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The 12nd episode
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朝、「あんたら昨夜なにしてたの…」と驚愕の表情で伊緒に起こされたときは状況判断に遅れてしまった。
「おはよう…ん?」
まず景色が若干違う。ソファ付近にはなかった電気スタンドとかが目について妙に身体が生暖かいし寝心地がいいしまぁ、どう見てもベットなわけで。
視界に忍び込む朝日に目を細めつつ、頭痛がして反射的に額を覆おうとしてそれが敵わない。
なんか自分の左手が何かの力によって妨げられてる。
左を見れば政宗が同じベットで俺の左腕をガッツリ掴んでいた。思わず目ぇぱっちり。よくみりゃ生暖かい理由は、頭上の、政宗の右腕。
なにこれ。どなってんの?
「はっ…」
「…起こすのもどうかと思ったんですが」
「え、は?」
一気に覚醒したがなんだこれ。気持ち悪っ。まさしく俺は、政宗の半抱き枕状態だったわけで。
「おい…」
しかも、政宗の握力というか力が寝ててもゴリラ。タチが悪い。
てか俺あのままブラックアウトしたはずなのになんでこいつのベットに運ばれてんだよこの野郎。
「起きろ、っうぇっ、」
咳き込んだ。朝は喋れない。怒りも相まってドスの聞いた声が出ちゃったせいで気管支がちょっと弱った。
「ちょ、流星さん、大丈夫ですか?」
「んー?朝…?」
そんな中、ゴリラ野郎は呑気に起きやがって、しかし俺が喋れない。
伊緒が政宗を獣を見るような冷たい目で見下して「おはようございます」と挨拶したのち、「最低っすね」と罵った。
なんか彼の頭の中の想像では取り敢えず俺はなんか擁護されているが、多分それは俺が求めていない嫌な擁護な気がする。
「え?は?おは…、え、お前死ぬ?」
「るさっ、まっ、ちょ、どうなってんすかこれ。つか気色悪いわ何してん?」
「え?お前をベットに移動したんだよ?おはよう流星」
「おはよう。数々の誤解を生んでくれてありがとう。服着ろゴリラ。あんたが風邪引け。離せよ誤解を解けよ頭痛ぇな」
「え、なにどうしたの」
政宗もわかっていない様子。知るか。俺は不機嫌だ。
乱暴に左腕を政宗から引っこ抜いて逃げた。タバコを吸おう。伊緒はソファへ逃げた俺をまだ疑いの目で見ている。
あのなぁ、世の中そんな薄汚れてねぇよ、俺は潤じゃねぇよと言うのもアホらしいので、弁明は先輩にぶん投げることにした。
伊緒はそんな俺を見て政宗を睨み、仁王立ちをしている。
「あんた、無理させましたね」
そっちか。そもそも前提か。まぁ無理もないよね。だって俺と政宗二人の構図がキモかったもん今。
「はぁ?いやまぁ飲ませたけど」
「は?」
「俺も酔ってたけどさ」
待て待て待て。
伊緒はそういった意味では純粋じゃないぞある意味。それ助長するぞ。やめてくれないかな。
「最っっ低」
最上級の嫌悪感で政宗に言い捨てる伊緒くん。
あぁぁ。
でもめんどいからもーいいや。
「朝飯は何がいいですか野郎共。俺作るんで喧嘩しててください」
こうなってしまえばヤケである。あとはとことんやらせておこう。
朝飯が出来る頃にはあっさり誤解は解けたらしい。だが伊緒は政宗に謝らなかった。
何故なら政宗が全面的に悪いという決断に至ったからだ。それは政宗本人も、「確かにあれはちょっと…」と、寝ぼけ終わった頭で冷静に判断したみたいだ。
ですよね。お前が悪いですよ。
「俺たまになんかこうさ、人肌恋しくなっちまうときってのが」
「誤解をまた呼びますよね」
「まぁ一緒に住んでて俺もたまに抱き枕状態はありましたけど」
「あったの!?」
「はい。この人でもなんか色々仕方ないかなと思って俺は甘んじて受け入れましたよ」
「じゃぁなんで誤解すんだよ」
「いやぁ、流石に腕枕チックはなかったなと。あと流星さんヤケに動揺してるし」
「仕方ねぇよ。流星そーゆーとこあるから」
うるせぇな誰が童貞だ。
「アブノーマルを最近見たもんでな。身近でな。からかうな」
朝飯(政宗宅には味噌汁とパンと卵くらいしかなかった)の会話がこんなんだった。ちょっとクズすぎる。
「てかお前うまっ」
「そうなんですよー。流星さん何気にそーゆーとこあるんですよー」
「あの冷蔵庫からよく作ったなお前」
「元家政婦だからね」
樹実との二人暮らしのときそれはもう、料理には難癖つけられまくった。なんなら俺はあいつと喧嘩して一回家を出て行ったことがあった。
「あいつと飯食いに行くとやたら高い店だったからなー」
「あいつ?」
「こいつの元飼い主だよ」
「そうそう。何度料理で喧嘩したか」
「そんな?」
「うん。出てったこともあるし何ならぶっ殺してやろうとしたこともあったよ。頭来て納豆だけ置いてったらあいつ泣きそうになってたわ」
「あー、あいつ嫌いだったもんな。あいつの欠点納豆だったな」
懐かしいな。あいつ、本気で追いかけてきていきなり後ろから抱きつくから、マジで殺されるかと思ったわ。
「まぁ、今となっては昔の話だ」
俺はあれから納豆食えなくなったよ、樹実。クソ野郎め。折角の日本食だというのに。
「おはよう…ん?」
まず景色が若干違う。ソファ付近にはなかった電気スタンドとかが目について妙に身体が生暖かいし寝心地がいいしまぁ、どう見てもベットなわけで。
視界に忍び込む朝日に目を細めつつ、頭痛がして反射的に額を覆おうとしてそれが敵わない。
なんか自分の左手が何かの力によって妨げられてる。
左を見れば政宗が同じベットで俺の左腕をガッツリ掴んでいた。思わず目ぇぱっちり。よくみりゃ生暖かい理由は、頭上の、政宗の右腕。
なにこれ。どなってんの?
「はっ…」
「…起こすのもどうかと思ったんですが」
「え、は?」
一気に覚醒したがなんだこれ。気持ち悪っ。まさしく俺は、政宗の半抱き枕状態だったわけで。
「おい…」
しかも、政宗の握力というか力が寝ててもゴリラ。タチが悪い。
てか俺あのままブラックアウトしたはずなのになんでこいつのベットに運ばれてんだよこの野郎。
「起きろ、っうぇっ、」
咳き込んだ。朝は喋れない。怒りも相まってドスの聞いた声が出ちゃったせいで気管支がちょっと弱った。
「ちょ、流星さん、大丈夫ですか?」
「んー?朝…?」
そんな中、ゴリラ野郎は呑気に起きやがって、しかし俺が喋れない。
伊緒が政宗を獣を見るような冷たい目で見下して「おはようございます」と挨拶したのち、「最低っすね」と罵った。
なんか彼の頭の中の想像では取り敢えず俺はなんか擁護されているが、多分それは俺が求めていない嫌な擁護な気がする。
「え?は?おは…、え、お前死ぬ?」
「るさっ、まっ、ちょ、どうなってんすかこれ。つか気色悪いわ何してん?」
「え?お前をベットに移動したんだよ?おはよう流星」
「おはよう。数々の誤解を生んでくれてありがとう。服着ろゴリラ。あんたが風邪引け。離せよ誤解を解けよ頭痛ぇな」
「え、なにどうしたの」
政宗もわかっていない様子。知るか。俺は不機嫌だ。
乱暴に左腕を政宗から引っこ抜いて逃げた。タバコを吸おう。伊緒はソファへ逃げた俺をまだ疑いの目で見ている。
あのなぁ、世の中そんな薄汚れてねぇよ、俺は潤じゃねぇよと言うのもアホらしいので、弁明は先輩にぶん投げることにした。
伊緒はそんな俺を見て政宗を睨み、仁王立ちをしている。
「あんた、無理させましたね」
そっちか。そもそも前提か。まぁ無理もないよね。だって俺と政宗二人の構図がキモかったもん今。
「はぁ?いやまぁ飲ませたけど」
「は?」
「俺も酔ってたけどさ」
待て待て待て。
伊緒はそういった意味では純粋じゃないぞある意味。それ助長するぞ。やめてくれないかな。
「最っっ低」
最上級の嫌悪感で政宗に言い捨てる伊緒くん。
あぁぁ。
でもめんどいからもーいいや。
「朝飯は何がいいですか野郎共。俺作るんで喧嘩しててください」
こうなってしまえばヤケである。あとはとことんやらせておこう。
朝飯が出来る頃にはあっさり誤解は解けたらしい。だが伊緒は政宗に謝らなかった。
何故なら政宗が全面的に悪いという決断に至ったからだ。それは政宗本人も、「確かにあれはちょっと…」と、寝ぼけ終わった頭で冷静に判断したみたいだ。
ですよね。お前が悪いですよ。
「俺たまになんかこうさ、人肌恋しくなっちまうときってのが」
「誤解をまた呼びますよね」
「まぁ一緒に住んでて俺もたまに抱き枕状態はありましたけど」
「あったの!?」
「はい。この人でもなんか色々仕方ないかなと思って俺は甘んじて受け入れましたよ」
「じゃぁなんで誤解すんだよ」
「いやぁ、流石に腕枕チックはなかったなと。あと流星さんヤケに動揺してるし」
「仕方ねぇよ。流星そーゆーとこあるから」
うるせぇな誰が童貞だ。
「アブノーマルを最近見たもんでな。身近でな。からかうな」
朝飯(政宗宅には味噌汁とパンと卵くらいしかなかった)の会話がこんなんだった。ちょっとクズすぎる。
「てかお前うまっ」
「そうなんですよー。流星さん何気にそーゆーとこあるんですよー」
「あの冷蔵庫からよく作ったなお前」
「元家政婦だからね」
樹実との二人暮らしのときそれはもう、料理には難癖つけられまくった。なんなら俺はあいつと喧嘩して一回家を出て行ったことがあった。
「あいつと飯食いに行くとやたら高い店だったからなー」
「あいつ?」
「こいつの元飼い主だよ」
「そうそう。何度料理で喧嘩したか」
「そんな?」
「うん。出てったこともあるし何ならぶっ殺してやろうとしたこともあったよ。頭来て納豆だけ置いてったらあいつ泣きそうになってたわ」
「あー、あいつ嫌いだったもんな。あいつの欠点納豆だったな」
懐かしいな。あいつ、本気で追いかけてきていきなり後ろから抱きつくから、マジで殺されるかと思ったわ。
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