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「今日から運転も自分ですし」
車?どこに?と思ったがまずは「なんで?」と素直に声が出た。
「火曜日だから」
「…確かに、ですけど…」
「社長さんホントにいーの?ウチ居酒屋よ」
「すみませんね」
「別に良いけど。はいお通し」
小瓶の筑前煮をハナちゃんママが出したタイミングで「あぁ律、」と、晃彦が席を譲ろうと立ったが、
「…あぁ、どこかで見たことある気がしなくもないと思えば、律の元同居くんかぁ」
うわっ。
「……ども」と、明らかに一瞬眉をピクッとさせた晃彦を見て、律もそそくさと席を入れ替わった。
会ったときは確かに晃彦と別れた直後でしたけど……絶対気付いてただろうに、実際いま若干社長は睨んでるわけですし…と、更に社長は晃彦が座り直すと、露骨に背を向けまるで「見せないぞ」という態度で壁になる。
「悪いねぇお楽しみ中」
「あぁ、まぁ」
話が流れそうになってたんで、良いんですけどね…。苦笑の思い。
ハナちゃんママはカウンターから、表情は読めないが多分引いているだろう。
「…どーしてここが…」
「この辺に“ハナの店”なんて、ここしかなかったぞ?」
あれぇ。話したっけぇ…?
「ハプバー行こうかなとも思ったけど」
「……ん?
社長、待って、なんでここに?」
「いやだから、」
「じゃなくて。……え?」
「案の定いたな、ははっ」
頭を回転させよくよく思い返してみるが…時計を見た。19:14。
「…あれ?そもそも今日、なんかありませんでしたっけ?」
「あー流石だねぇ駒越くん。キャンセルした」
「…はっ!?」
「大したやつじゃなかっ」
「いや待って、なんで!?」
「だーかーら。火曜日だし大した用事もないしそもそもまず君は今日で辞めちゃったじゃん、来ちゃ悪いわけ?」
「は?」
「…社長さん。わかるでしょ。りっちゃん鈍いんだか鋭いんだかハッキリしないんだけど…それはあんたのせいもありそうですよねぇ」
「…ははは、確かに」
「追いかけてきたんでしょー?」
「え?待って?意味わかりませんけど」
ほらー、と言うハナちゃんママに「おかしいなぁ…」と困る社長。
なんで追ってくるのか訳がわからないと申してますけれども。
「仕事では優秀なんだけどなぁ。うーんでもそうだ、君ってそういうとこあるよね。そうだった複雑な子だった」
「え?」
「てか、なんで元彼と会ってんの?意味わかんないんですけど」
は?
あ、やっぱり知ってたんですね?
晃彦を見ようにも見えない。ただ、ハナちゃんママは「強引な男ねぇ」と言う。
「え?」
「まー良いですけどね。あのさぁ、りっちゃんマジであんなんで俺と別れた気になってる?」
「えっ」
「あ~あ~やっぱりねぇ。なんで?なんでそーなるの?え?ここまで来て付き合ってませんよ?とか始まらないよね?」
「えっ」
「えっ、始まるの?」
「いやぁ………」
てか、待った。
「それは常々こっちの台詞だったんですけども、え?」
「は?」
「確かに、いやぁゴディバ行ったよなぁ、買い物とかも行ってるしなぁ、て、思ってましたが」
「だよねぇ?」
「え、でも明白でしたっけ?」
「はぁ?」
「あ修羅場るなコレ」という晃彦の声がする。
一瞬社長は後ろを見るが「ちょっと、」と律も腹が立ってきてつい言ってしまう。
それに社長は何故か、少しだけ驚いたようにも、見えた。
「…最初なんて俺たちフツーに身体からというか最早脅しでしたよね?「意外だねぇ君、こんなところに来てたんだねぇ」とかニヤニヤニヤニヤ」
「いやだって意外だったし」
「こっちはやべぇ!見つかった!気分で、あ、思い出したあの時「彼氏は知ってんの?知らないよねぇ」とまでけしかけてきましたよ、」
「別れたって言ってたじゃん。ヤケクソこいて来たって」
「言いましたねぇ!」
「でしょ?ほら」
「………じゃなくて!
そっからズルズルズルズルと、あ!考えたらコレって職権乱用じゃないです?ハナちゃんママどう思う!?」
「うわぁこっちきた女々し~っ。あたしそれ言ったし何回か」
「だよねっ!!」
「りっちゃん、一回座りなさい」
いつの間にか勢い余って立ち上がっていた。なんせ今日はトバしている。
と思い出し、これはいいやと「メキシコーク!」と叫んで一度座った。
「…トバすねぇ、意外…」
「この子いつもこうですよ」
「そうなんだ…」
「この子はコンプレックスを複雑に拗らせてるんですよ、自ら。わかります?」
「コンプレックス…」
「この界隈は少なからず、そう」
「んーいや全然何がコンプレックスかわからないけど…あーなるほど…原因はわかった…。
りっちゃん、じゃぁお付き合い続けよ」
あっさり言った社長に「はっ…!」と、少し戦意を削がれた、というかまさかの先手を打たれ、どうしたもんかと、頭が真っ白になりそうに……。
じわじわ来たら熱が上がってきた。なんせトバしている。
「えっ、えっと」
「え、マジで嫌だった?」
「いや、えっと…」
「なんかさ。
さっきだよさっき君が去った背中。あっさりしすぎてて、てゆうかなんか男らしくて、平原さん来てからさ。ちょっと泣きそうになったよ俺」
「えっ」
「意外な一面もわりと見たし…なんていうかなぁ、惚れ直した、が正しいのかなぁ。
勿論息子とはまた違う感情なんだよ」
「んー…?」
「いや、もうそこから俺は迅速。ちゃっちゃとキャンセルして頭回してここまで来た」
車?どこに?と思ったがまずは「なんで?」と素直に声が出た。
「火曜日だから」
「…確かに、ですけど…」
「社長さんホントにいーの?ウチ居酒屋よ」
「すみませんね」
「別に良いけど。はいお通し」
小瓶の筑前煮をハナちゃんママが出したタイミングで「あぁ律、」と、晃彦が席を譲ろうと立ったが、
「…あぁ、どこかで見たことある気がしなくもないと思えば、律の元同居くんかぁ」
うわっ。
「……ども」と、明らかに一瞬眉をピクッとさせた晃彦を見て、律もそそくさと席を入れ替わった。
会ったときは確かに晃彦と別れた直後でしたけど……絶対気付いてただろうに、実際いま若干社長は睨んでるわけですし…と、更に社長は晃彦が座り直すと、露骨に背を向けまるで「見せないぞ」という態度で壁になる。
「悪いねぇお楽しみ中」
「あぁ、まぁ」
話が流れそうになってたんで、良いんですけどね…。苦笑の思い。
ハナちゃんママはカウンターから、表情は読めないが多分引いているだろう。
「…どーしてここが…」
「この辺に“ハナの店”なんて、ここしかなかったぞ?」
あれぇ。話したっけぇ…?
「ハプバー行こうかなとも思ったけど」
「……ん?
社長、待って、なんでここに?」
「いやだから、」
「じゃなくて。……え?」
「案の定いたな、ははっ」
頭を回転させよくよく思い返してみるが…時計を見た。19:14。
「…あれ?そもそも今日、なんかありませんでしたっけ?」
「あー流石だねぇ駒越くん。キャンセルした」
「…はっ!?」
「大したやつじゃなかっ」
「いや待って、なんで!?」
「だーかーら。火曜日だし大した用事もないしそもそもまず君は今日で辞めちゃったじゃん、来ちゃ悪いわけ?」
「は?」
「…社長さん。わかるでしょ。りっちゃん鈍いんだか鋭いんだかハッキリしないんだけど…それはあんたのせいもありそうですよねぇ」
「…ははは、確かに」
「追いかけてきたんでしょー?」
「え?待って?意味わかりませんけど」
ほらー、と言うハナちゃんママに「おかしいなぁ…」と困る社長。
なんで追ってくるのか訳がわからないと申してますけれども。
「仕事では優秀なんだけどなぁ。うーんでもそうだ、君ってそういうとこあるよね。そうだった複雑な子だった」
「え?」
「てか、なんで元彼と会ってんの?意味わかんないんですけど」
は?
あ、やっぱり知ってたんですね?
晃彦を見ようにも見えない。ただ、ハナちゃんママは「強引な男ねぇ」と言う。
「え?」
「まー良いですけどね。あのさぁ、りっちゃんマジであんなんで俺と別れた気になってる?」
「えっ」
「あ~あ~やっぱりねぇ。なんで?なんでそーなるの?え?ここまで来て付き合ってませんよ?とか始まらないよね?」
「えっ」
「えっ、始まるの?」
「いやぁ………」
てか、待った。
「それは常々こっちの台詞だったんですけども、え?」
「は?」
「確かに、いやぁゴディバ行ったよなぁ、買い物とかも行ってるしなぁ、て、思ってましたが」
「だよねぇ?」
「え、でも明白でしたっけ?」
「はぁ?」
「あ修羅場るなコレ」という晃彦の声がする。
一瞬社長は後ろを見るが「ちょっと、」と律も腹が立ってきてつい言ってしまう。
それに社長は何故か、少しだけ驚いたようにも、見えた。
「…最初なんて俺たちフツーに身体からというか最早脅しでしたよね?「意外だねぇ君、こんなところに来てたんだねぇ」とかニヤニヤニヤニヤ」
「いやだって意外だったし」
「こっちはやべぇ!見つかった!気分で、あ、思い出したあの時「彼氏は知ってんの?知らないよねぇ」とまでけしかけてきましたよ、」
「別れたって言ってたじゃん。ヤケクソこいて来たって」
「言いましたねぇ!」
「でしょ?ほら」
「………じゃなくて!
そっからズルズルズルズルと、あ!考えたらコレって職権乱用じゃないです?ハナちゃんママどう思う!?」
「うわぁこっちきた女々し~っ。あたしそれ言ったし何回か」
「だよねっ!!」
「りっちゃん、一回座りなさい」
いつの間にか勢い余って立ち上がっていた。なんせ今日はトバしている。
と思い出し、これはいいやと「メキシコーク!」と叫んで一度座った。
「…トバすねぇ、意外…」
「この子いつもこうですよ」
「そうなんだ…」
「この子はコンプレックスを複雑に拗らせてるんですよ、自ら。わかります?」
「コンプレックス…」
「この界隈は少なからず、そう」
「んーいや全然何がコンプレックスかわからないけど…あーなるほど…原因はわかった…。
りっちゃん、じゃぁお付き合い続けよ」
あっさり言った社長に「はっ…!」と、少し戦意を削がれた、というかまさかの先手を打たれ、どうしたもんかと、頭が真っ白になりそうに……。
じわじわ来たら熱が上がってきた。なんせトバしている。
「えっ、えっと」
「え、マジで嫌だった?」
「いや、えっと…」
「なんかさ。
さっきだよさっき君が去った背中。あっさりしすぎてて、てゆうかなんか男らしくて、平原さん来てからさ。ちょっと泣きそうになったよ俺」
「えっ」
「意外な一面もわりと見たし…なんていうかなぁ、惚れ直した、が正しいのかなぁ。
勿論息子とはまた違う感情なんだよ」
「んー…?」
「いや、もうそこから俺は迅速。ちゃっちゃとキャンセルして頭回してここまで来た」
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