あまいの、いくつほしい?

白湯すい

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本編

46.もうよくない?

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 気がつけば中をかき回す指は三本に増えていて、東のモノを扱く手つきはごく緩やかなものになっている。それでも東の口からは、控えめながらも甘やかな声が漏れ出ていた。
「はっ、あ…っ♡ はいしま、さ……っ、も、よくないっ……? んうッ…」
「……ん、はい。だいぶ柔らかくなってきましたね」
「もう、しよ……? おれこのままだと、ひとりできもちよくッ……なっちゃう、んッ…」
 正直したところで、中で感じられるかなんて今もわからないし、そもそも入るかも自信がない。でもそれでもいい。最初からうまくいかなくたっていいし、多少なら痛くってもいい。

「あッ! ぅンッ……!」
「あずまさん、ここに」
 ずるりと中の指が引き抜かれて、思わず声が上擦る。それまで入っていたものの質量を感じて、中がひくひくと動く。
 蓜島は布団の上に座った状態で、東にその上に乗るように促した。東は少しぼーっとする体を起こして、それに従った。
「蓜島さんのも、さわりますか?」
「いえ、正直限界ですので……」
「じゃあ、これだけおれがやります」
 東はそう言いながら、蓜島がつけようとしていたコンドームをその手から取り上げた。
「……すご、かちかち」
「んっ……あずまさ、」
 ゴムを被せてしまう前に、東は直接それに触れて擦り上げた。東の滑らかな手に刺激されて、蓜島も思わず喘ぐ。ちゃんと勃っていないと装着が難しいかと思いそうしたが、そんな気遣いなんて必要がないくらいだった。
 東の手で蓜島のモノにコンドームを被せて、念のためそこに更にローションを足して纏わせた。
「東さん…っ、それ、もういいですから……!」
「あはは、ごめんなさい」
 くちゅくちゅとローションを塗り広げるのに擦られるたび蓜島が眉を寄せて気持ち良さそうな顔をするものだから、東はつい楽しくなってしまっていた。蓜島は入れる前に出してしまうなんてことにはならないようにと東を止めたのだった。

 座った蓜島の上に東が跨って、軽く体重を乗せている、いわゆる対面座位の状態になる。初めてはやっぱり顔を見ながらがよかったので、東は少しほっとしたような気持ちだった。

 東は正面からするりと腕を回して、蓜島の首に絡める。
「…蓜島さん、好きです」
「私もです。東さんのことが、どうしようもなく愛おしい」
 もうお互いに知っている言葉でも、それはすごく大事なもので。それを交換すると幸せな気持ちが胸いっぱいに満ちて、二人は自然と唇を寄せ合った。
「……やさしくしてくださいね?」
「…もちろん」
 キスをした後、二人はそう言って笑い合った。


 少し腰を浮かせた東は余計な力を入れてしまわないように蓜島の体に寄りかかって身を任せた。蓜島は東の背中側に手をまわしてアナルを再度やわく解し広げながら、自身の先端をひたりとそこに当てがった。
「……っ、……」
「いれます、ね」
「んん…っ、ん…!」
 ふうふうと、体から力を逃すために必死に息を吐いている東はうまく返事もできない。みっちりと隙間なく侵入してくるそれは想像したよりも大きいような感じがして、驚いた体はぴくりと跳ねる。
 それでも入念に指で広げてローションのすべりを借りたことで、思ったよりもスムーズに入っていく。カリの部分がぬるりと入ってしまうと、東がアッと声をあげた。
「痛くない、ですか?」
「ん、んう…っ、いたくはない、です…っ」
 痛みはない。切れたりはしていないようで、それはひと安心だった。
 ただ、ひどく苦しい。まだほんの僅かに入り込まれただけだというのに、異物感と圧迫感がすごくて、息が苦しかった。

「東さん、深呼吸できますか?」
「うん、ふ……っ、ふ…」
 蓜島が促すように一緒にゆっくりと長く呼吸を合わせてくれる。東はそれに倣って、吸って吐いてを繰り返す。
 次第に呼吸が落ち着くと、少し冷静になった。
「……ぅ、ぜんぜん、入ってない…っ」
 繋がった部分を見下ろすとまだ先の部分が入っただけで、けれど中はそこで突っかかっているような感覚がある。痛くはないけれど、それ以上先は行けないような閉じた感覚。
「平気、でしたら…少し、動いても大丈夫ですか?」
「はい、少し、ずつなら……っ」
 東が痛がる様子を見逃さないように、蓜島は東のことをじっと見つめながら少しずつ腰を動かして、行き止まりのように思えるそこをくにくにと揉みほぐすようにした。

 快感を受けやすい先のほうだけがきつく刺激されて蓜島のほうも色々と堪えるのに必死だった。少し痛いくらいに締めつけられて、その気持ちよさに任せてもっと大胆に動きたくなりながらも、それでも東に無理をさせたくない気持ちのほうが強かった。

 じっくりとそうしていくと、段々と中も柔らかくなっていき深く入っていった。
「あっ…は、んっ…ぜんぶ、はいりました…?」
「もう、ほとんど」
「す、ご…これで、ぜんぶじゃないんだ……ふ、ぅ」
 お互いの額には汗が滲む。こんなに挿入に時間をかけたのは初めてのことで、男同士ってこんなに大変なんだ、と考えていた。それでも繋がれた喜びでいっぱいだから、嫌になんてならなかった。

「あんっ、あ、そこっ……」
「さっきのところですね」
「ひ、ぅ……っ! はい、しまさ……」
「…っ、なん、です?」
「キスして、ほしいです……ん、うぅ…っ」
 ぐりぐりと奥を広げられながら時折ぞくぞくとするところを擦られて、東はたまらなくなりキスを求める。そうすれば僅かでも安心できるような気がした。
「ん、ん……」
「…っ、あずまさん…」
 深いキスをすると、何もかも許したかのように力が抜けて蓜島を受け入れていく東の体。絡み合う舌先がもつれるほどに、東の中は奥へ奥へと導くように開いた。
 キスひとつでそんなにも素直になる体が愛おしい。本人はそのことに気が付いているのかいないのか、蓜島の唇や舌に吸いつくのに必死だ。
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