婚約拒否のために私は引きこもりになる!

たろ

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第1章

ただいま帰りました

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「シルヴィ、今日はよく食べるなぁ」

「ええ本当!」

「あはは、今日なんでかお腹すいちゃってさ~」

お父様とお母様の指摘は最もだ。いつもは動かないからほとんどお腹が空かないけれど、今日はとても動いた。ひやりと汗が背中をつたう。そうなのだ、全速力で街を走り抜け屋敷に滑り込む。隠したロープを窓枠に引っ掛けて、壁を登って自分の部屋に入る。ちなみにこの方法もある冒険小説より引用した。部屋に戻ると同時にすぐさま変装を解いてお嬢様スタイルになる…と同時くらいにカエティが呼びに来たのだからぎりっぎりだった。


兎にも角にもバレなかった!だけれど体力との相談は全くしていなかったのでロープを握りしめていた私の握力は今スプーンを持つのにもブルブルしている。そして体力の衰えを実感せざるを得なかった。1年ちょっと走らず座ってばかりの生活はやはり良くないんだろうなぁ…とにかく疲れた。いろいろ考えることもあるし、眠い…。スプーンを置いて口元を拭き、早いペースで食べてしまったので周りの完食を待つ。

「おい、食べたなら部屋に戻ったらどうだ」

お、お兄様いいこと言ってくれるじゃない。隣に座る兄がそう言ってくれたのでしゅんとしてしまったお父様を横目に立ち上がる。

「はい、お先に戻らせていただきますわね」

「…」

「じゃ!ごちそうさまでした~!!!」

ぱたぱたと急いで部屋に戻り、湯浴みを済ませ、ベッドへダイブする。なんか本当どっと疲れた、本を読むだけじゃなくて少し運動もしたほうがいいかもしれないわね。…でも今日は本当楽しかった。初めてみる景色に、初めてみる人たち。前には決して体験することなかったことたちばかりだ。360度全てが本に囲まれた図書館なんて魅力的なものが街に建っていることなんて全く知らなかった。あそこは私にとって天国だけれど…

「キースさま」

彼が現れる可能性がある以上、私が行くことは避けるべきだろう。私は彼に近づくべきではないし、そのために今こうしているのだから。だが彼はどうして王立図書館を訪れていたんだろうか。王宮内にも国内すべての発行物や、貴重な資料が揃う立派な図書館があるはずだ。なんで前の私はそこを拠点にしなかっ…ちがうちがう。だから本を探すならば王宮内で充分なはずなんだけれど…ただ街を歩きたかったのかな?まぁいいか、考えても仕方ない。

さーて、眠いけどアイデンティティを忘れてはならないな!よっし本を読もう。何を読むとしようか…あっ!そうだ今回の大冒険の戦利品があるじゃあないか。続きだ!続きを読もう。はぁ~主人公たちはどうなってしまうのかな~!!!先程しまい込んだ変装アイテムを引っ張り出してごそごそする。…………あれ?

全てひっくり返す、もう一度しまう、バルコニーへ出る、下をみる、もう一度引っ張り出す………ない!

……もしかして、図書館でぶつかった時に落とした!?
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