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Aルート月島

第2話 三日月友、焦る

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月島達は十分暖まるとコタツをしまうと長机と椅子が出され皆が着席する。

「じゃ、今度は真面目に会議しますか?各自報告しろ。まず真智子」

「そうね、まず第一目的であるユステリカ王国の王女、カノン=ユステリカは現在厳重な監視下のもと牢獄に入っているわ。原因は前ドミニオン共和国代表『フロイラ』という女が、ユステリカ出兵と嵐船の損壊の責任を押し付けられ辞任、新しく代表についた『ガーベラ』という男の方針で、今までは自由が保証され学園に通ってたけど投獄されてユステリカ王国に身柄の引き渡す代わりに賠償を迫る気でいるらしいわ」

「自分達が攻めて、返り討ちにあったくせにか?図太いな」

「牢獄の場所も把握済み、いつでも助け出せるわよ」

「・・・いや、まだいい」

最近月島がおかしい。前のように積極性がなくなってきている?前はロリッ子と聞けば飛び出して行っていたのが嘘のように落ち着いている。
それに・・・明らかにセックスの回数が減少しているのだ!
前までは満足するまで、それこそ相手をしている女が気絶しても犯し続ける男だったが今では2、3回で済ませている。
肌を重ねている女達は当初飽きられたと思い焦っていたがどうもそういう訳ではないようで聞いても答えてもらえずに困っていた。
最近月島は1人でいる時、空を見上げ黄昏ているようになった。
正満・源氏・羅漢に聞くと『そんなに気にしなくてもいいんじゃない』『男にはそういう時期があるんだよ』と言われた。

「・・・最近世界各国でモンスターの上位個体の出現率増加と凶暴化が報告されているらしいぜ」

次に冒険者として活動している秋月と釈迦峰が報告する。

『秋月食堂』はドミニオン共和国では営業していない。ドミニオン共和国の人達はあまり外食するということがないからだ。

「うん、しかも凶暴化したというモンスターは青い炎を纏っていたらしいんだ。聞いた話、青い炎を纏ったただのゴブリンが一匹討伐するのに正規の騎士千人がかりで討伐したって。もし青い炎を纏った上位個体が現れたらヤバいよコレ」

「青い炎・・・例の幻界の幽鬼ってやつが関係してると思ってんのか?」

「こんな偶然の一致はねえだろ。多分だけど」

「まあ、量より質ってか?上位個体の出現は多いが青い炎を纏った個体はまだポツポツとしか報告が入っていないんだろ?お前等が用意した資料を見る限りでは?」

「けど相当な被害が出ているようだよ。確認できただけで死者も数百~千人単位で出ている」

「まっ、そっちは銀月達に殺らせりゃいいだろ?」

「あははは、まあね」

そう最近、銀月達はかなり有名になっていた。

バウリンガル公国で元気にやっているようで、なんでも反乱軍に加担して正規公国軍相手に派手に喧嘩をしてるらしい。
最初に青い炎を纏ったモンスターが目撃されたのはバウリンガル公国で。討伐したのが銀月達らしい。
その時はゴブリンではない別のモンスターだったらしい。
凶化したモンスターが出るのも公国が多いようでドミニオン共和国はそれらしい報告は入っていない。

「・・・神美、アニス、この資料のお前等の出した部分を読んでみろ」

「ん?え~、わざと肩にぶつかって治療費請求55件、人通りの多い道で体を触られたと騒ぎ相手に示談金を支払わせる28件、幸運を呼ぶ御守りと称してただの石ころを高額で売り付ける36件、賭場で負けてる客に借金させて返済で搾り取る45件、お店に観葉植物や調度品を貸し出しリース代を請求する14件と、」

「・・・・お前等の稼ぎが高い理由はよくわかった」

「エヘヘ、テレテレ」

「まあ、当然の結果ネ」

「・・・で、友と氷狐と源氏、お前等の提出した・・・この『テレポーステイション』っていうのは?」

「よくぞ聞いてくれました!!!」

「いや、聞くだろ会議なんだから?というかどうしたトモ?テンションおかしくね?」

恐らく三日月友は女性陣の中で一番焦っていた。
月島竜一の地球にいた頃からの彼女。
それなのに明らかに閨に誘われるのが減った気がする。女性陣の中でもラクシャータが一番に可愛がられている気がする。

最近月島竜一と過ごす時間が減っている。

月島は朝が早く、4時くらいには起きて1ヶ月前くらいから飼い始めた『スバシル』という名前の馬の世話や遠乗りに費やし、馬の世話を終えると、最近なんの気まぐれか皇神美に武術を教わり出した。
神美曰く、少し見本を見せただけで簡単に習得していっているらしい。悔しいが天才と言わざるをえないと。
その後はそれぞれの仕事をこなして、夕方にまた皇神美の武術指導に馬の世話、夜にやっと竜一との時間が取れたと思っても大抵他の女も一緒である。

最初の頃は別に何人いようが関係ないと余裕があったが今では。

だからこそ!結果を出す!自分でも自覚があるチート能力『コンプリートボーナス』をフル活用して!
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