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7「同窓会」
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7「同窓会」
十二月の中頃、シリパの会に珍しい訪問者二人が顔を出した。
ケイスケと蛯子であった。
「こんにちは」ナベが出た。
「あっはい! いらっしゃいませ」
「蛯子と申しますが、京子ちゃんおりますか?」奥から声がした。
「蛯子かい?」
「そうで~す。 蛯子です」
「ナベさん、今、留守って言って帰えってもらって……」
聞いていた会の全員が笑った。 奥から京子が出てきた。
「なに? 詐欺師蛯子。 あんたが来るといいことないからね」
「京子ちゃん相変わらずだな、もう時効だよ……」
「なに、蛯子その馴れ馴れしい態度は…… で、二人揃ってどうかしたの?」
ケイスケが「今度、札幌のホテルで中学校の同窓会を予定してるんだ」
「良かったじゃない。それで?」
「それで、京子ちゃんに幹事やってほしいんだ」
「良いよ。但し仕事優先だからね。 それでいいならここに出欠のハガキ集まるようにしておいてよ。
あとは誰が幹事?」
「僕達二人とハマさんの四人」
「ハマさんか懐かしいね。 今、彼女はなにしてるのさ?」
「結婚して小樽で美装屋さんで働いてるって」
「そっか…… うん、了解したよ」
同窓会がジャスマックプラザで開催された。 総勢八十五名の会だった。
ケンタと京子は雛壇に立たされ、結婚を全員に祝福された。
「ありがとうございます」ケンタがお礼を言った。
その横では京子が目を険しくしてある一点を視ていた。
ケンタが「どうかした……?」と言いながら寄ってきた。
「ケンタ、あのマサコの左横視て」
ケンタにはすぐ意味が解った。
「あいつ確か……」
「そう、B組のケンジよ、間違いない」
「あいつ3年前に車の事故で死んだはず。 どうしたんだろ? いいから、ほっておこうよ」
京子は渋い顔で「うん解った」
ハルミが京子の横に来た「京子ちゃんおめでとう」
「ありがとう、近場で手を打ったわよ」
「ほんと、でもみんなはそうなるって思ってたよ」
「そうなんだ。ところで話し変わるけど、ハルミはB組よね。
死んだケンジとマサコってなにかあった?」
「京子知らないの?」
「うん知らない……」
「あの二人結婚寸前だったらしいのよ。 それであの事故でしょ、
一時はマサコが落ち込んでしまい自殺未遂までしたとか。 それ以上の詳しいこと知らないけど
今日は久々に見たわよ」
「フ~~ん」
蛯子とケンタが近づいてきた。
「よっ、京子ちゃん飲んでるかい?」
「飲んでるわよ。 詐欺師蛯子今日はお疲れさん」
「あんたもまともに挨拶出来るんじゃない」
「京子ちゃん、ケンタは?」ケイスケが聞いた。
「ケンタ? 知らないわよ。 戻ったらなにか伝えておく?」
「いや、俺たちで探すよ」
京子はマサコの横にいるケンジがやはり気になった。
会場を見渡すと、なんとケンタがマサコと話しをしていた。
その上からケンジがケンタを睨んでいた。 ケンタ本人もその事は知っていた。
京子が近寄った。
ケンタが京子に向かって「ちょっとマサコちゃんと京子話してくれる? 僕トイレに行くから」
どういう訳かケンジもケンタのあとを着いていった。 ケンタは声にならない声でケンジと話を始めた。
「なんで彼女に付きまとう?」
「マサコは俺の嫁だ。 俺が何しようがオメエに関係ねえ」
「そうはいかない。 彼女が苦しんでる。 解放してやれよ」
「オメエに関係ねえ」
「ケンジは死んだんだ。 マサコちゃんと住む世界が違うんだ。 冷静に思いだしてみろよ」
「おれはこうしてここにいる。それにしてもお前誰だ? うるせえ野郎だな」
「俺はお前のこと知ってるぞ。 ケンジっていうんだよ」
「ケンジ?ケンジ? どっかで聞いたことある? けど関係ねえ」
ケンタはポケットから石を出した。
石は急に光り始めた。 ケンジは何かを思い出したようにじっとしていた。
そして突然柔和な顔になり自分のガイドと消えた。
「ありがとう」ケンタにと伝わってきた。
ケンタが会場に戻ると京子とマサコがにこやかに話していた。
京子が「お疲れさん。 マサコのガイドから聞いたわ、お礼言われたわよ。
マサコも急に顔色が良くなったわ」
会場内では蛯子が酒を飲み過ぎたらしく鼻水を垂らして寝ていた。
十二月の中頃、シリパの会に珍しい訪問者二人が顔を出した。
ケイスケと蛯子であった。
「こんにちは」ナベが出た。
「あっはい! いらっしゃいませ」
「蛯子と申しますが、京子ちゃんおりますか?」奥から声がした。
「蛯子かい?」
「そうで~す。 蛯子です」
「ナベさん、今、留守って言って帰えってもらって……」
聞いていた会の全員が笑った。 奥から京子が出てきた。
「なに? 詐欺師蛯子。 あんたが来るといいことないからね」
「京子ちゃん相変わらずだな、もう時効だよ……」
「なに、蛯子その馴れ馴れしい態度は…… で、二人揃ってどうかしたの?」
ケイスケが「今度、札幌のホテルで中学校の同窓会を予定してるんだ」
「良かったじゃない。それで?」
「それで、京子ちゃんに幹事やってほしいんだ」
「良いよ。但し仕事優先だからね。 それでいいならここに出欠のハガキ集まるようにしておいてよ。
あとは誰が幹事?」
「僕達二人とハマさんの四人」
「ハマさんか懐かしいね。 今、彼女はなにしてるのさ?」
「結婚して小樽で美装屋さんで働いてるって」
「そっか…… うん、了解したよ」
同窓会がジャスマックプラザで開催された。 総勢八十五名の会だった。
ケンタと京子は雛壇に立たされ、結婚を全員に祝福された。
「ありがとうございます」ケンタがお礼を言った。
その横では京子が目を険しくしてある一点を視ていた。
ケンタが「どうかした……?」と言いながら寄ってきた。
「ケンタ、あのマサコの左横視て」
ケンタにはすぐ意味が解った。
「あいつ確か……」
「そう、B組のケンジよ、間違いない」
「あいつ3年前に車の事故で死んだはず。 どうしたんだろ? いいから、ほっておこうよ」
京子は渋い顔で「うん解った」
ハルミが京子の横に来た「京子ちゃんおめでとう」
「ありがとう、近場で手を打ったわよ」
「ほんと、でもみんなはそうなるって思ってたよ」
「そうなんだ。ところで話し変わるけど、ハルミはB組よね。
死んだケンジとマサコってなにかあった?」
「京子知らないの?」
「うん知らない……」
「あの二人結婚寸前だったらしいのよ。 それであの事故でしょ、
一時はマサコが落ち込んでしまい自殺未遂までしたとか。 それ以上の詳しいこと知らないけど
今日は久々に見たわよ」
「フ~~ん」
蛯子とケンタが近づいてきた。
「よっ、京子ちゃん飲んでるかい?」
「飲んでるわよ。 詐欺師蛯子今日はお疲れさん」
「あんたもまともに挨拶出来るんじゃない」
「京子ちゃん、ケンタは?」ケイスケが聞いた。
「ケンタ? 知らないわよ。 戻ったらなにか伝えておく?」
「いや、俺たちで探すよ」
京子はマサコの横にいるケンジがやはり気になった。
会場を見渡すと、なんとケンタがマサコと話しをしていた。
その上からケンジがケンタを睨んでいた。 ケンタ本人もその事は知っていた。
京子が近寄った。
ケンタが京子に向かって「ちょっとマサコちゃんと京子話してくれる? 僕トイレに行くから」
どういう訳かケンジもケンタのあとを着いていった。 ケンタは声にならない声でケンジと話を始めた。
「なんで彼女に付きまとう?」
「マサコは俺の嫁だ。 俺が何しようがオメエに関係ねえ」
「そうはいかない。 彼女が苦しんでる。 解放してやれよ」
「オメエに関係ねえ」
「ケンジは死んだんだ。 マサコちゃんと住む世界が違うんだ。 冷静に思いだしてみろよ」
「おれはこうしてここにいる。それにしてもお前誰だ? うるせえ野郎だな」
「俺はお前のこと知ってるぞ。 ケンジっていうんだよ」
「ケンジ?ケンジ? どっかで聞いたことある? けど関係ねえ」
ケンタはポケットから石を出した。
石は急に光り始めた。 ケンジは何かを思い出したようにじっとしていた。
そして突然柔和な顔になり自分のガイドと消えた。
「ありがとう」ケンタにと伝わってきた。
ケンタが会場に戻ると京子とマサコがにこやかに話していた。
京子が「お疲れさん。 マサコのガイドから聞いたわ、お礼言われたわよ。
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会場内では蛯子が酒を飲み過ぎたらしく鼻水を垂らして寝ていた。
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