【完結】追放された地上最弱テイマー、魔獣と始める辺境領主ライフ

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第3章 新たな守護獣との出会い

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セレナと契約してから一週間が経った。その間、アーレンたちは森の開発に力を入れていた。セレナの浄化能力のおかげで、小屋の周りには立派な畑ができ、野菜の芽が顔を出し始めていた。

「こんなに早く芽が出るなんて」アーレンは感嘆しながら、新芽を観察していた。「セレナの力は本当にすごいね」

「私の浄化能力と、アーレン様の魔力が相乗効果を生んでいるのでしょう」セレナは控えめに答えた。

エリアは畑の周りを走り回りながら、嬉しそうに言った。「私たちの家がどんどん良くなっていきます!」

彼女は今日も警戒任務を終え、無事に帰ってきたところだ。エリアは森の周辺を定期的に巡回し、危険がないか確認する役目を担っていた。彼女の幻術能力は、万が一敵が現れても威嚇できる強みがある。

「今日はもう少し森の東側を探索してみようか」アーレンは二人に提案した。「まだ見ていない場所もあるし、他の守護獣が眠っているかもしれない」

「良い考えです」セレナが賛同した。

「わーい!冒険ですね!」エリアは跳ねながら喜んだ。

昼食後、三人は森の東側へと向かった。これまでとは少し違う景観が広がっている。木々はより密集し、地面には奇妙な形の花々が咲いていた。

「この花、見たことがないな」アーレンは立ち止まり、一輪の青い花を観察した。星形の花弁を持ち、中心から淡い光を放っている。

「星花(ほしばな)です」セレナが説明した。「魔力を帯びた植物で、夜になると強く光ります。薬用としても価値があります」

「へえ、すごい」アーレンは興味深そうに花を見つめた。「これも森の魔力が戻り始めている証拠かな?」

「そうでしょう。浄化が進むにつれ、こうした魔力植物も復活していくはずです」

彼らが進むにつれ、様々な珍しい植物が目に入った。アーレンは前世の植物学の知識と、この世界で学んだ魔術植物学を思い出しながら、それらを記録していった。

「ミャー」

突然、低い鳴き声が聞こえた。三人は立ち止まり、周囲を見回す。

「あれ?」エリアが木の方を指し示した。

大きな木の根元に、黒い毛玉のようなものが丸くなっていた。近づいてみると、それは猫だった。小柄な黒猫で、細い体と長い尻尾を持っている。

「こんにちは」アーレンは優しく声をかけた。「君は森の住人かな?」

猫は警戒心を解かず、じっとアーレンを見つめている。その瞳は翡翠のように緑色に輝いていた。

「怖がらせてごめんね。僕はアーレン。こっちはエリアとセレナだよ」

「アーレン様は【もふもふテイマー】なんです!」エリアが元気よく付け加えた。

猫は少し考えるような仕草をした後、ようやく口を開いた。

「ミスト…私の名前」

その声は小さく、かすかだった。

「ミスト、素敵な名前だね」アーレンは微笑んだ。「何かあったの?怪我してる?」

ミストはゆっくりと立ち上がった。怪我はしていないようだったが、どこか疲れた様子だった。よく見ると、額には葉の形をした緑の紋様が浮かんでいる。

「森が…変わっている。浄化の力を感じた」

「それはセレナの力だよ」アーレンは説明した。「僕たちはこの森を元の姿に戻そうとしているんだ」

「元の姿…」ミストの目が少し輝いた。「守護獣たちの楽園に?」

「そう、そのつもりだよ」

ミストはしばらく考え込んでから、決心したように言った。「力を貸します。私は森の元素を司る守護獣。木々や植物と話せる」

「本当に?」アーレンは嬉しそうに尋ねた。「それは素晴らしい能力だね。一緒に森を再生しよう」

ミストは静かに頷き、おずおずとアーレンに近づいた。アーレンが手を差し出すと、ミストはその手に小さな前足を置いた。緑の光が二人を包み込む。契約の儀式が完了した。

「これで私たちは三人になりましたね!」エリアは嬉しそうに跳ねた。

「三匹ね」セレナが冷静に訂正した。

「いいえ、私たちはアーレン様と一つのチームです。だから『人』でいいんです!」

エリアの言葉に、アーレンは思わず笑みがこぼれた。確かに彼女の言う通りだ。彼らは同じ目標に向かって進む仲間なのだから。

「ミスト、うちの小屋まで来てくれる?そこが私たちの拠点なんだ」

「…はい」黒猫は小さく答えた。

帰り道、アーレンはミストについてもっと知りたいと思い、質問した。

「ミスト、君はどのくらいここにいたの?」

「ずっと…」ミストは小さな声で答えた。「木々と共に眠っていました」

「木々と話せるってどういう感じなの?」エリアが好奇心いっぱいに尋ねた。

「木々には…声がある。ゆっくりとした声。何世紀も生きた記憶を持つ声」

「それは素晴らしい」アーレンは感嘆した。「この森の歴史も知っているかな?」

「断片的に…」ミストは言った。「木々は覚えている。人間たちが来る前の平和な時代を」

小屋に到着すると、アーレンはミストのための居場所を用意した。暖炉の近くに柔らかいクッションを置き、彼女専用の寝床とした。

「ここで休んでいいよ。疲れているようだから」

ミストは感謝の視線を送り、クッションの上で丸くなった。彼女はすぐに眠りについたようだった。

夕食の準備をしながら、アーレンはセレナとエリアに小声で言った。

「ミストはとても内向的だね。少し時間をかけて、打ち解けていこう」

「彼女は長い間、一人で眠っていたのでしょう」セレナが答えた。「私たちが温かく迎え入れれば、きっと心を開いてくれるはずです」

「うん!私、ミストと仲良くなりたいです!」エリアは尻尾を振った。

その晩、アーレンは三匹の守護獣に囲まれて眠りについた。エリアはいつものようにアーレンの胸の上、セレナは足元、そしてミストは少し距離を置いて、暖炉の近くで丸くなっていた。

翌朝、アーレンが目を覚ますと、驚くべき光景が広がっていた。小屋の中に、小さな花々が咲いていたのだ。床の隙間や窓辺、至る所に色とりどりの花が咲いている。

「これは…」

「ミストの能力でしょう」セレナが静かに言った。

アーレンが周囲を見回すと、ミストは窓辺に座り、外を眺めていた。彼が近づくと、黒猫はそっと振り返った。

「おはよう、ミスト。これは君がしてくれたの?」

「…はい」ミストは小さく頷いた。「お礼です。受け入れてくれて」

「素晴らしいよ、ミスト」アーレンは心から微笑んだ。「こんなに美しい花、見たことがない」

ミストの目が少し明るくなった気がした。アーレンはそっと手を伸ばし、彼女の背中を撫でた。ミストは最初少し身を引いたが、すぐにその手に身を寄せた。彼女の毛は想像以上に柔らかく、絹のようだった。

「気持ちいい?」アーレンが優しく尋ねた。

「…はい」ミストは小さく答え、目を細めた。

「ミストの毛並みはとても滑らかだね」アーレンは感嘆した。「触るのが気持ちいい」

「えー!私の毛並みも負けてないですよ!」エリアが飛び込んできて、二人の間に割り込んだ。

アーレンは笑いながら、エリアの頭も撫でた。「もちろん、エリアの毛並みも最高だよ。温かくてふわふわして」

エリアは満足げに喉を鳴らした。セレナも静かに近づいてきて、アーレンの膝に頭を置いた。

「みんな撫でて欲しいんだね」アーレンは嬉しそうに言った。「私はいくらでも撫でるよ。これも【もふもふテイマー】の役目だから」

朝の一時を、アーレンは三匹の守護獣たちと触れ合って過ごした。それぞれ違う触り心地と温もりがあり、彼は心から満たされる気分だった。

「よし、今日も森の開発を進めよう」アーレンは立ち上がり、計画を話し始めた。「ミスト、君の能力で森の植物の成長を促進できるかな?」

「できます」ミストは頷いた。「特に、魔力を持つ植物なら」

「素晴らしい!セレナは引き続き土地の浄化を、エリアは警戒を。私は全体の指揮と、小屋の拡張工事をするよ」

守護獣たちは各自の役割を理解し、一日の活動が始まった。

ミストが加わったことで、森の開発はさらに加速した。彼女の能力は植物の成長を促進するだけでなく、木々から様々な情報を得ることもできた。古い樹木は長い記憶を持ち、森の歴史や隠された場所について知っていたのだ。

「ミスト、この辺りの木々は何か言ってる?」

アーレンは森の西側を探索しながら尋ねた。

「うん…」ミストは耳をピクピクさせながら集中する。「この先に…何かがある。地中に眠っているものがあるって」

「地中?」アーレンは興味深そうに言った。「何だろう?」

彼らが進むと、森の木々が開けた小さな空き地に出た。そこには大きな岩が佇んでいた。一見普通の岩だが、よく見ると不自然な形をしている。

「まるで…うさぎの形みたいだね」

アーレンがそう言った瞬間、岩がゆっくりと動き始めた。

「え?」

岩だと思っていたものが、実は巨大なうさぎだった。灰色の石のような毛並みに覆われ、長い耳と強そうな後ろ足を持っている。目を開くと、琥珀色の瞳が現れた。額には茶色の結晶のような紋様があった。

「あなたが…新しいテイマー?」

低く落ち着いた声で、うさぎは話し始めた。

「そうです」アーレンは頷いた。「アーレン・グレイヘイブンと申します。こちらはエリア、セレナ、ミストです」

「私はフロート。土の元素を司る守護獣」うさぎは重々しく言った。「長い間、この地に眠っていた」

「どれくらい眠っていたんですか?」エリアが好奇心いっぱいに尋ねた。

「…100年ほどだろうか」フロートはゆっくりと答えた。「人間たちが森を去り、魔力が乱れた頃から」

「100年も!」アーレンは驚いた。「それはさぞかし寂しかったでしょう」

「いや」フロートは首を振った。「土と一体になり、大地の声を聞いていた。寂しくはなかった」

「大地の声?」

「ああ。鉱物や岩石の声だ。この森の地下には、豊かな資源が眠っている」フロートは前足で地面を軽く叩いた。「鉄、銀、水晶、そして魔力を帯びた鉱石もある」

アーレンの目が輝いた。鉱物資源があれば、領地の発展にさらに弾みがつく。

「フロート、私たちと一緒に森を再生しませんか?あなたの力が必要です」

うさぎは静かにアーレンを見つめ、そして頷いた。「いいだろう。長い眠りの後、動き出す時が来たようだ」

アーレンとフロートが契約を結ぶと、茶色い光が二人を包み込んだ。こうして四人目の守護獣がチームに加わった。

フロートは想像以上に大きく、アーレンが両手を広げても抱えきれないほどだった。その毛並みは一見粗いように見えたが、触れてみると意外なほど柔らかく、密度がある。まるで厚く柔らかい絨毯のような感触だ。

「フロート、君の体、とても温かいね」アーレンはフロートの背中に手を置きながら言った。

「土の魔力は温かさを持つ」フロートは静かに答えた。「大地の恵みの象徴だ」

小屋に戻る道中、アーレンはフロートに質問した。

「君の能力は具体的にどのようなものなの?」

「土と鉱物を操る力だ」フロートは歩きながら説明した。「地中の資源を探知できる。また、岩や土を動かすこともできる」

「それは素晴らしい!」アーレンは興奮した。「小屋の拡張や、将来的な鉱山開発にも役立つね」

「ああ。私の力を使えば、鉱物の採掘も容易になるだろう」

小屋に到着すると、フロートはその大きさに驚いた様子だった。

「狭くないか?」

「ああ、確かに手狭だね」アーレンは苦笑した。「君のためにもっと広い小屋を建てないといけないな」

「私が手伝おう」フロートは言った。「私の力で地面を整え、石材を集めることができる」

「それは助かるよ、ありがとう」

その日の夕方、フロートとアーレンは小屋の拡張計画を練った。フロートの能力で地面を均し、周囲から適した石材を集める。セレナが浄化した水で粘土を作り、ミストが丈夫な木材を選ぶ。エリアは幻術で作業の安全を確保する。

翌日から拡張工事が始まった。フロートの力は想像以上に便利だった。地面を踏み固めるだけで、完璧に平らになり、指示した場所に岩を浮かび上がらせることさえできる。

「こんなに簡単に石材が手に入るなんて」アーレンは感嘆した。「大工仕事がぐっと楽になるよ」

「これは基本的な能力に過ぎない」フロートは謙虚に言った。「もっと力が戻れば、もっと複雑なことができるようになる」

工事は順調に進み、一週間後には小屋の拡張が完了した。以前の二倍以上の広さになり、守護獣たちそれぞれの専用スペースもできた。

「これで快適に過ごせそうだ」アーレンは満足げに新居を見回した。「みんな、ありがとう。君たちの力があってこそだよ」

守護獣たちも新しい住まいに喜んでいるようだった。エリアは自分の寝床で転げ回り、セレナは窓辺の日当たりの良い場所をお気に入りにしたようだ。ミストは本棚の上に小さな空間を見つけ、そこから部屋全体を見渡せることを気に入った。フロートは暖炉の横に大きなクッションを置き、そこで安らかに休むようになった。

夜、アーレンはフロートの背もたれにもたれかかり、本を読んでいた。他の守護獣たちも周りに集まり、それぞれ好きな場所でくつろいでいる。

「こんな風に守護獣たちと過ごすのは、とても幸せなことだな」アーレンは思わず呟いた。

「私たちにとっても幸せです」セレナが静かに答えた。「アーレン様のような【もふもふテイマー】と巡り会えたことは、運命だったのかもしれません」

「うん!私、とっても幸せです!」エリアが元気よく同意した。

ミストは黙っていたが、アーレンの方をじっと見つめ、小さく頷いているように見えた。

「フロートはどう?」アーレンはくつろいでいるうさぎに尋ねた。

「…満足している」フロートは簡潔に答えたが、その声には確かな温かみがあった。

アーレンはフロートの厚い毛をゆっくりと撫でた。「皆と出会えて本当に良かった。これからもよろしくね」

その夜、アーレンは守護獣たちと共に、深い満足感の中で眠りについた。彼の新しい家族は日に日に大きくなっていた。

---

その後、アーレンたちは森の開発をさらに進めた。フロートの能力で地下資源を発見し、小規模な鉱山を開設。ミストの力で植物を豊かに育て、セレナの浄化能力で水や土壌を清め、エリアの幻術で外敵から身を守る。

「想像以上に順調だね」

拡張した家の中で、アーレンは地図を広げながら言った。地図には森の各エリアと、これまでに発見した資源の場所が詳細に記されている。

「あと一つ…」ミストが小さな声で言った。「龍の元素の守護獣が見つかっていません」

「そうだね」アーレンは頷いた。「四大元素に加えて、龍の元素があると石版に書かれていたんだよね」

「龍の守護獣は空を司ります」セレナが優雅に説明した。「雨や風、天候を操る力を持つと言われています」

「そんな子がいたら、農業がもっとうまくいくのにね」アーレンは空想した。

「でも、どこにいるんでしょう?」エリアは首を傾げた。

「探すしかないな」フロートが重々しく言った。「森のどこかに必ずいるはずだ」

その夜、激しい雷雨が森を襲った。アーレンたちは家の中で雨風をしのいでいた。

「こんな天気は久しぶりね」セレナが窓の外を見ながら言った。

「もしかして…」アーレンが何かに気づいたように立ち上がる。「龍の守護獣の仕業かもしれない!」

「本当?」エリアが興奮した様子で尋ねた。

「龍の元素は天候を司るんだよね?もしかして、この雷雨も…」

アーレンが言い終わらないうちに、轟音とともに閃光が走った。雷が近くの木に落ちたようだ。

「行ってみよう!」

アーレンは急いでマントを羽織り、守護獣たちと共に嵐の中へと飛び出した。

「こっちです!」エリアが先導する。彼女の嗅覚は雨でも鈍ることはなかった。

雨の中、アーレンたちは閃光のあった方向へと走った。森の小さな丘に着くと、そこには焦げた木があり、その下に何かが横たわっていた。

「あれは…」

アーレンが近づくと、それは小さなドラゴンだった。全長は1メートルほどで、薄い鱗ではなく、銀色の毛で覆われている。まるでふわふわの毛皮を着たドラゴンのようだった。

「怪我してる!」

小さなドラゴンは、雷に打たれたのか、弱々しく横たわっていた。アーレンは迷わず駆け寄り、ドラゴンを抱き上げた。

「大丈夫、助けるよ」

家に戻ると、アーレンはドラゴンを暖炉の前の敷物に寝かせ、暖かい布で包んだ。セレナが浄化水を持ってきて、ドラゴンの傷口を洗浄した。ミストは薬効のある葉を集め、フロートは地中から癒しの鉱物を取り出した。

「みんな、ありがとう」アーレンは感謝しながら、ドラゴンの手当てをした。

小さなドラゴンの体は熱を持ち、時折痛みに震えているようだった。アーレンは優しく頭を撫で、安心させようとした。

「なんて可愛いドラゴンなんだ」アーレンは思わず呟いた。毛むくじゃらのドラゴンなど見たことがなかった。その触り心地は他の守護獣たちとはまた違い、柔らかさの中にも弾力があった。

数時間後、ドラゴンはゆっくりと目を開けた。紫色の瞳が、不思議そうにアーレンを見上げる。

「どこ…ここは?」

弱々しい声だったが、確かに話した。

「僕の家だよ」アーレンは優しく答えた。「君が雷に打たれていたから、連れてきたんだ。僕はアーレン」

「私は…ルミア」ドラゴンは小さく答えた。「空の元素の守護獣…」

「やっぱり!」エリアが飛び跳ねた。「私たちが探していた最後の守護獣だ!」

「探して…いた?」ルミアは混乱したように見えた。

「ああ、僕たちはこの森を元の姿に戻そうとしているんだ」アーレンは説明した。「僕は【もふもふテイマー】で、守護獣たちと契約して、一緒に森を再生しているよ」

他の守護獣たちも集まってきて、自己紹介をした。

「私はエリア!火の元素の守護獣です!」

「セレナです。水の元素を司ります」

「ミスト…森の元素」

「フロート。土の守護獣だ」

ルミアは驚いた表情を見せた。「本当に…?長い間、私は一人で森の上空を飛んでいたの。仲間の声がもう聞こえなくなって…」

「もう一人じゃないよ」アーレンはルミアの頭を優しく撫でた。その毛並みは想像以上に柔らかく、温かかった。「みんな、こっちに来て」

エリア、セレナ、ミスト、フロートが集まってきて、ルミアを囲んだ。

「みんなが揃ったね」アーレンは嬉しそうに言った。「これで五大元素の守護獣が全員集合だ」

「私も…仲間に?」ルミアは希望に満ちた目でアーレンを見上げた。

「もちろん」アーレンは頷いた。「君の力を貸してくれないかな?」

ルミアは小さく頷き、アーレンの手に鼻先を触れた。淡い紫色の光が二人を包み込み、契約が成立した。

「これで完璧だね」アーレンは満足げに言った。「五大元素の守護獣たちと共に、この森を本来の姿に戻していこう」

その夜、アーレンは守護獣たちと共に、暖かな炉端で語り合った。それぞれの守護獣の記憶や能力、かつての森の姿について。話は尽きることがなかった。

「明日からはルミアの力も借りて、もっと領地開発を進めよう」アーレンは興奮して言った。「雨を降らせたり、風を起こしたりできれば、農業も林業も効率が上がるはずだ」

「はい、アーレン様!」ルミアは元気に応えた。怪我も癒えたようで、小さな翼をバタバタさせている。

アーレンはこの状況に深い満足感を覚えた。かつて「家門の恥」と呼ばれ、追放された彼が、今や五大元素の守護獣たちと契約を結び、新たな領地を築き上げている。

前世でも今世でも、不当に扱われてきた彼だが、ようやく自分の居場所を見つけたような気がした。これからの日々が、心から楽しみだった。

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