続・不思議な黒石(二風谷の妖精) 全13作

當宮秀樹

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7「同窓会」

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7「同窓会」

 十二月の中頃、シリパの会に珍しい訪問者二人が顔を出した。 
ケイスケと蛯子であった。  

「こんにちは」ナベが出た。

「あっはい! いらっしゃいませ」 

「蛯子と申しますが、京子ちゃんおりますか?」奥から声がした。 

「蛯子かい?」 

「そうで~す。 蛯子です」

「ナベさん、今、留守って言って帰えってもらって……」

聞いていた会の全員が笑った。 奥から京子が出てきた。

「なに? 詐欺師蛯子。 あんたが来るといいことないからね」

「京子ちゃん相変わらずだな、もう時効だよ……」 

「なに、蛯子その馴れ馴れしい態度は…… で、二人揃ってどうかしたの?」  

ケイスケが「今度、札幌のホテルで中学校の同窓会を予定してるんだ」 

「良かったじゃない。それで?」 

「それで、京子ちゃんに幹事やってほしいんだ」 

「良いよ。但し仕事優先だからね。 それでいいならここに出欠のハガキ集まるようにしておいてよ。 
あとは誰が幹事?」

「僕達二人とハマさんの四人」  

「ハマさんか懐かしいね。 今、彼女はなにしてるのさ?」 

「結婚して小樽で美装屋さんで働いてるって」 

「そっか…… うん、了解したよ」 

同窓会がジャスマックプラザで開催された。 総勢八十五名の会だった。 

ケンタと京子は雛壇に立たされ、結婚を全員に祝福された。

「ありがとうございます」ケンタがお礼を言った。 

その横では京子が目を険しくしてある一点を視ていた。 

ケンタが「どうかした……?」と言いながら寄ってきた。  

「ケンタ、あのマサコの左横視て」  

ケンタにはすぐ意味が解った。

「あいつ確か……」

「そう、B組のケンジよ、間違いない」 

「あいつ3年前に車の事故で死んだはず。 どうしたんだろ? いいから、ほっておこうよ」 

京子は渋い顔で「うん解った」

ハルミが京子の横に来た「京子ちゃんおめでとう」 

「ありがとう、近場で手を打ったわよ」 

「ほんと、でもみんなはそうなるって思ってたよ」 

「そうなんだ。ところで話し変わるけど、ハルミはB組よね。 
死んだケンジとマサコってなにかあった?」 

「京子知らないの?」

「うん知らない……」

「あの二人結婚寸前だったらしいのよ。 それであの事故でしょ、
一時はマサコが落ち込んでしまい自殺未遂までしたとか。 それ以上の詳しいこと知らないけど
今日は久々に見たわよ」 

「フ~~ん」  

蛯子とケンタが近づいてきた。

「よっ、京子ちゃん飲んでるかい?」 

「飲んでるわよ。 詐欺師蛯子今日はお疲れさん」 

「あんたもまともに挨拶出来るんじゃない」

「京子ちゃん、ケンタは?」ケイスケが聞いた。 

「ケンタ? 知らないわよ。 戻ったらなにか伝えておく?」 

「いや、俺たちで探すよ」

京子はマサコの横にいるケンジがやはり気になった。

会場を見渡すと、なんとケンタがマサコと話しをしていた。 
その上からケンジがケンタを睨んでいた。 ケンタ本人もその事は知っていた。 

京子が近寄った。 

ケンタが京子に向かって「ちょっとマサコちゃんと京子話してくれる? 僕トイレに行くから」  

どういう訳かケンジもケンタのあとを着いていった。 ケンタは声にならない声でケンジと話を始めた。

「なんで彼女に付きまとう?」 

「マサコは俺の嫁だ。 俺が何しようがオメエに関係ねえ」 

「そうはいかない。 彼女が苦しんでる。 解放してやれよ」 

「オメエに関係ねえ」 

「ケンジは死んだんだ。 マサコちゃんと住む世界が違うんだ。 冷静に思いだしてみろよ」

「おれはこうしてここにいる。それにしてもお前誰だ? うるせえ野郎だな」 

「俺はお前のこと知ってるぞ。 ケンジっていうんだよ」 

「ケンジ?ケンジ? どっかで聞いたことある? けど関係ねえ」

ケンタはポケットから石を出した。

石は急に光り始めた。 ケンジは何かを思い出したようにじっとしていた。 
そして突然柔和な顔になり自分のガイドと消えた。

「ありがとう」ケンタにと伝わってきた。 

ケンタが会場に戻ると京子とマサコがにこやかに話していた。 

京子が「お疲れさん。 マサコのガイドから聞いたわ、お礼言われたわよ。 
マサコも急に顔色が良くなったわ」

会場内では蛯子が酒を飲み過ぎたらしく鼻水を垂らして寝ていた。
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