女王様は完璧な姿で君臨する

りんくる

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女王様のエスコート ~下僕はハプニングにも強くないとやっていけません

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しばらくは現実味のないか感じに脳の処理が追い付かずにつないだままの手を引っ張られたまま羽田の行くところについてきたが、だんだんと状況を理解し始めた。覚醒したと同時に羽田の手を乱暴に振り払った。
「どういうつもりよ!!まさかデート当日にこの私を待たせるなんて」
思ったままをぶちまけると羽田は途端にいつも通りの捨てられた子犬のような情けない顔をして言った。
「おくれてしまい、す、すみませんでした。」
羽田は私の怒りがおにビビりながら謝ってきた。

「それで、どうして遅れたのよ」
私は近くのカフェまで羽田を引っ張っていって紅茶とモンブランを注文する。それを見て慌てて羽田もコーヒーを注文していた。羽田は私の様子をおどおどしながらみていた。羽田は少しためらってから口を開いた。
「じつは、来る途中で重そうな荷物を持ったおばあさんがいて荷物をもって家まで送ったんです。そのこと連絡しようとしたんですが、おれ、ゆかり様の連絡先知らないのでできなかったんです。俺が遅れたせいでゆかり様を怖い目に合わせてしまったなんておれ、なんてお詫びしたらいいか、せっかくのデートなのに嫌な思いさせてほんとにごめんなさい。」
そういって再度テーブルに頭をたたきつけんばかりに頭を下げた。
(い、意外にやさしいのね)
まあ、細かな気遣いができる奴だとは思っていたわよ。
「何頭下げてんのよ!!そのまま、おばあさんほっぽってきたらそれこそ私はあんたのことぶん殴ってそのあしで帰ってたわよ。」
はっと顔を上げた羽田に言ってやる。
「いつまでも失敗したことにぐずぐずしてんじゃないわよ!!いいことをしたんだから胸を張ったらどうなの!!」
情けないと頭を抱えた。
すると羽田は心のつかえがとれたようなすっきりとした顔をした後へらへらとしたいつもの笑みに戻った。
そんな羽田を見た私はなんだか毒気が抜かれてしまった。
「はぁ、もういいわよ。今日遅れたことは水に流してしてあげるわ。・・・・・というか悪かったわよ。いきなり怒鳴ったりして」
「いいえ!!ゆかりさんは悪くありません。その、俺がちゃんと説明しなかったのが悪いので」
私は今日遅れたペナルティでおごらせてやろうかと考えて頼んだモンブランを今回は勘弁してやるかと思いながら口に運ぶ。
改めて今日の羽田の顔を見つめる。細身で結構身長があることには気が付いていたけど顔もこんなに整っているなんて思わなかったわ。私の取り巻きなんかやらなければきっと女子たちに取り囲まれる立場だっただろう。
「あの、ゆかり様、何かついてますか?」
「えっ!?なんでもないわよ」
羽田に見惚れていたことに恥ずかしくなって急いで目をそらす。
(な、なんで私がこいつにドキドキしなくちゃいけないのよ)
「・・・・・・」
「ね、ねえ、また今日みたいなことがあったら困るから連絡先教えなさいよ。」
「えっ、俺と連絡先交換してくれるんですか!!」

「業務用よ!!勘違いするんじゃないわよ」
すっごくうれしそうな顔で聞いてくるので恥ずかしさをこらえながら言い訳がましいことを言った。
「毎日連絡しますね、ゆかり様」
「今の話聞いてないわね!!ま、まあいいわ。あと、外で『ゆかり様』って呼ぶのやめてくれない。変に思われるでしょ」
「じゃあ、何て呼べばいいですか?ゆかりんとかゆーみんとかいろいろ候補があるんですがどれにしましょう」
頭に花でも咲いてるんじゃないか。と思うくらいの浮かれっぷりだ。
「全部却下。あだ名だと私の威厳が保てないもの。」

「では、外ではゆかりさん、と呼ばせていただきますね。」
初めての呼ばれ方にくすぐったさをかんじた。
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