Eccentric Late Show

二色燕𠀋

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日常

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「でねぇぇぇ!
 声でねぇぇぇ!ごはっ、おえっ、」
「はーいストップ~」

 文杜の手叩きで一度演奏が一斉にストップした。

 ですよねぇ。

 皆様もだいぶお疲れのご様子。
 さぁこのセトリに対し誰が先に文句を言ってくるかなぁと心待にしながらあれからずっと練習をしている最中でございます。

 天崎真樹、でんにじボーカルにしてただいま本番前日喉を酷使中。

 誰だこのセトリ考えたの。俺だよ。セルフツッコミふあっふー!

「ねぇあのさ」
「はい!はい!」
「あまちゃんこの唄なんだけどさ」

 げんちゃん魔法の一手。
 待っていたよ!セトリ変えよう!俺深夜の躁病テンションで考えたら後半ずっと叫ぶハメになってんの。お前らもさ、演奏辛いよね?ね?

「アレンジ変えようと思うんだけどどうだろう」
「なにぃぃぃ!?」
「いやだって前の曲と被ってんじゃん?だったらいっそなんか変えねぇ?どう?」
「あそれ名案じゃねげんちゃんやってやって~」

 バカなのコイツら待って、俺の期待を裏切るのコイツら。

「ほらあまちゃん弾いて弾いて“泥濘でいねい”のサビ前」
「うぅ、はい、はい」

 サビ前って確か。

「大体あんたもあぁんたでしょって
それ何回か聞ーいてますけど」
「いや別に唄わなくて良いよ声死んでんじゃん水飲めし」

 生意気!
 なにこいつ!

「いやげんちゃん仕方ないよあまちゃん唄っちゃうんだよ、なんかね?」
「…文杜先生凄いっず…うぇっ、死ぬ、喉゛」
「つーかよ、俺単純なこと言っていい?
 セトリ変えれば?俺ドラムだから対して気にしねぇけどお前ら後半どうした拷問じゃね?」

 あっ。
 はっ。

「ハゲぇ~‼」

 思わず立ち上がって抱き締めちゃった。スッゴい迷惑そう、でも気にしない。

「おーよしよしバカチビ。お前これ待ってやがったなこのろくでなしが」
「待ってたおえぇぇ、」
「死ねよクソボーカル何故自分を苦しめるのそのアイデンティティー前回喧嘩になったよねバカなの?知ってるけどバカなの?3歩歩いたら本気で忘れちゃうのなんなの?文杜それで前回練習中腕吊ったよね忘れたのお前一回ホント頭打って更正した方が良いよだってバカだもん」

 うわぁきたハゲ捲し立て。

「そんなに言われるとわかんないって前回言ったよねクソハゲ!」
「あそれは覚えてんのかバカチビ。偉い偉い」

 うぜぇ。

「あんだお前ぇ!」
「はいはいお二人さんわかったわかった。前回それでスタジオ追い出されたよね。セトリ考えよ。げんちゃんアレンジもまず聴こう。はいあまちゃん、頑張って唄って」

 笑顔でさくっと殺人予告をされた気分になった。

「あーマジかはーい」

 じゃらーん。
 ちゃんちゃんちゃんちゃん。

「大体あんたもあぁんたでしょって
それ何回か聞ーいてますけど
大体って、日本語的には 大抵と変わんない つまり 」

 ちゃらーちゃちゃらーちゃ。

 あ、いいねぇ弦次げんじスペシャル。

「あんたも たーいてい 曖昧じゃんかっ!
泥濘ぇぇ
でねぇぇ
でね、ぇ?
てめぃぃぃ!」

 弾き止めてみる。
 はい、団結。

「ええやんかげんちゃん…」
「声出てねえよ大丈夫かよありがとう」
「次穏やかな曲にしよ…」
「あじゃぁなんとなくマジック」
「あーい…」

 取り敢えず買ってきたジーマを飲みました。それからスイッチオン。なんとなく。

 確かにこれは弾きやすく歌いやすい、中途半端にショタ声でいい、まぁ言うならアルトくらいの曲。スピードもあるから楽。

 ただサビ以外がきもーち早口。たまに噛んじゃう。まぁ作ったの俺なんすけど。

「レスポンっ、ここにある、さん おぶ まいせっ、
爪痕のようなファイナ、ステージをぉ
ふぅぼけた毎日の地面 誰が捨ててーくの?
脱がした感性をもう、 意地張ったゆーざぁい

あい、 えーと for your でぃーま
愛 遠近法 毎週 土曜
あぁ にーじゅ へい and lover
あぁ 二度、 とゆーな fender」

 あぁ、ここのちゃちゃちゃちゃってベース好きだわぁ。惚れちゃーうとか思って毎回弾いてるとマジで上手く自分もギター弾ける。文杜って凄い。ギター乗せんのホントうまい。俺こいつになら託せるものギター。

 あーそしてねぇ、このサイドのほわんほわんほわんってギターも持ってきた時げんちゃんホント斬新だわぁ、きゃーとか思ったよ、なにこのときめきみたいな?な?

「いいねぇあまちゃん。この曲好きでしょ地味に」
「え?」
「一番なんか声とかギターとか良いよね。あとさ、変なとこで英語が何故か生きるよねぇ。
 歌詞、ある意味合ってるけどフェンダーは片仮名だね」
「fender!」
「あ、調子こいた。でもホント綺麗綺麗そこだけ。多分巻き舌系上手いんだよねぇ、舌足らずのクセにねぇ」

 やさしー笑顔で文杜に言われている。
 これは褒められているのかよくわからないぞ。まぁいいか。

「じゃ、次行こう」
「待って、も少し喉痛め付けたい」
「わかった。はいじゃぁみんなミッシェルターイム」

 えマジか。
 そこ自曲やってくんないのね。

 とか自分で言い出してだらだらしてたんだけどみんな構えてげんちゃんが先に頷いてひゅーんと弾き始めちゃったので仕方ない。間髪入れないな、全くもう。わりとすぐの曲やん。

 入り出し遅れたら睨まれ一回ストップ。手を合わせて頭を下げれば、一息吐いたげんちゃん。それ見て文杜もハゲも笑ってる。

 クソ野郎やったるわい。
 構えると再びひゅーん。
 はいはい、わかりましたよ。

 今度はぴったり入り出す。ミッシェルのコアだけど名曲。いや、みんな名曲だけどね。
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