Slow Down

二色燕𠀋

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水道

3

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「で、俺の仕事ご丁寧増やしてくれちゃったのクソガキ共は」

 チャイム、授業開始のやつが鳴った。保健室、ガタガタと野郎共7人、7人くらいなんか怪我してそうな奴が現れた。

 デスクに足を乗せながらつまらなそうにエロ本を広げていた金髪片耳ピアスの変態非常勤野郎は溜め息を吐いた。

 なんなのこいつら入学から今日で一体。そしてまたびしょびょな奴いるけど、一人は昨日からのnew fece.
 一人はまぁまぁ見知った顔。あとは3人半殺しにされてるこいつらはまぁ見たことあるかもしれないけどないかもしれないけど雰囲気的には1年じゃないな、この抜け感。

「なにしてんのバカ共」
「よーちゃん」
「よーちゃん!?」

 真樹の発した、さっきは聞き流した一言に、文杜もナトリも驚愕した。

 待て待て一日で貴様ら何があったどうしたなんてアットホームなんだ、おい。

「天崎、お前どうしてそんなにびしゃびしゃなんだまた。今日はゲリラじゃねぇけど。あとお前…なんだっけなんかアイドル俳優みたいな名前だった」
「石田奏です。まぁ確かにあんまり名乗りませんでしたね、先生に代わってから」
「そうだ、石田だ。お前どうしてびしゃびしゃなんだ?」

 面倒臭そうに非常勤はエロ本をゴミ箱にぶん投げるように捨て、足を退かして避けていたノートパソコンを手繰り寄せて何かを打ち込み「あぁ、」と呟く。

「お前ダブってんのか、二年か。あぁ、今は奥島おくじま先生のとこなのね。
で、その半殺しになってるそいつらは?」
「あ、いやぁ、僕が、」
「え、マジ?お前やるなぁ」

 奏に言う。
 この非常勤、薄々気付いていたが人の話を案外聞かない。

 しょうがないので「この狂犬がわりかしやりました」とナトリがしれっと告げ口をした。ジロッと非常勤が文杜を見れば、しかし当の本人が堂々と、「そうそう、踏んだり蹴ったり」と言うもんだから。

「ぷはっ!
 流石彼氏だけあるなぁお前。一人で?」
「うんわりかし」
「たくましー、けどこいつら多分これびょーいんだよ、してお前、俺じゃなかったらブタ箱ブチ込んでるねぇ。
 まぁいいわ、なんでこんなやっちゃったの?」
「えだって虐めっ子は退治でしょ」
「へぇ、チビ関連じゃねーの?」

 そう非常勤が核心っぽいことを言ってやればうっ、と文杜が詰まったのが見て取れて、ちらっとナトリと目を合わせると、軽く溜め息を吐く。

 はっきりしたな主従関係。心の中で非常勤は呟く。大体こういうガキは単純だ。夢中なんだ。

「で、死にかけ3人集は?喋れんの?まぁ無理矢理にでも来たなら大丈夫か。ただ病院行ってね。
 お前らなんで殴られたん?」

 漸く生徒諸君の元に、ダルそうにふらっと立ち非常勤は訪ねた。

 非常勤は死にかけ3人集を空虚に見据えながら右手で保健室の奥を差し、「天崎、昨日の栗村くりむらの彼シャツみてぇなジャージは俺のデスクの3番目だ」と言い放った。

 それを聞いて真樹は頷き、てくてくとデスクまで歩いて行き、漁っていた。

なんなの、え?

「どゆこと?」
「いやめんどくせぇけどお前にちゃんと返そうと思って一応洗濯したんだよ。ましてやお前ら体育担当が筋肉だろ。
 石田、お前はどうした。何故んなびしゃびしゃなんだ」
「いやぁ…」

 なんとなく奏は俯いてしまって言いにくそう。仕方がない。一番無難にいこうじゃないかとナトリは本日何回目かの溜め息を吐く。

「…すげぇ叫び声がして行ってみたらまずトイレから顔面蒼白でこいつらが出てきて、真樹の声がして。
 んでこいつ、その瞬間スイッチオンでこいつら捕まえて片っ端からぶん殴ってトイレに引き戻して見てみたら、その石田さん?が失神してて真樹がパニック、二人ともびしゃびしゃ。なんか真樹に血もついてるし石田は起きたら二人して案じ合ってるし、なんとなく察したよ」

 ナトリがやれやれと言わんばかりに、知ってることを話した。それを聞いた非常勤、よーちゃんこと一之江いちのえ陽介ようすけは三人を睨むように見てソファーへ促し、「間違いねぇか?」と死にかけ3人集に問う。しかし誰も答えなかった。

「まぁいい。
 石田、お前も病院行ってこい。国木田くにきだと栗村、お前ら昨日俺ん家、ついでに行ったよな。連れてけ石田とそのバカ共を。ついでに栗村、お前も精神科行ったら?恋煩いなんですって」

 後半は半笑いで捲し立てる一之江に、思わず文杜はムカついて、無言で拳をバキバキ鳴らすが、「殴らんと昨日誓ったろ」と、今度は嗜めるように一之江は言った。

「天崎、お前はこっから授業だし、まぁ行っても行かなくても取り敢えずここにいなさい。バカ二人、お前ら今日はどうするか、まぁそんなに俺が嫌ならバイト終わりにこのチビ引き取りに来い。9時以降はまぁ、クリニックかな」

 そう、実は昨日。
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