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番外編 ハーレムな光の勇者の夢を見た

第2話

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   リス、ハムスター、モルモットの行動をしばらく観察してから、どちらを飼うか決めることにした。
 俺は大体、動物の生態とか知らない。
 
 モモンガやカメレオンも、見るようになってきた。
 どれも可愛くて、全部飼いたくなる。
   だけど、俺は神様からごく一部の力しか与えられてないし、万能でもない。
   お金を具現化できるわけでもないし、物理移動とかもできない。
    服従してもらうための洗脳能力とかはあるけど、本能的な感情まではコントロールできない。
   だけど、技を封じる能力があるから、これでジェシーとパテルとティアの能力を封じている。

   俺はジェシーの体は好みだけど、性格は好みではない。
   気が強くて短気な女の子は好きではない。
   だけど、ジェシーがいなければ男の本能は満たされない。

 牛姫は、動物なら可愛いのにな。
 デブ猫の写真集とかは結構好きだったりする。
   猫や牛とかの動物は、痩せているより太っている方が可愛い。
 
   アリーは最初から対象外で、貧乳だし、痩せているわけでもない。かといって、太っているわけでもないんだが。
   正義感が強くて、意志も強い。女の子らしくないなと思うから、ときめかない。

    転生する前、俺は32歳だった。
    無実の罪で、処刑された。
   大学やキャバクラで三股していた20歳の男と、
   両親が行方不明で、母方の祖父と暮らす28歳の少年と、
  シングルマザーの母を持つ女子高生17歳の少女の四人で指名手配までされた。
  未成年は本名なんか公開されないけどな。

   一回目の妻とは離婚したけど、二回目の妻との結婚生活は順調だった。
   一回目の妻は俺より背が高くて、気が強い女性だった。
   離婚理由、夫婦喧嘩。
   俺と同い年の32歳。

   二回目の妻は、穏やか、清楚、性格は俺の理想を兼ね揃えていた。
   貧乳だったけど、俺より小柄で可愛かったし、年下だった。

   娘は長女は、穏やかで、髪は肩ぐらいまであった。
   俺は信頼していた。
   身長は159センチ。

   二女は、気が強くて短気。髪は背中まで長かった。
   娘でありながら、苦手だった。
   身長は157センチ。

   三女は、とにかく可愛い。ショートヘアー。
   身長は156センチ。

   殺人未遂の罪を着せられ、処刑をされた。
   何の根拠かわからなかった。

「何とも罰当たりな」
   どこからとなく声が聞こえた。
   誰だろう?

「わしは、神様だ。
貴様に力を与えたが、その力をなんということに使っとる?」
「誰だ?」
「神様って言うのが聞こえんのか?」
「神様が現世に現れるか」
「現れるから、言っとる」
「根拠は?」
「馬鹿にしとるのか? わしは、貴様を選んだことを後悔しとる」

「はいはい」
「よいか?人を牛に変えたり、少女を捕らえたり」
「妬いてるのか?」
「妬いとらんわ」
「巨乳の女の子を捕まえられる俺を」
「この世界に転生させたわしが馬鹿だった…」
「馬鹿だったね」
「貴様に言われたくないわ!
とにかく人を牛に変えるとか、過去に飛ばすとか、老化を早めるとか、監禁するとかやっていいことだと思うのか?」
「うん」

「仕方ないわ。貴様に何をどう説得しようと無駄だとわかった」
「ありがとう」
「褒めてない!
とにかく、転生だ。二回目のな」
「あと何回、転生させるの?」
「更正するまでな。貴様のしたことはこちらで何とかする」
「へー」
「むかつく返事だ」

   こうして、俺は二回目の転生をすることとなった。
   来世もまたハーレムできるかな?
   巨乳の女の子と出会えるかな?そんなことを楽しみとしていた。

     王子の身分などなかった。
     俺は、2歳で親を失った孤児に転生することとなった。
     俺も、転生した時から親がわからなかった。だけど、親が誰なのかを知ろうとするのもめんどくさかった。
     どう頭をひねっても、親の記憶を思い出せそうになかった。思い出せないようにしているんだと思う。
 
    転生にも、条件があるらしい。
    俺は神とも言える力を失っていた。
    神様は、俺に天罰を下したというのか。
    別に、巨乳の美女と出会えればいいんだけどね。

   だけど、巨乳の美女はいなかった。
   どこを探しても見つからない。
   巨乳は、みんな太っている人しかいなかった。

   バストサイズは痩せている子は、一番大きくてCカップと言う。
   バストサイズがわかる力は弱いけど、わずかに残っていた。
   Dカップ以上がいないことにきずく。俺が認識できないだけなのか、本当にいないのか。
 
   神様め、何というところに転生させたんだ?
   2歳の俺は、歩くことはできる。
  どこに向かえばいいのかもわからないし、向かう先に何があるのかもわからない。
   1歳に転生した時と違って、ふらつきはなかった。
  今、いるところがどこなのかもわからなかった。
  わかるのは、俺は2歳で、たった今親を失ったということだけだった。
  正直、自分の名前すらもわからなかった。記憶喪失同然と言っていいくらいだと思う。

  転生させるのはいいけど、まともな場所に転生させてほしい。
  結局、俺は見知らぬ人のところに拾われることとなった。
  拾われた家は、俺の叔父夫婦の所だった。
 
  俺が養子だということを教えなかった。むしろ、実の子供かのように育てられた。
  幼なじみとかいても、恋愛対象ではない。

  ある時、俺は両親の会話を聞いてしまった。
「離婚しよう」
「どうして?」
「オレはあの子が勇者と受け入れなくないんだ」

  その時、俺は10歳前後だった。
  両親が離婚?

「離婚はしないわ、別居よ」
「別居でも構わんが、息子を育てるのはオレだ」
「あなたなんかに育てられるのかしら?」
「育てるさ。勇者でなく、山賊としてな」
「あなたの兄は、勇者に育てるって言っていたわよ」
「兄はな」
「お願い、考え直して?」
「やだな」

   こうして、母親は出ていき、俺は父親に育てられることになった。

「君」
 振り返ると、そこにはボブヘアーの女の子か男の子かわからない人がいた。
「誰だ?」
「誰でもいいじゃないか」
 何だ、それ?

「聞いてほしい話があるの」
「聞いてほしい話?」
「うん。君はこれから山賊になっちゃいけないの。12歳の誕生日を迎える前に、母さんの所に逃げるんだよ」
「何故?」
「それは言えない。長生きしたいと少しでも思うならさ、逃げるしかないんだよ。
君は父さんと一緒にいることによって、道を踏み外すことになるの」
「何を…?」
「まだ9歳の君にはわからないかもしれない。今はわからなくてもいい。わかったら逆にこわいからね」
「俺は…?」
「母さんのいる場所教えてあげるからさ、逃げるんだよ。
君の未来を父さんが決めてもいいのかい?
大丈夫、君を騙すことなんか考えてないよ。
これからの君を守れるのは、今の君しかいないからね」
「俺は…」

 決めた。
 どちらの方がいいのか。
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