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7章
112話 *紅
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「今日はリップの試供を試してほしくて。」
八城は社長室に再び晴柊を呼びよせていた。あれから数日。毎日忙しそうな琳太郎を見れば見るほど、晴柊の決意は固くなっていく。
”君が唯一できることはこの身体を使うことくらいでしょう?”
八城の放った言葉が、まるで足枷の様に晴柊に取り巻いていた。
「まずはこの色から。……うん、綺麗だ。発色も悪くない。」
八城は、無抵抗な晴柊の唇に赤色の紅を塗った。程よくラメが入っており、艶っぽい発色。晴柊の顎を掴み、まじまじと見つめる。
「随分大人しいですね。少しは怖がってくれた方が面白いというのに。」
八城の指が晴柊の唇をなぞる。
「嫌がれば嫌がるほど、アンタみたいな趣向の人間を奮い立たせることになる。それぐらいわかってるよ。」
「それは経験談?」
晴柊は思わず八城を睨んだ。痛みや快感に辛抱強くはあっても挑発にはすぐ乗る晴柊に、八城は面白おかしく揶揄った。
「本当に彼に言わなかっただなんて、少し驚きましたよ。てっきり根を上げるかと。」
八城はデスクチェアに深く腰掛ける。長い足を組み、いわゆる社長デスクの様な豪勢な机に肘をついた。
「そんな馬鹿なことはしない。その代わり、約束しろ。琳太郎との取引は必ず飲め。」
「わかってますよ。君がちゃんとイイ子にできたらですけど。さぁ、座りなさい。」
八城は晴柊に笑顔で命令する。晴柊が座るような椅子などは見当たらない。つくづく性格の悪い奴め、と晴柊は状況を飲み込み床に座る。上質なカーペットが妙に晴柊を苛立たせた。
「もっとこっちに。…そう。はい、舐めて。」
八城は自らの足の手前に晴柊を寄らせ、組んでいた足を解きその爪先で晴柊の顎を上げさせた。ボルドーの赤がその白い肌と黒く長いまつ毛が織りなす儚げな顔の造形に良く映ている。
晴柊は一瞬戸惑いながらも、従順にベルトを外した。下着越しの八城のモノを捉え、手を掛けようとしたときだった。
「そこからは手は使わないで。…じゃあどうしたらいいかわかりますよね?」
「……アンタ、嫌われ者だろ。」
「そうですねぇ。昔から、その節はあったかもしれません。」
晴柊は八城の下着を咥えた。そして頭を器用に動かし下着を下げる。早くこの時間が終わってほしい。晴柊はそう思いながら、まだ立ち上がっていないソレを口に含む。
チロチロと、舌で優しく舐めた。
「うん、色落ちもしない。これは合格だな。」
八城は晴柊の口につけたリップの評価をしている。どこまでも癪に障る男である。徐々に口の中で膨らみを持つソレ。歯を立てないように、そう。喉奥まで徐々に入れて、そうしたら琳太郎は喜ぶんだ。舌を裏筋に沿わせるようにして、ゆっくりストロークする。少し苦しいけど、そうしたら、琳太郎がまるで褒めるように頭を撫でてくれる。晴柊は頭の中で、八城を琳太郎に置き換えていた。
「ん、ん゛っ……ふ、ぅ…ん…」
ふと、八城の手が晴柊の頭に触れる。ああ、これでは本当に琳太郎のように思える。先ほどよりも積極的に、丁寧に舐め始めた晴柊の表情は恍惚としたものだった。八城はそれを見て気分を良くする。必死に嫌悪感を忘れようとしている晴柊が八城の加虐心を煽る。
社長室に晴柊の口淫の音が響いた時だった。
「っ!?」
コンコン、と社長室の扉をノックする音が同時に鳴り響く。晴柊は思わずギョッとして、口を離そうとする。しかし八城は晴柊の頭をぐっと押さえたままそれは許さず、晴柊を無理やりデスクの下にしまった。まさか、と思いつつも彼の強い力で後頭部を抑えつけられ、晴柊は口を離すことを許されなかった。
「社長、先を急ぐ連絡が。」
「入って。」
社員らしき人が社長室へと足を進める。晴柊は机越しの人の存在に背筋を凍らせた。絶対に音は立てまい、と、身体に緊張が走る。
「忙しいところ申し訳ありません。実は―――」
「―――」
2人が何やら仕事の話を始める。晴柊は彼のを咥えたまま、じっとそれをやり過ごすしかなかった。すると、そんな晴柊の股に、八城の足が入り込む。何を考えているんだと反抗も許されないまま、彼の革靴は晴柊のモノをズボン越しにグリグリと押した。思わず晴柊は姿勢を崩してしまい、身体が椅子に当たったことで不審な物音が鳴ってしまう。
「?…どうかされましたか?」
「いや、何でもないさ。話を続けて。」
固い材質の靴が、晴柊のモノを踏みつけると言わんばかりに押してくる。痛いはずなのに、気持ちい。まさか、この状況に興奮しているわけではないだろう、自分でそう思い込みたくなるほど、晴柊は自分の身体の火照りに気付いていた。口が塞がれているお陰で声が漏れ出ることは無い。これ以上怪しまれないように、晴柊は耐えようと堪える。
「っ、……ふ………」
喉奥にまで届いたソレが息苦しくなってくるころ。酸素が回らない。ぼーっとした頭と身体が敏感さを取り戻する頃合いになったところで、社員が話を終え出て行った。
扉の閉まる音が響き、八城は椅子を引いて机の下の晴柊を見やった。そこには八城も思わず息を飲む絶景ができあがっていた。
ようやく晴柊の口の中からずるりと八城のモノが引き抜かれる。晴柊の唾液と、八城の先走りが糸を引く。デスクの下で、まるで発情した猫のように息を荒げ自分のモノを起立させている晴柊に八城はそそらる。必死に酸素を取り込もうとする僅かに開いた口が、リップのお陰で余計に色っぽい。
「ああ、この顔を広告に使いたいくらい、いい表情をしているよ。彼にも見せてあげたいな。」
「最悪だ。アンタ……俺に興味なんて無いだろ。何を企んでる?目的は琳太郎か?」
「さあ、どうでしょう。優秀な経営者というのは常に1歩2歩、先を見据えるものです。私にとって今君を抱くことがゴールではない、ということは正解、とだけ教えておきましょう。ああ、でも、君のことは気に入っていますよ。真っ白で綺麗で、美しい。」
八城が胡散臭い笑顔を浮かべた。ズボンを湿らしている晴柊を立ち上がらせ、デスクチェアに腰掛ける自分の上に座らせる。僅かに高くなった晴柊の顔を見上げ、ふにふにと唇を触った。まるでリップの色ノリを確かめるように。
「いつもそんなに受け身なんですか?ほら、次――」
「うるさい。言われなくてもやるよ。」
晴柊は八城の言葉を遮り、晴柊は自らのズボンに手をかける。八城のなめるような視線が衣服を脱ぐ晴柊の手を焦らせる。八城の肩に手を置き身体を支えると、腰を浮かせて自分が先ほどまで口の中に咥えてたものを、ゆっくりと入れ込んでいく。硬く、熱い八城の陰茎が、晴柊のナカにゆっくりと埋め込まれていった。
「っ……ん゛、っ……ぁ……!」
「今日は顔が良く見えるね。言われた通り律儀にコッチの準備までしてきて、イイ子だ。でも…まだ、全部入っていないよね。ダメだよ、止めちゃあ。」
「あああ゛ん゛っ!!!…はぁ、ぁ……っ…はぁ…!!くる、し……あ…!!」
八城は下から勢いよく突き上げる。腹を破られそうなほどの衝撃に、晴柊が喉をのけ反るようにして喘ぐ。八城の手が晴柊の腰を掴み逃げることを許さない。太さは琳太郎に劣るものの、八城のモノは長めで、意図もたやすく届いてはいけないところに届こうとしてくる。慣れない刺激に、晴柊は嗚咽を堪えた。
「ちゃんと息吐いて。ココまで届いてしまっていますか?」
下から突き上げるような動きを続けながら晴柊の腹をさする八城。
「ん゛っ、あ、ん!!ぁ、むり、うごかない、で……あ゛っ…!!」
「大丈夫、気持ちよさそうですよ。」
「い、ぐっ、ぁあ゛、い˝っ…んぁあぁ˝!!!」
晴柊は八城の肩にぎゅっとしがみつき、身体を震わせながらイッた。不安定な八城の膝の上では抵抗もできなければ、されるがままで、イッたあともゆるゆると動き続ける快感に脳がしびれる感覚に襲われる。
「自分の出したヤツで顔汚しちゃいましたね。」
「一回、待って、一回、ん、ぁ˝っ…ああ、ん゛っ…ひ、ぅ…!!」
「待ちませんよ。」
八城は晴柊を抱えるとそのままデスクの上に寝かせる。とりわけ背の低いデスクではないのに、机の上に晴柊を乗せた状態でセックスできるほどの足の長さということがわかる体勢である。
「デスクの上で愛しい人のために昼間からセックスなんて、背徳感あるでしょう。んっ、ナカ締まった。やっぱり天性のマゾ気質だ。ほら、こっち向いて。綺麗ですよ、晴柊君。」
晴柊の口元を見てそう答える八城。晴柊を褒めているというよりは、自分の商品を褒めているようである。今自分にこんなことを強いている人間であるが、魔性の仕事人間なのだろう。帰国子女だからなのか、晴柊と3つ4つの年の差だとは思えないほど大人びている。
八城のモノが晴柊の届いてはいけないところにまで届く。目の前が暗くなったり白くなったりする。まずい、意識が飛びそうだ。
「ん゛、ぅ…あああ、もう、ぬい、で…ぁああっ~~~!!!!」
「もうちょっと、頑張って。あぁ~イイですね、たまらない。さ、出しますよ。」
どこかで自我を保とうとしつつも、快感に抗えない晴柊の表情に八城は背筋を貫かれるような興奮を覚えた。ぱちゅぱちゅといやらしい音を立てながら、デスクの上で今にでも意識を飛ばしそうな晴柊を犯し、果てた。
「今日はリップの試供を試してほしくて。」
八城は社長室に再び晴柊を呼びよせていた。あれから数日。毎日忙しそうな琳太郎を見れば見るほど、晴柊の決意は固くなっていく。
”君が唯一できることはこの身体を使うことくらいでしょう?”
八城の放った言葉が、まるで足枷の様に晴柊に取り巻いていた。
「まずはこの色から。……うん、綺麗だ。発色も悪くない。」
八城は、無抵抗な晴柊の唇に赤色の紅を塗った。程よくラメが入っており、艶っぽい発色。晴柊の顎を掴み、まじまじと見つめる。
「随分大人しいですね。少しは怖がってくれた方が面白いというのに。」
八城の指が晴柊の唇をなぞる。
「嫌がれば嫌がるほど、アンタみたいな趣向の人間を奮い立たせることになる。それぐらいわかってるよ。」
「それは経験談?」
晴柊は思わず八城を睨んだ。痛みや快感に辛抱強くはあっても挑発にはすぐ乗る晴柊に、八城は面白おかしく揶揄った。
「本当に彼に言わなかっただなんて、少し驚きましたよ。てっきり根を上げるかと。」
八城はデスクチェアに深く腰掛ける。長い足を組み、いわゆる社長デスクの様な豪勢な机に肘をついた。
「そんな馬鹿なことはしない。その代わり、約束しろ。琳太郎との取引は必ず飲め。」
「わかってますよ。君がちゃんとイイ子にできたらですけど。さぁ、座りなさい。」
八城は晴柊に笑顔で命令する。晴柊が座るような椅子などは見当たらない。つくづく性格の悪い奴め、と晴柊は状況を飲み込み床に座る。上質なカーペットが妙に晴柊を苛立たせた。
「もっとこっちに。…そう。はい、舐めて。」
八城は自らの足の手前に晴柊を寄らせ、組んでいた足を解きその爪先で晴柊の顎を上げさせた。ボルドーの赤がその白い肌と黒く長いまつ毛が織りなす儚げな顔の造形に良く映ている。
晴柊は一瞬戸惑いながらも、従順にベルトを外した。下着越しの八城のモノを捉え、手を掛けようとしたときだった。
「そこからは手は使わないで。…じゃあどうしたらいいかわかりますよね?」
「……アンタ、嫌われ者だろ。」
「そうですねぇ。昔から、その節はあったかもしれません。」
晴柊は八城の下着を咥えた。そして頭を器用に動かし下着を下げる。早くこの時間が終わってほしい。晴柊はそう思いながら、まだ立ち上がっていないソレを口に含む。
チロチロと、舌で優しく舐めた。
「うん、色落ちもしない。これは合格だな。」
八城は晴柊の口につけたリップの評価をしている。どこまでも癪に障る男である。徐々に口の中で膨らみを持つソレ。歯を立てないように、そう。喉奥まで徐々に入れて、そうしたら琳太郎は喜ぶんだ。舌を裏筋に沿わせるようにして、ゆっくりストロークする。少し苦しいけど、そうしたら、琳太郎がまるで褒めるように頭を撫でてくれる。晴柊は頭の中で、八城を琳太郎に置き換えていた。
「ん、ん゛っ……ふ、ぅ…ん…」
ふと、八城の手が晴柊の頭に触れる。ああ、これでは本当に琳太郎のように思える。先ほどよりも積極的に、丁寧に舐め始めた晴柊の表情は恍惚としたものだった。八城はそれを見て気分を良くする。必死に嫌悪感を忘れようとしている晴柊が八城の加虐心を煽る。
社長室に晴柊の口淫の音が響いた時だった。
「っ!?」
コンコン、と社長室の扉をノックする音が同時に鳴り響く。晴柊は思わずギョッとして、口を離そうとする。しかし八城は晴柊の頭をぐっと押さえたままそれは許さず、晴柊を無理やりデスクの下にしまった。まさか、と思いつつも彼の強い力で後頭部を抑えつけられ、晴柊は口を離すことを許されなかった。
「社長、先を急ぐ連絡が。」
「入って。」
社員らしき人が社長室へと足を進める。晴柊は机越しの人の存在に背筋を凍らせた。絶対に音は立てまい、と、身体に緊張が走る。
「忙しいところ申し訳ありません。実は―――」
「―――」
2人が何やら仕事の話を始める。晴柊は彼のを咥えたまま、じっとそれをやり過ごすしかなかった。すると、そんな晴柊の股に、八城の足が入り込む。何を考えているんだと反抗も許されないまま、彼の革靴は晴柊のモノをズボン越しにグリグリと押した。思わず晴柊は姿勢を崩してしまい、身体が椅子に当たったことで不審な物音が鳴ってしまう。
「?…どうかされましたか?」
「いや、何でもないさ。話を続けて。」
固い材質の靴が、晴柊のモノを踏みつけると言わんばかりに押してくる。痛いはずなのに、気持ちい。まさか、この状況に興奮しているわけではないだろう、自分でそう思い込みたくなるほど、晴柊は自分の身体の火照りに気付いていた。口が塞がれているお陰で声が漏れ出ることは無い。これ以上怪しまれないように、晴柊は耐えようと堪える。
「っ、……ふ………」
喉奥にまで届いたソレが息苦しくなってくるころ。酸素が回らない。ぼーっとした頭と身体が敏感さを取り戻する頃合いになったところで、社員が話を終え出て行った。
扉の閉まる音が響き、八城は椅子を引いて机の下の晴柊を見やった。そこには八城も思わず息を飲む絶景ができあがっていた。
ようやく晴柊の口の中からずるりと八城のモノが引き抜かれる。晴柊の唾液と、八城の先走りが糸を引く。デスクの下で、まるで発情した猫のように息を荒げ自分のモノを起立させている晴柊に八城はそそらる。必死に酸素を取り込もうとする僅かに開いた口が、リップのお陰で余計に色っぽい。
「ああ、この顔を広告に使いたいくらい、いい表情をしているよ。彼にも見せてあげたいな。」
「最悪だ。アンタ……俺に興味なんて無いだろ。何を企んでる?目的は琳太郎か?」
「さあ、どうでしょう。優秀な経営者というのは常に1歩2歩、先を見据えるものです。私にとって今君を抱くことがゴールではない、ということは正解、とだけ教えておきましょう。ああ、でも、君のことは気に入っていますよ。真っ白で綺麗で、美しい。」
八城が胡散臭い笑顔を浮かべた。ズボンを湿らしている晴柊を立ち上がらせ、デスクチェアに腰掛ける自分の上に座らせる。僅かに高くなった晴柊の顔を見上げ、ふにふにと唇を触った。まるでリップの色ノリを確かめるように。
「いつもそんなに受け身なんですか?ほら、次――」
「うるさい。言われなくてもやるよ。」
晴柊は八城の言葉を遮り、晴柊は自らのズボンに手をかける。八城のなめるような視線が衣服を脱ぐ晴柊の手を焦らせる。八城の肩に手を置き身体を支えると、腰を浮かせて自分が先ほどまで口の中に咥えてたものを、ゆっくりと入れ込んでいく。硬く、熱い八城の陰茎が、晴柊のナカにゆっくりと埋め込まれていった。
「っ……ん゛、っ……ぁ……!」
「今日は顔が良く見えるね。言われた通り律儀にコッチの準備までしてきて、イイ子だ。でも…まだ、全部入っていないよね。ダメだよ、止めちゃあ。」
「あああ゛ん゛っ!!!…はぁ、ぁ……っ…はぁ…!!くる、し……あ…!!」
八城は下から勢いよく突き上げる。腹を破られそうなほどの衝撃に、晴柊が喉をのけ反るようにして喘ぐ。八城の手が晴柊の腰を掴み逃げることを許さない。太さは琳太郎に劣るものの、八城のモノは長めで、意図もたやすく届いてはいけないところに届こうとしてくる。慣れない刺激に、晴柊は嗚咽を堪えた。
「ちゃんと息吐いて。ココまで届いてしまっていますか?」
下から突き上げるような動きを続けながら晴柊の腹をさする八城。
「ん゛っ、あ、ん!!ぁ、むり、うごかない、で……あ゛っ…!!」
「大丈夫、気持ちよさそうですよ。」
「い、ぐっ、ぁあ゛、い˝っ…んぁあぁ˝!!!」
晴柊は八城の肩にぎゅっとしがみつき、身体を震わせながらイッた。不安定な八城の膝の上では抵抗もできなければ、されるがままで、イッたあともゆるゆると動き続ける快感に脳がしびれる感覚に襲われる。
「自分の出したヤツで顔汚しちゃいましたね。」
「一回、待って、一回、ん、ぁ˝っ…ああ、ん゛っ…ひ、ぅ…!!」
「待ちませんよ。」
八城は晴柊を抱えるとそのままデスクの上に寝かせる。とりわけ背の低いデスクではないのに、机の上に晴柊を乗せた状態でセックスできるほどの足の長さということがわかる体勢である。
「デスクの上で愛しい人のために昼間からセックスなんて、背徳感あるでしょう。んっ、ナカ締まった。やっぱり天性のマゾ気質だ。ほら、こっち向いて。綺麗ですよ、晴柊君。」
晴柊の口元を見てそう答える八城。晴柊を褒めているというよりは、自分の商品を褒めているようである。今自分にこんなことを強いている人間であるが、魔性の仕事人間なのだろう。帰国子女だからなのか、晴柊と3つ4つの年の差だとは思えないほど大人びている。
八城のモノが晴柊の届いてはいけないところにまで届く。目の前が暗くなったり白くなったりする。まずい、意識が飛びそうだ。
「ん゛、ぅ…あああ、もう、ぬい、で…ぁああっ~~~!!!!」
「もうちょっと、頑張って。あぁ~イイですね、たまらない。さ、出しますよ。」
どこかで自我を保とうとしつつも、快感に抗えない晴柊の表情に八城は背筋を貫かれるような興奮を覚えた。ぱちゅぱちゅといやらしい音を立てながら、デスクの上で今にでも意識を飛ばしそうな晴柊を犯し、果てた。
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