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3章 アラサー女子、ふるさとの祭りに奔走する
3-4 ずっと彼が好きだった
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大量の父の個人名義の通帳がテーブルに乱雑に積み上げられている。どの通帳も、出入りを繰り返しながら、残高がどんどん減っている。借金の督促状も山のようにある。問題はその日付だった。
てっきり荒本さんが裏切ってから発生したものと思っていたが、そうではなかった。二十年前から、素芦の家は赤字体質だった。
荒本さんが寝返ってから借金が大幅に増えたような形跡はない。
「まさか、荒本さん、偽造していませんよね」
「馬鹿言うな! 通帳、みんな古いだろ? それに少しずつ記帳されてることわかるだろ」
その通りだった。通帳の印字の濃度から、二-三か月ごとにまとまって記帳していたことがわかる。
「そ、そんな……私、普通に学校に行って、よく別荘にも出かけたし、月に一度は、菊川亭でお父さんと食事して……すごい贅沢はしてないけど……」
荒本さんと破談するまで、平均以上の暮らしをしていた自覚はある。
「……俺も、そこまでひどいとは知らなかった。素芦不動産のことは知ってたが、素芦の個人の財産までは把握してなかったからな」
「……借金は、じゃあ……」
「ミツハが、素芦の財産を譲り受けることで、返済を遅らせてもらった。借金はほぼ返済した。大学を誘致して地価が上がったし、ミツハのノウハウで事業をいろいろ起こした」
荒本さんが私の隣に座った。
「お前が背負うものは何もないってことだ」
私は項垂れるしかない。
「荒本さん、だからといって、素芦の社員を引き抜かなくても……」
広げた通帳に書類をまとめ紙袋に包み、バッグにしまった。
「俺が社長となって立て直すつもりだったよ。が、それが駄目になったら倒産は確定だ。そんなところに社員を置いとくのは可哀相だからな」
「……でも、あなたは私を裏切った」
荒本さんが私の肩をポンと叩く。
「俺は裏切ったつもりはない。本当にお前と結婚するつもりだった」
「真理恵さんと子どもまで作ったのに?」
彼は、私ではない女と抱き合っていた。私の目の前で。
男は私の髪に指を滑り込ませてくる。
「お前は素芦の姫さまだからな。結婚するまでは、と思って大事にしたつもりだ……が、俺は男なんだ、わかってくれないか?」
婚約者が他の女を抱いたことを理解しろと? 私は首を振るしかない。
「いや、素芦の姫さまがそんなこと、許せるわけないな」
彼の大きな手が私の背中をさする。
「俺は親父さんに死んでほしくなかった。いい人だった。だからミツハのアパート管理を任せたんだが、誇り高い殿様は嫌だったんだろう」
荒本が私の手を取り顔を近づけた。
「お前、大学の安いバイトで随分こき使われてるな。俺なら同じ仕事で正社員にしてやるのに」
何かが警告する。危険だ。これ以上、ここにいてはいけない。
「私、それでは……」
そろそろ立ち上がろうとしたが、男に両肩を捉えられた。
途端、荒本は私をソファに押し倒した。
一瞬だった。
抵抗する間もなくの顔が覆いかぶさり唇が奪われた。
男の舌が侵入し、中で暴れる。
七年ぶりの熱いキス。
あのころの私は、この男の唇が恋しく、キスのたびに幸せな気持ちになれた。
ずっと好きだったよ、お兄ちゃん
お兄ちゃんのお嫁さんになりたかった
でもお兄ちゃんは他に好きな人がいた
だからお兄ちゃんが憎かった
……違う違う違う! 私が欲しいのはこれじゃない!
あのころ陶酔していた行為に、私の唇が拒否反応した。
「流斗君、助けて!!」
私は、男の胸を大きく突き飛ばし、ソファから立ち上がった。
「那津美、行くな!」
荒本さんの叫びを背に、私は、唇をぐいぐいこすりながら、ミツハ不動産の廊下をひたすら走った。
流斗君に会いたい。彼が他の子を好きでも。彼に嫌われたとしても、このままで終わりたくない。せめて、誠意は見せたい。
私は家に戻った後、流斗君にメッセージを送った。
『取材を断る、との約束を破ってごめんなさい』
すぐメッセージが返ってきた。向こうはちょうど昼間だ。
それは異国の風景を写した写真だった。
青色に輝く超高層ビルと周囲に広がる白い建物で成り立つ都市が写っていた。そして都会の向こう側に、雪で覆われた広大な山脈がそびえたっている。青空と街と山のコントラストが美しい。
が、美しい写真に見とれる間もなく、次のメッセージが私を悩ませた。
『こっちこそ、ごめんね』
私の謝罪を受け入れた、ということでいいのだろうか? また、以前のように友人に戻れるということなの?
『返事ありがとう。写真きれいね。待ち受けにします。また、お話ししたいです』
『そうだね。ちょっと待っててね』
彼は私を許してくれた、ということでいいのかな?
友だちに戻れる、って期待していいのかな?
ちょっとってどれくらい? ……でも、催促してはいけない。
ちょっとが一年だって仕方ない。
だって彼は宇宙の始まりを探求する研究者なんだもの。
宇宙は138億年前に生まれたんだもの。
一年だって、ほんのちょっとかもしれないよね。
荒本さんが持っていた、素芦の何の価値もない通帳に督促状の束を、押し入れに入れた。
押入れを開けるたびに、憂鬱になる。
この押し入れにはどうでもいいものが集まってくる。
私の大嫌いな人から届く誕生日プレゼントもそれらの仲間。
おそらく、今年の誕生日も、どうでもいい仲間がやってくるに違いない。
予定通り、誕生日は一人で楽しく過ごそう。勤務先が塾から大学に変わっただけだ。
そして流斗君は帰国した。
帰国した日、メッセージを受け取った。が、それは普通の挨拶で、特にお誘いはなかった。
受け取ったメッセージはそれだけで、何も連絡なく数日経つ。
「会いたい」と送信したくなるけど我慢する。焦っちゃダメ。
数日って普通に「ちょっと」なんだから。
流斗君は忙しいんだから。
彼のスケジュールをチェックすれば、よくわかるんだから。
別に広報課のバイトだからといって、いちいち准教授のスケジュールを毎回チェックする必要はない。
なのに私は、つい、彼のスケジュールだけは欠かさずチェックしてしまう。ああ、これじゃストーカーだ。
でも、昨日も何もメッセージが来なかった。
今日のスケジュールは……え!
雑誌社の取材だ。私が流斗君との信頼を失って得た成果物が、無機質な罫線に囲まれて表示されている。私は、取材担当から外されている。となると、沢井さんか飯島さんが彼の取材に立ち会うのだろう。
「飯島さん」
私は話しかけた後、気がつく。ここで流斗君の取材について確認したら、私が彼のスケジュールをチェックしたことが発覚してしまう。
「私、祭りのことばかりしてすみません。お手伝いします」
「かまへん、かまへん。あ、そうそう、午後、朝河先生の取材に行ってきますんで、あとたのみますわ」
こちらから聞かなくても知りたいことに答えてくれた。
午後になり、飯島さんは予定通り、流斗君の研究室に出かけた。
私は普段の仕事を進めると共に、月祭りのブース拡張について各棟のリーダー格の教授に連絡を取るなど、慌ただしく午後を過ごした。
二時間ほど経ったころ。飯島さんが血相を抱えて戻ってきた。
「素芦さん、今すぐ、こっからどこかへ行って!」
意味がわからない。
「どこってどこですか?」
「どこでも、ええから!」
沢井さんと、私には聞かれたくない打ち合わせをするのだろうか? それならそう言ってくれればいいのに、と思いつつ、私は立ち上がった。
が、突然、事務室にずかずか入り込んできた先生の勢いにのまれ、動けなくなった。
「素芦さんいる?」
先ほどまで雑誌の取材を受けていた流斗君が、事務室の広報課までやってきた。
てっきり荒本さんが裏切ってから発生したものと思っていたが、そうではなかった。二十年前から、素芦の家は赤字体質だった。
荒本さんが寝返ってから借金が大幅に増えたような形跡はない。
「まさか、荒本さん、偽造していませんよね」
「馬鹿言うな! 通帳、みんな古いだろ? それに少しずつ記帳されてることわかるだろ」
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荒本さんと破談するまで、平均以上の暮らしをしていた自覚はある。
「……俺も、そこまでひどいとは知らなかった。素芦不動産のことは知ってたが、素芦の個人の財産までは把握してなかったからな」
「……借金は、じゃあ……」
「ミツハが、素芦の財産を譲り受けることで、返済を遅らせてもらった。借金はほぼ返済した。大学を誘致して地価が上がったし、ミツハのノウハウで事業をいろいろ起こした」
荒本さんが私の隣に座った。
「お前が背負うものは何もないってことだ」
私は項垂れるしかない。
「荒本さん、だからといって、素芦の社員を引き抜かなくても……」
広げた通帳に書類をまとめ紙袋に包み、バッグにしまった。
「俺が社長となって立て直すつもりだったよ。が、それが駄目になったら倒産は確定だ。そんなところに社員を置いとくのは可哀相だからな」
「……でも、あなたは私を裏切った」
荒本さんが私の肩をポンと叩く。
「俺は裏切ったつもりはない。本当にお前と結婚するつもりだった」
「真理恵さんと子どもまで作ったのに?」
彼は、私ではない女と抱き合っていた。私の目の前で。
男は私の髪に指を滑り込ませてくる。
「お前は素芦の姫さまだからな。結婚するまでは、と思って大事にしたつもりだ……が、俺は男なんだ、わかってくれないか?」
婚約者が他の女を抱いたことを理解しろと? 私は首を振るしかない。
「いや、素芦の姫さまがそんなこと、許せるわけないな」
彼の大きな手が私の背中をさする。
「俺は親父さんに死んでほしくなかった。いい人だった。だからミツハのアパート管理を任せたんだが、誇り高い殿様は嫌だったんだろう」
荒本が私の手を取り顔を近づけた。
「お前、大学の安いバイトで随分こき使われてるな。俺なら同じ仕事で正社員にしてやるのに」
何かが警告する。危険だ。これ以上、ここにいてはいけない。
「私、それでは……」
そろそろ立ち上がろうとしたが、男に両肩を捉えられた。
途端、荒本は私をソファに押し倒した。
一瞬だった。
抵抗する間もなくの顔が覆いかぶさり唇が奪われた。
男の舌が侵入し、中で暴れる。
七年ぶりの熱いキス。
あのころの私は、この男の唇が恋しく、キスのたびに幸せな気持ちになれた。
ずっと好きだったよ、お兄ちゃん
お兄ちゃんのお嫁さんになりたかった
でもお兄ちゃんは他に好きな人がいた
だからお兄ちゃんが憎かった
……違う違う違う! 私が欲しいのはこれじゃない!
あのころ陶酔していた行為に、私の唇が拒否反応した。
「流斗君、助けて!!」
私は、男の胸を大きく突き飛ばし、ソファから立ち上がった。
「那津美、行くな!」
荒本さんの叫びを背に、私は、唇をぐいぐいこすりながら、ミツハ不動産の廊下をひたすら走った。
流斗君に会いたい。彼が他の子を好きでも。彼に嫌われたとしても、このままで終わりたくない。せめて、誠意は見せたい。
私は家に戻った後、流斗君にメッセージを送った。
『取材を断る、との約束を破ってごめんなさい』
すぐメッセージが返ってきた。向こうはちょうど昼間だ。
それは異国の風景を写した写真だった。
青色に輝く超高層ビルと周囲に広がる白い建物で成り立つ都市が写っていた。そして都会の向こう側に、雪で覆われた広大な山脈がそびえたっている。青空と街と山のコントラストが美しい。
が、美しい写真に見とれる間もなく、次のメッセージが私を悩ませた。
『こっちこそ、ごめんね』
私の謝罪を受け入れた、ということでいいのだろうか? また、以前のように友人に戻れるということなの?
『返事ありがとう。写真きれいね。待ち受けにします。また、お話ししたいです』
『そうだね。ちょっと待っててね』
彼は私を許してくれた、ということでいいのかな?
友だちに戻れる、って期待していいのかな?
ちょっとってどれくらい? ……でも、催促してはいけない。
ちょっとが一年だって仕方ない。
だって彼は宇宙の始まりを探求する研究者なんだもの。
宇宙は138億年前に生まれたんだもの。
一年だって、ほんのちょっとかもしれないよね。
荒本さんが持っていた、素芦の何の価値もない通帳に督促状の束を、押し入れに入れた。
押入れを開けるたびに、憂鬱になる。
この押し入れにはどうでもいいものが集まってくる。
私の大嫌いな人から届く誕生日プレゼントもそれらの仲間。
おそらく、今年の誕生日も、どうでもいい仲間がやってくるに違いない。
予定通り、誕生日は一人で楽しく過ごそう。勤務先が塾から大学に変わっただけだ。
そして流斗君は帰国した。
帰国した日、メッセージを受け取った。が、それは普通の挨拶で、特にお誘いはなかった。
受け取ったメッセージはそれだけで、何も連絡なく数日経つ。
「会いたい」と送信したくなるけど我慢する。焦っちゃダメ。
数日って普通に「ちょっと」なんだから。
流斗君は忙しいんだから。
彼のスケジュールをチェックすれば、よくわかるんだから。
別に広報課のバイトだからといって、いちいち准教授のスケジュールを毎回チェックする必要はない。
なのに私は、つい、彼のスケジュールだけは欠かさずチェックしてしまう。ああ、これじゃストーカーだ。
でも、昨日も何もメッセージが来なかった。
今日のスケジュールは……え!
雑誌社の取材だ。私が流斗君との信頼を失って得た成果物が、無機質な罫線に囲まれて表示されている。私は、取材担当から外されている。となると、沢井さんか飯島さんが彼の取材に立ち会うのだろう。
「飯島さん」
私は話しかけた後、気がつく。ここで流斗君の取材について確認したら、私が彼のスケジュールをチェックしたことが発覚してしまう。
「私、祭りのことばかりしてすみません。お手伝いします」
「かまへん、かまへん。あ、そうそう、午後、朝河先生の取材に行ってきますんで、あとたのみますわ」
こちらから聞かなくても知りたいことに答えてくれた。
午後になり、飯島さんは予定通り、流斗君の研究室に出かけた。
私は普段の仕事を進めると共に、月祭りのブース拡張について各棟のリーダー格の教授に連絡を取るなど、慌ただしく午後を過ごした。
二時間ほど経ったころ。飯島さんが血相を抱えて戻ってきた。
「素芦さん、今すぐ、こっからどこかへ行って!」
意味がわからない。
「どこってどこですか?」
「どこでも、ええから!」
沢井さんと、私には聞かれたくない打ち合わせをするのだろうか? それならそう言ってくれればいいのに、と思いつつ、私は立ち上がった。
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