【完結】禁断の契約〜スライムと秘めた愛の日々〜

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第二章:秘められた同居

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朝日が窓から差し込み、麻里の瞼を照らした。彼女は微かな違和感を覚えながら目を開けた。そこには知らない天井...いや、自分のアパートの天井だ。昨夜の記憶が一気に押し寄せる。

「夢...だったの?」

「残念ながら、夢ではない」

陣内の声に、麻里は飛び起きた。彼はベッドの端に座り、彼女を見つめていた。彼の上半身は裸で、その肌は普通の人間のようだが、光の加減で微かに青みがかって見える。

「昨夜のこと...」麻里は言葉に詰まった。

陣内は微笑んだ。「とても素晴らしかった。あなたのエネルギーは予想以上だ」

麻里は顔を赤らめ、シーツを引き上げて体を隠した。「これからどうするつもり?」

「言ったはずだ。私たちは契約で結ばれている。私はあなたの力になり、あなたは私にエネルギーを与える」

「でも...それって...」

「心配するな」陣内は真剣な表情になった。「私はあなたを守る。それが契約の本質だ」

彼は立ち上がり、窓辺に歩み寄った。朝日に照らされた彼の姿は、まるで絵画のように美しかった。その時、彼の背中が一瞬スライム状に変化し、光を通して窓の外の景色が透けて見えた。

「あなたの正体について、もっと知りたい」麻里はベッドに座ったまま言った。

陣内は振り返った。「私はかつて人間だった。29歳の時、ある実験によってこの姿になった」

「実験?誰が?」

「片桐一馬という男だ。魔物研究の権威とされる男」陣内の表情が暗くなった。

「片桐...?」麻里は首を傾げた。「シアン商会の上層部にいる人?」

「そう、その男だ」陣内は窓辺から離れ、麻里に近づいた。「彼は多くの秘密を抱えている。そしてその一つが...あなたの母親に関することだ」

麻里の目が見開いた。「母...?母は10年前に事故で亡くなったわ」

「事故ではない」陣内の声は冷たく響いた。「殺されたんだ」

麻里は言葉を失った。陣内は彼女の前に膝をつき、彼女の手を取った。その感触は人間のようでありながら、微かに違う。まるで生きた絹のような感触だった。

「真実を知る時が来た。だが、その前に...」

彼の手が徐々にスライム状に変化し、麻里の手首から腕へと延びていく。「もう一度、エネルギーを分け合おう」

青い透明の物質が彼女の素肌に触れるたび、電気のような快感が走る。昨夜の記憶が鮮明に蘇り、麻里は息を呑んだ。

「ここじゃない...」彼女は囁いた。「会社に行かなきゃ」

陣内はにやりと笑った。「大丈夫、時間はたっぷりある」

彼の手が彼女の首筋に達し、そこでスライム状の指が彼女の肌に吸い付くように変化した。

「あっ...」

麻里の喉から声が漏れる。彼女の理性は抵抗しようとするが、体は既に陣内の触れるままに反応していた。彼のスライム状の腕が彼女を優しく包み込み、シーツの下へと潜り込む。

「今日を乗り切るためのエネルギーを、あなたにも分けよう」

陣内の声が麻里の耳元で響く。彼の体が徐々にスライム化し、彼女の体の上に透明な青いヴェールのように広がっていく。それは彼女の肌の全てに同時に触れ、どこもかしこも感じる神経を持つかのようだった。

「こんなの...あぁ...」

麻里は抵抗する言葉を見つけられず、代わりに快感の波に飲み込まれていった。彼女の体はスライムに包まれ、触れられたことのない場所にまで陣内の存在が浸透していった。

---

シアン商会のオフィスに着いた麻里は、いつもより明るい表情をしていた。体が軽く、エネルギーに満ちている感覚がある。

「麻里さん、今日は機嫌がいいわね」

同僚の村田が声をかけてきた。麻里は微笑んで答える。「そう?普通よ」

「昨日の残業、大変だったでしょう。涼子部長はいつも無理難題ばかりで...」

麻里は肩をすくめた。「なんとかなったわ」

村田が去った後、麻里は自分のデスクに向かった。陣内との朝の出来事が頭から離れない。あの感覚...スライムが全身を包み込む感触は、これまで経験したことのないものだった。

「瀬戸さん」

冷たい女性の声に、麻里は顔を上げた。桐生涼子が彼女のデスクの前に立っていた。38歳の涼子は商会の幹部で、麻里の直属の上司だ。

「はい、部長」

「昨日の資料の整理は終わった?」涼子は高圧的な態度で尋ねた。

「はい、全て終わっています」

「特別管理区画の最終確認も?」

麻里は一瞬ためらったが、すぐに答えた。「はい、問題ありませんでした」

涼子は疑わしげな表情で麻里を見つめた。「本当?監視カメラに異常があったという報告があったけど」

麻里の心臓が早鐘を打ち始めた。「異常...?私が確認した時は何もありませんでしたが...」

「そう...」涼子はニヤリと笑った。「それなら良かったわ。今日の午後、本社からVIPが視察に来るの。片桐一馬博士よ」

麻里は息を呑んだ。片桐一馬——陣内が話していた男だ。

「あなたも案内役の一人として参加してね」涼子は言い残し、踵を返した。

麻里は冷静を装いながらも、内心は動揺していた。片桐一馬に会うことになるなんて...

「麻里さん」

振り返ると、高瀬誠が立っていた。32歳の高瀬は商会の研究部に所属する優秀な社員だ。

「今日の午後の件、僕も同行することになったよ」彼は柔らかな笑顔で言った。

「そう、よかった」麻里は微笑み返した。

高瀬は少し顔を赤らめた。「あの...この間話していた新しいレストラン、今度の休みに一緒にどうかな?」

麻里は一瞬戸惑った。高瀬が彼女に好意を持っていることは知っていたが、今は陣内のことで頭がいっぱいだった。

「ごめんなさい、今週は少し予定が...」

高瀬の表情が曇るのを見て、麻里は罪悪感を覚えた。

「また今度ね」彼女は付け加えた。

高瀬は無理に笑顔を作り、「うん、また今度」と言って立ち去った。

麻里はため息をついた。陣内との契約、片桐の来訪、そして高瀬の好意...全てが彼女の周りで複雑に絡み合い始めている。

昼休み、麻里はオフィスを抜け出し、近くの公園のベンチに座った。母のことが頭から離れない。母は魔物研究者ではなかったはず。それとも隠していたのだろうか?

「こんなところで何をしている?」

突然の声に、麻里は飛び上がりそうになった。振り返ると、そこには見えないはずの陣内が立っていた。

「陣内!どうしてここに?」麻里は周囲を見回した。誰も彼らを見ていないようだ。

「心配になった」陣内は彼女の隣に座った。彼の肌が少し透明になり、周囲の風景が透けて見える。「片桐が来るらしいな」

「あなたが見えるの?他の人には?」

陣内は微笑んだ。「契約者であるあなただけだ。他の人には見えない」

彼の手が麻里の手に重なる。触れた瞬間、あの特有の快感が走り、麻里は身を震わせた。

「片桐には気をつけろ」陣内の声は低く真剣だった。「彼はあなたの母親を利用し、裏切った。そして私をこの姿に変えた」

「何のために?」

「力だ」陣内の目が鋭く光った。「彼は人間の魔力と魔物の力を融合させようとしていた。あなたの母はその実験を止めようとして...」

陣内の言葉が途切れた時、麻里の携帯が鳴った。涼子からだ。

「もう戻らないと」麻里は立ち上がり、陣内を見下ろした。「今夜、全部話して」

陣内はうなずき、その体が徐々に透明になっていった。「私はいつもあなたのそばにいる。忘れるな」

彼の姿が完全に消える前に、麻里は彼の頬に軽くキスをした。その瞬間、二人の間に青い光の筋が走った。

「これは...」

「契約の絆が強まっている」陣内は消えかけの声で言った。「気をつけて。片桐はそれを感じ取るかもしれない」

麻里はオフィスに戻る途中、自分の行動に驚いていた。陣内にキスをするなんて。彼が近くにいると、理性が曇るかのように感じる。

しかしそれ以上に、母の死の真相が気になっていた。片桐一馬。彼は麻里に何を隠しているのか?そして陣内は本当に信頼できるのか?

オフィスに戻った麻里は、午後の視察に向けて心の準備を始めた。片桐との対面。それは母の死の真相に近づく一歩になるかもしれない。

だが彼女は知らなかった。この出会いが、彼女の人生を永遠に変えることになるとは。
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