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悪役令嬢の意外?な才能(1)
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勢いのままに書いている為、分からんなぁ…とか、何言ってんだ?という所があるかもしれません!
あれば、言っていただけると助かります…!お願いします!
※※※
リンが消えて8日が経った。
最初は、消える前にリンが言っていた事に関連して今だけいないのだと思っていた。
しかし、何日経っても連絡一つ来ない。
学校の方に聞いてみたが、寮にも数日帰って無いらしく何の連絡もないと言っていた。
「ウメ、リンが何か言っていたか聞いてませんの?」
「それ、私に聞くの今日で5回目だよ」
「そうですの…ごめんなさいね」
他に連絡の手段も無い、周りに聞いてみたが何も知らないと言われる。一番知っていそうなリュカ先輩も風邪で休んでいて聞けない。
どうしようもなくなってしまった。
毎日、学校で聞き込んでみてはいるが良いものは無い。
「他に…方法はありませんの?」
「どうしたの?クリスティーナ嬢」
「え?」
聞いた事のある声に驚いて振り向く。そこにはドレスを買いに行った時にいた獣人国の王子、ジェナイトがいた。
「獣人国の王子。お久しぶりです」
この前とは違って、学校だ。叩き込まれたお辞儀をする。
「いいよいいよ、そんなに堅苦しくなくて。それに、俺の事はジェナイトと呼んで構わないよ」
「ありがとうございます、ジェナイト王子。王子はどうしてここに?」
「いや、ちょっと探している事があってね、それでここに来てみたんだ。クリスティーナ嬢は?」
「私も少し、探している事がございまして…」
流石にジェナイト王子がリンに関して知っている事は無いと思う。獣人である事を隠しているリンが交流を持っているとは思えない。
「その子は?」
「この子は私のメイドですの」
ジーッとジェナイト王子を見つめるウメに「ほら、ウメ」と小さい声で挨拶を促す。
「クリスティーナのウメです……」
「この子は人見知りを良くするので、申し訳ないです」
「いえいえ、もしかして俺に似ていると言っていた子はこの子ですか?」
「えっと、はい。黒髪黒目が一緒だったもので…」
まずい、王子とメイドを似ていると言うことは、かなり不敬だ。身分はこの国ではかなり強い。この学園ならまだしも、ジェナイト様はこの国の人でも、学園の生徒でもない。
「そうだね…ちょっと気になるな」
「で、ですよね」
やっぱりまずいかも…!
「機会があれば、ウメちゃんと一緒に俺の国に来ないか?」
「へ?」
「俺が国を案内するよ」
どういうことだ?私が他国の人間だから、私を自国に連れていって何かするのか!??
「はい…分かりました…」
「ん?嫌なのか?まぁ、考えといてよ。無理にとは言わないから。そういえば君、何か探して無かった?」
「あ!!そうだった!!」
すっかり忘れていた。リンの事を早く探さなきゃいけなかったのに、忘れるなんて…最悪だ、私。
「クリスティーナ、素が出てる」
ウメに注意されてしまう。焦ったりすると、つい言葉使いが前世に引っ張られる。
私の様子を見てか、ジェナイト王子が若干笑っている。何かツボにハマったのだろうか?
「百面相が上手だね………いや、もし、良ければ俺も手伝おうか?」
「え!?でも、ジェナイト王子も探す事があると仰ってましたし、お手を煩わせるのは…」
「俺の護衛がそっちの問題を捜査してるから、実は暇だったんだよね」
いつのまにか流れをジェナイト王子に取られ、一緒に探す事になった。
私は簡潔に、リンが消えてしまった事を伝える。
「なるほど…君のお友達がね。何か、特徴的な物はない?実は隠し子だったとか、秘密を抱えているとかの結構ヤバめのやつ」
「あ……っと、ありますわ…ね」
「じゃあ、それを気に留めておいた方がいい。それ関連が高いよ」
「何故ですの?」
「ここは、貴族が多い学園だよ。もし、誘拐とかされていたら貴族関連が多い。なら、特殊な何かがキーワードになる可能性が高いからね」
「確かに、人攫いとかはないものね。でも、殆ど可能性がある方等には当たったのよ」
「じゃあ、外部からの情報があった方がいいね」
「うーん、でも私はあまり外について詳しくなくて…」
「箱入り令嬢じゃん。まぁ、なら情報ギルドが良いと思うよ」
箱入り令嬢というよりかは、幼少期から王子に振り回されていたからこうなってしまった気がする。
情報ギルド…確かに、その手があった。ゲームの中の主人公も、行き詰まったら情報ギルドに行っていたはず…。良いかもしれない。
「やっぱり、行った事ない?」
「ええ」
「じゃあ、一緒に行こうか」
「良いんですの?」
「大丈夫だよ」
◇
馬車に揺られて、王都のはずれにあるギルドを目指す。
斜め前に座るジェナイト王子をチラッと盗み見る。窓の外を眺めているようで、その横顔はとても綺麗だった。
男前と言うよりかは、美男子と言える顔をしている。前世だと、人気アイドルになれただろう。
本当に綺麗な黒髪…。日本の髪色は、光の角度によって青く見えるそれはそれで良い髪色だったが、王子の髪は、光が当たっても漆黒を貫いている。
「どうかした?」
「い、いえ、なんでも」
見ていた事が気づかれてしまい、恥ずかしくなって思い切り顔背けてしまった。
背けた先にある窓には、私の顔が映っていた。確かに整ってはいるので美人と言えば美人だ。それに、銀髪に青い目は、まるで何処ぞのお姫様のよう。ただ、私はいつも私の顔を見る度にゲーム内で断罪された時の私を思い起こしてしまうのだ。
そのせいもあって、私はこの顔を好きにはならない。
「クリスティーナ、見えた!」
チョンチョンと私の肩を突いてウメが教えてくれる。指さす方を見ると、思ったよりも年期の入った建物が見えて来た。
馬車はその建物の前に止められ、王子にエスコートされて降りる。少し緊張して来た為、胸を軽く抑える。
建物のドアを開けると、見た目に反して思ったよりも綺麗な内装に出迎えられた。
「いらっしゃいませ」
我が家にいる執事とそんなに変わらないレベルの執事に出迎えられる。その執事はジェナイト王子を見ると、「マスターをお呼びします」と言って奥へ入っていった。
「驚いた?ここは、貴族も多用するからね。結構内部に凝ってるんだって」
「へぇ~」
謎の豆知識に感心していると、執事に変わって妖艶な美女が奥からやって来た。この人がマスターだろうか?
「お久しぶり、隣国の王子。あら、今回は可愛らしいお嬢さんがお二人もいるじゃない」
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「あ、ありがとうございます!」
そのまま、美女の誘導に従って個室に移動した。
「気楽にしてちょうだい。ここでの事は情報として売りゃしないからね」
「マスターは、こう見えても約束とかは守る方なんだ。安心して」
マスターを前にしてガチガチの私を気遣ってか、フォローを入れてくれた。
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