君との恋はシークレット

碧月あめり

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6th Sectrt. 撮影の日

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「ママ、わたし、着替えてくるね」
「そうね。黒沢くんも、送っていくから着替えてきて」
「はい」

 ママから解放された黒沢くんは、少しほっとしたような表情を浮かべていた。

「着替えが済んだら、控え室の前で待ってて」
「はーい」

 ママに返事して控え室のほうに足を向けると、後ろから黒沢くんがついてきた。

「山田さんて、ほんとにプロなんだな」

 黒沢くんが、突然、ひとりごとみたいにボソリとつぶやく。

「え?」
「あの子、普段は目立つのが嫌いで地味な格好ばっかりしてるけど、カメラを向けられたら顔付きが変わるの」
「は?」
「撮影中、山田さんのお母さんが自慢げに言ってたよ」
「あ、そう……」

 よくわからないけど、褒められているのかな。

「オレと同じ年で、中学生で、大人に混じってプロの仕事できるとかすげーな」

 そう言ってふっと笑いかけてきた黒沢くんの目は、いつもの意地悪な雰囲気とは違って優しくて。ちょっとドキドキしてしまう。

「そ、それはどーも……」

 なんか調子狂うな。反応に困る……。

 そのあと黒沢くんとの別々の控室に入っても、わたしの胸はなぜかずっとドキドキしていた。

 撮影用の衣装を脱いで制服に黒縁メガネという普段の姿に戻ってからも、胸のドキドキは治らなくて。 
 
 わたしはカバンの中の結城くんに「終わったよ」と報告する、撮影後の日課すら忘れてしまっていた。
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