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第32話 サンライズ王子、理不尽すぎる死に様!

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「さてと、じゃあ王子達どうします?降伏します?それとも王子達が剣を取って戦いますか?オススメしませんけど?」

自分達の護衛に連れて来た四人の兵士がアッサリ殺されたのを見て完全に萎縮してしまった。王子とラクシャータ姉。

「そ、そうだ貴様等を私の部下にしてやる!どうだ嬉しかろう?なんせ国王の直近の部下になれるのだからな!」

「そうよ!ごみ溜め生まれの平民が王に仕える事が出来るのよ!咽び泣きながら喜びなさい!さあ、わかったらさっさとラクシャータをこっちに連れて来なさい!」

「・・・・もうコイツ等始末してもよくね?」

「釈迦峰君・・・・口が過ぎるぞ!とは言わないよ」

「その前に自分達が入る墓穴掘らせるべきじゃない?」

「・・・・ん!」

釈迦峰・七瀬・浅田・三日月は全員一致で始末しようとしていた。三日月は掘らせる為にスコップを取り出して二人に渡そうとする。

キン!

「ん?何の音だ今の?」

キン!キン!キン!キン!キン!キン!キン!キン!

「え?え?何?何かを斬った音か?今の?」

ドカアアアアアアアアアアアアン!!ガラガラガラガラ!!

突如、氷漬けになっていた教会が微塵切りにされ粉々に切り裂かれ崩れ落ちた。

その中から上半身裸でズボンも所々破れて裸足の月島が歩いて出てきた。

右手には日本刀らしき刀を、左手には鞘を持っていた。

「ご苦労、手下共」

「誰が手下だ!誰が!ってお前・・・それ刺青か?ごっついのいれてんな」

「ん?腕だけじゃねえぞ、ほれっ」

腕の刺青に驚いている釈迦峰に背中も見せてやる。

「うおっ!背中にびっしり入れてんじゃん!ああ、そういえば学校の体育の時もお前いつもジャージ着てた・・・そういやあ夏でも学ラン着てたなお前」

俺の背中には『昇り龍』の和彫りが彫ってある。

中国の方では『皇帝』のシンボルで威厳のあるものだし、龍には『出世』の意味があり鯉が数回滝を昇ると龍に出世すると言われる。
龍にもランクがあって三本指から始まり五本指が最高の龍とされている。
柄の中でも昇り龍は最高の意味を持つからな。
和彫りで一番人気がある。

右肩には阿修羅。左肩には毘沙門天を彫ってある。

「ああ、だる、だる、ダルメシアンだ・・・あれ?これって何のCMだっけ?」

「いや、知らねえよ。それより何でそんなボロボロなわけ?マリルってそんな強かったのか?」

「ん?いやマリルはクソ雑魚だったな。てめえでもツッコミの時間入れて10秒で殺れるくらい?」

「ぶふっ!見てたのか?見てたんだよな?そうだと言ってくれ!」

「何言ってんだコイツ?」

「釈迦峰君は置いといていいから、それよりさっき教会の下から感じたんだけど、もしかして?」

「ああ、刀にとりついた悪魔とバトッてた。もう刀の中で大人しくしてる」

月島は右手に持っていた刀を七瀬に見せた。

「はあ~、君って奴は仕方がないな」

「呆れてんじゃねえよ。教会の地下にあった倉庫で鎖が巻き付けて抜けないようにしている刀があるなら触ってみたくなるだろ?男心くすぐられんだろ?で、鎖を引き千切ったら悪魔が出て来たからぶっ殺した」

月島は持っていた刀を鞘に収める。

「ずいぶん手こずったようだね?」

「馬鹿か?薄皮一枚撫でられた程度だ。ほっときゃ治る」

「薄皮、あっ!そういえばフォルテとピエロが!」

月島に事情を説明する釈迦峰達。

「そうか・・・三日月、七瀬、てめえ等が行って加勢してやれ・・・あとついでに釈迦峰を連れていけ、念のためにな」

三日月が『ヒューマンレーダー』を取り出して三人はフォルテの元に向かった。

「で?そのキラキラは誰だ?光ヶ丘の親戚か?」

「いや、この国の第2王子らしいよ?名前はサンライズ=ユステリカ。で、隣にいるのがシャープル、自称ラクシャータのお姉さんらしい」

「おい!罪人ごときが私を見下してるんじゃない!いや、おいゴミ!よく聞け、私に従えばお前の罪を帳消しにしてやるぞ!」

「・・・・何の話してんだコイツ?」

「ひょっとしたら刺青は罪人が彫る物じゃない?」

バキッ!

「ぐはっ!痛い!殴られた、父上にも殴られた事がないのに!」

月島は鞘に収めたままの刀で王子を殴った。

「おい、よく聞け俺の質問に答えて正解したら生かして帰してやる。俺が気にくわなければ殺す」

「殺すだと、貴様!平民風情がなんたる口を!」

バキッ!

「ぐはっ!また殴ったな!ああ!歯が抜けてしまったではないか!」


第1問、ラーメンで一番旨いのは醤油、味噌、塩、豚骨どれ?


「え?ラーメン?何だそれは?うまい?なら食べ物なのか?」

「はい、時間切れ。正解は、俺は豚骨ラーメンが好きでした」

バキャ!

「イタッ!貴様!平民風情が!」


第2問、うどんの最強トッピングと言えば?


「くそっ!そうだ!芋だ芋!貴様等平民は好んで食べると聞いたことがあるぞ!」

「不正解、正解は、俺牛肉か大海老天か甘アゲが好きでした」

バキャ!バキ!ドゴッ!

「がはっ!ぐへっ!ごほっ!きざま!わたじを誰だと!」


第3問、スパゲッティと言えば、

「それならわかるぞ!トマトソースだ!」

ペペロンチーノ、ミートソース、ボロネーゼ、ペスカトーレ、カチャトーラ、ボスカイオーラ、プッタネスカ、ボンゴレロッソ、アマトリチャーナ、アラビアータ、アルフレッド、カルボナーラ、トラパネーゼ、ジェノベーゼ、ナポリタン、イカスミ、たらこ、明太子、うに、バター醤油、パンプキンのどれ?

「わかるわけないだろ!」

「正解は、俺はボロネーゼ、カルボナーラ、ペペロンチーノが好きでした」

バキ!バキ!バキ!

「もうやめてくれ!正解するわけがないだろ!こんなの!」

「最後だ、これを正解したら傷を治してやるし生かして帰してやるよ」

「待ってくれ!食べ物系はなしにしてくれ!こんなの解けるわけがないだろ!」


最終問題、微乳、美乳、巨乳、爆乳、世界最高の乳といえば?


「結局好みかよ!だがこんなの簡単すぎるぜ!巨乳だあああ!男は皆、巨乳に目を引かれるも、の、だ・・・・」

「不正解、正解は膨らみかけが至高にして最終形態の微乳でした。残念だったなキラキラ王子」

月島は王子が巨乳と答えた瞬間には刀で首をはねていた。

「理不尽すぎじゃない?同志。あと何で全部麺類なの?」

「気の合わないような奴を生かしても意味ないだろ?それにこういう三下は安全が確保できたら刺客とか送ってきそうだしな。早めに処理するにかぎるだろ?あとこっちの世界にくる前麺料理作りにはまってた」

「食べる方じゃなくて作るほうかい。凄いな俺なんて家族が死んでからずっとインスタントだったよ。自炊とか全くしなかったね」

「俺はインスタントでもいいんだが、トモの奴が作ってくれなきゃヤダとかぬかすからな。しょうがなく自炊してた」

「主夫やってるねえ~三日月が羨ましいねえ、まったく」

「ひぃ!いやっ!いやあああああ!」

首をはねられた王子を見て次は自分だと悟り逃げ出すシャープル。

月島は悪魔刀を『竜の宝物庫』に入れ、中から『火剣』を取り出す。

ギュオン!ギュオン!バシュン!!

剣についている『トリガー』を引いて竜の炎の斬撃を射出して走って逃げるシャープルの足を焼き斬る。

「いやああああああああ!足が!私の足!痛い!痛い!痛い!ぎゃあああああああ!熱い!熱い!熱い!熱い!誰か!誰か助けて!殺される!誰かああああああ!」

「ぎゃあぎゃあと、やかましいんだよ!」

月島はシャープルの腹に蹴りを入れる。

「てめえか?ラクシャータの顔の皮を剥ぐとか言ったのは!おらっ!答えろ!聞いてんのかコラ!ああん!」

月島はシャープルの頭を踏みつけ腹などに蹴りを入れる。

「やべって!やめっ!もうしないから!ラクシャータを狙わないがら!ころざないで!やめで!おねがい、おねがい、じまず!」

「許すわけねえだろ!タコスケが!百回はぶち殺してやるからな!」

シャープルの髪を力強く引っ張る。

ブチブチブチブチ!

「ぎゃあああああああ!痛い!痛い!やめて!おねがい、じまず!やめでぐだざい!」

「まだまだこれからだぞ、へばってんじゃ、」

「もうやめて!」

月島が振り向くと碧海と白河に支えられてラクシャータが立っていた。

「ラクシャータ・・・」

「お願いゼロ・・・いえ、リュウイチ、お姉様と話をさせて」
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