5 / 96
14歳~男装王子編
第1話 今世の私は・・・
しおりを挟む
カツン!カツン!
「お、アダマンタイト」
ダンジョン第78階層で私は採掘をしていた。
私は取れたアダマンタイトとピッケルを『異空間収納』に収納する。
「さて、そろそろ帰ろうか」
二時間程で採掘をして切り上げる。
私は面倒なので空間転移で地上に出てそのまま冒険者ギルドに向かう。
ダンジョン出入口から冒険者ギルドに向かう最中街並みを見回した。
そう、街並み。
私が生まれた頃はドがつく程のド田舎だったイルド村だったが8年前、突如村の中心部にダンジョンの入口が現れた事から変わってしまった。
国が調査団を派遣してきたりダンジョンの宝目当てに冒険者が来たりそれ相手に商売しようと商人が集まった。
イルド村はたちまち飲み込まれ開発が進み続けた。
もう村の面影が全くなくなってしまった。
私の家は鍛冶屋を経営していてお父さんは鍛冶の腕はいいのに村の鍬等の農具や包丁等の調理器具の手入れくらいしか仕事がなく、はっきり言って超貧乏だったが今は冒険者が来てくれるおかげで裕福になった。
私も昔は鍛冶屋になりたかったが昔お父さんに『私大きくなったら鍛冶師になる~』って言ったら『鍛冶師は男の仕事だからお前は自分の本当にやりたい事を見つけなさい』と言われてしまって鍛冶場にも入れてもらえなかった。
昔は畑仕事を手伝っていたが都市開発のせいで畑がなくなったのでやることがなくなってしまったので冒険者になった。
おっと、考え事してたら冒険者ギルドに着いたようだ。
私が冒険者ギルドに入ると賑やかだったギルドが静まり返った。
「どうしたんだ急に?」
「バカ!知らねえのか!あの人はソロでクラスAになった冒険者だぞ!」
冒険者の階級はクラスS→A→B→C→D→E→F→Gの階級に分かれているぞ。
「はあ?まだガキじゃねえか」
「間違いねえよ!顔が小さくドワーフ特有の褐色の肌にドワーフの血が入ってんのにあの歳で身長167cm!足の長さが80cmで短足じゃねえ!腰まで伸びた艶のある桃色の髪!上から88!56!86!のあの姿は間違いねえよ!」
どこからか聞こえた声に、
『なんで私のスリーサイズが出回ってンの!』
もう、いいや。
私は受付に向かう。
「お疲れ様です。テティさん」
そう、私の今世の名前はテティ=ペルディーダ。
「なんか面白い話ない?私以外の!話題で」
「あるわよ!なんと!」
「なんと?」
「王子様が来るんですよね~!」
受付嬢のエダさんが赤くなった顔を両手で隠してイヤンイヤンと左右に首を振る。
「はあ、王子ってこの国の?」
「そうなんですよ!!テティさん!!」
凄い興奮気味でちょっとウザいよエダさん。
なんでもエルドラド王国の第2王子が王国騎士を率いて今日このダンジョン都市イルドに到着するらしい。
「なんでまた・・・こんな王都から離れた場所に?もっと近いダンジョンはあるでしょう?」
「さあ?けど第2王子は超イケメンらしいんだよね!」
マッチョ!!!!
マッチョ!!!!
マッチョなんですか?その人!!!!
「はあ、テティさん・・・本当残念な人ですよね、いろんな意味で!」
どういう意味だ!
「で、王国騎士からテティさんに指名依頼が入ってますよ」
依頼人はその王子が率いている王国騎士の隊長からでダンジョンの第65階層に出る階層主まで。モンスターからでる階層主のドロップアイテムは全て依頼主の物。依頼料金は金貨100枚か。安すぎる!!
「は?まさかとは思うけど階層主に挑む気?」
「そうかも知れませんね」
このイルドのダンジョンの第65を中心に階層無視して徘徊する階層主『ギガントロックゴーレム』少なくともランクが5はないとキツいぞ。
「パス!マッチョがいないなら受けないっていったよね私!この前の指名依頼だって!」
「十分マッチョだったじゃないですか!」
「ぜん!ぜん!足りないよ!ガッチガチじゃなきゃ!」
とにかく今回はパス。しかもギガントロックゴーレムは石化のガスを吹き出すからな。私みたいに『異常無効』が無いとキツいよ!
「もしかしたらゴーレムからドロップする宝石が目当てでは?」
「あ~、あれか」
私がゴーレムから取れた宝石を何個か貴族に金貨500枚で売ったあれか。
「今、王都で話題になっているらしいですよね」
マジかー!もっと高く売ればよかったかな。
そしたらその大金でマッチョを侍らせてたかも。
ぐへへへ!
「とにかく私はパス!帰ってお父さんからマッスル分を補給しなきゃだし!」
「そんな!第65階層なんて行けるのテティさんしかいませんよ」
そりゃそうだろう。私以外の冒険者は今の所は最高進行度は第48階層だったはず。第65階層なんて私は転移できるからいいけど、私の『空間転移』は魔力無し回数制限無しで使えるが一人用なので徒歩で行くことになる。そうなると往復で1ヶ月はダンジョンの中だ。それは非常にイヤだ。マッスル不足に陥ってしまう。
さあ!帰ってお父さんでマッスル分を補給しなきゃ!
「じゃあ強制依頼じゃないなら断っておいてね」
私が入って来た事により静まり返っていたギルド内は賑やかさが戻っていたがいっそう騒がしくなった。
ギルドの入口に視線をやると高そうな鎧を着た集団が入って来た。あれが噂の王国騎士と言われる連中なのか?
私は先頭の男に『鑑定』を使ってみた。
マルクス=ペルディーダ 格(ランク)4
力150防145速300魔505運123
①種族
『ヒューマン』
②スキル
『達人の御技・剣』『異常耐性 中』『動作加速 中』『疲労軽減 小』『物理耐性 小』『魔法耐性 中』
③武器適性
『剣・大』『盾・小』
④魔法
『光属性攻撃魔法 中』『火属性攻撃魔法 小』『回復魔法 大』
へえ、そこそこは高いんだ。ん?ペルディーダって私と同じなんて奇遇ですね。
先頭にいたマルクス=ペルディーダが受付にやって来てエダに話しかけようとした時、横にいる私に気づいたのか私の顔見て固まってしまった。大丈夫かコイツ。
「ルーエル・・・ルーエルなのか?」
「は?私はテティなんですけど」
「会いたかったぞ!!」
筋肉が足りない男が抱きつこうとしてきたので私は反射的に、
『無天・神堕とし正拳』!!
思わず正拳を食らわしてしまった。
あ、やばっ!!
ギルドの壁をぶち壊しながら飛んでいった。
「お、アダマンタイト」
ダンジョン第78階層で私は採掘をしていた。
私は取れたアダマンタイトとピッケルを『異空間収納』に収納する。
「さて、そろそろ帰ろうか」
二時間程で採掘をして切り上げる。
私は面倒なので空間転移で地上に出てそのまま冒険者ギルドに向かう。
ダンジョン出入口から冒険者ギルドに向かう最中街並みを見回した。
そう、街並み。
私が生まれた頃はドがつく程のド田舎だったイルド村だったが8年前、突如村の中心部にダンジョンの入口が現れた事から変わってしまった。
国が調査団を派遣してきたりダンジョンの宝目当てに冒険者が来たりそれ相手に商売しようと商人が集まった。
イルド村はたちまち飲み込まれ開発が進み続けた。
もう村の面影が全くなくなってしまった。
私の家は鍛冶屋を経営していてお父さんは鍛冶の腕はいいのに村の鍬等の農具や包丁等の調理器具の手入れくらいしか仕事がなく、はっきり言って超貧乏だったが今は冒険者が来てくれるおかげで裕福になった。
私も昔は鍛冶屋になりたかったが昔お父さんに『私大きくなったら鍛冶師になる~』って言ったら『鍛冶師は男の仕事だからお前は自分の本当にやりたい事を見つけなさい』と言われてしまって鍛冶場にも入れてもらえなかった。
昔は畑仕事を手伝っていたが都市開発のせいで畑がなくなったのでやることがなくなってしまったので冒険者になった。
おっと、考え事してたら冒険者ギルドに着いたようだ。
私が冒険者ギルドに入ると賑やかだったギルドが静まり返った。
「どうしたんだ急に?」
「バカ!知らねえのか!あの人はソロでクラスAになった冒険者だぞ!」
冒険者の階級はクラスS→A→B→C→D→E→F→Gの階級に分かれているぞ。
「はあ?まだガキじゃねえか」
「間違いねえよ!顔が小さくドワーフ特有の褐色の肌にドワーフの血が入ってんのにあの歳で身長167cm!足の長さが80cmで短足じゃねえ!腰まで伸びた艶のある桃色の髪!上から88!56!86!のあの姿は間違いねえよ!」
どこからか聞こえた声に、
『なんで私のスリーサイズが出回ってンの!』
もう、いいや。
私は受付に向かう。
「お疲れ様です。テティさん」
そう、私の今世の名前はテティ=ペルディーダ。
「なんか面白い話ない?私以外の!話題で」
「あるわよ!なんと!」
「なんと?」
「王子様が来るんですよね~!」
受付嬢のエダさんが赤くなった顔を両手で隠してイヤンイヤンと左右に首を振る。
「はあ、王子ってこの国の?」
「そうなんですよ!!テティさん!!」
凄い興奮気味でちょっとウザいよエダさん。
なんでもエルドラド王国の第2王子が王国騎士を率いて今日このダンジョン都市イルドに到着するらしい。
「なんでまた・・・こんな王都から離れた場所に?もっと近いダンジョンはあるでしょう?」
「さあ?けど第2王子は超イケメンらしいんだよね!」
マッチョ!!!!
マッチョ!!!!
マッチョなんですか?その人!!!!
「はあ、テティさん・・・本当残念な人ですよね、いろんな意味で!」
どういう意味だ!
「で、王国騎士からテティさんに指名依頼が入ってますよ」
依頼人はその王子が率いている王国騎士の隊長からでダンジョンの第65階層に出る階層主まで。モンスターからでる階層主のドロップアイテムは全て依頼主の物。依頼料金は金貨100枚か。安すぎる!!
「は?まさかとは思うけど階層主に挑む気?」
「そうかも知れませんね」
このイルドのダンジョンの第65を中心に階層無視して徘徊する階層主『ギガントロックゴーレム』少なくともランクが5はないとキツいぞ。
「パス!マッチョがいないなら受けないっていったよね私!この前の指名依頼だって!」
「十分マッチョだったじゃないですか!」
「ぜん!ぜん!足りないよ!ガッチガチじゃなきゃ!」
とにかく今回はパス。しかもギガントロックゴーレムは石化のガスを吹き出すからな。私みたいに『異常無効』が無いとキツいよ!
「もしかしたらゴーレムからドロップする宝石が目当てでは?」
「あ~、あれか」
私がゴーレムから取れた宝石を何個か貴族に金貨500枚で売ったあれか。
「今、王都で話題になっているらしいですよね」
マジかー!もっと高く売ればよかったかな。
そしたらその大金でマッチョを侍らせてたかも。
ぐへへへ!
「とにかく私はパス!帰ってお父さんからマッスル分を補給しなきゃだし!」
「そんな!第65階層なんて行けるのテティさんしかいませんよ」
そりゃそうだろう。私以外の冒険者は今の所は最高進行度は第48階層だったはず。第65階層なんて私は転移できるからいいけど、私の『空間転移』は魔力無し回数制限無しで使えるが一人用なので徒歩で行くことになる。そうなると往復で1ヶ月はダンジョンの中だ。それは非常にイヤだ。マッスル不足に陥ってしまう。
さあ!帰ってお父さんでマッスル分を補給しなきゃ!
「じゃあ強制依頼じゃないなら断っておいてね」
私が入って来た事により静まり返っていたギルド内は賑やかさが戻っていたがいっそう騒がしくなった。
ギルドの入口に視線をやると高そうな鎧を着た集団が入って来た。あれが噂の王国騎士と言われる連中なのか?
私は先頭の男に『鑑定』を使ってみた。
マルクス=ペルディーダ 格(ランク)4
力150防145速300魔505運123
①種族
『ヒューマン』
②スキル
『達人の御技・剣』『異常耐性 中』『動作加速 中』『疲労軽減 小』『物理耐性 小』『魔法耐性 中』
③武器適性
『剣・大』『盾・小』
④魔法
『光属性攻撃魔法 中』『火属性攻撃魔法 小』『回復魔法 大』
へえ、そこそこは高いんだ。ん?ペルディーダって私と同じなんて奇遇ですね。
先頭にいたマルクス=ペルディーダが受付にやって来てエダに話しかけようとした時、横にいる私に気づいたのか私の顔見て固まってしまった。大丈夫かコイツ。
「ルーエル・・・ルーエルなのか?」
「は?私はテティなんですけど」
「会いたかったぞ!!」
筋肉が足りない男が抱きつこうとしてきたので私は反射的に、
『無天・神堕とし正拳』!!
思わず正拳を食らわしてしまった。
あ、やばっ!!
ギルドの壁をぶち壊しながら飛んでいった。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる