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7.わかったかもしれません。
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次の日の放課後。わたし達は学校帰りにそのまま由井原総合病院に向かった。
高校の最寄り駅から病院の最寄り駅までは、乗り換え一回で所要時間は約三十分。
駅を降りてからは歩いて五分ほどで。初めての場所だったけれど、なんとか迷わずにたどり着くことができた。
病院の前には小さなお花屋さんがあって、それを見て初めて、お見舞いに何も持ってこなかったことに気が付く。
「お見舞いのお花いるよね」
病院に入る前にお花屋さんに寄ろうとすると、由井くんが少し顔をしかめた。
「自分のお見舞いに花?」
「わたしから、由井くんへのお見舞いだよ。好きな花はある?」
お花屋さんの前で訊ねると、由井くんが「べつに」と首を横に振る。
「じゃあ、好きな色は?」
「オレンジ……、とか」
「オレンジ系、わたしも好き。あ、この花綺麗だよね。オレンジメインで、白とか他の色も混ぜてもらおう」
わたしはお花屋さんに入ると、店先にたくさん飾られていたガーベラの花でお見舞い用の花束を作ってもらった。
病院に入って由井くんのお見舞いに来たことを伝えると、受付のお姉さんが「少々お待ちください」とどこかに電話をかけ始めた。
それからしばらくして、由井くんの入院している病室の番号を案内される。
由井くんが入院していたのは由井原総合病院の最上階の、フロアの一番奥の個室だった。
「ここ、だよね……」
部屋番号を確認してドアをノックしようとすると、ちょうどそのタイミングで内側からスライドドアが開く。
「あ……」
中から出てきたのは、大学生くらいに見える男の人だった。
黒髪で、爽やかな雰囲気で、スタイルも良くてかっこいい。それに、目元が誰かに似てるような……。
不躾にジッと見上げていると、男の人がにこっと微笑みかけてきた。
「こんにちは」
「こ、こんにちは……!」
彼は、笑った顔も品があって綺麗だ。
この人はいったい誰なんだろう。
由井くんと病室かと思ってきたけど、わたし部屋を間違えた……?
突然現れたイケメンに動揺して挙動不審に視線を動かしていると、彼がわたしの手元の花束に気が付く。
「さっき、フロントから連絡もらったんだけど……。君がお見舞いの子だよね」
「あ、はい……!」
ピッと背筋を伸ばしてキレのある返事をすると、男の人が「ありがとう」と言って、ふっと笑った。
どうして、この人がお礼を言うんだろう。
疑問に思っていると、彼がほんの少し眉尻を下げた。
「挨拶が遅れたね。僕は由井 亨と言って、周の兄です」
「お兄さん……」
そういえば、由井くんには医学部に行っているという優秀なお兄さんがいるんだったっけ。
第一印象で目元が誰かに似ていると思ったけど、よく考えたら由井くんだ。
由井くんとお兄さんは全体的な雰囲気は違うけど、切れ長の奥二重の目元がよく似ている。
隣に立っている由井くんのことをちらっと見る。
お兄さんの顔を見たらなにか反応するかな。
そう思って期待したけど、由井くんはお兄さんのことを初めてあった人を見るみたいな目で見ていた。
家族に会ってもダメか……。
心の中でガッカリしていると、由井くんのお兄さんが「あの、ちょっと聞いてもいいかな?」と遠慮がちに話しかけてきた。
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