【完結】禁断の契約〜スライムと秘めた愛の日々〜

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第一章:運命の夜

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瀬戸麻里は疲れた目を擦りながら、シアン商会の保管室でファイルを整理していた。時計の針は既に午前1時を指している。上司の桐生涼子から押し付けられた残業は今週で三回目だった。

「本当なら家でワインでも飲みながらゆっくりしているはずなのに」

麻里は34歳。名門家系出身の彼女が、この地方の魔物商会で働き始めたのは、半年前のことだった。婚約者だった実業家の鷹野からの公開での屈辱的な婚約破棄。あの日以来、東京での生活を捨て、ここへ逃げるように移り住んだ。

「少なくともここなら、あの人と顔を合わせることはない」

保管庫の奥にある特別管理区画のリストと現物を照合しながら、麻里はため息をついた。リストの最後に「特級危険生物:インキュバスブルー」という項目が目に入る。保管場所を確認すると、奥の強化ガラスケースだ。

「これで今日の仕事も終わり...」

その瞬間、ガラスケースに微かな亀裂が走るのが見えた。「まさか」と思った時には既に遅く、青い半透明の物質がケースから滲み出してきた。

「逃げなきゃ!」

麻里が振り向いた時、青いスライム状の物質が彼女の足首に触れた。突然、電気のような衝撃が全身を駆け上がり、思わず声が漏れる。

「あ...」

その感覚は痛みではなく、むしろ...快感だった。スライムは彼女の足首から徐々に上へと這い上がり、素肌に触れる度に波状の震えが彼女の体を貫いた。

「やめて...これは...」

理性では拒絶しようとするも、体は正直に反応する。青い物質が彼女の腕を伝い、首筋に達した時、麻里の視界が一瞬白く染まった。

「契約が成立した」

低く響く男性の声に、麻里は目を見開いた。目の前には、先ほどまでスライムだったはずの物質が人の形に変化していた。青みがかった長い髪、神秘的な青い瞳、そして完璧な彫刻のような顔立ち。

「私は陣内遼。今の契約で、私はあなたのもの...そして、あなたは私のものになった」

彼の指先が麻里の頬を撫でる。その触感は人間のものとは異なり、微かに粘性を持ちながらも、不思議な心地よさがあった。

「どういうこと...?」麻里は震える声で尋ねた。

陣内は微笑み、その指を麻里の唇に近づけた。接触した瞬間、先ほどと同じ快感が走る。

「説明は後で。今はまず、ここを出よう。あなたのエネルギーが必要だ」

彼は麻里の手を取り、その瞬間、彼女の体は再び火照り始めた。

---

麻里のアパートに戻った二人。陣内は部屋に入るなり、窓の外を警戒するように見渡した。

「どうやら追っ手はない」

「追っ手って...あなた一体何者?」麻里は距離を置いて尋ねた。

陣内は振り返り、その青い瞳で彼女を見つめた。「言ったはずだ。インキュバススライム。かつては人間だったが、今は...」

彼の腕が突然透明になり、スライム状に変形してみせる。「こんな姿だ」

「でも...契約って何?私に何をしたの?」

陣内は麻里に近づき、彼女が後ずさりするのを見て足を止めた。「恐れることはない。契約とは魂の共鳴だ。私はあなたのエネルギーを必要とし、その代わりに私の力はあなたのもの」

「エネルギー?私から何を奪うつもり?」

陣内は微笑んだ。その笑みには人間離れした魅力があった。「奪うのではない。共有するんだ」

彼は自分の胸に手を当てた。「インキュバスである私は、情熱のエネルギーを糧とする。簡単に言えば...」

彼の視線が麻里の体を上から下まで舐めるように見た。「快楽のエネルギーだ」

麻里の顔が熱くなる。「冗談でしょ!そんな非常識な...」

陣内は肩をすくめた。「選択肢はある。契約を結んだ今、私たちは離れられない。だが私がエネルギーを得られなければ、あなたの魔力が少しずつ消耗していく」

「私に魔力なんてないわ」

「ある。それも強力な。だからこそ契約が成立した」陣内は真剣な表情で言った。「シアン商会の保管室の魔法結界を破れるほどの」

麻里は混乱していた。彼女の頭にあるのは疑問だけだが、体は別の感覚を覚えていた。保管室での接触の記憶が、彼女の肌に残っている。

「証明しよう」

陣内は右手をスライム状に変え、麻里の手首に触れた。青い粘性のある物質が彼女の素肌に触れた瞬間、電流のような快感が走る。

「あっ...」思わず漏れた声に、麻里は自分の口を手で覆った。

「感じるだろう?これが私たちの契約の証だ」陣内は低い声で囁いた。「あなたは私に反応する。そして私も...あなたに」

彼の右手が徐々に上へと移動し、麻里の二の腕、肩、そして首筋へ。青いスライムのような手が肌に触れる度に、麻里の体は震え、抗いきれない感覚が全身を支配していく。

「やめて...」麻里は言ったが、その声には力がなかった。

陣内は彼女の耳元で囁いた。「本当にそれを望む?あなたの体は違うことを語っているようだが」

麻里は自分の体の反応に戸惑いながらも、否定できない感覚があった。それは彼女が長い間忘れていた、情熱と欲望だった。

「一度だけ」陣内は言った。「今夜一度だけ、エネルギーを分け合おう。そして明日、改めて話し合おう」

彼の両手が麻里の肩に置かれ、今度はその手全体がスライム状に変化した。冷たくも暖かい感触が彼女の体を包み込む。

「ええ...」

麻里の理性は最後の抵抗を試みたが、体は既に決めていた。彼女は目を閉じ、陣内の触れる感覚に身を委ねた。

彼の手が彼女の首筋に沿って滑り、その痕跡に青い光を残していく。麻里の呼吸が荒くなる。

「これからは」陣内は囁いた。「あなたとエネルギーを分かち合い、あなたを守る。それが契約の本質だ」

麻里はもう返事ができなかった。陣内のスライムの腕が彼女の体を完全に包み込み、彼女の意識は快感の海に溶けていった。

窓から差し込む月明かりが、二つの体が一つに溶け合う瞬間を照らしていた。
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