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第64話 銀月の不完全転送の原因の一つ!邪皇拳使い『皇 神美(ファン シェイエン)』登場
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「くそっ!何故だ!お前は一体何者だ!」
レプペリスはふざけた格好をした女に特大の雷球を放ったはず、数十キロ以上は吹き飛ばす威力があるはずの雷球が奴の短杖に吸い込まれるように消された。
諸星真智子は『魔法少女に変身する』能力。
1、魔法少女変身時は、飛行可能。
2、魔法少女変身時、自分に対する確率を変動させる。
3、魔法少女変身時、短杖にチャージ能力がつく。相手の攻撃も吸収してチャージする事が可能。チャージしたエネルギーを放つ際は属性はランダム属性攻撃に変換される。
4、魔法少女変身時は、羞恥心を持たないほど能力は上昇する。
5、魔法少女変身時、夜であり月に近いほど能力は上昇する。
6、魔法少女変身時、味方支援なし単体行動で能力は上昇する。
7、魔法少女変身時、相手の能力値を耐性持ちでも一定数下げる
8、魔法少女変身時、味方の支援がある場合は、味方の能力値を上昇させるが自身の能力値は一部下降する。
「私はムーンホワイトローズよ!大人しくおウチに帰りなさい!」
「まだだ!まだ私は負けてない!」
レプペリスは更に殺傷能力の高い雷攻撃を放とうとするが突然動きを止めた。
ムーンホワイトローズも敵の前でありあがら背を向けレプペリスの見ている方角を見る。
「何、あれ?」
ここよりかなり離れた距離ではあるが巨大な4枚の純白の翼が見える。
「もしかしてラクシャータ・・・なの?」
雲が割れ、光が差し込み幻想的な光景を演出している。
だが、翼の主の出現した近辺は光景に浸る所ではない。
「ぎゃああああああああああ!」
「目が!目があああああああ!」
「神よ!御許しください!女神様!」
「何が!何が起きたんだああああああ!」
ドミニオン共和国の『嵐船部隊』は空を進む帆船。今までその進行を阻めた者なし。
そして帆船は風の加護を受けており、超重量の積載を可能とし帆船の下に『風の力を纏わせた巨大な岩』を搭載されており、上空から巨大な岩を落とし『地面に着弾すると岩の衝突と風の力が解放され、辺り全てを吹き飛ばす』。難攻不落と呼ばれた城や砦を幾度も粉砕してきた。
今回も嵐船部隊はユステリカ王国の真上に侵攻して巨大な岩を落とすだけの仕事だと思っていた。
もう少しでユステリカ王国王都に到着しそうな時、嵐船部隊の進行方向に人間が現れた。
しかも外見は天使を彷彿とさせる純白の翼が生えた少女だ。
「今すぐ引き返しなさい。そうすれば生かして返してあげる」
少女が我々に警告してきた。これ以上進むのなら容赦はしないと。
我々は少女の警告を無視して、少女を撃ち落とす為に弓兵が一斉に彼女を狙う。
この嵐船には『風の力が宿った鉄球』を撃ち出す砲台が全ての船に設置されている。その威力は凄まじいが嵐船より下部の標的に撃つ事を想定されており、嵐船より上部からの攻撃を想定していないため砲台を上部に向けることが出来ない為に弓兵だ。
しかし、この弓兵達の取り扱う矢は普通の矢でない。
『風の力が宿った矢』のため風の影響を受けずに真っ直ぐ飛んで行くし、矢を放った者の意思である程度は矢の進行を操作出来て尚且つ風の力で全てを貫く。この少女は早々に片付けるべきだと判断された。
矢を放つ多くの兵士は矢を撃つ瞬間に少女に謝罪をしながら放った。が、矢は風に煽られ彼女には届かなかった。
指揮官らしき人間が弓兵達に怒鳴っている。矢を間違えるとは何事かと。しかし弓兵達はすぐに反論する。自分達は確かに風の矢を放ったと。
少女の頭の上で浮いていた光輪がいつの間にか嵐船部隊の上空に巨大な輪となり浮いていた。
『真名解放:ベアトリーチェ』
少女の体は大人の女性の体に変化していた。
金髪が伸びて、背が伸び、胸が大きくなり、足がすらりと伸び絶世の美女となり、そして背中の純白の翼がどんどん大きくなっていく。
ガタガタガタガタガタガタガタガタ!!!
突然全ての嵐船が揺れ始めた。雨や風が激しい嵐の中も航行出来るはずの嵐船がただの風にギシギシと船体を揺らしている。
指揮官らしき人間が叫んでいる。兵士達の間に動揺が広がっていく。
「ぎゃああああああああああ!」
少女、いや、美女を直視した兵士は叫び声を上げる。
その兵士はまるで眼球が焼かれたように焦げ臭いをさせ目から黒煙が出て血涙を流し始めた。
この嵐船は上空を飛ぶため、太陽光から目を守るために風の力で光を防ぐ防壁があるはずが全く効果はなく。彼女の放つ神々しい光と姿を見た者、いや、目を瞑っても目に彼女の姿が焼き付き、眼球を焼かれていった。
上空に浮かぶ光輪の輝きが増していく。
ガタガタガタガタガタガタガタガタ!!!
嵐船は徐々に高度が維持できなくなっていく。
「まさか!風の力が無効化されていっているのか!まずい!高度を下げろ!急げ!」
「ダメです!制御できません!あ、ああ、目があああああああ!」
「なんてことだ!くそっ!目が熱い!ああああ!」
「この高さから落ちたらひとたまりもない!」
この嵐船には安全装置のような物がついており、何かしらのトラブルが起きても風の力で減速、風のクッションのような物を作り出し地面への直接衝突を回避する機能がついている。
しかし、今の嵐船は風の加護を失いつつある。こんな高度から地面に真っ逆さまとなれば100%生き残れない。絶対なる死がまっている。
「降伏する!だから助けてくれ!」
「お願いします!天使様!どうか見逃して下さい!」
「天使様!助けて下さい!俺は命令に従っただけです!」
「天使、いや、女神様!どうかご慈悲を!」
「お願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いします!」
兵士達は両膝を床につけ額を床に擦りつけるように頭を低くし両手を重ねて懇願する。
「『羽虫どもは地面に落ちて潰れて死ね』ってリュウイチならそう言うと思うから。一度目は私のほんの少しの気まぐれで言った。その時引いていれば勿論見逃したよ。じゃあバイバイ♪」
「ああああああああああああああ!!!」
嵐船部隊は全てが墜落していき、風の加護は発動せず地面に直撃。生き残りは0人。
船の残骸と共和国の兵士の死体だけが残った。
そのラクシャータが共和国の兵士達を全滅させる姿を覗き見していた男がいた。
ゼニスドル公爵家のお抱えの遠視の魔法使いだ。
「ぎゃああああああああああ!目が!目が熱い!あがああああ!あああああああ!」
「どうした?何があった?」
遠視の魔法使いに異常が起きたと報告を受けたゼニスドル公爵が魔法使いの元に出向いていた。
「お嬢様が生きていました!しかも『能力』に目覚めて、あぐっ!強力な能力です!魔法越しで見た俺でさえこの様です!それに王都が他国の襲撃にあっています!」
「あの子が、生きていた、のか?ご苦労だった。治癒の魔法使いを呼んである。早く目の治療をしてやれ!」
ゼニスドル公爵の側にいた女性が遠視の魔法使いに治癒魔法をかけるが全く効果が現れない。
「これは、公爵様!私の治癒魔法が発動しません!」
「なんだと!どういう事だ!」
「治せないわけではありません!この者の目を治癒魔法の対象に選べないのです。他の部分は選べるようですが・・・」
「そんな能力があるのか?」
「熱い!目が!熱い!痛い!焼かれる!ぐあああああ!」
ジュウジュウと目から焼ける音がしている。
「しっかりしろ!くっ、どうすれば・・・王都に、王都に向かうぞ!ラクシャータを迎えに行く!それに他国の侵略を受けている以上は領地に引き籠ってはいられん!兵士達の出陣準備をさせろ!急げ!」
ゼニスドル公爵家の領地は王都にすぐ着ける距離ではなく兵士を引き連れていけば、それこそ何週間も掛かってしまう。それでは間に合わないかもしれない。
「私が単独で先に王都に向かう。この私の『魔鏡の魔法』でな。兵士の指示は任せた」
「ちょっと待って下さい!公爵様!危険です!お辞め、」
ゼニスドル公爵は部下の制止を聞かずに己の魔法でラクシャータの所に転移した。
ゼニスドル公爵は王都の近くの上空に出た。
公爵は己の魔法で魔鏡を生み出しその鏡の上に乗った。
鏡とは位置を固定され使われるもの。公爵の生み出す鏡は空中に固定する事も出来る。
「御父様、ですか?」
ゼニスドル公爵は声のする方を見る。
女神!!!じゃなかった、ラクシャータだ!私の愛する娘だ。例え姿は大人になっても分かる。
「ラクシャータ、無事だったの、だ、な」
ゼニスドル公爵はラクシャータの側に行こうとしたが、ラクシャータの目はまるで自分をゴミをみるような目で見ていた。
「今さら何のご用意ですか?御父様、いえ、ゼニスドル公爵」
「ラクシャータ、どうしたのだ?」
ラクシャータは大人の姿から少女の姿に戻る。天使のような容姿以外は自分の知っているラクシャータだ。なのにまるで別人のような。
いや、そんな訳がない!あの子は本物だ!
「私は長女ではなかったのですね?私は姉様に命を狙われました。そして私は姉様を自らの手で始末しました」
なっ!あの子が?何故だ!十分に仕送りはしているはずだ!シャープルには不自由はさせてはいなかったはず!
「姉様は第2王子サンライズと肉体関係があり、私に成り代わるつもりだったようですね」
「まさか、王子や王が死んだのは」
「王はサンライズが、王子はゼロが殺しました」
「ゼロ?誰だそれは」
「ゼロ=インバース、私の所有者です」
月島竜一の名を出さずに偽名の方をラクシャータは言った。
自分の厄介事に極力巻き込まない方向で進める。
「所有者、だと?」
「はい!私の全てです!あの人の為なら私、死んでも構いません!私の全てを差し上げる事の出来るお方!あの人の為なら、」
ラクシャータは自身の父だった男に特大の殺気をぶつける。
「ゼニスドル公爵、貴方を殺せと命令されれば私は躊躇わずに貴方を殺します!!!」
「ラクシャータ!待つんだ!ぐっ!」
ラクシャータは自身の父に当たれば致死の攻撃を繰り出す。
ゼニスドル公爵は魔鏡を作り出し、その上を渡り回避していく。
「公爵、鏡の出現位置で移動先がバレバレですよ」
ラクシャータはゼニスドルを完全に捉える。
そしてゼニスドル公爵の腹にラクシャータの腕が突き刺さり貫通させた。
「がはっ!くっ、ラクシャータ・・・」
空中に固定させた魔鏡は粉々に砕けちり光の粒子となって消えた。
「最後に、ゼニスドル公爵・・・姉様は、シャープルは能力を持たずに捨てられた。私は貴方にとってただの公爵家の為の道具だったのですか?」
「・・・シャープルはそんな風に思っていたのか、知らなかった、当然だな金を送っていただけの私に分かる訳がないか、そうかすまなかったシャープル、私はシャープルもラクシャータも愛していた、だが我が父がそれを許さなかった」
ゼニスドル公爵の目の生命の光が薄れていく。
「すまなかった、最後に、聞いていいか?ゼロという男なら、お前を・・・幸せに出来るのか?」
「当然です、あの人の存在自体がすでに私を幸せにしてくれてます。毎晩私をベッドの上でたっぷりと可愛がってくれますしね・・・聞きたい事は聞いたのでさっさと死んで下さい」
ラクシャータはゼニスドル公爵の体を貫いていた腕を引き抜き、蹴り飛ばす。
「さようなら・・・・御父様」
ラクシャータは重力に引っ張られて意識があるのかないのか声も出さずに落下していく自身の父だった物を暫く見送ると王都に飛んでいった。
「うぐっ!・・・・私は、何故生きている」
しかし、ゼニスドル公爵は死んではいなかったが痛みで体が動かせなかったがどうやら布一枚を広げられた地面に寝かされているようだ。
「オウ!無事だったようデスネ!」
動けない公爵を見下ろす少女がいた。
肌が褐色で金髪で束ねた髪を後頭部にまとめたシニヨンの女の子であり見たことがない服装をしていた。
黒と白の衣服で背中には読めないが『皇』という文字と怪物の絵が入っており、身体への密着度が高く女性らしいボディラインがクッキリと浮び出ており、詰襟で横に深いスリットが入っていて生足が露出している。
「傷はワタシの『邪皇拳』で『修復』させておきマシタ!」
「君は・・・一体何者なのだ」
「ん?ワタシのナマエハ『皇 神美(ファン シェイエン)』ネ!」
「ファン?」
「魔界の王の一人にシテ、魔界最強の武術家の娘ネ!」
「・・・・マカ、イ?」
ゼニスドル公爵は痛みに耐えかね気絶した。
「今は眠るヨロシ!シカシ、ギンゲツが学校で何やら怪しげな事をやってルなと思って飛び出したら、こんな所に跳ばされるとはワタシは、ワタシは・・・トッテモ、ツイテルネ!中々に面白そうな所ネ!」
この皇 神美は銀月と同じクラスであり、邪気と武術と融合させた『邪皇拳』の使い手で、その技の一つに己の力を極限にまで隠す技がありデビルハンター達も魔界の王の娘が入り込んでいる事を把握できていなかった。
そして銀月不完全な転送の原因の一つでもあった。
レプペリスはふざけた格好をした女に特大の雷球を放ったはず、数十キロ以上は吹き飛ばす威力があるはずの雷球が奴の短杖に吸い込まれるように消された。
諸星真智子は『魔法少女に変身する』能力。
1、魔法少女変身時は、飛行可能。
2、魔法少女変身時、自分に対する確率を変動させる。
3、魔法少女変身時、短杖にチャージ能力がつく。相手の攻撃も吸収してチャージする事が可能。チャージしたエネルギーを放つ際は属性はランダム属性攻撃に変換される。
4、魔法少女変身時は、羞恥心を持たないほど能力は上昇する。
5、魔法少女変身時、夜であり月に近いほど能力は上昇する。
6、魔法少女変身時、味方支援なし単体行動で能力は上昇する。
7、魔法少女変身時、相手の能力値を耐性持ちでも一定数下げる
8、魔法少女変身時、味方の支援がある場合は、味方の能力値を上昇させるが自身の能力値は一部下降する。
「私はムーンホワイトローズよ!大人しくおウチに帰りなさい!」
「まだだ!まだ私は負けてない!」
レプペリスは更に殺傷能力の高い雷攻撃を放とうとするが突然動きを止めた。
ムーンホワイトローズも敵の前でありあがら背を向けレプペリスの見ている方角を見る。
「何、あれ?」
ここよりかなり離れた距離ではあるが巨大な4枚の純白の翼が見える。
「もしかしてラクシャータ・・・なの?」
雲が割れ、光が差し込み幻想的な光景を演出している。
だが、翼の主の出現した近辺は光景に浸る所ではない。
「ぎゃああああああああああ!」
「目が!目があああああああ!」
「神よ!御許しください!女神様!」
「何が!何が起きたんだああああああ!」
ドミニオン共和国の『嵐船部隊』は空を進む帆船。今までその進行を阻めた者なし。
そして帆船は風の加護を受けており、超重量の積載を可能とし帆船の下に『風の力を纏わせた巨大な岩』を搭載されており、上空から巨大な岩を落とし『地面に着弾すると岩の衝突と風の力が解放され、辺り全てを吹き飛ばす』。難攻不落と呼ばれた城や砦を幾度も粉砕してきた。
今回も嵐船部隊はユステリカ王国の真上に侵攻して巨大な岩を落とすだけの仕事だと思っていた。
もう少しでユステリカ王国王都に到着しそうな時、嵐船部隊の進行方向に人間が現れた。
しかも外見は天使を彷彿とさせる純白の翼が生えた少女だ。
「今すぐ引き返しなさい。そうすれば生かして返してあげる」
少女が我々に警告してきた。これ以上進むのなら容赦はしないと。
我々は少女の警告を無視して、少女を撃ち落とす為に弓兵が一斉に彼女を狙う。
この嵐船には『風の力が宿った鉄球』を撃ち出す砲台が全ての船に設置されている。その威力は凄まじいが嵐船より下部の標的に撃つ事を想定されており、嵐船より上部からの攻撃を想定していないため砲台を上部に向けることが出来ない為に弓兵だ。
しかし、この弓兵達の取り扱う矢は普通の矢でない。
『風の力が宿った矢』のため風の影響を受けずに真っ直ぐ飛んで行くし、矢を放った者の意思である程度は矢の進行を操作出来て尚且つ風の力で全てを貫く。この少女は早々に片付けるべきだと判断された。
矢を放つ多くの兵士は矢を撃つ瞬間に少女に謝罪をしながら放った。が、矢は風に煽られ彼女には届かなかった。
指揮官らしき人間が弓兵達に怒鳴っている。矢を間違えるとは何事かと。しかし弓兵達はすぐに反論する。自分達は確かに風の矢を放ったと。
少女の頭の上で浮いていた光輪がいつの間にか嵐船部隊の上空に巨大な輪となり浮いていた。
『真名解放:ベアトリーチェ』
少女の体は大人の女性の体に変化していた。
金髪が伸びて、背が伸び、胸が大きくなり、足がすらりと伸び絶世の美女となり、そして背中の純白の翼がどんどん大きくなっていく。
ガタガタガタガタガタガタガタガタ!!!
突然全ての嵐船が揺れ始めた。雨や風が激しい嵐の中も航行出来るはずの嵐船がただの風にギシギシと船体を揺らしている。
指揮官らしき人間が叫んでいる。兵士達の間に動揺が広がっていく。
「ぎゃああああああああああ!」
少女、いや、美女を直視した兵士は叫び声を上げる。
その兵士はまるで眼球が焼かれたように焦げ臭いをさせ目から黒煙が出て血涙を流し始めた。
この嵐船は上空を飛ぶため、太陽光から目を守るために風の力で光を防ぐ防壁があるはずが全く効果はなく。彼女の放つ神々しい光と姿を見た者、いや、目を瞑っても目に彼女の姿が焼き付き、眼球を焼かれていった。
上空に浮かぶ光輪の輝きが増していく。
ガタガタガタガタガタガタガタガタ!!!
嵐船は徐々に高度が維持できなくなっていく。
「まさか!風の力が無効化されていっているのか!まずい!高度を下げろ!急げ!」
「ダメです!制御できません!あ、ああ、目があああああああ!」
「なんてことだ!くそっ!目が熱い!ああああ!」
「この高さから落ちたらひとたまりもない!」
この嵐船には安全装置のような物がついており、何かしらのトラブルが起きても風の力で減速、風のクッションのような物を作り出し地面への直接衝突を回避する機能がついている。
しかし、今の嵐船は風の加護を失いつつある。こんな高度から地面に真っ逆さまとなれば100%生き残れない。絶対なる死がまっている。
「降伏する!だから助けてくれ!」
「お願いします!天使様!どうか見逃して下さい!」
「天使様!助けて下さい!俺は命令に従っただけです!」
「天使、いや、女神様!どうかご慈悲を!」
「お願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いします!」
兵士達は両膝を床につけ額を床に擦りつけるように頭を低くし両手を重ねて懇願する。
「『羽虫どもは地面に落ちて潰れて死ね』ってリュウイチならそう言うと思うから。一度目は私のほんの少しの気まぐれで言った。その時引いていれば勿論見逃したよ。じゃあバイバイ♪」
「ああああああああああああああ!!!」
嵐船部隊は全てが墜落していき、風の加護は発動せず地面に直撃。生き残りは0人。
船の残骸と共和国の兵士の死体だけが残った。
そのラクシャータが共和国の兵士達を全滅させる姿を覗き見していた男がいた。
ゼニスドル公爵家のお抱えの遠視の魔法使いだ。
「ぎゃああああああああああ!目が!目が熱い!あがああああ!あああああああ!」
「どうした?何があった?」
遠視の魔法使いに異常が起きたと報告を受けたゼニスドル公爵が魔法使いの元に出向いていた。
「お嬢様が生きていました!しかも『能力』に目覚めて、あぐっ!強力な能力です!魔法越しで見た俺でさえこの様です!それに王都が他国の襲撃にあっています!」
「あの子が、生きていた、のか?ご苦労だった。治癒の魔法使いを呼んである。早く目の治療をしてやれ!」
ゼニスドル公爵の側にいた女性が遠視の魔法使いに治癒魔法をかけるが全く効果が現れない。
「これは、公爵様!私の治癒魔法が発動しません!」
「なんだと!どういう事だ!」
「治せないわけではありません!この者の目を治癒魔法の対象に選べないのです。他の部分は選べるようですが・・・」
「そんな能力があるのか?」
「熱い!目が!熱い!痛い!焼かれる!ぐあああああ!」
ジュウジュウと目から焼ける音がしている。
「しっかりしろ!くっ、どうすれば・・・王都に、王都に向かうぞ!ラクシャータを迎えに行く!それに他国の侵略を受けている以上は領地に引き籠ってはいられん!兵士達の出陣準備をさせろ!急げ!」
ゼニスドル公爵家の領地は王都にすぐ着ける距離ではなく兵士を引き連れていけば、それこそ何週間も掛かってしまう。それでは間に合わないかもしれない。
「私が単独で先に王都に向かう。この私の『魔鏡の魔法』でな。兵士の指示は任せた」
「ちょっと待って下さい!公爵様!危険です!お辞め、」
ゼニスドル公爵は部下の制止を聞かずに己の魔法でラクシャータの所に転移した。
ゼニスドル公爵は王都の近くの上空に出た。
公爵は己の魔法で魔鏡を生み出しその鏡の上に乗った。
鏡とは位置を固定され使われるもの。公爵の生み出す鏡は空中に固定する事も出来る。
「御父様、ですか?」
ゼニスドル公爵は声のする方を見る。
女神!!!じゃなかった、ラクシャータだ!私の愛する娘だ。例え姿は大人になっても分かる。
「ラクシャータ、無事だったの、だ、な」
ゼニスドル公爵はラクシャータの側に行こうとしたが、ラクシャータの目はまるで自分をゴミをみるような目で見ていた。
「今さら何のご用意ですか?御父様、いえ、ゼニスドル公爵」
「ラクシャータ、どうしたのだ?」
ラクシャータは大人の姿から少女の姿に戻る。天使のような容姿以外は自分の知っているラクシャータだ。なのにまるで別人のような。
いや、そんな訳がない!あの子は本物だ!
「私は長女ではなかったのですね?私は姉様に命を狙われました。そして私は姉様を自らの手で始末しました」
なっ!あの子が?何故だ!十分に仕送りはしているはずだ!シャープルには不自由はさせてはいなかったはず!
「姉様は第2王子サンライズと肉体関係があり、私に成り代わるつもりだったようですね」
「まさか、王子や王が死んだのは」
「王はサンライズが、王子はゼロが殺しました」
「ゼロ?誰だそれは」
「ゼロ=インバース、私の所有者です」
月島竜一の名を出さずに偽名の方をラクシャータは言った。
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「所有者、だと?」
「はい!私の全てです!あの人の為なら私、死んでも構いません!私の全てを差し上げる事の出来るお方!あの人の為なら、」
ラクシャータは自身の父だった男に特大の殺気をぶつける。
「ゼニスドル公爵、貴方を殺せと命令されれば私は躊躇わずに貴方を殺します!!!」
「ラクシャータ!待つんだ!ぐっ!」
ラクシャータは自身の父に当たれば致死の攻撃を繰り出す。
ゼニスドル公爵は魔鏡を作り出し、その上を渡り回避していく。
「公爵、鏡の出現位置で移動先がバレバレですよ」
ラクシャータはゼニスドルを完全に捉える。
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「がはっ!くっ、ラクシャータ・・・」
空中に固定させた魔鏡は粉々に砕けちり光の粒子となって消えた。
「最後に、ゼニスドル公爵・・・姉様は、シャープルは能力を持たずに捨てられた。私は貴方にとってただの公爵家の為の道具だったのですか?」
「・・・シャープルはそんな風に思っていたのか、知らなかった、当然だな金を送っていただけの私に分かる訳がないか、そうかすまなかったシャープル、私はシャープルもラクシャータも愛していた、だが我が父がそれを許さなかった」
ゼニスドル公爵の目の生命の光が薄れていく。
「すまなかった、最後に、聞いていいか?ゼロという男なら、お前を・・・幸せに出来るのか?」
「当然です、あの人の存在自体がすでに私を幸せにしてくれてます。毎晩私をベッドの上でたっぷりと可愛がってくれますしね・・・聞きたい事は聞いたのでさっさと死んで下さい」
ラクシャータはゼニスドル公爵の体を貫いていた腕を引き抜き、蹴り飛ばす。
「さようなら・・・・御父様」
ラクシャータは重力に引っ張られて意識があるのかないのか声も出さずに落下していく自身の父だった物を暫く見送ると王都に飛んでいった。
「うぐっ!・・・・私は、何故生きている」
しかし、ゼニスドル公爵は死んではいなかったが痛みで体が動かせなかったがどうやら布一枚を広げられた地面に寝かされているようだ。
「オウ!無事だったようデスネ!」
動けない公爵を見下ろす少女がいた。
肌が褐色で金髪で束ねた髪を後頭部にまとめたシニヨンの女の子であり見たことがない服装をしていた。
黒と白の衣服で背中には読めないが『皇』という文字と怪物の絵が入っており、身体への密着度が高く女性らしいボディラインがクッキリと浮び出ており、詰襟で横に深いスリットが入っていて生足が露出している。
「傷はワタシの『邪皇拳』で『修復』させておきマシタ!」
「君は・・・一体何者なのだ」
「ん?ワタシのナマエハ『皇 神美(ファン シェイエン)』ネ!」
「ファン?」
「魔界の王の一人にシテ、魔界最強の武術家の娘ネ!」
「・・・・マカ、イ?」
ゼニスドル公爵は痛みに耐えかね気絶した。
「今は眠るヨロシ!シカシ、ギンゲツが学校で何やら怪しげな事をやってルなと思って飛び出したら、こんな所に跳ばされるとはワタシは、ワタシは・・・トッテモ、ツイテルネ!中々に面白そうな所ネ!」
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