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1章 はじまり
12話 心と身体
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今日は、初めて晴柊が意識を飛ばさないまま事が終わった。お腹の中に、何度も何度も出された熱いものが入っている感覚がある。そっとお腹を触ってぼーっとしていた。くたっと肩で息をしている晴柊のナカから、琳太郎のモノが抜かれる。栓抜かれたかのように、とぷっと琳太郎自身が出した精液があふれ出てきた。琳太郎は親指でぐいっとその精液を晴柊のナカにしまい込むと、満足気にベットから降り支度を始めた。
「……仕事にいくのか?」
「ああ。心配するな。帰ってきたらまた抱いてやる。」
「…アンタ、いつ寝てるんだよ。」
琳太郎のおちょくる発言はスルーし、純粋に気になっていたことを聞いた。琳太郎は、叩かれ犯されめちゃくちゃにされたあとだというのに、こいつは心配でもしているのか、と晴柊のお人好し加減に日下部が昼間言ってたことを思い出す。
日下部は報告の中で晴柊を「あまりに人に甘いところがある。警戒心こそあれど、それが少しでも揺らぎ相手へ心を開くまでのスピードが、こちらが危なっかしいと思うほどに早い。」と評価していた。そのときは、あのじゃじゃ馬姫が?という疑問しか浮かばなかったが、なるほど、これは確かに。
「お前は心配してんのか?それとも寂しいから一緒に寝てくれってか?」
「うるさい。もういい。早く行けよ。」
キングサイズに並べられていた枕の一つを、琳太郎に向かって投げつけた。篠ケ谷が見たら発狂もんだ。琳太郎はベットに寝転がる晴柊に近寄り、じっと見つめた。やばい、殴られる?と、ぎゅっと目を瞑る。しかし、晴柊が覚悟したような痛みは伴わなかった。
琳太郎は、晴柊のおでこにキスを落としていた。晴柊は思わずぎょっとして突き飛ばす。ひ弱な力ではあったが、琳太郎を自分のおでこから離すには事足りた。琳太郎は何も言わず、そのままシャワーを浴びに行ったと思われるが、寝室に戻ることなく真っ直ぐ仕事場に向かったようだった。
人を貶めるようなことを言って暴力だって振るい性奴隷のように犯すようなやつが自分にキスをしたことで、晴柊のなかで、薊琳太郎という人物がますますわからなくなった。DV彼氏が暴力を振るった後に優しくするあれか?サイコパスか?そうだ、きっとそうに違いない、と、無理やり腑に落とすのであった。
考えるのも疲れたな、眠ってしまおうとすると、篠ケ谷が騒がしく入ってきた。今何時だと思っているんだ、この人は。
「おい寝んじゃねえ!!身体洗ってからにしろ!!何度もお前が寝てる間にやってやると思うなよ、雑魚!」
「えぇ~…」
寝たい、と駄々をこねなめた態度をとる晴柊にまた腹を立て、篠ケ谷は半ば強引に風呂場へ強制連行した。今のところ毎日篠ケ谷が晴柊のお風呂の世話を見てくれているが、日下部にこれをしてもらうのはなんだか恥ずかしいな、と思った。篠ケ谷も恥ずかしいと言えば恥ずかしいのだが、初日からああだったので、今更気にしなくなっていた。
とはいえ、やはり今後日下部や他の組員さんにやってもらうことを考えると、恥ずかしくて耐えられそうにないので、自分で後処理ができるようにならなければな、と思った。
「そういうわけだからさ、俺、自分でやるよ。」
「できんのか?テメェにここに自分で指突っ込んで、綺麗にできんのかよ。」
お風呂場までついてきてくれた篠ケ谷に、自分でできるようになりたいと、名乗りを上げた。
「まぁ、嫌、だけど…でも、俺シノちゃんならまだしも、日下部さんにしてもらうのは耐えられないかも。」
「だからシノちゃんって呼ぶなゴミ!!!!!…少しでも残して汚れたまんま組長に抱かれるなんてことあったら、殺す。」
それだけ言い残すと、篠ケ谷はお風呂場を後にした。なんだかんだ甲斐甲斐しいな、と晴柊は思っていた。彼の悪意は、今までの大人たちの悪意とはまた違う。むしろ、組長の犬とかいう腫れもの扱いされても仕方ない自分に、容赦なく当たってきてくれるのは心地よささえ感じていた。こうして、今自分の気持ちも尊重してくれている訳だし。
晴柊はそのあと、ゆっくりと自分で処理を進めた。琳太郎の精液を掻き出す度心臓が跳ね、情事のことを思い出してしまう。
晴柊は、まるで心と身体の距離だけが乖離していく感覚に、自分が自分じゃないように感じた。心はまだ野瀬晴柊を保っている。琳太郎のことは拒絶しているし、抵抗感もある。しかし、身体はそうではない。アイツを求めるし、受け入れ始めてる。
この感覚が、耐えられなかった。処理をし終わり湯船に浸かると、晴柊はため息をつく。このままでは、自分が自分でなくなる。心まで、完全に支配されてはお終いだ。晴柊は必死に自分に言い聞かせた。
負けちゃダメ。屈するな。俺は、ただ普通の幸せが欲しいだけ。
ポロッとこぼれた涙は湯船の水の一つとなって溶けた。
今日は、初めて晴柊が意識を飛ばさないまま事が終わった。お腹の中に、何度も何度も出された熱いものが入っている感覚がある。そっとお腹を触ってぼーっとしていた。くたっと肩で息をしている晴柊のナカから、琳太郎のモノが抜かれる。栓抜かれたかのように、とぷっと琳太郎自身が出した精液があふれ出てきた。琳太郎は親指でぐいっとその精液を晴柊のナカにしまい込むと、満足気にベットから降り支度を始めた。
「……仕事にいくのか?」
「ああ。心配するな。帰ってきたらまた抱いてやる。」
「…アンタ、いつ寝てるんだよ。」
琳太郎のおちょくる発言はスルーし、純粋に気になっていたことを聞いた。琳太郎は、叩かれ犯されめちゃくちゃにされたあとだというのに、こいつは心配でもしているのか、と晴柊のお人好し加減に日下部が昼間言ってたことを思い出す。
日下部は報告の中で晴柊を「あまりに人に甘いところがある。警戒心こそあれど、それが少しでも揺らぎ相手へ心を開くまでのスピードが、こちらが危なっかしいと思うほどに早い。」と評価していた。そのときは、あのじゃじゃ馬姫が?という疑問しか浮かばなかったが、なるほど、これは確かに。
「お前は心配してんのか?それとも寂しいから一緒に寝てくれってか?」
「うるさい。もういい。早く行けよ。」
キングサイズに並べられていた枕の一つを、琳太郎に向かって投げつけた。篠ケ谷が見たら発狂もんだ。琳太郎はベットに寝転がる晴柊に近寄り、じっと見つめた。やばい、殴られる?と、ぎゅっと目を瞑る。しかし、晴柊が覚悟したような痛みは伴わなかった。
琳太郎は、晴柊のおでこにキスを落としていた。晴柊は思わずぎょっとして突き飛ばす。ひ弱な力ではあったが、琳太郎を自分のおでこから離すには事足りた。琳太郎は何も言わず、そのままシャワーを浴びに行ったと思われるが、寝室に戻ることなく真っ直ぐ仕事場に向かったようだった。
人を貶めるようなことを言って暴力だって振るい性奴隷のように犯すようなやつが自分にキスをしたことで、晴柊のなかで、薊琳太郎という人物がますますわからなくなった。DV彼氏が暴力を振るった後に優しくするあれか?サイコパスか?そうだ、きっとそうに違いない、と、無理やり腑に落とすのであった。
考えるのも疲れたな、眠ってしまおうとすると、篠ケ谷が騒がしく入ってきた。今何時だと思っているんだ、この人は。
「おい寝んじゃねえ!!身体洗ってからにしろ!!何度もお前が寝てる間にやってやると思うなよ、雑魚!」
「えぇ~…」
寝たい、と駄々をこねなめた態度をとる晴柊にまた腹を立て、篠ケ谷は半ば強引に風呂場へ強制連行した。今のところ毎日篠ケ谷が晴柊のお風呂の世話を見てくれているが、日下部にこれをしてもらうのはなんだか恥ずかしいな、と思った。篠ケ谷も恥ずかしいと言えば恥ずかしいのだが、初日からああだったので、今更気にしなくなっていた。
とはいえ、やはり今後日下部や他の組員さんにやってもらうことを考えると、恥ずかしくて耐えられそうにないので、自分で後処理ができるようにならなければな、と思った。
「そういうわけだからさ、俺、自分でやるよ。」
「できんのか?テメェにここに自分で指突っ込んで、綺麗にできんのかよ。」
お風呂場までついてきてくれた篠ケ谷に、自分でできるようになりたいと、名乗りを上げた。
「まぁ、嫌、だけど…でも、俺シノちゃんならまだしも、日下部さんにしてもらうのは耐えられないかも。」
「だからシノちゃんって呼ぶなゴミ!!!!!…少しでも残して汚れたまんま組長に抱かれるなんてことあったら、殺す。」
それだけ言い残すと、篠ケ谷はお風呂場を後にした。なんだかんだ甲斐甲斐しいな、と晴柊は思っていた。彼の悪意は、今までの大人たちの悪意とはまた違う。むしろ、組長の犬とかいう腫れもの扱いされても仕方ない自分に、容赦なく当たってきてくれるのは心地よささえ感じていた。こうして、今自分の気持ちも尊重してくれている訳だし。
晴柊はそのあと、ゆっくりと自分で処理を進めた。琳太郎の精液を掻き出す度心臓が跳ね、情事のことを思い出してしまう。
晴柊は、まるで心と身体の距離だけが乖離していく感覚に、自分が自分じゃないように感じた。心はまだ野瀬晴柊を保っている。琳太郎のことは拒絶しているし、抵抗感もある。しかし、身体はそうではない。アイツを求めるし、受け入れ始めてる。
この感覚が、耐えられなかった。処理をし終わり湯船に浸かると、晴柊はため息をつく。このままでは、自分が自分でなくなる。心まで、完全に支配されてはお終いだ。晴柊は必死に自分に言い聞かせた。
負けちゃダメ。屈するな。俺は、ただ普通の幸せが欲しいだけ。
ポロッとこぼれた涙は湯船の水の一つとなって溶けた。
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