Eccentric Late Show

二色燕𠀋

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An heroin near

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 流石に10分くらい過ぎた辺りでスマホに着信が入るも、歩きスマホはよくない、出ない。

 約束の11時から15分後にスタジオに着くと、開口一番、「お前この野郎ぶっ殺すぞ童顔チビクソ野郎!」と痛烈な悪口がドラム音と共に聞こえる。

「悪かったなクソハゲ!」
「死んだかと思ったよあまちゃーん」

 ぼんぼんぼん。
 
 今日の文杜はベージュ?若草色?のシャツにジーンズ。いつも思うがシャツの人ってどうしてシャツなんだろ、スーツじゃないのに。まぁファッションだけどさ。寒くねぇのかな。まぁ上着るんだけどさ。

「あまちゃんのそれはもはや圏外なの?ケータイなの?」

 じゃらーん。

 そうか、電話、げんちゃんだったのか。

 そしてみんな一斉に「あっ」だの「あれ」だの「なんだ?」だの浴びせてくる。
 
「あらあら美人になっちゃって」
「この不良息子!」

 漸くマスクを外すと「あまちゃん、美容院行けたの?」と、げんちゃんが物凄く失礼な質問をしてくる。

 うるさいやい。

「行けない西東氏が染めてくれた。
 ほらこれこれー」

 そこでみんなに漸く爆弾投入をと思い、ギターケースのポケットからでんにじコーポレーションの書類を出し、見せつけていると、三人とも顔を曇らせて、「えっ、なにこれガチ?」とか、「これはどこの出版社?」と言っていたので間違えに気付いた。

 封筒に全部一緒くたに入れておいたの、忘れてた。

「あー違う違う。これは今、西東さんが処理してる。うんとね、あった、は」

 書類はあったんだけど。
 出したんだけど。

 春画的瞬間写真(ハメ撮り)何枚かも一緒に出ていってしまって「あぁっ!」と思わず叫んでしまった。

「うわぁ…」

 明らかにげんちゃん引いてるし、「バカ…」ハゲは頭を抱えてるし、「すんごいねあまちゃん…」文杜はにやけてるし。思わず

「いやぁぁぁ!」

 叫ぶしかない。
 あまりの俺のキチガイぶりに「わかった、て、手伝う、引いてごめんなさい!」とげんちゃんが慌てるので

「それはいいから書類ぃ!これ!」

 書類をすべて渡した。落とした春画数枚はすべて回収。これでひと安心。

 ふう。キチガイのフリってこんなとき超便利。

 ハゲとげんちゃんは「マジか」「すげぇ」と書類を眺め、文杜は何故か春画を戻した封筒の中身を眺めていた。こいつってやっぱ変。ベーシストって大体変態。

「ちょっと文杜!」
「いやぁ何が入ってるのかなぁって。これハメ撮り?」
「そうだよバカ!」
「あまちゃんやるねぇ。謎が解けたよ。これであの年齢不詳ヒアルロン酸社長の懐に入り込んだのかぁ」
「まぁはい、そーゆーことですぅ。
 いや、きっかけはしゃちょーからっすよ。なんで最大限使わせて頂きました~」
「ゲスいなぁ、流石人格破綻!」

 だだ文杜は怖かった。それはわかったので「ごめんなさい…」謝った。
 しばらく笑顔で睨まれてから、いつものほんわかした歳上のような包容力になり、「まったく」と一息吐いた。

「辛かったねあまちゃん。さぁ、一からお話を聞こうか」
「…うん、そうですね」

 そう言うとメンバーはパイプ椅子を持ってきて、取り敢えず輪になって近くに座った。俺のも用意してくれた。

 しかし話せばわりとあっさりしたもので、しかも、「…ふ、」とハゲが笑いだしたかと思えば。

「うっはっはっはっは!」

 げんちゃんや文杜まで大爆笑しやがって。

「え、なにぃ、それ、え、まぁ確かにぃ、西東さんは、キレるよねぇ…ひひっ、」
「す、すんごいね、それ、すんごいね、あのヒアルロン酸社長。マジぃ?ごめん俺らあまちゃんとずっと一緒にいるから全然わかんないんだけどどーよ、げんちゃん」
「いや、ふつーにウケる。いやわかんなくもないけど、この人ほっといたら何か死にそうだしぃ?にしても、なんかそんな上手くこう引き出せちゃうあんたのセンス?いやここじゃね?ここ魅力なんだよハゲさん文杜さん。まさかそれがこんなに執着されるとかあんた器用貧乏甚だしいね!」
「性格破綻の罰当たりだわ、はっはっは!」

 なんかなんでこんなディスられてんだ俺。仮にも守ってやったんすけどこのバカ共。

「え待ってお、教えてあまちゃんどんなん?」
「えぇ?もう『ねぇしゃちょー?お願い、音楽版権俺に書類書かせて?ねぇ?』って耳元で言えば一発だわそんな調子だよ。
 側近なんかはなぁ、『今しゃちょーいないからぁ、俺しゃちょーじゃ嫌なの。データ、持ってきて?お願い。どこにあるかわからなくて。探して…?』これだよ」

 ヤケになって再現すると、「あヤベぇ」だの「あちょっとくるね」だの「素質やべぇ」だの語彙お前ら頭悪ぃよみたいな表現で絶賛された。全然嬉しくない。

「お前ってとことん嫌なやつ」
「けど良いやつ」
「あそれそれ」
「ねぇ、てか早くやんねぇ?俺遅刻してからこの話始めてかれこれ30分なんだけど!あと一時間半しかないよ!今日曲合わせなきゃ間に合わねぇよバカ共!」

 一斉に「お前が言うなよ!」と総突っ込みを頂きました。すみません。

 とは言っても作った曲は0からじゃない。大体はケータイで音源撮ってなんとなくこのギターに合うベース、それに合うドラム、みたいに作ってはいた。

 こうやって合わせるのは今日が初めて。歌詞を見せるのも今日が初。

 今回は歌詞から曲が始まった。これから曲やら歌詞を微調節しなければならないかもしれない。なのに明日が本番です。時間があまりありません。大丈夫でしょうか。
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