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番外編 三毛猫魔法使いさくら先生

第3話

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 わたしは、桜。どこにでもいる小学三年生。
 身長は高くもなければ、低くもない。

 わたしの両親は離婚した。
 わたしのパパは漁師さんで、海の近くに住んでいて、父方の祖父母とは家が近かった。
 そのせいか、わたしは肉と魚が大好きで、野菜が嫌いな子に育った。

 両親が離婚して、ママの方に引き取られ、ママが違う人と再婚して、
 わたしには血の繋がった愛《あい》という双子の姉と、
 血の繋がらない兄の大河《たいが》と、姉の桃《もも》がいた。
 小学三年生のわたしにとっては、慣れない環境だった。

 桃お姉ちゃんは、わたしより1歳年上だけど、
 かなりわがままで、自分本位だった。

 わたしは、3年A組だけど、愛お姉ちゃんは、3年B組だった。

 優しくて、面倒見がいい二歳年上の大河お兄ちゃんがいて、
 わたしと愛お姉ちゃんはいろいろなことを教わったりした。

 実は、ママの再婚した新しいパパは、バツ二の人で、
 最初の離婚の時に大河お兄ちゃんを引き取り、
 二回目の離婚の時に、桃お姉ちゃんを引き取った。
 今回で、新しいパパにとって、三回目の結婚となる。
 ここまで来ると、また離婚しそうな感じがするけど、ママにそれを言ったら、
 まずい感じがして、何も言わなかった。

 ここで、しばらくたたないうちに、新しいパパから離婚を切り出され、ママは離婚を承諾してても、
 親権で揉めた結果、親権はお金持ちのパパの方にいった。

 ここで、パパは四回目の結婚を考えていた。
 すでに、婚約者もいた。
 婚約者が家に来て、「かわいい子どもだちね」

 バツ三のパパは、四回目の結婚をした。
 何で、こんなバツが何回もついているのに、また結婚しようとするのか、わたしには理解できなかった。
 しばらくたたないうちに、バツ三のパパは離婚して、バツ四となり、
 今度は四人の子供の親権は、ママになった。

 でも、バツ四のパパは、しばらくたたないうちに、他の女性と結婚したらしい。

 ママの苗字は、佐倉《さくら》という苗字だった。
 だけど、少量のご飯しか与えられず、
 わたしは痩せていく。

「お腹すいたよ。お腹いっぱい食べたい」
 そう呟いたら、
「助けてあげるにゃ」
 三毛猫が現れた。

「誰なの?」
「あたちは、さくら」

 茶色と黒が少ししかなくて、白がほとんどの白猫と呼んでいいくらいの三毛猫だった。

「あたちについていけば、ご飯用意してあげるにゃ」
「野菜とか食べなくてもいいの?」
「それは、保証できないにゃ」

 ここに来てから、食べる物がわたしの嫌いな野菜ばかりで、
 肉と魚は用意されてなかった。
 お腹いっぱいにならないのも、それが原因のひとつなのかもしれない。
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