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三「Ryo」
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三「Ryo」
三人は土曜の夕方、大通りのアサヒビールの会場で空席を探していた。
会場内で彼女たち三人に手を振る女性を目にした。
それに気がついた大越が「あっあれ、……? 森ちゃん、あれ……」
二人も指さすほうを見ろと同時に「ウソッ!」
そう、三人の視線の先には今しがた別れた宮内が、ジョッキー片手に満面の
笑みを浮かべて大きく手を振っていた。
大越が近寄り「宮内さんいらしてたんですか?」
「そう、帰ろうと思いそこの前を歩いていたら、足が勝手にこちらに誘導するのよ、
気がついたらジョッキーを持ってたというわけ…フフ」
四人は仕事を離れ二時間ほどビールと戯れた。
別れ際大越が「宮内さん、今日はとっても充実した一日になりました。
あなたは本当に貴重な体験をなさいました。 その貴重な体験を是非読者に伝えたいと思います。
明日は限られた時間ですけどよろしくお願いいたします。 今日はありがとうございました」
「いいえこちらこそ田舎者の拙い話しかたで恐縮してます。
明日もわたしの戯言にお付き合いください。 今日はありがとうございました。」
森田には札幌テレビ塔上空の月も、なんとなくほろ酔い気分のように思えた。
すずめが鳴いて すずめを生き
石ころが鳴いて 石ころを生きる
宮内が「昨日はごちそうさまでした。 楽しい時間を与えていただき感謝します。
ありがとうございました」
大越が「こちらこそ、宮内さんと知り合うことが出来て嬉しいです。
仕事を離れて楽しい時間を共有でき幸せです。 ありがとうございました」
森田が「ご苦労様でした。 とっても楽しいお酒でした。
大通りビアガーデン最高ですね、あんな美味しいビール初めてです。
また機会があったら行きたいです」
宮内が「よかった、因みにあれはチャリティーのイベントなんですよ。
長い歴史があるみたいです」
森田が「そうなんですか……もっと飲んでおけばよかった」
部屋は昨日のビアガーデンの時のように和んだ。
大越が「早速ですが今日、私たち帰省します。 昨日話された三人の詳細をお聞かせください」
宮内が「はい、ではRyoさんから話しますね、もう四十年も前なので
多少話しが前後するかもしれませんが勘弁して下さい……
あれは、私が二十一歳のころです。
昨日話したように友人がRyoの自宅に連れて行ってくれました。
部屋には既に五人ほどの若者が座っておりました。
Ryoと面識がない私はジッと部屋の雰囲気を確認しながらRyoは誰なのか観察してました。
薄暗い部屋を包む、香の臭いが心地よく感じられました。
すると一人のインドの服を着た細身の髪が長い男性が現れたのです。そうRyoさんです。
男性の雰囲気からすぐわかりました。
『待たせたね!』第一声でした。 Ryoは先に来ていた若者の質問に的確に
答え二十分ほどして私の番がきました。 『君、なにか聞きたいことは?』
私は、自分が知りたいです。自分を知るにはどうすればいいですか?
『きみ、生年月日は?』
「三十二年四月十六日です」
Ryoは初めての人をみる時に生年月日を聞くんです。
生年月日に意味があるのではなく、ふだん名前を聞かれる行為は即答できます。
考えずに頭の表面だけで答えるからです。
でも生年月日はあまり聞かれ慣れてないので、一度意識を奧に向けるんです。
その時にRyoが一緒に意識に入り込み相談者を透視するようです。
Ryoは軽い笑みを浮かべながら『悟れ!悟ればわかる』返答でした。
私は速攻で「悟るにはどうしたら良いですか?」そしてここからが衝撃的なことが私に起こったの、
私はRyoの目をジッと凝視したのお互い沈黙が走ったわ。
Ryoは軽く笑みを浮かべ『お帰り』そういったの……その時の私はまったく意味がわからなかった。
Ryoが『お寺を幾つも廻ったのかい? 真面目に座ってたんだね!
もう大丈夫だよ、ここに帰ってきたからお帰り……』私はお寺を廻ったことなど、
ひと言も云いってないのに彼には解っていました。
今度はいきなり『君…… 堅いよ、マリファナでも吸ってみるか?』
「はい」私は即答しました。
『よし、そっか、どこに置いたかな~』Ryoは部屋の棚の方に視線を向けていた。
『あっ!切らしてたごめん』
これは後で解ったことなんだけど、Ryoは私を試したということだったようです」
大越が「なにを試すのですか? そのへん具体的にいいですか?」
「私の真剣度。 マリファナなんて初めから家にはないのよ、違法のマリファナを
吸って法を犯してまで、真理を知りたいのかどうか、私の真剣みを試したかった。
私に覚悟があるかどうかを試したかったのね……
又は、社会常識や既成概念に縛られている私を解き放したく思ったのかしらね。
私が簡単にハイと返事したもんだからRyo拍子抜けしたのかもしれない、ふふっ!
また、二人の間に多少の沈黙がまたあったの、Ryoの顔を凝視して直ぐだった。
一生涯忘れない、あれが起こったわ……
胸が急に熱くなりはじめ張り裂けそうになったの、そして呼吸が乱れ、頭が真っ白になった。
恍惚状態になったの。 どのくらいそうしたか定かでないけどRyoの視線は覚えてる。
その後、みんなが、なにを話したか全然覚えてないの、というよりその時の私、
正直みんなの話はもうどうでもいいことだった。 自分のことで精一杯。
とにかく早く帰宅して瞑想したい。 この感覚をひとりで味わいたい。
率直な感想でした。 帰り際にRyoが『いい夢視な! あしたの朝は明るいよ……』
そういってたのを覚えています。
たしかに翌朝は眩しい朝だった。 すべてが輝いてる、すべてが生きている、
すべて完璧だった。 木々や草、鳥もすべてがとにかく無条件で生きているの、
呼吸してるの…… 電車に乗ってもすべての人がみんな生きてる……
伝わってくる…… 嬉しさやワクワク感が止まない。 しばらくつづいたの一週間ぐらい。
でも、しだいに普通に戻り気がついたら頭の中が今度は真っ白。
五里霧中。 自分がどこにいるのか、なにをしたいのかさっぱりわからない。
全然問題がないの。 この世のことは正直どうでもよかった。
その状態は十数年続いたの、徐々に普通に馴染めてきたけど時間がかかった。
その間に会社の転勤で札幌市に戻り、今の主人と出会い結婚し子供を授かったの。
結婚生活はそれなりに楽しさも葛藤もあった……当然よね。
あっ、わたしごとでごめんなさい。 つい自分のことばかりですみません。
話しを戻すね、Ryoとはその後何度も会ったし、吉祥寺で彼行きつけの居酒屋で
酒を飲みにも何度か行ったのよ。
かれは酒が好きなの、なかなか酔わないけど酔った時のRyoも面白いのよ。
あなた達はRyoのそういうエピソードのほうが興味あるのかもね……?
本の字面は真面目な優等生だけどそれは彼のいち面だけど、それ以外はチョット変わったお兄さんね」
森田が「どっちも興味あります。 覚者としての彼と、人間としての彼も」
「彼はいつもすべてと同一線上なの、区別無いよ……
みんなに話してる時も、居酒屋で酒飲みながら話す時もみな同じ。
聞く側が勝手にシチュエーションで分けてるだけかも。
それとRyoのなにが聞きたいのか言っていただけると、
さっきみたいに脱線しないですみますが」
大越が「法話っていうか、みなさんに話されてる内容でこの辺は
Ryoさんらしい表現とか言いまわしってありますか?」
「はい、これはよく話していたことなんだけど、Ryoの言うことは
あくまで相談者個人に対してのその時に対して生きた言葉。
だからおなじ事を聞いても、人によって逆説めいたことを平気でいうの」
大越が「う~~ん? ……つまり?」
「その相談者にとって、今一番大事な言葉を的確に話す。
その時その人だけに必要な言葉をその人だけの為に語るの」
森田が「もっと噛みくだいてもらっていいですか?」
「相談者と関係ない人が彼の話をそのまま鵜呑みにしてはいけないということです。
今、必要なのはその相談者だからです。
その人の為だけに必要な言葉だから。
相談者個人にとって一般世間と逆説であっても、今本人に必要な言葉ならその逆説を
彼は平気でいうの、それがRyoさんなの」
森田「嘘も方便みたいな?」
「そう、そして彼には嘘なんていう意識は無いと思います」
森田が「また解らなくなりました」
「つまり、悟りを開いた人間は、善悪や社会常識などの概念は超越したところにあるの。
比べたり、比較したりっていう二元的な概念がないの囚われのない世界観。
ある意味で本当の自由。
最後に話すSさんは悟りを『鎖取』とか『差取』と表現していたの……
なるほど上手な表現と思ったよ」
森田が「とても解りやすいです。 すっきりです」
「Ryoはある時、彼女にたばこ買いに行くと言って、インドにフラッと行ったことあるの。
インドのどこかは忘れたけど水辺で景色を見て佇んでると、
遠くにRyoとまったく同じ人物を目撃したらしいの。
Ryoはすぐ声をかけてその存在を追いかけたらしいの、そしたらある寺院に入ったらしい。
後を追って中に入るとそこにヨギが座っての。
その方の上にある額に目をやるとその絵は伝説のヨギ、大聖ババジと呼ばれた存在で、
その人間から指導を受け、そこで修行をして、人間では最高のレベルに到達したと話してました。
そのへんになると正直わたしでは理解不能です」
大越は「興味ある話しですね、Ryoさんにお会いしたかったです」
「その後、私は不定期ですけど数度会いました。 その辺りからわたしは仕事で
大阪に転属され札幌に配置換えされて退社しました。
札幌からRyoさんとは電話で数度話しましたがお会いしてません。
知人の話だとRyoは都下のほうで活動をし、活動といっても話の解る
お兄さんていどのことで、彼には組織や団体を作る意思はなく、
晩年は自ら即身成仏したと噂されたみたいですが、当時を知る人とは付き合いが
ないものですから今となっては定かではありません。
ひと言でRyoさんを表現するなら「『戯れの自由人」でしょうか。
あくまでもわたしの評価です。 ごめんなさい彼を評価などとおこがましいです。
というのが率直な感想です。 わたしレベルで彼を評価しようとすると、
彼が小さく限定されるので、彼の著書も数冊ありますから是非購読されて下さい。 お勧めです」
大越が「ありがとうございました。
宮内さんも好い体験なさってるんですね勉強になります。
次は長崎のiさんのお話しをお願いできますか?」
三人は土曜の夕方、大通りのアサヒビールの会場で空席を探していた。
会場内で彼女たち三人に手を振る女性を目にした。
それに気がついた大越が「あっあれ、……? 森ちゃん、あれ……」
二人も指さすほうを見ろと同時に「ウソッ!」
そう、三人の視線の先には今しがた別れた宮内が、ジョッキー片手に満面の
笑みを浮かべて大きく手を振っていた。
大越が近寄り「宮内さんいらしてたんですか?」
「そう、帰ろうと思いそこの前を歩いていたら、足が勝手にこちらに誘導するのよ、
気がついたらジョッキーを持ってたというわけ…フフ」
四人は仕事を離れ二時間ほどビールと戯れた。
別れ際大越が「宮内さん、今日はとっても充実した一日になりました。
あなたは本当に貴重な体験をなさいました。 その貴重な体験を是非読者に伝えたいと思います。
明日は限られた時間ですけどよろしくお願いいたします。 今日はありがとうございました」
「いいえこちらこそ田舎者の拙い話しかたで恐縮してます。
明日もわたしの戯言にお付き合いください。 今日はありがとうございました。」
森田には札幌テレビ塔上空の月も、なんとなくほろ酔い気分のように思えた。
すずめが鳴いて すずめを生き
石ころが鳴いて 石ころを生きる
宮内が「昨日はごちそうさまでした。 楽しい時間を与えていただき感謝します。
ありがとうございました」
大越が「こちらこそ、宮内さんと知り合うことが出来て嬉しいです。
仕事を離れて楽しい時間を共有でき幸せです。 ありがとうございました」
森田が「ご苦労様でした。 とっても楽しいお酒でした。
大通りビアガーデン最高ですね、あんな美味しいビール初めてです。
また機会があったら行きたいです」
宮内が「よかった、因みにあれはチャリティーのイベントなんですよ。
長い歴史があるみたいです」
森田が「そうなんですか……もっと飲んでおけばよかった」
部屋は昨日のビアガーデンの時のように和んだ。
大越が「早速ですが今日、私たち帰省します。 昨日話された三人の詳細をお聞かせください」
宮内が「はい、ではRyoさんから話しますね、もう四十年も前なので
多少話しが前後するかもしれませんが勘弁して下さい……
あれは、私が二十一歳のころです。
昨日話したように友人がRyoの自宅に連れて行ってくれました。
部屋には既に五人ほどの若者が座っておりました。
Ryoと面識がない私はジッと部屋の雰囲気を確認しながらRyoは誰なのか観察してました。
薄暗い部屋を包む、香の臭いが心地よく感じられました。
すると一人のインドの服を着た細身の髪が長い男性が現れたのです。そうRyoさんです。
男性の雰囲気からすぐわかりました。
『待たせたね!』第一声でした。 Ryoは先に来ていた若者の質問に的確に
答え二十分ほどして私の番がきました。 『君、なにか聞きたいことは?』
私は、自分が知りたいです。自分を知るにはどうすればいいですか?
『きみ、生年月日は?』
「三十二年四月十六日です」
Ryoは初めての人をみる時に生年月日を聞くんです。
生年月日に意味があるのではなく、ふだん名前を聞かれる行為は即答できます。
考えずに頭の表面だけで答えるからです。
でも生年月日はあまり聞かれ慣れてないので、一度意識を奧に向けるんです。
その時にRyoが一緒に意識に入り込み相談者を透視するようです。
Ryoは軽い笑みを浮かべながら『悟れ!悟ればわかる』返答でした。
私は速攻で「悟るにはどうしたら良いですか?」そしてここからが衝撃的なことが私に起こったの、
私はRyoの目をジッと凝視したのお互い沈黙が走ったわ。
Ryoは軽く笑みを浮かべ『お帰り』そういったの……その時の私はまったく意味がわからなかった。
Ryoが『お寺を幾つも廻ったのかい? 真面目に座ってたんだね!
もう大丈夫だよ、ここに帰ってきたからお帰り……』私はお寺を廻ったことなど、
ひと言も云いってないのに彼には解っていました。
今度はいきなり『君…… 堅いよ、マリファナでも吸ってみるか?』
「はい」私は即答しました。
『よし、そっか、どこに置いたかな~』Ryoは部屋の棚の方に視線を向けていた。
『あっ!切らしてたごめん』
これは後で解ったことなんだけど、Ryoは私を試したということだったようです」
大越が「なにを試すのですか? そのへん具体的にいいですか?」
「私の真剣度。 マリファナなんて初めから家にはないのよ、違法のマリファナを
吸って法を犯してまで、真理を知りたいのかどうか、私の真剣みを試したかった。
私に覚悟があるかどうかを試したかったのね……
又は、社会常識や既成概念に縛られている私を解き放したく思ったのかしらね。
私が簡単にハイと返事したもんだからRyo拍子抜けしたのかもしれない、ふふっ!
また、二人の間に多少の沈黙がまたあったの、Ryoの顔を凝視して直ぐだった。
一生涯忘れない、あれが起こったわ……
胸が急に熱くなりはじめ張り裂けそうになったの、そして呼吸が乱れ、頭が真っ白になった。
恍惚状態になったの。 どのくらいそうしたか定かでないけどRyoの視線は覚えてる。
その後、みんなが、なにを話したか全然覚えてないの、というよりその時の私、
正直みんなの話はもうどうでもいいことだった。 自分のことで精一杯。
とにかく早く帰宅して瞑想したい。 この感覚をひとりで味わいたい。
率直な感想でした。 帰り際にRyoが『いい夢視な! あしたの朝は明るいよ……』
そういってたのを覚えています。
たしかに翌朝は眩しい朝だった。 すべてが輝いてる、すべてが生きている、
すべて完璧だった。 木々や草、鳥もすべてがとにかく無条件で生きているの、
呼吸してるの…… 電車に乗ってもすべての人がみんな生きてる……
伝わってくる…… 嬉しさやワクワク感が止まない。 しばらくつづいたの一週間ぐらい。
でも、しだいに普通に戻り気がついたら頭の中が今度は真っ白。
五里霧中。 自分がどこにいるのか、なにをしたいのかさっぱりわからない。
全然問題がないの。 この世のことは正直どうでもよかった。
その状態は十数年続いたの、徐々に普通に馴染めてきたけど時間がかかった。
その間に会社の転勤で札幌市に戻り、今の主人と出会い結婚し子供を授かったの。
結婚生活はそれなりに楽しさも葛藤もあった……当然よね。
あっ、わたしごとでごめんなさい。 つい自分のことばかりですみません。
話しを戻すね、Ryoとはその後何度も会ったし、吉祥寺で彼行きつけの居酒屋で
酒を飲みにも何度か行ったのよ。
かれは酒が好きなの、なかなか酔わないけど酔った時のRyoも面白いのよ。
あなた達はRyoのそういうエピソードのほうが興味あるのかもね……?
本の字面は真面目な優等生だけどそれは彼のいち面だけど、それ以外はチョット変わったお兄さんね」
森田が「どっちも興味あります。 覚者としての彼と、人間としての彼も」
「彼はいつもすべてと同一線上なの、区別無いよ……
みんなに話してる時も、居酒屋で酒飲みながら話す時もみな同じ。
聞く側が勝手にシチュエーションで分けてるだけかも。
それとRyoのなにが聞きたいのか言っていただけると、
さっきみたいに脱線しないですみますが」
大越が「法話っていうか、みなさんに話されてる内容でこの辺は
Ryoさんらしい表現とか言いまわしってありますか?」
「はい、これはよく話していたことなんだけど、Ryoの言うことは
あくまで相談者個人に対してのその時に対して生きた言葉。
だからおなじ事を聞いても、人によって逆説めいたことを平気でいうの」
大越が「う~~ん? ……つまり?」
「その相談者にとって、今一番大事な言葉を的確に話す。
その時その人だけに必要な言葉をその人だけの為に語るの」
森田が「もっと噛みくだいてもらっていいですか?」
「相談者と関係ない人が彼の話をそのまま鵜呑みにしてはいけないということです。
今、必要なのはその相談者だからです。
その人の為だけに必要な言葉だから。
相談者個人にとって一般世間と逆説であっても、今本人に必要な言葉ならその逆説を
彼は平気でいうの、それがRyoさんなの」
森田「嘘も方便みたいな?」
「そう、そして彼には嘘なんていう意識は無いと思います」
森田が「また解らなくなりました」
「つまり、悟りを開いた人間は、善悪や社会常識などの概念は超越したところにあるの。
比べたり、比較したりっていう二元的な概念がないの囚われのない世界観。
ある意味で本当の自由。
最後に話すSさんは悟りを『鎖取』とか『差取』と表現していたの……
なるほど上手な表現と思ったよ」
森田が「とても解りやすいです。 すっきりです」
「Ryoはある時、彼女にたばこ買いに行くと言って、インドにフラッと行ったことあるの。
インドのどこかは忘れたけど水辺で景色を見て佇んでると、
遠くにRyoとまったく同じ人物を目撃したらしいの。
Ryoはすぐ声をかけてその存在を追いかけたらしいの、そしたらある寺院に入ったらしい。
後を追って中に入るとそこにヨギが座っての。
その方の上にある額に目をやるとその絵は伝説のヨギ、大聖ババジと呼ばれた存在で、
その人間から指導を受け、そこで修行をして、人間では最高のレベルに到達したと話してました。
そのへんになると正直わたしでは理解不能です」
大越は「興味ある話しですね、Ryoさんにお会いしたかったです」
「その後、私は不定期ですけど数度会いました。 その辺りからわたしは仕事で
大阪に転属され札幌に配置換えされて退社しました。
札幌からRyoさんとは電話で数度話しましたがお会いしてません。
知人の話だとRyoは都下のほうで活動をし、活動といっても話の解る
お兄さんていどのことで、彼には組織や団体を作る意思はなく、
晩年は自ら即身成仏したと噂されたみたいですが、当時を知る人とは付き合いが
ないものですから今となっては定かではありません。
ひと言でRyoさんを表現するなら「『戯れの自由人」でしょうか。
あくまでもわたしの評価です。 ごめんなさい彼を評価などとおこがましいです。
というのが率直な感想です。 わたしレベルで彼を評価しようとすると、
彼が小さく限定されるので、彼の著書も数冊ありますから是非購読されて下さい。 お勧めです」
大越が「ありがとうございました。
宮内さんも好い体験なさってるんですね勉強になります。
次は長崎のiさんのお話しをお願いできますか?」
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