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序章
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序章
恋とか愛とか、そんなものに興味はなくて、夫となる相手は誰でもいいとアデリナは思っていた。物心がつく前から、結婚は神の意思により決まるものだと親から言い聞かされてきた。どんな相手だろうと夫となる男性に尽くし、気に入られ、子を産む。それが高貴な家に生まれた女の宿命で、自分なら成し遂げられると信じていた。
広々とした部屋だ。調度品も上質で高価そうなものばかりで、この部屋を見るだけで現在のオーギュスト家の隆盛ぶりがよくわかる。
部屋の中央に鎮座する大きなベッドに踏ん反り返るように座る男の前で、アデリナは膝を折り、最上級の礼を示す。
「旦那さまの御心のままに。今宵、私のすべてはあなたのものです」
乾いた声で紡がれた言葉が白々しく宙に浮く。初夜を前にした貴族の女はみな同じ台詞を口にする、お決まりの口上なのだ。だが、相手が目の前のこの男でさえなければ……アデリナだってもっと真心を込めたはずだ。相手は誰でもいいと思っていたが、良好な関係が築けるのであればそれに越したことはない。そのための努力は惜しまぬつもりだった。だが、相手が彼では、それも難しいだろう。
艶やかな黒髪からのぞく宵闇色の瞳。カイ・オーギュストは射貫くような鋭い眼差しをアデリナに向けている。
「棒読みもいいところだな。才色兼備のアデリナ嬢も演技は不得手か」
「演技では――」
否定の言葉を口にしかけて、アデリナは言いよどむ。ここで見え透いた嘘をついて、なんになるというのだろうか。アデリナが夫にカイを望んでいなかったことは事実だ。いや、彼でなければ誰でもよかった。カイは、カイだけはさけたかった。もっとも、それは彼のほうも同じはずだ。
カイは小さく肩をすくめて、視線をアデリナから床へと移した。
「そんな今すぐ舌をかみ切って死にたいという顔をされると、やる気が失せるな」
アデリナはむっとして言葉を返す。
「今の台詞は聞き捨てならないわ。私はなにがあっても自害などしないから」
カイはちらりとアデリナを一瞥するが、すぐに興味なさそうに吐き捨てる。
「それは結構な心構えだ。自害でもこの屋敷を出ていくでも、務めを果たしたあとならお前の好きにすればいい」
カイは立ちあがり、アデリナの前に歩み出た。彼女の腕を引くと、アデリナの身体をベッドへ放り投げる。そして、アデリナが身体を起こそうとするより前に彼女に覆いかぶさり、身動きを封じた。
カイの膝が真新しい純白のシーツを押す。ぎしりとベッドのきしむ音がアデリナの不安を煽る。
「カイ……」
その名を呼ぶのはいつ以来だろうか。帝国貴族学院を卒業してからというもの、彼と会う機会はめっきりなくなっていた。
今、目の前にいるカイはアデリナの記憶のなかの彼より、ずっと身体つきががっしりしており、顔立ちも精悍になっていた。全身から発せられる大人の男の色香にアデリナはたじろいだ。知らない間にカイは大人の男性になっていた。かつてアデリナと成績を争っていた少年は、もうどこにもいない。
「俺との結婚を嫌がる気持ちはよくわかる。だが、お前の感情は俺には関係ない。【畑替え】の不名誉を賜るのはごめんだからな。出世に響く」
カイの体重がゆっくりとアデリナに乗る。彼の唇がアデリナの細い首筋に触れると、彼女の背中はびくりと大きく震えた。身体の深いところから込みあげてくるこの感覚は……嫌悪なのか、恐怖なのか、恥じらいなのか、アデリナ自身にもよくわからない。
(――わかっていることはただひとつ。この男に弱みを見せることはできない)
アデリナはふんと、鼻で笑った。
「私の感情をあなたに気にしてもらう必要はない。そっちこそ、本心ではその腰の短剣を抜いて私の心臓に突き立てたいのでは?」
胸の上にあった彼の顔がおもむろに持ちあがり、至近距離で視線がぶつかる。カイは苦々しく唇の端だけで笑うと、腰の短剣を抜きその切っ先をアデリナへと向けた。彼女の白い頬に触れるか触れないかのところで彼は手を止める。
「あいかわらず、かわいげの欠片もない女だ」
「褒め言葉として受け取っておくわ」
カイは短剣を払い捨てた。カランと音を立てて短剣が床に転がる。彼はそこに視線を向けながら言い放つ。
「俺の感情もどうでもいい。俺たちはローゼンバルト帝国の貴族としての務めを果たさねばならない。それだけだ」
短剣とともに彼は自身の感情も捨てたのだろう。アデリナの頬に手を添えて、彼は短く告げた。
「俺は今夜からお前を抱く。お前が俺の子を孕むまで何度でもな」
彼はためらいを吹っ切ったようだった。アデリナもこれから起こる事態を受け入れる覚悟はできていた。神のさだめし婚姻は絶対で、逆らうことなど許されない。
アデリナはカイの妻になる、それは変えることのできない運命だ。
憎らしいほどに美しく整った彼の顔が落ちてくる。キスはしないだろう、そのアデリナの予想はどうやら外れだったようだ。カイの唇は想像していたものより、ずっと熱い。彼はやや強引に唇の隙間から舌を侵入させる。ざらりとしたそれがアデリナの口内を好き勝手に蹂躙する。アデリナにとって、これが人生初めてのキスだった。甘やかで淫靡な……初めて知る刺激にアデリナは翻弄された。
「ふうっ、んっ」
漏れ出る吐息さえも食い尽くすような勢いで、彼は角度を変えながら何度も唇を重ねた。
キスがこんなにも官能的なものだなんて、想定外だ。アデリナの頭は朦朧とし、思考が途絶えがちになる。自分の身体なのに、まるで知らない誰かのもののようだ。
「あっ、んっ」
媚を含んだような甘い声は、本当に自分の口から発せられたものなのだろうか。アデリナの唇からこぼれた銀糸をぺろりと舐め取ると、カイは満足げな笑みを浮かべた。
「少しは、その気になってきたか」
かぁっとアデリナの頬が赤く染まる。
「そ、その気になんて――」
なるはずがない。相手はカイだ、アデリナがこの世で一番憎む男。カイはアデリナの耳に舌を這わせながら、ささやくように言う。
「答える必要はない。この身体に聞く」
するりと胸元のリボンが解かれ、白い双丘があらわになる。カイの手によってあっという間にワンピースと下着がはぎ取られ、ひやりとした空気がアデリナの上半身に触れる。緊張で震えそうになる心と身体をアデリナは必死で抑え込んだ。
カイの前でただの女になってしまうのは嫌だった。やせ我慢でもなんでも、毅然としていたかった。だが、アデリナのその矜持を彼はめちゃくちゃに打ち砕いていく。
カイの大きな手が焦らすようにアデリナの胸をなぶる。薄紅色の果実に触れ、ぴんと弾かれると、アデリナの背中は大きくしなった。片方は指先で転がされ、もう一方は彼の熱い唇に吸われる。湿った水音がアデリナの耳を刺激し、彼女の唇からはしたない嬌声が漏れた。
「ひあっ」
「声は、悪くないな」
カイはアデリナの耳たぶを食み、耳孔を舌でくすぐる。
「くすぐったいっ、からやめっ――」
身をよじって逃れようとするアデリナの身体を押さえつけながら、彼は薄く笑う。
「くすぐったい、だけじゃないだろう」
さきほどよりもぷっくりと膨れた頂を彼の指先がきゅっとつまむ。嗜虐的な笑みを浮かべて、カイはささやく。
「認めろ。俺の手でも、お前の身体はちゃんと反応してる」
悔しいが、彼の言うとおりだった。体内から湧きあがるような疼きをアデリナは確かに感じていた。屈辱と羞恥にアデリナの顔はゆがみ、美しい薄青の瞳は涙でぬれた。
カイの指がアデリナの唇をなぞる。指先はゆっくりと唇を割ってなかに侵入してくる。舌先に彼の男らしい関節が触れる。ただそれだけのことがやけに淫靡に感じられて、アデリナの体温は急激に上昇した。身体の中心が切なく疼く。頭が真っ白になり、理性が崩れていく。
「しゃぶれ」
「あっ」
なぜ、従ってしまうのかわからない。彼の艶めいた声に操られているかのように、アデリナは彼の指先に舌を這わせた。ちゅっと音を立てて、絡め取る。
「アデリナ」
まっすぐにアデリナを見おろすその瞳はこれまで見たことのなかった熱をはらんでいた。どちらからともなく……いや、目をつむりそれをねだったのはアデリナのほうだったかもしれない。カイは指先を外すと、物欲しげに震えるアデリナの唇に自身の唇を重ねた。激しく舌が絡み合う。背中がきしむほど強く彼に抱き締められ、アデリナは思わず彼の背中に爪を立てた。
「俺が欲しいと言ってみろ」
恋とか愛とか、そんなものに興味はなくて、夫となる相手は誰でもいいとアデリナは思っていた。物心がつく前から、結婚は神の意思により決まるものだと親から言い聞かされてきた。どんな相手だろうと夫となる男性に尽くし、気に入られ、子を産む。それが高貴な家に生まれた女の宿命で、自分なら成し遂げられると信じていた。
広々とした部屋だ。調度品も上質で高価そうなものばかりで、この部屋を見るだけで現在のオーギュスト家の隆盛ぶりがよくわかる。
部屋の中央に鎮座する大きなベッドに踏ん反り返るように座る男の前で、アデリナは膝を折り、最上級の礼を示す。
「旦那さまの御心のままに。今宵、私のすべてはあなたのものです」
乾いた声で紡がれた言葉が白々しく宙に浮く。初夜を前にした貴族の女はみな同じ台詞を口にする、お決まりの口上なのだ。だが、相手が目の前のこの男でさえなければ……アデリナだってもっと真心を込めたはずだ。相手は誰でもいいと思っていたが、良好な関係が築けるのであればそれに越したことはない。そのための努力は惜しまぬつもりだった。だが、相手が彼では、それも難しいだろう。
艶やかな黒髪からのぞく宵闇色の瞳。カイ・オーギュストは射貫くような鋭い眼差しをアデリナに向けている。
「棒読みもいいところだな。才色兼備のアデリナ嬢も演技は不得手か」
「演技では――」
否定の言葉を口にしかけて、アデリナは言いよどむ。ここで見え透いた嘘をついて、なんになるというのだろうか。アデリナが夫にカイを望んでいなかったことは事実だ。いや、彼でなければ誰でもよかった。カイは、カイだけはさけたかった。もっとも、それは彼のほうも同じはずだ。
カイは小さく肩をすくめて、視線をアデリナから床へと移した。
「そんな今すぐ舌をかみ切って死にたいという顔をされると、やる気が失せるな」
アデリナはむっとして言葉を返す。
「今の台詞は聞き捨てならないわ。私はなにがあっても自害などしないから」
カイはちらりとアデリナを一瞥するが、すぐに興味なさそうに吐き捨てる。
「それは結構な心構えだ。自害でもこの屋敷を出ていくでも、務めを果たしたあとならお前の好きにすればいい」
カイは立ちあがり、アデリナの前に歩み出た。彼女の腕を引くと、アデリナの身体をベッドへ放り投げる。そして、アデリナが身体を起こそうとするより前に彼女に覆いかぶさり、身動きを封じた。
カイの膝が真新しい純白のシーツを押す。ぎしりとベッドのきしむ音がアデリナの不安を煽る。
「カイ……」
その名を呼ぶのはいつ以来だろうか。帝国貴族学院を卒業してからというもの、彼と会う機会はめっきりなくなっていた。
今、目の前にいるカイはアデリナの記憶のなかの彼より、ずっと身体つきががっしりしており、顔立ちも精悍になっていた。全身から発せられる大人の男の色香にアデリナはたじろいだ。知らない間にカイは大人の男性になっていた。かつてアデリナと成績を争っていた少年は、もうどこにもいない。
「俺との結婚を嫌がる気持ちはよくわかる。だが、お前の感情は俺には関係ない。【畑替え】の不名誉を賜るのはごめんだからな。出世に響く」
カイの体重がゆっくりとアデリナに乗る。彼の唇がアデリナの細い首筋に触れると、彼女の背中はびくりと大きく震えた。身体の深いところから込みあげてくるこの感覚は……嫌悪なのか、恐怖なのか、恥じらいなのか、アデリナ自身にもよくわからない。
(――わかっていることはただひとつ。この男に弱みを見せることはできない)
アデリナはふんと、鼻で笑った。
「私の感情をあなたに気にしてもらう必要はない。そっちこそ、本心ではその腰の短剣を抜いて私の心臓に突き立てたいのでは?」
胸の上にあった彼の顔がおもむろに持ちあがり、至近距離で視線がぶつかる。カイは苦々しく唇の端だけで笑うと、腰の短剣を抜きその切っ先をアデリナへと向けた。彼女の白い頬に触れるか触れないかのところで彼は手を止める。
「あいかわらず、かわいげの欠片もない女だ」
「褒め言葉として受け取っておくわ」
カイは短剣を払い捨てた。カランと音を立てて短剣が床に転がる。彼はそこに視線を向けながら言い放つ。
「俺の感情もどうでもいい。俺たちはローゼンバルト帝国の貴族としての務めを果たさねばならない。それだけだ」
短剣とともに彼は自身の感情も捨てたのだろう。アデリナの頬に手を添えて、彼は短く告げた。
「俺は今夜からお前を抱く。お前が俺の子を孕むまで何度でもな」
彼はためらいを吹っ切ったようだった。アデリナもこれから起こる事態を受け入れる覚悟はできていた。神のさだめし婚姻は絶対で、逆らうことなど許されない。
アデリナはカイの妻になる、それは変えることのできない運命だ。
憎らしいほどに美しく整った彼の顔が落ちてくる。キスはしないだろう、そのアデリナの予想はどうやら外れだったようだ。カイの唇は想像していたものより、ずっと熱い。彼はやや強引に唇の隙間から舌を侵入させる。ざらりとしたそれがアデリナの口内を好き勝手に蹂躙する。アデリナにとって、これが人生初めてのキスだった。甘やかで淫靡な……初めて知る刺激にアデリナは翻弄された。
「ふうっ、んっ」
漏れ出る吐息さえも食い尽くすような勢いで、彼は角度を変えながら何度も唇を重ねた。
キスがこんなにも官能的なものだなんて、想定外だ。アデリナの頭は朦朧とし、思考が途絶えがちになる。自分の身体なのに、まるで知らない誰かのもののようだ。
「あっ、んっ」
媚を含んだような甘い声は、本当に自分の口から発せられたものなのだろうか。アデリナの唇からこぼれた銀糸をぺろりと舐め取ると、カイは満足げな笑みを浮かべた。
「少しは、その気になってきたか」
かぁっとアデリナの頬が赤く染まる。
「そ、その気になんて――」
なるはずがない。相手はカイだ、アデリナがこの世で一番憎む男。カイはアデリナの耳に舌を這わせながら、ささやくように言う。
「答える必要はない。この身体に聞く」
するりと胸元のリボンが解かれ、白い双丘があらわになる。カイの手によってあっという間にワンピースと下着がはぎ取られ、ひやりとした空気がアデリナの上半身に触れる。緊張で震えそうになる心と身体をアデリナは必死で抑え込んだ。
カイの前でただの女になってしまうのは嫌だった。やせ我慢でもなんでも、毅然としていたかった。だが、アデリナのその矜持を彼はめちゃくちゃに打ち砕いていく。
カイの大きな手が焦らすようにアデリナの胸をなぶる。薄紅色の果実に触れ、ぴんと弾かれると、アデリナの背中は大きくしなった。片方は指先で転がされ、もう一方は彼の熱い唇に吸われる。湿った水音がアデリナの耳を刺激し、彼女の唇からはしたない嬌声が漏れた。
「ひあっ」
「声は、悪くないな」
カイはアデリナの耳たぶを食み、耳孔を舌でくすぐる。
「くすぐったいっ、からやめっ――」
身をよじって逃れようとするアデリナの身体を押さえつけながら、彼は薄く笑う。
「くすぐったい、だけじゃないだろう」
さきほどよりもぷっくりと膨れた頂を彼の指先がきゅっとつまむ。嗜虐的な笑みを浮かべて、カイはささやく。
「認めろ。俺の手でも、お前の身体はちゃんと反応してる」
悔しいが、彼の言うとおりだった。体内から湧きあがるような疼きをアデリナは確かに感じていた。屈辱と羞恥にアデリナの顔はゆがみ、美しい薄青の瞳は涙でぬれた。
カイの指がアデリナの唇をなぞる。指先はゆっくりと唇を割ってなかに侵入してくる。舌先に彼の男らしい関節が触れる。ただそれだけのことがやけに淫靡に感じられて、アデリナの体温は急激に上昇した。身体の中心が切なく疼く。頭が真っ白になり、理性が崩れていく。
「しゃぶれ」
「あっ」
なぜ、従ってしまうのかわからない。彼の艶めいた声に操られているかのように、アデリナは彼の指先に舌を這わせた。ちゅっと音を立てて、絡め取る。
「アデリナ」
まっすぐにアデリナを見おろすその瞳はこれまで見たことのなかった熱をはらんでいた。どちらからともなく……いや、目をつむりそれをねだったのはアデリナのほうだったかもしれない。カイは指先を外すと、物欲しげに震えるアデリナの唇に自身の唇を重ねた。激しく舌が絡み合う。背中がきしむほど強く彼に抱き締められ、アデリナは思わず彼の背中に爪を立てた。
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