異世界勇者~それぞれの物語~

野うさぎ

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番外編 天罰を受けた者たち

第4話

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 僕の居場所はどこ?
 僕には居場所がない。
 幼い少女の護衛も本来居場所作りのためにもやったけどいないのなら意味がない。
 何でもいいから褒めてほしかったし、何でもいいから認めてほしかった。
 何でもいいから? 
 僕はそうすることしか自分を受け入れてもらえる方法がなかった。
 僕は気分によって髪型を変えた。
 ある時は女の子みたいなツインテール、ある時は運動しやすいそうなポニーテール、ある時はストレートヘア、ある時はおしゃれに力を入れた三つ編み、だけど僕が男だということを変えられそうにない。一人称を「わたし」や「あたし」になんて恥ずかしくてできやしない。
 雷の天罰のせいで身長の伸び縮みが激しいため何も事情を知らない人からは化け物扱いをされるし、骨も痛い。
「あなた女の子よね?」
「うん」
 目つきの鋭い女の子に睨まれた。
「そうよね、あたしより背が低いもんね」
 悪かったね。
「一番低い子は155センチらしいよ?」
 155センチ?いくらなんでもここまで低くなれそうにないよ。もしかして、僕が男じゃないかって疑ってる?
「でも、あたし、これ以上小さい男っていないと思ってる」
 何を言いたいのだろう?
「じゃあね。あんためちゃくちゃかわいいよ」
「ありがとう‥‥」
 可愛い?これは褒め言葉としてとるべきか嫌みととるのが普通なのか今となってはよくわからなくなってくる。

ある時「やっと見つけた」と腕をつかまれた。あなたはヤントウさん。
「ずっと探していたんだぜ」
 僕よりずっと小柄なヤントウさん。だけど僕は「人違いじゃないですか?」と突き放してしまった。ごめんね、僕は新しい人生を歩むことにしたから。
「ルイニだよな?」
 懐かしい名前。だけど今の名前じゃない。
「違います」
「誤魔化したって無駄、俺は探していたんだぜ?何で誤魔化すの?姿を変えてもわかるんだ」
 ごめんね、ごめんね‥‥。
「さよなら」
「行くな!愛してる‥‥」
 こんなおじさんに愛されても嬉しくない。自分の年齢考えてよ、30代でしょ?
「俺は一人しか愛せない‥‥ルシニから離れたくない」
 お願い、これ以上何も言わないで?
「さよなら」
「待ちやがれ」
「待たない」
 僕は腕をつかむ手を振り払って進んだ。なのに胸はジンジン痛む。何でだろう?涙が出てきた。涙が止まらない。  
 お願い、止まって?そっか、僕涙が出るようになったから‥‥。
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