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水道
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締まりが悪い鉄の、鼻につく臭い。捻る音と水が流れて頭が冷えて。
呼吸が許されなくなった。
脳みその思考が著しく低下し始めた頃、ふいにベルトに手が伸ばされて。
身の危険から真樹が顔をあげようとするが、また水と許さぬ押さえつけられた力。
だが耳元に聞こえる熱く生々しい吐息と内腿辺りに当たる布越しにわかる、性欲。
伸ばされた膝から、性器にかけてのクソほどうざったい北郷の手付き。
ヤバい。本気で犯される。どうしよう。困った。いや困ったなんてもんじゃない、醜態だ。思わず肘打ちをかますも取られてしまう。
頭の中が真っ白。最早血の気が引いた頃だった。「てんめぇぇぇ!」と叫び声、そして解放感と、鈍い音。
はっとして真樹が振り向けば北郷は離れ背中を向けている。なんなら三人まとめて何かを取り囲んでいて。
その取り囲んでる先には、自分が助けた筈の生徒が倒れて伸びていて、今にも北郷が馬乗りになって殴らん勢い。足元に転がっているさっき蹴っ飛ばしたバケツ。
状況を理解した。
取り敢えず真樹は外れかけたベルトを締めて後ろから腕で北郷の首を閉めてぶん投げた。
「てめぇら、ほん、殺すぞ、クソがァ!」
と、真樹が出ない声でありったけに叫べばその姿がクレイジー。ラリってる。
しかし真樹も必死だ。思い付く限りの攻撃を、叫びながら「うらぁぁぁ!」と繰り出す。チャイムが鳴った。
我に返り、三人は逃げよう、そう考えた。
「ねぇ、ちょっ、おき、起きて、あんた、ねぇ、」
最早騎乗位のような見た目で真樹は伸びた奏の腹に乗り、頬をぶっ叩いたりして声を掛けた。応答がない。
「どうしよう、どうしよう…、」
一人パニックに陥ってる最中、「なーにやってんだお前」と、聞き慣れた声が聞こえて。
「ハゲ!」
声の方(入り口)を見れば、「はーい3人、上がりぃ!」ばきぃ!と、優しい笑顔で先程の三人を蹴っ飛ばしながら入ってきた文杜と、ナトリがそこにいた。
「まぁ真樹ちゃんなにそれぇ!」
「ね、これ、ちょ、」
「あわ、ちょ、泣くなよ真樹!」
泣き出してしまった真樹に思わずナトリは掛け寄り、一度真樹を奏から退かして奏を壁に凭れさせてから真樹の背中を擦る。漸く奏は薄目を開け、「あっ…」と朦朧とした。
「あ、」
「ね、ぁ、いじょ、ぶぅ?あの…」
「あー…君は…?君こそ…」
「俺はいい、君、ねぇ、起きてる?」
全然ナトリも文杜も状況は掴めないが取り敢えず、ひょんなことから文杜は奏を知っている。知らないナトリが見てもこの状況。
叫び声がした方を見れば真っ青な顔をして出てきた三人、そして場所はトイレ。一人が失神、一人が泣いてる。互いが互いを案じていて。
人物は真樹。真樹はびしょ濡れ、失神してるやつもびしょ濡れ。てか真樹は若干衣服乱れてるし血ぃついてるし。これ一目瞭然っしょ。ぶん殴ってよし。
「待て待てふみ」
半分くらい死にかけの踞ってるやつらを一人一人文杜は踏みつける。それで文杜の暴力は終了し、あとは冷たく殺人鬼のような目で三人を睨み付けていた。
「さぁ、ウチの真樹ちゃん泣かしたのどこのクソインポテンツだ手ぇ上げろ殺すじゃすまねぇんだよ、おら、あぁ?誰だって、聞いてんだろ、なあ、おい。てめぇら全員真樹になにした奏になにしたさっさと言えよ、早く、なにしたかって聞いてんだよオラァア!
死ね全員いつまで寝てんだ死ね。ぶっ殺すっつってんだよおら早よ立たんかいなえ?腰抜け殺すぞ」
先程から文杜は我慢してるのか、ガンガンと入り口の扉を蹴っ飛ばしまくっている。いい加減鏡が割れる。そんな勢いだ。
「文杜お前いい加減にしろよ」
「あ?いい加減にするってなんだよ、こっち怒ってんだよわかんだろ空気読め台湾」
「だから言ってんだよ。文杜、そいつら素人だから。虐めっ子だよただの。お前今やってることそいつらとかわんねぇぞおい」
「…もういっぺん言えこの、」
「やーい虐めっ子単車乗りクソヤンキー!バーカ!このヤクザ!」
「あんだとこのファッキン、」
殴りかかろうと文杜がナトリの方へ向かって行った瞬間、「うるさい」と、真樹が渾身込めた掠れ声で放った。
「うるさっ。嫌。まずよーちゃん。
俺の気も知らないでなんなの。もー嫌。素直にそこのゴミにレイプされて泣き寝入った方がよかったわクソが。黙れよもう死ね、誰かこの人心配しろよクソ、」
また泣き出してしまった。それを見たナトリがまた、「あぁぁ、おい!」と真樹に手を貸すも、「うるさい!」と真樹は払い退けた。
「…ごめんなさい、僕が…。
僕が、その、弱かったから」
「はぁ?」
「だって、」
「やめてよバカじゃないの?ねえ違う、そんなの違う、なんで、なんでそう…」
「あぁあ、ごめんなさい、だから、うん、えっと。
ありがとう。でも助かった。君はカッコよかった。そして凄く…良いヤツだ。でも僕は君を助けられなくて、その、」
「もういいもういい!んなん俺だって、うぅ、もう、」
「あぁぁ、ごめんなさい、ごめんなさい」
なんだか。
似てるんだか似てないんだか。
「…まぁすんません。真樹ちょっと変なんです。そして文杜も変なんです。でも、そう、そんなやつなんです」
「ふ、ははっ」
初めて。
奏が笑った。
「うん変。でも、カッコいいし、いいなぁ」
何がだろう。
だけど素直になれた。そんな、あどけない笑顔で。
「真樹ちゃん」
ふと文杜が言う。
「謝らない、怒ってる。けどごめん要素あり。ごめん。
ただ無茶したお前も謝れ」
「…ごめんなさい」
「うん、いいよ。君のそんなとこ好きだから」
「…変なやつ。して然り気無ぇなクソ狂犬」
「仕方ないよね。俺こんなやつなん」
狂犬の開き直りはムカつくが、言ってしまったのは自分だ、同意するしかない。
呼吸が許されなくなった。
脳みその思考が著しく低下し始めた頃、ふいにベルトに手が伸ばされて。
身の危険から真樹が顔をあげようとするが、また水と許さぬ押さえつけられた力。
だが耳元に聞こえる熱く生々しい吐息と内腿辺りに当たる布越しにわかる、性欲。
伸ばされた膝から、性器にかけてのクソほどうざったい北郷の手付き。
ヤバい。本気で犯される。どうしよう。困った。いや困ったなんてもんじゃない、醜態だ。思わず肘打ちをかますも取られてしまう。
頭の中が真っ白。最早血の気が引いた頃だった。「てんめぇぇぇ!」と叫び声、そして解放感と、鈍い音。
はっとして真樹が振り向けば北郷は離れ背中を向けている。なんなら三人まとめて何かを取り囲んでいて。
その取り囲んでる先には、自分が助けた筈の生徒が倒れて伸びていて、今にも北郷が馬乗りになって殴らん勢い。足元に転がっているさっき蹴っ飛ばしたバケツ。
状況を理解した。
取り敢えず真樹は外れかけたベルトを締めて後ろから腕で北郷の首を閉めてぶん投げた。
「てめぇら、ほん、殺すぞ、クソがァ!」
と、真樹が出ない声でありったけに叫べばその姿がクレイジー。ラリってる。
しかし真樹も必死だ。思い付く限りの攻撃を、叫びながら「うらぁぁぁ!」と繰り出す。チャイムが鳴った。
我に返り、三人は逃げよう、そう考えた。
「ねぇ、ちょっ、おき、起きて、あんた、ねぇ、」
最早騎乗位のような見た目で真樹は伸びた奏の腹に乗り、頬をぶっ叩いたりして声を掛けた。応答がない。
「どうしよう、どうしよう…、」
一人パニックに陥ってる最中、「なーにやってんだお前」と、聞き慣れた声が聞こえて。
「ハゲ!」
声の方(入り口)を見れば、「はーい3人、上がりぃ!」ばきぃ!と、優しい笑顔で先程の三人を蹴っ飛ばしながら入ってきた文杜と、ナトリがそこにいた。
「まぁ真樹ちゃんなにそれぇ!」
「ね、これ、ちょ、」
「あわ、ちょ、泣くなよ真樹!」
泣き出してしまった真樹に思わずナトリは掛け寄り、一度真樹を奏から退かして奏を壁に凭れさせてから真樹の背中を擦る。漸く奏は薄目を開け、「あっ…」と朦朧とした。
「あ、」
「ね、ぁ、いじょ、ぶぅ?あの…」
「あー…君は…?君こそ…」
「俺はいい、君、ねぇ、起きてる?」
全然ナトリも文杜も状況は掴めないが取り敢えず、ひょんなことから文杜は奏を知っている。知らないナトリが見てもこの状況。
叫び声がした方を見れば真っ青な顔をして出てきた三人、そして場所はトイレ。一人が失神、一人が泣いてる。互いが互いを案じていて。
人物は真樹。真樹はびしょ濡れ、失神してるやつもびしょ濡れ。てか真樹は若干衣服乱れてるし血ぃついてるし。これ一目瞭然っしょ。ぶん殴ってよし。
「待て待てふみ」
半分くらい死にかけの踞ってるやつらを一人一人文杜は踏みつける。それで文杜の暴力は終了し、あとは冷たく殺人鬼のような目で三人を睨み付けていた。
「さぁ、ウチの真樹ちゃん泣かしたのどこのクソインポテンツだ手ぇ上げろ殺すじゃすまねぇんだよ、おら、あぁ?誰だって、聞いてんだろ、なあ、おい。てめぇら全員真樹になにした奏になにしたさっさと言えよ、早く、なにしたかって聞いてんだよオラァア!
死ね全員いつまで寝てんだ死ね。ぶっ殺すっつってんだよおら早よ立たんかいなえ?腰抜け殺すぞ」
先程から文杜は我慢してるのか、ガンガンと入り口の扉を蹴っ飛ばしまくっている。いい加減鏡が割れる。そんな勢いだ。
「文杜お前いい加減にしろよ」
「あ?いい加減にするってなんだよ、こっち怒ってんだよわかんだろ空気読め台湾」
「だから言ってんだよ。文杜、そいつら素人だから。虐めっ子だよただの。お前今やってることそいつらとかわんねぇぞおい」
「…もういっぺん言えこの、」
「やーい虐めっ子単車乗りクソヤンキー!バーカ!このヤクザ!」
「あんだとこのファッキン、」
殴りかかろうと文杜がナトリの方へ向かって行った瞬間、「うるさい」と、真樹が渾身込めた掠れ声で放った。
「うるさっ。嫌。まずよーちゃん。
俺の気も知らないでなんなの。もー嫌。素直にそこのゴミにレイプされて泣き寝入った方がよかったわクソが。黙れよもう死ね、誰かこの人心配しろよクソ、」
また泣き出してしまった。それを見たナトリがまた、「あぁぁ、おい!」と真樹に手を貸すも、「うるさい!」と真樹は払い退けた。
「…ごめんなさい、僕が…。
僕が、その、弱かったから」
「はぁ?」
「だって、」
「やめてよバカじゃないの?ねえ違う、そんなの違う、なんで、なんでそう…」
「あぁあ、ごめんなさい、だから、うん、えっと。
ありがとう。でも助かった。君はカッコよかった。そして凄く…良いヤツだ。でも僕は君を助けられなくて、その、」
「もういいもういい!んなん俺だって、うぅ、もう、」
「あぁぁ、ごめんなさい、ごめんなさい」
なんだか。
似てるんだか似てないんだか。
「…まぁすんません。真樹ちょっと変なんです。そして文杜も変なんです。でも、そう、そんなやつなんです」
「ふ、ははっ」
初めて。
奏が笑った。
「うん変。でも、カッコいいし、いいなぁ」
何がだろう。
だけど素直になれた。そんな、あどけない笑顔で。
「真樹ちゃん」
ふと文杜が言う。
「謝らない、怒ってる。けどごめん要素あり。ごめん。
ただ無茶したお前も謝れ」
「…ごめんなさい」
「うん、いいよ。君のそんなとこ好きだから」
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