恋もよう

出会い

俺が彼女と初めて会ったのは知人の家だった。
小学校の頃から仲良くしていた知人の家で、他に人がいるとは聞かされていなかった。
 普段、人見知りの俺は彼女との会話を好んでしようとは思わなかった。
 彼女はとても積極的で、いろいろ話を振ってきたり、俺をこちょばしたりいろいろしてきた。
 彼女は何か必死の様にも見えた。
俺の心でも何かが動く様な音が聞きこえた。
 あの時の感情を今でも覚えている。
簡単に説明することのできないような何かモヤモヤとした感情を。
 中学入りたての俺にはわかるはずのない、でも今ならわかる。
 それがきっと”恋”だったのだろう。

携帯を持っていなかった俺は、親の携帯でその彼女とメールをする様になった。