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序章2
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彼の言葉にアデリナは子どもがするようにイヤイヤと首を振った。
「これでもか?」
艶めいた声で言って、カイはゆっくりと頭をおろしていく。下腹部に唇を這わせ、守るものが白い薄布だけになった秘部を指先でなぞる。誰にも触れられたことのない場所にカイが触れている。そう思うと泣きたくなった。
(どうして、なんで、カイなのよ)
だが、心とは裏腹にアデリナのそこはしっとりと湿り気を帯びていく。その変化がたまらなく恥ずかしくて、アデリナは必死にカイの頭を押しのけようとする。
「もう、やめっ」
くいと顔をあげた彼と目が合う。
「これは、お前のためだ」
辱めでしかないこの行為がなぜ自分のためなのか、アデリナにはわからない。男女の行為の深いところなど彼女はまだなにも知らないのだ。カイは薄く笑って続ける。
「痛みに泣き叫ぶお前を無理やり犯すのも一興といえば一興だが……子を成すという目的が果たせなくなると困るからな」
「い、いやっ」
アデリナの制止などまるで無視して、カイは薄布の隙間から舌を差し入れる。びくりと震えた彼女の膝が開いたのを見逃さず、さらに深く攻め立てた。ざらりとした未知の感触、恐怖のなかにかすかな快楽の波が寄せる。
「ふっ、うんっ」
カイの舌がとろりとあふれる蜜を舐め取る。
「や、やだ。いや!」
子どものようにアデリナは叫ぶ。だが、カイは容赦なく攻め続け、卑猥な水音を大きく響かせる。カイは満足そうに笑う。
「身体は素直だな。ほら、俺が欲しいと言ってみろよ」
そう言われても、アデリナの唇からこぼれるのは甘い喘ぎばかりでもう言葉にはならなかった。
「あっ、はぁ」
熱に浮かされたようで、なにも考えることなどできない。カイはアデリナの身体を反転させると、後ろからゆっくりと腰を沈めようとする。
後ろ向きにされた理由は明白だろう。
(きっと顔を見たくないから……)
そう考えた瞬間、心の深いところがちくりと痛んだような気がした。だが、そんな小さな痛みは、下腹部を襲う痛烈な衝動にかき消された。アデリナは「うっ」とうめいて、顔をしかめる。カイの熱くたぎったものが、めりめりとアデリナの身体を破ろうとしている。
(――む、無理よ。こんなのっ)
受け入れられる気がしない。だが、彼に弱音を吐くのは死んでもごめんだ。アデリナはきつく唇をかみ締め、痛みに耐える。
「ふっ、ふぅ」
その様子に気がついたカイはためらうようにぴくりと腰を止めた。彼に気遣われた、その事実はアデリナにとって喜びではなく屈辱だ。アデリナは浅く息を吐きながら背中で彼に告げる。
「続けて、平気だから」
「俺の指をかみちぎってもいい」
言って、彼はアデリナの口に指先をあてがう。彼女がそれをくわえたのを確認すると、カイはもう一度アデリナに覆いかぶさる。
「一気にいったほうが楽だ、少し我慢しろ」
らしくもない優しい声でささやくと、ひと息に彼女を貫いた。
目の前がチカチカする。カイに埋め尽くされるような感覚にアデリナはおののく。それに、さきほどとは比べ物にならないほど激しい痛み。本人の許可がおりているのだ、アデリナは遠慮なく彼の指をかみ締め、シーツを握り締めて激痛を逃す。
「もう少しだ、すぐによくなる」
その言葉のとおり少しずつ苦痛は薄れていき、代わりに快楽の波が押し寄せてきた。
アデリナの漏らす声が甘く柔らかく変化したのを見て、カイはふっと頬を緩める。アデリナの手に手を重ね、指先を絡める。彼女の背中にそっとキスを落し、アデリナの快感を探るように彼女を揺さぶった。
「やっ、そんなふうに優しくしないで……」
カイに気遣われ、尽くされるのなんてまっぴらごめんだ。
「激しいのが好みなのか? わかった」
腰の動きを早めようとするカイをアデリナは慌てて止める。
「ち、ちがっ」
カイは一度腰を引くと、アデリナの身体を抱き起す。裸のまま座って、向き合う形になる。
彼は視線を落とすと、吐き出すように言った。
「この行為に面倒な感情は不要だ。捨てろ、俺もそうするから」
アデリナは言葉を詰まらせた。感情を捨てる、それはつまり彼への憎しみをこのときだけは、忘れろということだろうか。
そんなことができるだろうか、アデリナ・ミュラーとカイ・オーギュストは互いを殺したいほど憎み合っているというのに。
彼は、アデリナの父と姉の仇の息子だ。そして、アデリナの父は彼の敬愛する兄を殺した。家族の仇、ふたりの間にある感情は恨みと憎しみだけなのだ。
「心配ない。余計なことはなにも考えられなくしてやるから。来いよ」
カイはアデリナを膝の上に乗せ、もう一度深く貫いた。
「ひあっ」
さっきは後ろ向きにされたことに胸が痛んだが、やはりそちらに戻してほしいとアデリナは切実に願った。繋がったまま顔を合わせるのは、とんでもなく恥ずかしい。快感に溺れるこの顔を彼には見られたくないと思うのに、カイはアデリナを快楽の渦に堕としていく。
ぴんととがって存在を主張する頂にカイは甘くかみつく。もう片方のそれを指で弾き、アデリナが背中をのけ反らせるのに合わせて腰を突きあげた。
「あん、やぁ」
カイはアデリナの快楽のツボを見つけると執拗に責め続ける。がくがくと腰を震わせ、アデリナは力なく彼の肩に頭を埋める。
「そうだ。お前はただ俺によがっていればいい」
カイに与えられる絶え間ない快楽にアデリナは狂っていく。頭のなかで何度も火花が弾ける。彼の熱が注がれるその瞬間、アデリナはとうとう意識を手放してしまった。
「これでもか?」
艶めいた声で言って、カイはゆっくりと頭をおろしていく。下腹部に唇を這わせ、守るものが白い薄布だけになった秘部を指先でなぞる。誰にも触れられたことのない場所にカイが触れている。そう思うと泣きたくなった。
(どうして、なんで、カイなのよ)
だが、心とは裏腹にアデリナのそこはしっとりと湿り気を帯びていく。その変化がたまらなく恥ずかしくて、アデリナは必死にカイの頭を押しのけようとする。
「もう、やめっ」
くいと顔をあげた彼と目が合う。
「これは、お前のためだ」
辱めでしかないこの行為がなぜ自分のためなのか、アデリナにはわからない。男女の行為の深いところなど彼女はまだなにも知らないのだ。カイは薄く笑って続ける。
「痛みに泣き叫ぶお前を無理やり犯すのも一興といえば一興だが……子を成すという目的が果たせなくなると困るからな」
「い、いやっ」
アデリナの制止などまるで無視して、カイは薄布の隙間から舌を差し入れる。びくりと震えた彼女の膝が開いたのを見逃さず、さらに深く攻め立てた。ざらりとした未知の感触、恐怖のなかにかすかな快楽の波が寄せる。
「ふっ、うんっ」
カイの舌がとろりとあふれる蜜を舐め取る。
「や、やだ。いや!」
子どものようにアデリナは叫ぶ。だが、カイは容赦なく攻め続け、卑猥な水音を大きく響かせる。カイは満足そうに笑う。
「身体は素直だな。ほら、俺が欲しいと言ってみろよ」
そう言われても、アデリナの唇からこぼれるのは甘い喘ぎばかりでもう言葉にはならなかった。
「あっ、はぁ」
熱に浮かされたようで、なにも考えることなどできない。カイはアデリナの身体を反転させると、後ろからゆっくりと腰を沈めようとする。
後ろ向きにされた理由は明白だろう。
(きっと顔を見たくないから……)
そう考えた瞬間、心の深いところがちくりと痛んだような気がした。だが、そんな小さな痛みは、下腹部を襲う痛烈な衝動にかき消された。アデリナは「うっ」とうめいて、顔をしかめる。カイの熱くたぎったものが、めりめりとアデリナの身体を破ろうとしている。
(――む、無理よ。こんなのっ)
受け入れられる気がしない。だが、彼に弱音を吐くのは死んでもごめんだ。アデリナはきつく唇をかみ締め、痛みに耐える。
「ふっ、ふぅ」
その様子に気がついたカイはためらうようにぴくりと腰を止めた。彼に気遣われた、その事実はアデリナにとって喜びではなく屈辱だ。アデリナは浅く息を吐きながら背中で彼に告げる。
「続けて、平気だから」
「俺の指をかみちぎってもいい」
言って、彼はアデリナの口に指先をあてがう。彼女がそれをくわえたのを確認すると、カイはもう一度アデリナに覆いかぶさる。
「一気にいったほうが楽だ、少し我慢しろ」
らしくもない優しい声でささやくと、ひと息に彼女を貫いた。
目の前がチカチカする。カイに埋め尽くされるような感覚にアデリナはおののく。それに、さきほどとは比べ物にならないほど激しい痛み。本人の許可がおりているのだ、アデリナは遠慮なく彼の指をかみ締め、シーツを握り締めて激痛を逃す。
「もう少しだ、すぐによくなる」
その言葉のとおり少しずつ苦痛は薄れていき、代わりに快楽の波が押し寄せてきた。
アデリナの漏らす声が甘く柔らかく変化したのを見て、カイはふっと頬を緩める。アデリナの手に手を重ね、指先を絡める。彼女の背中にそっとキスを落し、アデリナの快感を探るように彼女を揺さぶった。
「やっ、そんなふうに優しくしないで……」
カイに気遣われ、尽くされるのなんてまっぴらごめんだ。
「激しいのが好みなのか? わかった」
腰の動きを早めようとするカイをアデリナは慌てて止める。
「ち、ちがっ」
カイは一度腰を引くと、アデリナの身体を抱き起す。裸のまま座って、向き合う形になる。
彼は視線を落とすと、吐き出すように言った。
「この行為に面倒な感情は不要だ。捨てろ、俺もそうするから」
アデリナは言葉を詰まらせた。感情を捨てる、それはつまり彼への憎しみをこのときだけは、忘れろということだろうか。
そんなことができるだろうか、アデリナ・ミュラーとカイ・オーギュストは互いを殺したいほど憎み合っているというのに。
彼は、アデリナの父と姉の仇の息子だ。そして、アデリナの父は彼の敬愛する兄を殺した。家族の仇、ふたりの間にある感情は恨みと憎しみだけなのだ。
「心配ない。余計なことはなにも考えられなくしてやるから。来いよ」
カイはアデリナを膝の上に乗せ、もう一度深く貫いた。
「ひあっ」
さっきは後ろ向きにされたことに胸が痛んだが、やはりそちらに戻してほしいとアデリナは切実に願った。繋がったまま顔を合わせるのは、とんでもなく恥ずかしい。快感に溺れるこの顔を彼には見られたくないと思うのに、カイはアデリナを快楽の渦に堕としていく。
ぴんととがって存在を主張する頂にカイは甘くかみつく。もう片方のそれを指で弾き、アデリナが背中をのけ反らせるのに合わせて腰を突きあげた。
「あん、やぁ」
カイはアデリナの快楽のツボを見つけると執拗に責め続ける。がくがくと腰を震わせ、アデリナは力なく彼の肩に頭を埋める。
「そうだ。お前はただ俺によがっていればいい」
カイに与えられる絶え間ない快楽にアデリナは狂っていく。頭のなかで何度も火花が弾ける。彼の熱が注がれるその瞬間、アデリナはとうとう意識を手放してしまった。
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