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読み切り 第1章

第1話

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 嵯峨りつ都は、何気ない気持ちで異世界に行ったり、人間世界に帰らせる役割を持つ異世界案内人により、異世界転移をしてゲーム感覚で楽しんでいた。
 ある時、いつものように元いた世界に帰ろうとしたら、人間世界に戻るための手段がなくなっていて、「黒幕を見つけ、倒さなければ人間世界に帰れない」と告げられる。
 しかし、青髪の謎の少女に出会い、偶然、人間世界と異世界を行き来できる洞窟を見つけ、そこから無事に帰還することができた。

 僕は、メロディーア。

 前回は「りつ」という名前だったけど、かっこよくなるために、旋律をイタリア語にしたら、メロディーアになった。

 一応、旋律に英語があって、それはメロディになるらしいけど、女の子みたいな響きだし、名前が被りそうだから、他の言語で探してみれば、イタリア語だった。

 メロディーアもいそうだけど、英語よりはいいかなって。

 僕は今、習い事とかで英語以外の外国語を学んでいる。
 スペイン語、イタリア語、フランス語、ドイツ語、韓国語、中国語(北京語)も学習している。
 小学までは成績がよかったものの、中学に上がってから成績が落ちるようになったから、ここで人より秀でたものがほしいと思い、習い事を始め、今から学習しているとのこと。
 だけど、まわりは大学生とか社会人ばかりで、僕が自然と目立ってしまうのは、気になるし、クラスメイトでわざわざ英語以外の外国語やろうなんて思う人は、そうそういない。
 単純な話、英語以外をいくら身に着けても、学校生活には何の役に立たないし、先生に褒められないし、成績の評価表にも残らないので、ただの自己満足のためでしかないとなる。
 外国語も簡単な単語しかわからないため、日本語と同じように話せるわけではない。
 
 謎の青髪の女の子に恋をして、また会えないかと期待する異世界での自称勇者。
 恋は大体、一目惚れとか優しくされたとかそんじゃんじゃないとか思ってる。
 そんな相手の内面、性格とかわかりっこない。
 結婚なんてまだ先の話だし、そこまで真剣なお付き合いとか考えていない。

 年齢は13歳。中学生。
 思春期真っ只中なんて言われているけど、自覚はない。
 思春期がどんなものか聞かれると、僕もいまいちわかってないから。
 
 瞬間移動装置とやらの機械も直ったことだし、そこで、僕は異世界へ転送した。
 
 僕が目指すものは、伝説の勇者。
 勇者のなり方なんてわからないけど、適当になれればいいかな、と。
 僕の装備品は、剣ではなく、レイピアだ。
 レイピアは僕のお気に入りだから。
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