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第25話 乙女ゲーム外伝~その令嬢に敗北は似合わない!~
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プレイヤーの反応→
『よっしゃあああ!!!敵残りHP5%!!!』
『勝ったな(勝利の余韻に浸る)』
『やったか?(フラグ立て)』
『いやまだだ!アレックス&聖女の纏う光が増したぞ!』
画面のド真ん中にデカデカと文字が表示される。
『最終奥義!黄金の支天滅塵槌!!!』
「終わりにしよう消えてなくなれ!!!さっきは手加減してしまったが今度こそ!消えろおオオオオオオオオ!!!」
黄金の槌が振り下ろされる・・・世界に向けて。
プレイヤーの反応→
『はあああああああああ!!!』
『嘘だろ?ここまで来てBADENDかよ!!!』
『誰だフラグ立てたの!!!』
『サーセンでした!!!( ノ;_ _)ノ』
ドゴオオオオオオオオオオオオオオ!!!
『う、受け止めてる!!!』
『流石女王様!剣一本で防いでる!!!』
『いや、あんまり余裕があるわけじゃないみたいだぞ!』
『見ろ!女王様の身体が段々薄れてる!』
そこにムービーが入る。
幼き日のグレゴリオ。
グレゴリオは幼少の頃に父の仕事を手伝いをして小遣い稼ぎをしていた。
父の仕事は庭師。父は有名な庭師で『公爵家』の庭の管理を任されるほどの腕を持つ。
仕事は荷物運びや掃除。グレゴリオはいつか父の仕事を継いで庭師になると思っていた。
あの運命の出会いをするまでは。
その日グレゴリオは短い休憩時間の間に晴天と静寂と爽やかな風に当てられついつい寝てしまった。大の字になって地面に寝そべって。
ツンツン、ツンツン。
顔が誰かにつつかれてる?
グレゴリオの父なら鉄拳が飛んでくるだろう。公爵家の人間なら声をかけてくるだろう。
小枝では顔をツンツンしてこないだろ?
グレゴリオは目を開ける。
『キャッ!』
グレゴリオの顔をつついていた人物は驚いて尻餅をついた。
「やっべっ!大丈夫ですか?」
やってしまったと後悔するグレゴリオ。公爵家の庭にいるなら公爵の血縁である可能性がある。機嫌を損ねさせてしまうと父をクビにされてしまうかもしれない。
グレゴリオはすぐに気付いた。目の前にいる『黒髪』の少女の服の隙間から見える痣。顔も長い髪で隠しているが無数の傷が見えた。
「あ、貴女は・・・」
「私は・・・名前が無いの。だから好きに呼んで」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「何で・・・何で忘れてたんだよ!!!俺は!!!」
君の事を何で忘れてた!!!
君の為に冒険者になったのに!!!
君を公爵家から解放するために両親と絶縁したのに!!!
君を救うと約束したのに!!!
君を幸せにしてみせると約束したのに!!!
外伝のグレゴリオは冒険者だ。
冒険者になりたての頃は『特攻野郎』『猟犬』『守銭奴』なんてアダ名をつけられてはいたが、将来を有望視されていた冒険者だったがある護衛クエスト時、格上のモンスターに不慮な遭遇をしてしまい、当時組んでいた護衛対象を逃がす為に殿を請け負い単身で戦いに挑んだ。
なんとか撃退できたもののグレゴリオは頭に傷を負ってしまい『力』と『一部の記憶』を失ってしまう。
それから数年後、グレゴリオは自堕落な日々を送っていた。
記憶を失った事により生きる目的を喪失してしまった彼は非行に走った。
酒に酔い、女を抱き、賭け事にのめり込む毎日。
貯えていた金を全てはき出してしまったため、仕方がなく冒険者に復帰することになる。
魔物討伐に向かったが数年も鍛練を怠っていたグレゴリオは危機に陥るがアレックスと聖女のナオミに助けられる。
世界を救う為に旅をしている二人と出会い、行動を共にするようになる。
乙女ゲーム外伝は二人の出会いから更に一年後からスタートである。
そう、グレゴリオは忘れてしまっていた。
何故、猟犬と呼ばれるほどにクエストをこなしていたのか。
何故、守銭奴と呼ばれるほどに金を貯めていたのか。
何故、特攻野郎と呼ばれるほどに高額の報酬だが命の危険があるクエストばかり受けていたのか。
何故、強くなりたがっていたのか。
全ては彼女を救うためだったはずなのに!
あの墓は君の墓だったのか!
あの墓の近くで感じた気配は君だったんたな!
ほぼ無意識に花を供えた理由はコレだったのか!
何で?俺を助けてくれる?君の事を忘れていた俺を?
『よっしゃあああ!!!敵残りHP5%!!!』
『勝ったな(勝利の余韻に浸る)』
『やったか?(フラグ立て)』
『いやまだだ!アレックス&聖女の纏う光が増したぞ!』
画面のド真ん中にデカデカと文字が表示される。
『最終奥義!黄金の支天滅塵槌!!!』
「終わりにしよう消えてなくなれ!!!さっきは手加減してしまったが今度こそ!消えろおオオオオオオオオ!!!」
黄金の槌が振り下ろされる・・・世界に向けて。
プレイヤーの反応→
『はあああああああああ!!!』
『嘘だろ?ここまで来てBADENDかよ!!!』
『誰だフラグ立てたの!!!』
『サーセンでした!!!( ノ;_ _)ノ』
ドゴオオオオオオオオオオオオオオ!!!
『う、受け止めてる!!!』
『流石女王様!剣一本で防いでる!!!』
『いや、あんまり余裕があるわけじゃないみたいだぞ!』
『見ろ!女王様の身体が段々薄れてる!』
そこにムービーが入る。
幼き日のグレゴリオ。
グレゴリオは幼少の頃に父の仕事を手伝いをして小遣い稼ぎをしていた。
父の仕事は庭師。父は有名な庭師で『公爵家』の庭の管理を任されるほどの腕を持つ。
仕事は荷物運びや掃除。グレゴリオはいつか父の仕事を継いで庭師になると思っていた。
あの運命の出会いをするまでは。
その日グレゴリオは短い休憩時間の間に晴天と静寂と爽やかな風に当てられついつい寝てしまった。大の字になって地面に寝そべって。
ツンツン、ツンツン。
顔が誰かにつつかれてる?
グレゴリオの父なら鉄拳が飛んでくるだろう。公爵家の人間なら声をかけてくるだろう。
小枝では顔をツンツンしてこないだろ?
グレゴリオは目を開ける。
『キャッ!』
グレゴリオの顔をつついていた人物は驚いて尻餅をついた。
「やっべっ!大丈夫ですか?」
やってしまったと後悔するグレゴリオ。公爵家の庭にいるなら公爵の血縁である可能性がある。機嫌を損ねさせてしまうと父をクビにされてしまうかもしれない。
グレゴリオはすぐに気付いた。目の前にいる『黒髪』の少女の服の隙間から見える痣。顔も長い髪で隠しているが無数の傷が見えた。
「あ、貴女は・・・」
「私は・・・名前が無いの。だから好きに呼んで」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「何で・・・何で忘れてたんだよ!!!俺は!!!」
君の事を何で忘れてた!!!
君の為に冒険者になったのに!!!
君を公爵家から解放するために両親と絶縁したのに!!!
君を救うと約束したのに!!!
君を幸せにしてみせると約束したのに!!!
外伝のグレゴリオは冒険者だ。
冒険者になりたての頃は『特攻野郎』『猟犬』『守銭奴』なんてアダ名をつけられてはいたが、将来を有望視されていた冒険者だったがある護衛クエスト時、格上のモンスターに不慮な遭遇をしてしまい、当時組んでいた護衛対象を逃がす為に殿を請け負い単身で戦いに挑んだ。
なんとか撃退できたもののグレゴリオは頭に傷を負ってしまい『力』と『一部の記憶』を失ってしまう。
それから数年後、グレゴリオは自堕落な日々を送っていた。
記憶を失った事により生きる目的を喪失してしまった彼は非行に走った。
酒に酔い、女を抱き、賭け事にのめり込む毎日。
貯えていた金を全てはき出してしまったため、仕方がなく冒険者に復帰することになる。
魔物討伐に向かったが数年も鍛練を怠っていたグレゴリオは危機に陥るがアレックスと聖女のナオミに助けられる。
世界を救う為に旅をしている二人と出会い、行動を共にするようになる。
乙女ゲーム外伝は二人の出会いから更に一年後からスタートである。
そう、グレゴリオは忘れてしまっていた。
何故、猟犬と呼ばれるほどにクエストをこなしていたのか。
何故、守銭奴と呼ばれるほどに金を貯めていたのか。
何故、特攻野郎と呼ばれるほどに高額の報酬だが命の危険があるクエストばかり受けていたのか。
何故、強くなりたがっていたのか。
全ては彼女を救うためだったはずなのに!
あの墓は君の墓だったのか!
あの墓の近くで感じた気配は君だったんたな!
ほぼ無意識に花を供えた理由はコレだったのか!
何で?俺を助けてくれる?君の事を忘れていた俺を?
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