あまいの、いくつほしい?

白湯すい

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本編

44.すべて飲み込んで

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 するりと腰元を支えていた蓜島の手が東の胸元を撫で上げる。
「……っ、ん、あ……」
 軽く唇にキスされた後、蓜島はそこから下へ下へ、ずりずりと下がっていく。顎に、首に、鎖骨に、胸に。胸や腹を軟い力で揉み込まれて、東は変な気分になる。これまで感じたことのない、言葉にしにくい感情だ。

「…良い声」
「やだ、んうっ……へんな、かんじ」
「胸は感じるようになるまで少しかかるらしいですね」
「ん、気持ちいいかどうか、微妙ですけど……やらしい気持ちにはなりますね、これ……」
 話しながら、蓜島の舌がぺろりと東の乳首の周りを舐め上げる。快感を得ているかと言われればよくわからないとしか言えないが、蓜島にそんなところを愛撫されていることに東はドキドキしてしまう。
「むずむずします?」
「ちょっと、だけ……っ、んっ」
 東の反応を見て蓜島は、これはすぐに気持ち良くなってくれそうだと、こっそり思った。優しくくすぐると息をつめて腰がもぞりと動いてしまっているのが可愛らしい。
 それを指摘したら恥ずかしがって反応を抑えてしまいそうに思えたので、蓜島は言わなかった。東には、素直に感じて我慢などしないでいてほしい。

「……んゃ、蓜島さん、その……」
 上半身をまさぐる蓜島の手が、東に掴まれて止められた。何事かと思ったが、東の言いにくそうに頬を染めて目線を下に落とした表情と、もじもじと擦り合わされる膝を見て察せられた。
「下、脱いじゃいましょうか」
「うん、ん……っ」
 東のそこは、既に少し硬さを持ち始めていて、ぴったりとした下着の中で窮屈そうにしていた。汚してしまう前に、東の腰を少し浮かせてするりと下着を取り払った。

 全て脱がされて一糸纏わぬ姿にされた東は、はー、はー、と恥ずかしさや興奮を体の中から逃すために懸命に息を吐いていた。
「あっ、あ……!は、ん…っ」
 指先でそこをなぞり、優しく手のひらで擦ると、ひくりと震えながら更に勃ち上がっていく。控えめだったくぐもった喘ぐ声が、はっきりとした音になって甘く響いた。
「ね、おればっかり、やです……っ、はいしま、さんも…ぬいで……?」
「…はい」
 素直に感じ入る恋人にそんなにも甘くねだられれば、言う通りにする他ない。蓜島はまだ直接触られてもいないのに既に硬くなっているのを見られるのは気恥ずかしかったが、そんなことはもう今更だ。

「……蓜島さんの、おっきすぎません?」
「そ、そうでしょうか」
 蓜島としては自身の体格通りのものがついているだけという認識であったし、それは実際その通りではあるのだが、東にとっては大きいというのも変わらない事実だった。
「はいる、かな」
「……っ、善処します」
 不安そうな表情を浮かべる東を横目に、蓜島は寝床の近くに置いておいた鞄からいくつかのパウチタイプのローションとコンドームを取り出した。言葉にはしなかったけれど、東はそれを見てちゃんと準備していてくれたんだ、蓜島さんもそのつもりでいてくれたんだな、とじんわり嬉しくなった。
 それと同時に、いよいよ後ろに触れられる覚悟を決める。自分だってそのつもりで来たのだから、不安がってばかりはいられない。

「うしろ、向いたほうがいいですよね…?」
「東さんの楽な体勢でいいですよ」
「…じゃあ、そうします」
 ぴり、とほんの僅かな包みを破る音さえ聞いていられない。小さな包みからとろりと出たローションが蓜島の指に絡められるのを見たらいよいよ怖くなる気がして、東は顔を背けるようにして四つん這いの体勢をとった。本当は尻を突き出すような姿勢は恥ずかしいし、蓜島の顔が見えないのは少し怖い。けれど他の思いつく姿勢だと後ろに変に力を入れてしまいそうで、事がスムーズに進まない気がした。
 恥ずかしいとか怖いとか、そんなことはすべて飲み込んでしまってでも、蓜島との関係を先に進めたい。その気持ちのほうが強かったのだ。
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