力疾走した。そして飛行魔法でひとっ飛び。

 「マッスルだったのか。体と名前が完全一致してるな。」

 家に帰るとすでに昼。ギリギリセーフだった。

 「母上買ってきましたよ。」

 返事が無い。おかしいな、普段はこの部屋にいるはずなんだけど。とりあえずリビングへ行ってみる。ドアを開けた瞬間。

 「「「ディオン(様、君)誕生日おめでとう(ございます)。」」」

 びっくりした。そうか、今日は俺の誕生月だったのか。そのために俺を買い物に行かせたのだろうか?目の前には豪華な食事が並べられている。昼にやるのは夜になると父上の商人仲間とかが祝いに来るので挨拶をしないといけないからである。

 「ありがとうございます。ビックリしました!」
 「ディオン私からはこれをプレゼントするわ。」

 手渡されたのは銀とルビーが使われたブローチだった。錬金で作ったのか名前まで彫られている。形は竜を模したもののようで目にルビーが使われていた。よくこんなにも細かく作れるのだろうか。すごいな。

 「ディオン様、私はお菓子を作りましたよ!」

 シアンが焼きたてのフルーツパイを持ってくる。柑橘系が多く含まれてるようで甘酸っぱい匂いが漂ってくる。この世界は砂糖が希少なのでお菓子にはあまり使えない、なので果物が多く含まれている。シアンめかなりやるなっ。

 「ディオン君、私からはこれを…」

 フェル先生からは紙の書状を貰った。あと魔法陣ぽいものが描かれたバッジも貰った。

 「これは私が君に一級魔術師としての実力があると認めこのバッジを贈ろう。もう一つは魔術師ギルドにて正式に一級魔術師になるための試験を受けることができる紹介状だ。私が認めたからね。ややこしい話はないと思うよ。」
    「フェル先生ありがとうございます。僕、頑張ります!!」
    「そして最後に大事なことを言おう。私はもう旅に出る。君と出会ってから私の魔法はまだまだだと気づいたんだ。またどこかでね。」

    楽しい時間は永遠ではない。わかっていた。俺が卒業試験をクリアしたらフェル先生はいってしまうと。でも世界は案外狭いものだ。いつかどこかで会える。俺は心にそう上書きした。

    「フェル、先生。ありがとう…ごさいましだ。」

    涙が頬をつたって流れる。必死に笑おうとしてもとても痛い。心が俺のすべてを青く染めた。別れってこんなにも辛いことだと始めて知ったんだ。それを悟った時、俺は強くなれた気がした。悲しみをグッと堪え、涙を拭き払い。今度は自然に笑って見せた。

    「ディオン君。…こんな私を慕ってくれて、ありがど。グスッ。」

    フェル先生にガバッと抱きつかれた。体温がとても温かかった。周りを見れば、シアンは大泣き。母上は優しい笑みを浮かべている。父上はシアンと同じく大泣きしている。プッと吹き出してしまったよ。家族ってこんなにいいものだったのか。

    ただそこにいることが当たり前だと感じたいつもの平和な日常。人と人が出会えた瞬間。そのすべては本当に奇跡としか言いようがない。ある人は言った『人生とは奇跡の連続である。』そして俺はみんなを見て思ったよ。いつもの日常に奇跡はすでにおきていると。

    その後はみんなでワイワイしながら料理を食べ、ゲームをして遊んだ。久しぶりだから楽しかった。午後からの挨拶も無事に済ませた。それどころか4歳児らしからぬ言動で人々の目を点にしてやったぜ。夜はハイルと一緒に乾杯したよ。頭の中でだけど。


    そこから時は流れ行く。幼き子供は、やんちゃな少年へと………。

 
     余談
  月日が流れ      

    ピコンッ、アリスたんの様子が………
(デンッデンッデンッデンッ……テレテテーテテー)

    おめでとう、アリスたんはロリっ娘へと進化した。

     書いてみたかっただけです。(キリッ)
しおりを挟む
感想 89

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

処理中です...