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in DIVE CITY Tokyo
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ボーカル天崎氏を、俺がおぶっていた帰り道でのこと。
「昴くん、しかし一週間よくまぁ、やってこれましたよね」
ベース、地元でヤンキーだった疑惑浮上中の栗村氏が、
酔っぱらって天崎氏の頭をがちっと掴むように撫で回して「けっけっけぇ、」と笑い出した。
正直恐怖だった。
「ちょ、ふみとくん…!」
「文杜、お前流石に飲み過ぎじゃねぇか、おい」
「あんた一番厄介ですよね」
栗村氏、ドラムの国木田氏とサイドギターの奥田氏に呆れ顔で言われていた。しかし当の天崎氏、一向に起きる気配なし。
「どーせ起きないからこいつ」
「えっ、ねぇマジどーしたの君今日擦れてね?」
「いや俺昴くんにはマジ感心でして」
突然、駅前の公道だと言うのに。
27歳同い年にしてまさかの路上座り込みをしてしまった栗村氏。しかもタバコを取り出して火をつける。
流石に「バカ野郎、ここは田舎じゃねぇぞおいぃ!」と国木田氏が肩を、
そりゃぁね、ドラム担当、わりと力ありますよね。外れん勢いで立ち上がらせようとしますが如何せん。
「いやぁさぁ、だってさぁ」
右手、つまりは。弦を弾くというか。
本来ピックを持つ側を掴んでしまった国木田氏、ダメでした。彼は指弾きベーシスト、国木田氏を自然と払いのける筋力があったようです。
諦めた国木田氏、溜め息を吐いて腕組をする。俺まさかの、栗村氏に睨み上げられるスタイル。
こうして見ると、笑ってるけどお前案外確かにヤンキー面だなと、太一との会話を思い出す俺でした。
「俺昔、真樹と二人で住んでたときさぁ、まぁ、何年くらいかなぁ…。俺ら3人で住んでたのが…5年くらいか?まぁ一緒に居たりいなかったりは恋人事情によるけど。なんせバンド野郎はモテまくりだからね」
その伝説マジなの?
確かに国木田氏も奥田氏も「まぁ」とか「確かに」と嫌そうな感じですが。てか嫌なんだ。
「え、嫌なの?」
「場合によるよな、げんちゃん」
「え、俺っすか。まぁ、はぁ…」
「げんちゃんヤケにクソ女子にモテるからねぇ」
うわぁ。
北谷の顔が浮かぶ。
「ナトリは意外と清純系だよね奥さんといいさぁ」
「まともですから」
「よく言うわ」
「そ、そういうふみとくんは」
果たしてナニにモテるのでしょうか。
「あっ」
「勇気あるよね昴くん」
いや国木田氏。
振り絞ったよ今の俺。
「大体ユルいやつか変なやつかヤンデレ」
ナニソレ。
しかし残り二人にはウケた模様。
「まぁそんなんでさ、合計2年くらいは住んでたかなぁ、真樹と2人きりって。東京出て復活までだと」
え、気になるところ凄くすっ飛ばされた。案外マイペースだな。ベーシストなのに。
「休業時期の真樹が大変だったよマジ。
こいつくっついて寝るじゃん?
あんか熱いなぁとか思ったらはあはあ言いやがってさぁ、始まったよこいつと思ってぇ、夏場。
仕方ねぇからほら、暑さ対策氷枕とポカリだよ。したらもー低血圧で不機嫌。仕方ねぇから馬刺しとホルモンとウォッカでハッピー!とか思ったらさぁ。
突然鼻血出しやがってさぁ、「へぇ!?」
かと思いきや袖で血い拭って俺が、俺がだよ!?押し倒されたよね。チビるかと思ったわ。
「あんか薬利きすぎて回っちゃってちょっと性欲が」とかはぁ!?じゃん?思わず間違って横っ面ぶっ叩いたら机の角に頭ぶつけて失神してたよね、朝まで起きなかったわこいつ。俺がソファでオナって起きても体勢変わらずだったもん」
「うわっ」
すげぇ。
色々どうなんだよそれ。
「流石に復活ライブ前日だったからやっべぇなーと思って久々にあの…名前なんだっけテンガ。あいつに電話したよね。てぇかよく入っとったよねケータイにあのクソ野郎の番号」
「誰っ、」
「お前なんでそっち覚えてんの。ホント頭の中男子校から変わんねぇな。なんだっけオカモト?元気やった?」
「あ、なんかね。
黒髪で少し痩せちゃったわ死にそうV系やってん。話したら「相変わらずバカだな」って言いながらAVの話しかしねぇの。あいつ人として終わっとる。3本くらいヒットしちゃうのがあいつホント終わっとるよなあ」
てか。
饒舌だなおい。
「ふみとくんそんな饒舌だったっけ」
「え?」
「あぁ、この人わりと厄介ですよマジで。一個外すと全部捨てますからマジで。
でもねぇ文杜さんちょっと開きなおりすぎじゃない?この人ビックリしてるけどあんたらの男子校ノリ」
「悪いね昴くん。ウチのメンバーまともなのげんちゃんしかいなんよね」
「うわぁ押し付けられた。いやハゲさんもわりとまとも…じゃないね」
「え」
「怪力系悪口野郎だよねナトリ」
なにその破壊ワード。すげえ強そう。
「でもさぁ、あれ思い出したら昴くんマジ称賛なんだけど。俺何回そーやって真樹を殺しかけたかわかんないよねっ」
その一言に、ふと一同黙る。
「いやそれ言ったら俺も3階からすっ飛ばしてるしなんなら5階から落とされそうになったやん」
「あぁ、そうやね」
えぇぇ。
「俺もほら休業とかほざいたときマジ首絞めたしね」
あ、それちらっとこの前言ってたな。
「あれはおもろかったよねーっ。俺ついにげんちゃんまでもキレたかと真樹のバカさに見上げる思いだったわ。しかもげんちゃん突然キレたよね楽屋で」
「あれは俺もビビった」
「隣でお前ワンバンしてたもんなー」
「そんなでしたあ?」
「そりゃぁ…。
いやまず俺かと一瞬思ったよね向かいにいたの俺だったし。したらまさかの斜め前を行くかぁって」
それ構図的に。
国木田氏、真樹さま
げんちゃん、ふみとくん
でしょうか。確かに怖いな。
「いや頭来ちゃって」
「うんひしひしと伝わった。笑い堪えてたけど俺」
「それ見て冷や冷やしとったけん俺。だって目の前よ?「このチビ今なんつったぁぁぁ!」ってこのげんちゃんが」
「うん、想像だけで怖い」
「俺はげんちゃんを止め落ちた真樹を拾い顔伏せて笑ってる文杜を睨み付け…みたいな」
「最早リーダーやん」
「いや実は俺あんとき怒りでふーふー言っててあまちゃんしか見てなかったからそっから大変だった」
「ホント。勝手にいじけちゃてな、真樹」
なんかなぁ。
想像出来ちゃう。
「昴くんそー考えたらよく殺さなかったよね」
「いや多分普通ですよそれ」
「あそう?」
いやまぁ。
「まぁほら、あんたらの方が身内なんでしょうよ。俺どっちかってぇとなんだろ…あんたらはまぁ、リスペクトっすよね」
そうそう。
結局それなんだ。
「昴くん、しかし一週間よくまぁ、やってこれましたよね」
ベース、地元でヤンキーだった疑惑浮上中の栗村氏が、
酔っぱらって天崎氏の頭をがちっと掴むように撫で回して「けっけっけぇ、」と笑い出した。
正直恐怖だった。
「ちょ、ふみとくん…!」
「文杜、お前流石に飲み過ぎじゃねぇか、おい」
「あんた一番厄介ですよね」
栗村氏、ドラムの国木田氏とサイドギターの奥田氏に呆れ顔で言われていた。しかし当の天崎氏、一向に起きる気配なし。
「どーせ起きないからこいつ」
「えっ、ねぇマジどーしたの君今日擦れてね?」
「いや俺昴くんにはマジ感心でして」
突然、駅前の公道だと言うのに。
27歳同い年にしてまさかの路上座り込みをしてしまった栗村氏。しかもタバコを取り出して火をつける。
流石に「バカ野郎、ここは田舎じゃねぇぞおいぃ!」と国木田氏が肩を、
そりゃぁね、ドラム担当、わりと力ありますよね。外れん勢いで立ち上がらせようとしますが如何せん。
「いやぁさぁ、だってさぁ」
右手、つまりは。弦を弾くというか。
本来ピックを持つ側を掴んでしまった国木田氏、ダメでした。彼は指弾きベーシスト、国木田氏を自然と払いのける筋力があったようです。
諦めた国木田氏、溜め息を吐いて腕組をする。俺まさかの、栗村氏に睨み上げられるスタイル。
こうして見ると、笑ってるけどお前案外確かにヤンキー面だなと、太一との会話を思い出す俺でした。
「俺昔、真樹と二人で住んでたときさぁ、まぁ、何年くらいかなぁ…。俺ら3人で住んでたのが…5年くらいか?まぁ一緒に居たりいなかったりは恋人事情によるけど。なんせバンド野郎はモテまくりだからね」
その伝説マジなの?
確かに国木田氏も奥田氏も「まぁ」とか「確かに」と嫌そうな感じですが。てか嫌なんだ。
「え、嫌なの?」
「場合によるよな、げんちゃん」
「え、俺っすか。まぁ、はぁ…」
「げんちゃんヤケにクソ女子にモテるからねぇ」
うわぁ。
北谷の顔が浮かぶ。
「ナトリは意外と清純系だよね奥さんといいさぁ」
「まともですから」
「よく言うわ」
「そ、そういうふみとくんは」
果たしてナニにモテるのでしょうか。
「あっ」
「勇気あるよね昴くん」
いや国木田氏。
振り絞ったよ今の俺。
「大体ユルいやつか変なやつかヤンデレ」
ナニソレ。
しかし残り二人にはウケた模様。
「まぁそんなんでさ、合計2年くらいは住んでたかなぁ、真樹と2人きりって。東京出て復活までだと」
え、気になるところ凄くすっ飛ばされた。案外マイペースだな。ベーシストなのに。
「休業時期の真樹が大変だったよマジ。
こいつくっついて寝るじゃん?
あんか熱いなぁとか思ったらはあはあ言いやがってさぁ、始まったよこいつと思ってぇ、夏場。
仕方ねぇからほら、暑さ対策氷枕とポカリだよ。したらもー低血圧で不機嫌。仕方ねぇから馬刺しとホルモンとウォッカでハッピー!とか思ったらさぁ。
突然鼻血出しやがってさぁ、「へぇ!?」
かと思いきや袖で血い拭って俺が、俺がだよ!?押し倒されたよね。チビるかと思ったわ。
「あんか薬利きすぎて回っちゃってちょっと性欲が」とかはぁ!?じゃん?思わず間違って横っ面ぶっ叩いたら机の角に頭ぶつけて失神してたよね、朝まで起きなかったわこいつ。俺がソファでオナって起きても体勢変わらずだったもん」
「うわっ」
すげぇ。
色々どうなんだよそれ。
「流石に復活ライブ前日だったからやっべぇなーと思って久々にあの…名前なんだっけテンガ。あいつに電話したよね。てぇかよく入っとったよねケータイにあのクソ野郎の番号」
「誰っ、」
「お前なんでそっち覚えてんの。ホント頭の中男子校から変わんねぇな。なんだっけオカモト?元気やった?」
「あ、なんかね。
黒髪で少し痩せちゃったわ死にそうV系やってん。話したら「相変わらずバカだな」って言いながらAVの話しかしねぇの。あいつ人として終わっとる。3本くらいヒットしちゃうのがあいつホント終わっとるよなあ」
てか。
饒舌だなおい。
「ふみとくんそんな饒舌だったっけ」
「え?」
「あぁ、この人わりと厄介ですよマジで。一個外すと全部捨てますからマジで。
でもねぇ文杜さんちょっと開きなおりすぎじゃない?この人ビックリしてるけどあんたらの男子校ノリ」
「悪いね昴くん。ウチのメンバーまともなのげんちゃんしかいなんよね」
「うわぁ押し付けられた。いやハゲさんもわりとまとも…じゃないね」
「え」
「怪力系悪口野郎だよねナトリ」
なにその破壊ワード。すげえ強そう。
「でもさぁ、あれ思い出したら昴くんマジ称賛なんだけど。俺何回そーやって真樹を殺しかけたかわかんないよねっ」
その一言に、ふと一同黙る。
「いやそれ言ったら俺も3階からすっ飛ばしてるしなんなら5階から落とされそうになったやん」
「あぁ、そうやね」
えぇぇ。
「俺もほら休業とかほざいたときマジ首絞めたしね」
あ、それちらっとこの前言ってたな。
「あれはおもろかったよねーっ。俺ついにげんちゃんまでもキレたかと真樹のバカさに見上げる思いだったわ。しかもげんちゃん突然キレたよね楽屋で」
「あれは俺もビビった」
「隣でお前ワンバンしてたもんなー」
「そんなでしたあ?」
「そりゃぁ…。
いやまず俺かと一瞬思ったよね向かいにいたの俺だったし。したらまさかの斜め前を行くかぁって」
それ構図的に。
国木田氏、真樹さま
げんちゃん、ふみとくん
でしょうか。確かに怖いな。
「いや頭来ちゃって」
「うんひしひしと伝わった。笑い堪えてたけど俺」
「それ見て冷や冷やしとったけん俺。だって目の前よ?「このチビ今なんつったぁぁぁ!」ってこのげんちゃんが」
「うん、想像だけで怖い」
「俺はげんちゃんを止め落ちた真樹を拾い顔伏せて笑ってる文杜を睨み付け…みたいな」
「最早リーダーやん」
「いや実は俺あんとき怒りでふーふー言っててあまちゃんしか見てなかったからそっから大変だった」
「ホント。勝手にいじけちゃてな、真樹」
なんかなぁ。
想像出来ちゃう。
「昴くんそー考えたらよく殺さなかったよね」
「いや多分普通ですよそれ」
「あそう?」
いやまぁ。
「まぁほら、あんたらの方が身内なんでしょうよ。俺どっちかってぇとなんだろ…あんたらはまぁ、リスペクトっすよね」
そうそう。
結局それなんだ。
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