君との恋はシークレット

碧月あめり

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7th Sectrt. 着ぐるみの中の人

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 教室に入ると、中にいた生徒たちが騒ぎ始めた。

「黒沢、なに連れてきたの?」
「永見の代役」
「それ、何のキャラクター?」
「近所の商店街のゆるキャラ、ウサミン。お買い物とオシャレが大好きなウサギのJKらしい」

 黒沢くんの説明に、クラスメート達がドッと笑う。

 残念なことに、商店街のイメージキャラクター・ウサミンは誰にも認知されていない。

 商店街はキャラクター変更を検討したほうがいいと思う。

「これってどうなの? 可愛いの?」

 誰かがそう言うと、黒沢くんが着ぐるみの上からトンッと肩を叩いてきた。

「なに言ってんだよ。すげーかわいいだろ」

 か、かわいい……!?

 わたしに向けられた言葉じゃないのに、なぜかドクンと胸が鳴る。

「中は誰が入ってんの?」

 油断してたら、近付いてきた男子が、ウサミンの顔の下から中をのぞこうとしてきた。

 ヒヤッとして後ずさると、黒沢くんがわたしをかばうようにウサミンの顔の前に手を出す。

「これは商店街のイメージキャラクター、ウサミン。商店街のえらい人から、イメージを崩さないようにって言われてんだよ。だから、ウサミンに中の人なんていない!」
「なにその設定」

 同感。

 誰にも認知されてないキャラクターに、イメージも何もない。

「もうこの話はいいから。外に並んでる客をさばくぞ」

 クラスのみんなにテキパキと指示を出すと、黒沢くんがわたしを教室の端っこに連れて行って立たせた。

「ウサミンはとりあえずこの辺で適当に立ってて」

 出された指示にうなずこうとしたら、頭が重くてバランスが崩れた。

「うおっ……」

 前のめりに倒れそうになったウサミンの体を、黒沢くんが正面から抱き止めてくれる。

 転けずに済んで助かったけど、

「あー、黒沢くんが着ぐるみと抱き合ってる~」

 という誰かのからかいの声が聞こえてきた。

「ご、ごめん……」

「別に」

 ドギマギしているわたしと違って、黒沢くんはクラスメートたちにからかわれても涼しい顔をしている。

「よろしく、ウサミン」

 ニヤリと笑ってウサミンの肩を叩くと、黒沢くんはわたしから離れていった。
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